( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

902:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:50:07.58 ID:3w3Ou4u30
('A`)「ナースとはいやしのしょうちょうである。なのにエロい。やつはばけものか」

あらら、じこしゅちょうをはじめてしまいましたよ。

まず、エロいとしているのはじぶんだということをわかってほしいですね。

まあ、ナースがエロいのはばんこくきょうつうでしょうけど。

('A`)「スク水はげんきなイメージがある。なのにエロい。かてるきがしねぇ」

もうそうをたれながすとは、このことですね。

この国は、きっとながくないでしょう。

まあ、スク水がエロいのはいっぱんじょうしきだろうけど。

そんな王さま、ここであることをひらめきました。

903:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:51:00.01 ID:3w3Ou4u30
('A`)「ティンときた! ふたつあわせればいいんじゃね?」

おまえ、てんさいじゃね。

('A`)「スク水のうえに、ナースふくをきれば……」

ほうほう、それでそれで。

(;'A`)「あ、スク水が見れないじゃん……」

もうだめだ、こいつ。


このお話からわかること
「二兎を追うものは一兎をも得ず」



904:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:51:51.30 ID:3w3Ou4u30
二十年前

  ノ
 ('ー`)「ダンシンオールナイッ!」
 ( (7
 < ヽ

( ^ω^)「ほぎゃあ、ほぎゃあ」


十五年前

  ノ
 ('ー`)「時には娼婦のようにぃ〜♪」
 ( (7
 < ヽ

( ^ω^)「ママ、それなんだお?」

905:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:52:42.38 ID:3w3Ou4u30
十年前

  ノ
 ('ー`)「やめてぇ〜♪ 愛してないなら〜♪」
 ( (7
 < ヽ

(;^ω^)「母ちゃん、恥ずかしいからやめてくれお」


五年前

  ノ
 ('ー`)「イエスタディ〜♪」
 ( (7
 < ヽ

(#`ω´)「てめぇババアそれやめろっつってんだお!!」

906:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:53:34.89 ID:3w3Ou4u30
現在

('A`)「お前ホント熟女好きだよな」

( ^ω^)「ああ、これだけはやめられない」



このお話からわかること
「三つ子の魂百まで」



907:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:54:21.24 ID:3w3Ou4u30
(*゚ー゚)「おにいちゃん! おにいちゃん起きてよっ!」

('A`)「ん、ああ……ふぁあぁあぁ」

(゚ヽ゚*)「もう! おにいちゃんってばまた遅くまでゲームしてたんでしょ!」

('A`)「うるさいなあ……なんでお前が気にするんだよ」

(*゚ー゚)「そりゃ気にするよ!」

('A`)「はあ? なんでだよ」

(*////)「う、うるさいなっ! なんだっていいでしょっ!」

('A`)「まあいいけどさ……朝飯もうできてんの?」

(*゚ー゚)「うんっ!」

908:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:55:01.54 ID:3w3Ou4u30
('A`)「あーでもその前にシャワー浴びたいかも」

(*゚ー゚)「あ、今日の朝ご飯はトーストだから大丈夫だよ」

('A`)「そう? じゃあささっと済ましちゃうかな」

(*゚ー゚)「……あ、あのさ、おにいちゃん」

('A`)「ん、なに?」

(*////)「あの……ボクも一緒に入っていい?」

('A`)「え……」

909:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 19:55:39.85 ID:3w3Ou4u30
('A`)「よーし、じゃあ男同士で入るか!」

(*゚ー゚)「うんっ!」


このお話からわかること
「こんなかわいい子が女なわけないだろ」



913: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 20:03:08.04 ID:mkrwMpRL0
では投下する。>>766を三つ使った。

914: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 20:03:26.98 ID:mkrwMpRL0
深々と降る雪。
見渡す限り続く雪原。

まるで異界のようだと、二人で語り合った。

(´・ω・`)「雪ってさ」
川 ゚ -゚)「ああ」
(´・ω・`)「優しいね」

雪の上に座る僕らは、短く言葉を交わす。
それだけで通じていられた。人が作り出した言葉は、必要最低限でいい。
後は近くにいるだけで通じていられるからだ。
だから、語り合ったというのはある意味正確ではない。

でも、それで十分すぎたのだ。

(´・ω・`)「静かだね」
川 ゚ -゚)「人が来ないな」
(´・ω・`)「そのほうがいいでしょ」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだな」
(´・ω・`)「する音は、僕らの鼓動だけかな?」
川 ゚ -゚)「私にはもう一つ聞こえる」

それはなに? と、目線でたずねる。
彼女は無言で天を見上げた。
そして僕は理解する。

雪が降る音だ。

915: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 20:04:06.94 ID:mkrwMpRL0
僕らは二人揃って、雪の上に寝そべる。
服が濡れるのもかまわずに、ただ静かに大の字を描く。

頭が触れ合う。それだけで、僕の心は優しい暖かさで満ち溢れた。

(´・ω・`)「ねぇクー」
川 ゚ -゚)「もう少し、こうしていよう」
(´・ω・`)「そうだね」

荷物はほとんどない。
ポケットに唯一つ入っているだけで、後はほとんど着の身着のまま。
もちろん彼女も同様だ。
僕たちは、ずっとつながっているのだから。

川 ゚ -゚)「ショボン」

クーが、初めて自分から口を開いた。
それだけをずっと待っていた。

(´・ω・`)「もういいの?」
川 ゚ -゚)「ああ。充分だろう」
(´・ω・`)「わかった」

僕らは、まったく同時に、唯一の荷物を取り出して相手に向けた。
雪の積もった大地に、身を横たえたまま。



916: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 20:04:32.90 ID:mkrwMpRL0
(´・ω・`)「挨拶はどうする?」
川 ゚ -゚)「必要ないだろう?」

そうだねと、僕は納得して、引き金に指をかける。

(´・ω・`)「じゃあ、またね」
川 ゚ -゚)「すぐにあえるさ。私たちは、」

雪原に響き渡る二つの銃声。

不思議なくらい真っ白な空。

静かな世界。

「ずっと一緒だ」

それだけの言葉が、僕らを穏やかな場所へと誘っていた。

fin



918:('A`)ドクオはリア充のようです。 :2008/02/03(日) 20:18:31.30 ID:hzNjE7Bl0
学校の駐輪場、帰宅部の連中が自転車を引っ張り出して帰ろうとしている。
俺もその波に乗り、帰る。
そういえばワックスが無くなったっけ、帰りにコンビニで買おうか。

川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「・・・なんだよ、後ろには乗せねーからな」

振り返らずに答える、鞄を自転車の前かごに詰め込んで鍵を外す。
腹が減ったなぁ、そういえばマックでシャカシャカチキンなるものが発売されたとか行ってたな。
新し物好きの俺としてはなんとしてでも食わねば。
そういって自転車を走らせようと・・・あれ、やけに後ろが重い。
振り返るとクーが荷台に跨っていた。
スカートから色白の足が覗いている、少し嬉しいアングルではある。

川 ゚ -゚)「扱がないのか?」
('A`)「お前が重い、俺はマックに行きたいんだ」
川 ゚ -゚)「奇遇だな、私もしゃかしゃかちきん・・・とかいうのを食べに行きたいんだ」

クーが軽くウインクをして、手で早く自転車を出すように促した。
中学校の時から二人乗り、というのは苦手だ。
どうにもバランスがうまくとれないし。

919:('A`)ドクオはリア充のようです。 :2008/02/03(日) 20:19:01.71 ID:hzNjE7Bl0
川 ゚ -゚)「それにしてもお前の自転車は乗り心地が良いな」

昨日友人にケツ上げされたからだろう、とは言わずに溜息で返す。
これ以上ゴネても、クーは荷台から降りることは無いだろう。
ペダルを踏み、自転車を走り出す。
校門を出る時に、友人に冷やかされた。
後ろを振り向きクーを見るが、なんら気にしていないようだ。

川 ゚ -゚)「マックだろ、ほら行くぞ」
('A`)「いや、運転してるのは俺だから」
川 ゚ -゚)「しゃかしゃかちきん、たべたいなー♪」
('A`)「・・・俺も食いたい」

春の暖かい風が頬を撫ぜていく。
ああ、青春してるなぁ・・・。

('A`)ドクオはリア充のようです。 END



922:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:23:46.43 ID:k9QwCbOs0
小さい頃から、親の言うことを良く聞くいい子だった。
小学校へあがれば、当然のように学級委員になり、私立の中学校・高校を経て、国立の大学も主席で卒業した。
そして、当然のように僕は大企業の社員となった。全て、順風満帆だった。

仕事にもなれ、やりがいを見出せたのが、就職してから五年後のことだった。
新人の頃からお世話してくれたモララーさんのお陰もあってか、順調に出世コースも歩んでいた。
しかし――あるとき、僕は見つけてしまった。

(;^ω^) (これって……)

そのとき、僕は会社の管理データを整理する業務を行っていた。パソコンは得意だったので、余裕だった。
順中に仕事が進んでいく中、僕はあるフォルダを見つけた。その内容は――この会社の、不正隠匿情報。

(#^ω^) (これは間違ったことだお! 断じて許すわけにはいかないお!)

昔から正義感の強かった僕は、すぐに行動に移そうとした。
しかし、色々考えた末、僕の兄貴分であるモララーさんに相談することにした。

( ・∀・) 「とんでもないものを見つけてしまったな。運の悪いやつだ」

(#^ω^) 「これは立派な犯罪ですお! 客を騙すなんて最悪ですお!」

( ・∀・) 「それで、お前はどうしたいんだ?」

( ^ω^) 「告発するつもりですお。あとになってバレるより、絶対ましですお」

923:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:24:39.20 ID:k9QwCbOs0
僕は、自分の正義を貫いたつもりだった。そして、それが間違っているとも思っていなかった。
しかし、モララーさんは僕と違う考えを持っていた。

( ・∀・) 「なあ、たとえば君が告発して、問題になったとしよう。果たして、何人の人がリストラにあい、生活苦に陥るかな?」

( ^ω^) 「……それはある程度、仕方の無いことですお」

( ・∀・) 「君のような、有望な若い衆なら、再就職も難しくないだろう。しかし、僕のような40台半ばの人間はどうだろうな?」

( ^ω^) 「……」

( ・∀・) 「ましてや、今回の件は僕の部署から出た問題だ。僕はクビは免れない。これほどの大企業なら、マスコミもうるさいだろう。
      僕と家族にはもう、安息の日は訪れないだろうな」

(;^ω^) 「……」

そのとき、初めて正義が揺るぎそうになった。お世話になった人の、人生を秤にかけることはできなかった。
不正は良くない。詐欺は良くない。そんなの当たり前だ。
じゃあ、人の人生を奪うことは――?

924:( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです :2008/02/03(日) 20:25:33.83 ID:k9QwCbOs0
(  ω ) 「……でも」

( ・∀・) 「……」

( ^ω^) 「僕は戦いますお。自分の正義を捨てた先には、なにも残りませんお」

( ・∀・) 「そうか。この件は、社長に報告しておくよ」

そう言うと、モララーさんは静かに立ち去っていった。その背中からは、全く感情を読み取ることはできなかった。

僕は、この先苦しい思いをしながら、生き抜き、戦うことになるだろう。
でも、僕は――

「 告 発 し ま す お ! 」

( ^ω^)ブーンは大企業の社員のようです END



926:逆襲のVIP童話シリーズ ◆oNwoV/bH1k :2008/02/03(日) 20:30:37.88 ID:3w3Ou4u30
('A`)「愛より大切なものはない」


('A`)「誰かを傷つければ、それ相応の痛みが自分に返ってくるんだ」


('A`)「アフリカの子供たちは、今も飢えに悩まされている」


('A`)「助けたいと思うよりも、助けようと思うことが大切なんだ」


J('ー`)し「ねえたけし……そろそろあなた就職」


('A`)「黙ってろよ」


このお話からわかること
「馬の耳に念仏」



928: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 20:34:54.37 ID:rOtjhmt40
2レス投下
お題

Iメタボリック
J季節はずれ
K空
L雪
MWiiとPS3

931:雪の降る頃に、のようです 1/2 :2008/02/03(日) 20:36:30.18 ID:rOtjhmt40
( ^ω^)「ドクオ、めちゃめちゃ寒いお」

('A`)「まだ10月だってのになんでこう……うお、雪降ってる?」

( ^ω^)「うはwww季節はずれの雪ktkrwww」

('A`)「しゃあねえな。エアコンをぽちっと」

( ^ω^)「……動かねーお」

('A`)「物故割れてんだった。わりぃ」

( ^ω^)「氏ねwwうはwww外豪雪www空見えねえwww」

('A`)「ヤバイマジ死ぬ寒い」

( ^ω^)「こうなったら、身体を動かして暖めるしかないお。wiiフィットやるお」

('A`)「マンドクセェけど、しょうがねえな。よしブーン、お前からいけ」

( ^ω^)「任せるお!」

バキ

( ^ω^)「壊れたお」

('A`)「メタボ乙」

933:雪の降る頃に、のようです 2/2 :2008/02/03(日) 20:37:18.14 ID:rOtjhmt40
1時間後

((((('A`)))))「ブブブブブブブーン、いききききききいいきき生きてるか?」

((((( ^ω^))))))「さささささささむいお。ドクオこのままじゃしししししっしっしいっしししし死んでしまうお」

((((('A`)))))「こ、ここここ、おここ、ここうなったら……PS3起動」

ピッ デ〜〜〜デェ〜〜〜〜〜〜ン

(( ^ω^))「うはwwwwwあったけえwwwwwGK乙wwwwwwww」

(('A`))「みたか、PS3の底力」

1時間後

(;;^ω^)「ドクオ、あぢぃお。いい加減PS3切るお」

(;;;'A`)「そうだな、汗がとまらねぇぜ。んしょっと」

ピッ ピッッ ピピピピピピピイイイイッピイpッピッ

(;;;;'A`)「物故割れた」

(;;;;;^ω^)「冗談じゃねえ! 俺は自分の部屋に戻るからな! ん? あれ」

(;;;;;;;;;^ω^)「開かね−wwwドアの向こう雪がみっちりwwwww」

(;;;;;;;;;;;'A`)「人生\(^o^)/オワタ」



935:(´・ω・`)ショボンは雪を食べるようです :2008/02/03(日) 20:38:29.16 ID:k9QwCbOs0
(*^ω^) 「雪だお! 雪が降ってるお!」

ξ*゚听)ξ 「本当。綺麗ね」

(*'A`) 「ヒャッコイナー」

(*´・ω・`) 「雪って初めて見たよ」

川*゚ -゚) 「それにしても、おいしそうだな。試しに、誰か食ってみてくれ」

(;^ω^)ξ;゚听)ξ「「「「 …… 」」」」 ('A`;)(´・ω・`;)

( ^ω^) 「ショボン食えお」

ξ゚听)ξ 「ショボン食べなさいよ」

('A`) 「ショボンッテナンデモタベルヨナ」

(´;ω;`) 「……」

パクッ! シャリシャリ!




(`・ω・´) カキーン!

川 ゚ -゚) 「あまりの冷たさに固まってしまったか」

おわり



940:お題:雪 :2008/02/03(日) 20:41:41.90 ID:cPyXGNSB0
――給湯室――

从#゚∀从「クソ! クソ! あのカス課長!! なぁにが……」
从 'A从『ハイン君、電車が遅れたなんてのは遅刻の理由にならないんだよ。学生じゃあるまいし……』
从#゚∀从「だ! 電車止まったのはこの大雪の所為だろうが!!!」

从#゚∀从「クッソ……このままじゃあ腹の虫がおさまらねぇ……こうなったら」

――オフィス――

('A`)「ハイン君。社会人というのはね、天候に左右されるようじゃあ勤まらんのだよ」
从 ゚∀从「課長ぉ〜、そこまで言うなら今日の外回りは課長がお願いしますよぅ〜」
('A`)「自分の仕事を放棄するのかね?」
从 ゚∀从「お手本を見せて欲しいんですぅ〜。こんな大雪の中でも本当に行けるのかどうか見せてくださいよぅ〜」
('A`)「…………良かろう」

  ―――===≡≡≡( 'A`)「行って来る」

――2時間後――

从 ゚∀从「フヒヒ……このバカ天気の中、巧く仕事を押し付けられたぜぇ」

从∀゚ 从「そういや雪ってまだふtt

从;゚∀从「た、大変だぁぁぁああ!!!! 槍が降ってるぞぉぉぉおおお!!!!!1」 ガチャ
C==('A`)==>「ただいま」
从 ゚∀从


从;゚∀从「た、大変だぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!11」



942:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:46:14.30 ID:oKUh3V1G0
( ^ω^)「ふーふーんふーん」

('A`)「お、何だよ。ブーン、ご機嫌ちゃんだな?」

( ^ω^)「フッヒヒヒ! 何があったと、思うお?」

(´・ω・`)「うーん、そうだねえ。彼女でも出来たのかい?」

('A`)「それは独身貴族への挑戦か? ええ? 彼女持ちのリア充よ」

(;´・ω・`)「い、いや、そんなつもりじゃ……」

(*^ω^)「まあまあ、喧嘩は止めるお。教えてやるお」

 ブーンは教室の隅へと進み、大きな窓の前で両手を広げた。
 くるりとターンし、ドクオとショボンに満面の笑みをぶつける。



( ^ω^)「Wiiを、買ってもらえるんだお!!」

943:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:47:27.30 ID:oKUh3V1G0
('A`;)「マ、マジ?」

(;´・ω・`)「彼女持ちで成績優秀、学校一のブルジョワリア充である、僕でさえ持っていないのに……」

( ^ω^)「自分でリア充とか言うなよ」

(´・ω・`)「さーせん」

('∀`)「じゃあさ、今日早速遊びに行こうぜ!」

( ^ω^)「いいお! レッツカモンだお!」

(´・ω・`)「ちなみに、ソフトは何を買ったんだい?」

('A`)「え、ソフト、先に買ったのか?」

( ^ω^)「ふ、ふ。遊びに来てからのお楽しみだお。
      強いて言えば、ツンデレとクーデレが織りなす、
      デレデレRPGの最高傑作の一作品だお」

(´・ω・`)「へえ、どんなソフトだろ。楽しみだよ」

(*^ω^)「ふっふーん。全キャラ攻略したら、貸してやるお」

(´・ω・`)「お、そうかい。期待してるよ」

 本日最後の授業が始まり、皆が席に着く中、ドクオが一人呟いた。


('A`;)「…………、まさかな。あのソフトじゃないよな」

944:( ^ω^)ブーンがWiiを買ったようです :2008/02/03(日) 20:49:24.67 ID:oKUh3V1G0
(´・ω・`)「や。早速来たよ」
('A`)「お、おじゃましまーす」

( ^ω^)「フフフ、それではお目に掛けてしんぜよう。
      我が至高のゲームソフトッ!!」

(;´・ω・`)「こ、これは……。いや、まさか」
('A`;)「ああ、そうさ。間違いないよ、ショボン」

( ^ω^)「ツンデーレの野望だお!」

(´・ω・`)「これ、……いいにくいんだけど」

('A`;)「ああ、ハードが違うぜ」

( ^ω^)「え……。でも、大丈夫! PS3なら持ってるお!!
      危なかったおー。危うくプレイできないとこだったお」

(´・ω・`)「なーんだ。なら、大丈夫だね。でしょ? ドクオ」

('A`;)「お、おいショボン。お前は、ゲームに詳しくないんだな……」
(´・ω・`)「え、どういうこと?」

('A`)「よく見ろ……このソフトの、必要ハードは――その、どちらでもない――
   というか、今はもう……、売っていないであろう、伝説のハード――
   この懐かしのハードを用いることにより、立体感の創出を試みた、ゲーム
   ……そのハードこそ」

( ^ω^)「なにこれ、バーチャル……ボーイ?」
                                           end\(^0^)/



952:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:25:30.62 ID:m6ZfSo1C0
(´・ω・`)「見てみろよハイン。この立派な雪景色を! 銀世界だぜ! シルバーワールドだぜ!」

悠然と聳える岩手山を背景に、ショボンは雪原を走り回った。
その無邪気にはしゃぐ姿は、まるで子供のよう。少なくとも先日籍を入れた30代の男には見えない。
アロハシャツと半ズボンといった、ラフな服装が余計に若く見せているのかもしれない。

从#゚∀从「うっせー! 何時代のわんぱく少年なんだよ、お前は!」

白い息を吐きながら、新妻のハインは怒鳴り散らした。
雪と同じ、純白のビキニ。麦わら帽子。
彼女の服装もまた、その場には相応しいとは言えないものであった。

(´・ω・`)「はははwwwwこんな新婚旅行も悪くないだろwwwwwwwww
      グアムに行くつもりが、手違いで岩手に来ちゃったけどさ、せっかくだしエンジョイしようぜ」

从#゚∀从「飛行機間違えるんなんてありえねぇだろ! やけに早い到着だったなぁー……とか思ったら
     花巻空港だったんだぞ! 機内で既にこの格好だった自分らもどうかと思うけどね!」

(´・ω・`)「これが原因で離婚なんてしませんよねぇ?」

从 ゚∀从「前向きに検討してるぜ」

(´・ω・`)「ど、どういう前向きなんだ……?」

953:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:26:04.77 ID:m6ZfSo1C0
焦った様子を見せるショボンだったが、「まぁいいか」と笑って、かまくらを作り出した。
妙に手つきが慣れている。驚く事に十分後には、大人二人が入れるドームが完成した。

从 ゚∀从「悔しいけどあったけぇ……」

(´・ω・`)「うん、そこでハロゲンヒーター拾った」

从#゚∀从「うおおおい! 何で俺一人かまくらに押し込めて、自分は科学の力で温まっているんだ!」

(´・ω・`)「そんなに大声出すなよ。狐が逃げちゃうだろ」

从 ゚∀从「あ? 狐なんざ、いるわけが……」

('A`) コーン

从 ゚∀从「い……いた……」

('A`) とんがりコーン

从 ゚∀从「とんがりコーン!?」

(´・ω・`)「『かたゆき かんこ。しみ雪 しんこ』」

从 ゚∀从「何だ、その歌……?」

954:(´・ω・`)岩手のようです ◆R38CE/IWYU :2008/02/03(日) 21:26:43.31 ID:m6ZfSo1C0
(´・ω・`)「宮沢賢治。雪わたりさ。小さい頃よく聴かせられた。
      『きつねの子ぁ よめぃほしい ほしい』ってね。
      すごく懐かしい気持ちになるんだ……雪を見るとね。今は都会に雪は降らんからなぁ」

从 ゚∀从「へへ……ふるさとってわけかい。
     そう考えたら、岩手って地も悪くねぇなぁ」

(´・ω・`)「いや、僕の故郷は熊本だ」

从 ゚∀从「おい」










('A`) りコーン

                   END



959:(,,゚Д゚)雪の日のようです 1/2 :2008/02/03(日) 21:35:26.12 ID:zIU2xGzoO
(,,゚Д゚)「外は雪か」

(,,゚Д゚)「こんな日はコタツとみかんに限る」

(*゚Д゚) ヌクヌク・・・シアワセ・・・



(*゚∀゚)「おいギコ!時間大丈夫なのか?」

(,,゚Д゚)「・・・何の」

(*゚∀゚)「何のってお前、今日バイトじゃねーのかよ」

(,,゚Д゚)「大丈夫・・・タブン」

(*゚∀゚)「大丈夫じゃねーだろ!遅刻すんぞ!」

(,,゚Д゚)「雪で客少ないと思うから、俺1人くらい行かなくても大丈夫・・・キット」

(*゚∀゚)「いやそれただの願望じゃん!」

(,,゚Д゚)「でもなぁ・・・絶対俺要らねえよ今日」

960:(,,゚Д゚)雪の日のようです 2/2 :2008/02/03(日) 21:36:51.77 ID:zIU2xGzoO
(*゚∀゚)「そんなん行かなきゃわかんねーだろ!勝手に決めつけんな!」

(,,゚Д゚)「でも・・・」

(*゚Д゚) ヌクヌク・・・

(* ∀ ) ・・・

(*゚∀゚)「秘技!コタツ布団抜き!」

(,,゚Д゚)「うおお寒っ!ちょ、何してくれんだよ!」

(*゚∀゚)ノシ「行ってらっさ〜い♪」

(,,;Д;) ・・・グスン



オワリ



962:ささやかな幸せのようです :2008/02/03(日) 21:40:58.99 ID:rOtjhmt40
〜 オフィス 〜
 ξ゚听)ξ「クー、どうしたの? 今日はやけに機嫌がいいじゃない」

 川 ゚ ー゚)「ふふ、大したことじゃないんだ。今朝目玉焼きを作ろうとして卵を割ったら、黄身が二個入っていてな」

 ξ゚听)ξ「へぇ、そんなことってあるのね。アタシも今夜、試してみようかな」

〜 自宅 〜
 ξ゚听)ξ「さあて、運試し……じゃないけど、どうかしら」

 ξ゚听)ξ「アタシ、卵割るの苦手なのよね。えいっ!」

 ぱかっ

 ξ )ξ「……」

 ξ;凵F)ξ「いやああああああああああああっ!」

〜 翌日、オフィス 〜
 ξ゚听)ξ「……ってことがあったのよ。アタシ当分卵は食べられないわ、もう」

 川 ゚ -゚)「育ちかけのヒヨコが二羽、か。それは確かにダメージ大きいな」

 ξ゚听)ξ「でしょ? 参っちゃうわよ。ところで最近、お腹の調子はどう? 赤ちゃん、元気?」

 川 ゚ ー゚)「ああ、元気だよ。それに」

 ξ゚听)ξ「なによ。また機嫌良さそうにしちゃって」
 
 川 ゚ ー゚)「ああ。――昨日分かったんだが、双子だったんだ」



965:1レスいくよー  :2008/02/03(日) 21:52:35.12 ID:Upz3I5rq0
( ^ω^)「絶対両手だお。握り拳を作って、
      肩辺りで構えてるんだお」

('A`)「だから髪飾りだって。シューだって
    実は 〒 ←こんなの付けてるんだぜ」

( ^ω^)「大体髪飾りだったらおかしいことがあるお。
      だって明らかに髪より外側にあるんだお」

('A`)「多分だが、一行にするときに省かれたんだ。
    大体だな、手だとするとバランスが悪いだろ」

(´・ω・`)「肩についてる飾りっていうのは?
      某セクシーコマンド使いみたいに」
  _
( ゚∀゚)「いっそのことおっぱいっていうのは?」

( ^ω^)´・ω・)'A`)「位置的におっぱいはねーよwwwww」


ゼッタイ テ ダオ !      ギャー ギャー   
         ワイワイ      イヤリング トカハドウ ?  
  オッパイ!オッパイ!  ガヤガヤ    ソレガ イイタイ ダケダロ 


o川*゚ー゚)o「さっきから何の話をしてるんだろ?」

('、`*川「案外キュートのことだったりして」



968:ささやかな幸せ ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/03(日) 21:56:18.87 ID:dwZeEhI20
――金ならいくらでも手に入った

('A`) 「お前、また特許とったんだってな?」
(´・ω・`) 「僕じゃなくて、うちの会社がね」

――父の人脈が、今の僕を豊かにしてくれた

(,,゚Д゚) 「社長、今度の買収なんですが……」
(´・ω・`) 「その件はモララーさんに任せてある。指示を仰いでくれ」

――けれど、幸せだけは手に入らない

( ´∀`) 「ショボンももうそろそろお嫁さんを貰わないモナ?」
(´・ω・`) 「そのぐらい、自分でなんとかしますよ、父さん」

――父の人脈だけでは

……プルルル……プルルル……プルル、ガチャ

(´・ω・`) 「あ、ドクオ? ……うん、そう。え……僕も?」

――だから僕は、自分の人脈で、僕の友達から……幸せを、貰うんだ

('A`) 「ショボーン! さっみぃぞお、雪降ってんぞ!! 早く入れよ! 外で待つの辛いっつの!」
(#^ω^)  「そんなことより、からあげ冷めちゃうお! ツンに殺されるお!」
ξ#゚听)ξ  「……遅れるなら、連絡ぐらい、入れるのが、スジ、じゃない?」

――僕を、父さん抜きで見てくれる、君たちから

(´・ω・`) 「ごめんごめん、会議で遅れて……!」    FIN



970:悪魔  ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:01:34.68 ID:QMiCbIAi0
( ^ω^)「なんか面白いことないかお?」

 自分の部屋の中でぼそりと呟いた。
 当然返答は返ってこないはずだ。
 なぜなら自分一人しかいないからだ。
 しかし、ハスキーな声で返答が返ってきた。

从 ゚∀从「ありますよ」
( ^ω^)「うわっ、誰だお!」

 彼女は自分のことを悪魔といった。
 いまいち信じられない、ブーンは内心そう思った。

( ^ω^)「で、おもしろいことってなんだお?」
从 ゚∀从「貴方の願い事をかなえることです」
( ^ω^)「んじゃ、ブーンに使い切れないくらいのお金をくれお」

 冗談混じりに言ってみた。
 彼女は不気味な笑みを見せながらうなずき、なにやらぶつくさ呪文を唱えた。

从 ゚∀从「どれくらい所望ですか?」

( ^ω^)「そうだなぁ、二億円が欲しいお」

从 ゚∀从「……、はい、これで貴方は二億円手に入れました」

 周囲を見渡してみたが特に何も起こってもいない。
 変わったことといえば先ほどまでここにいた悪魔がいつの間にか消えていたことだ。

971:悪魔  ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:02:45.13 ID:QMiCbIAi0
(;^ω^)「なんだったんだお……」

 ブーンは不思議に思いながらいつものようにパソコンに向かいネットサーフィンを始めた。
 途中、むしょうにお腹が空いた。
 時計を見ると午後三時になったところだ。
 ブーンは台所でお菓子を探したがあいにくきらしていた。
 しょうがなくブーンはコンビニへ買い物に行くことにした。

( ^ω^)「そういや悪魔って言ってたなぁ、あの子、もし本当だったら結構危険だったお」

 などと独り言をしゃべりながら道を行くと宝くじが落ちていた。
 ブーンはあの悪魔の言っていたことをとりあえず信じて拾うことにした。
 買い物を済ませてお菓子をほおばりながら家にあった新聞の宝くじの当選表を見ると、

(;^ω^)「あ、あ、あったお! 一等だお!」

 金額を見てみるとおよそ二億円が当選したことになる。
 確かにあの悪魔は本物だったようだ。
 しかし不安がある。
 それは代償のことだ。
 ブーンは少し考えたが、目先の金額に目がくらみ、そんなことを忘れて家族の帰りを待った。

 ――そして二ヶ月後

 ブーンは相変わらず変わらない暮らしをしていた。
 変わったことといえば自分の身の回りにあるものが一段階上の上質なものになっていることだ。
 もちろんパソコンも例外ではない。

( ^ω^)「いやー、快適だお」

972:悪魔  ◆T9PYzG/qaQ :2008/02/03(日) 22:04:40.71 ID:QMiCbIAi0
 ボソッと独り言をつぶやく。
 思えばあの悪魔に感謝せねばなるまい。

从 ゚∀从「それはよかったです」
(;^ω^)「あ、悪魔かお。驚かさないでくれお」
从 ゚∀从「そういえば貴方に代償を教えるのを忘れていました」

 長い間忘れていた不安が今再びよみがえった。
 何をされるのか、全く分からない。

(;^ω^)「なんなんだお?」
从 ゚∀从「そんな怖くはありませんよ。
     次の人以降の願い事を叶えるための触媒とするんです」
(;^ω^)「それって、ブーンの願い事の場合はどうなるんだお?」
从 ゚∀从「貴方の願い事の場合、前の人以前の運を貴方に集約させました」
(;^ω^)「その人たちはどうなるんだお?」
从 ゚∀从「私にはよくわかりませんが、たぶん不慮の事故で死にます」
(;^ω^)「そんな……、ところでブーンには何をするんだお?」

 何を渡さなければいけないのか。
 そう考えていると悪魔はもったいぶるように、

从 ゚∀从「次の人は厄介な願い事を頼まれましてね、以前の人からずっともらっていても全然足りないんですよ」
(;^ω^)「な、何をだお……?」
从 ゚∀从「不老不死を叶えるために以前の人の命をもらっても全然不死には足りないんです」

 彼女はまだ血が滴る鎌を持ち、今まさにブーンの命をもらうためにふるおうとしているところだった。
――END――



974:悲しいってなに? のようです :2008/02/03(日) 22:12:05.45 ID:rOtjhmt40
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ。悲しい――って、なに?」

(´・ω・`) 「そうだね。君に伝えるのは、とてもとても難しいことかも知れないけれど……
      胸が苦しくて、痛くて、泣きたくなるような気持ちだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「ふーん。それって、手術やお薬でも治らないモノなの?」

(´・ω・`) 「ああ、治らない。原因を取り除かないと、決して……治らないんだ。
      それが、悲しい、っていう感情の一番辛いところだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「そうなんだ。――じゃ、先生は? 先生は、いま悲しいの?」

(´・ω・`) 「ああ、悲しいよ」

ζ(゚ー゚*ζ「なぜ? 胸が痛くて、苦しくて、泣きそうになっているから?」

(´・ω・`) 「違う。悲しい、という言葉の意味を、僕が生きている内に、君に伝えることが、できない、から。僕、は――」

それっきり、先生は動かなくなった。
わたしは先生の胸に突き立てていた腕を引き抜く。鮮血が溢れて、わたしの衣服を濡らした。

見回すと、真っ白い部屋の中は先生と同じように、こわれたおもちゃで一杯だ。
腕を、脚を、首を引き抜かれて、真っ赤で、ぴくりとも動かない。「人間」って、なんて脆いおもちゃ。

ζ(゚ー゚*ζ「あーあ、つまんないな。……先生もいないし、外にでも遊びに行こうかな」

汚れた服をつまんであたしは考える。外には、もっとたくさんのおもちゃが溢れてる。先生はそう言ってた。

立ち上がって先生の身体を踏みつけたとき、あたしの胸の奥の奥が、ほんのすこし、ちくり、と、痛んだ。
けれど、あたしにはその意味は――まだ、分からなかった。



976:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:14:27.39 ID:6HABwCHp0
( ・∀・)「毒尾さんは鶏肋みたいな人だ」

とは、街道沿いの尾布町に所在をおく、中国故事に長じた者の弁である。
鶏肋とは平たくいえば鶏ガラのことだ。

後漢の末、中国稀代の英傑曹操が「捨てるには惜しいが、実益のない土地だ」として、
漢中を諦め撤退する際に発した言葉とされている。
すなわち大したことはないが、見過ごすのも勿体ないもののたとえである。

しかし鶏ガラは湯に浸せば極上のだしが出る。
それには、ガラよりも大きな器が必要である。


ある日、毒尾が久方ぶりの夜散歩に出かけたときのこと。
道を行く途中で顔馴染みの行商人とすれ違った際、

( ´∀`)「毒尾さん、今宵は冷えますよ。羽織でも着ていきなさいな」

と訊かれた。それに対して、

('A`)「いらぬ。そんなもの着ていったって、邪魔で仕方ねェ」

毒尾は羽織が嫌いだった。羽織には、家紋が入っているからだ。
毒尾には良い家柄もなければ、誇れる肩書きもない。
ゆえに、士族のはしくれであるにもかかわらず、浮浪人がごとく奔放にふるまうことを性分としていた。

( ´∀`)「そうですか。でしたら私はこれで――」

と、商人が傘の角度をなおしつつ毒尾に別れを告げようとしたときである。

977:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:15:41.25 ID:6HABwCHp0
(・∀ ・)「――御免ッ!」

道端の青臭い草むらより、鋭い声と共に見知らぬ影が猛禽のような瞬発で商人に飛びかかった。
右手には二尺六寸ほどの刀が握られている。
突然の出来事。商人が事態を把握する間もなく、男の凶刃は禍々しくきらめき、闇夜を切り裂きながら疾走した。

('A`)(辻斬りか――!)

一旦背後へと跳躍した毒尾が腰の刀を抜いたときには、既に商人の首は無残にも刎ねられていた。
頭部を失った首からは絶命の証である血飛沫が噴き上がっている。

(#'A`)「貴様!」

毒尾は無頼ではあったが、不義ではなかった。
先程息絶えた商人は、幾度か世話になった男。義理合いにある者を殺した人物を赦す気はさらさらなかった。
それに見る限り、眼前の男は殺人嗜好を持った異常者である。刀の扱いにも慣れている。
おそらく、以前にもこのような狼藉をはたらいたことがあるのだろう。遠慮など不要。

(・∀ ・)「いい太刀だな」

と、辻斬りは毒尾に語りかけた。月を詠うような優美な声であった。

(・∀ ・)「……命ともども貰い受ける!」

辻斬りは風となって疾駆した。対して、毒尾の構えは切っ先を下げた下段。
下段とは、言いかえれば狡猾である。対応と防御に優れた「受け」の構えだった。

('A`)「無骨よ!」

称賛の言葉ではない。我が刀にかかれば、何者だろうと骨が無いのに等しいという意味である。

978:('A`)揺れる刃のようです ◆zS3MCsRvy2 :2008/02/03(日) 22:17:21.48 ID:6HABwCHp0
毒尾は接近してくる男を見据えつつ、よきところで刀を振り上げて男の刀身を受け止め、弾いた。
次いで二の太刀。先に振るったのは辻斬りである。
しかしその顎が満足することはなかった。右袈裟斬りに下ろされた刀は、毒尾の袴をかすめるにとどまった。
毒尾は一歩も前に踏み込んでいない。逆に、一合目を交えた後に、うしろに下がっていたのだ。

(#'A`)「うらァ!!」

男の刀が空を切っている間に、毒尾は一気に詰め寄った。
刀は既に最初の一太刀で舞い上がっている。
そのまま上段から勢いよく刀を振り下ろし、男の耳を切り落としたのち、冷たい刃は肩口へと吸い込まれていった。
肩から腹にかけて深い傷を負った男はその場にくずおれて、やがて動かなくなった。
勝負ありである。

('A`)「……くそ!」

毒尾は血煙を上げる二つの亡骸を見下ろしながら、自分の行動を省みた。
あのとき、なぜ商人をかばおうと考えなかったのか。
即座に抜刀していれば、商人の面に立って打ちあうだけの余裕はあったはずだ。
自分はこんな狭い世界の義理さえ果たせない人間なのか。

('A`)(……いや、違う!)

毒尾はかぶりを振った。彼の思考は、常人とはひどく逸脱した方向へと向かった。

('A`)(この男の義理など、果たすべきものではなかっただけだ! 俺が果たすべき義理は他にある!)

毒尾は思った。今夜の事件は、こんな狭小な町になど留まるなという、天からのお告げなのだ、と。
彼が尾布町を離れたのは、翌日の朝のことである。

     ――終――



983: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:31:02.41 ID:xWSL4Hm2O
お題
C奇
K空
L雪
O悲
+状況背景イメージ http://www.nicovideo.jp/watch/sm1613775

( ^ω^)が雪風に躍るようです

984: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:35:29.62 ID:xWSL4Hm2O

<<宗教は麻薬だ。お前もそう思うだろ? 俺の片翼>>
<<ああ、全くだ。僕の片翼>>

雪風吹き荒ぶ空の高み、              雪の吹き荒れる遥かな高空、
                     
妖精二匹舞い踊る。           白銀の戦闘機が二機、絡まり合う。
                                      オカシク
( ^ω^)<<正常な判断能力を失わせる、さらに蔓延して周りも奇しくする。お前のように>>
  _
( ゚∀゚)<<素晴らしい答えだ、片翼ゥ! ――でもその答えじゃ、99点だ>>

風の皇と雪の女王の御前試合、              吹雪の壁を斬り裂き、
                       
二者光の刀を打ち合わせる。        蒼灼のレーザーが撃ち交わされる。

( ^ω^)<<へぇ……なら残りの一点は何だ?>>
  _
( ゚∀゚)<<簡単さ――ずっとお前と殺り合いたかったんだよ、俺は>>
     <<耄碌大佐殿の信教なんざどうでもいいんだよ。この紛争には乗っからせて貰っただけ>>
( ^ω^)<<……ふん、なるほど>>

985: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:37:14.99 ID:xWSL4Hm2O

両雄、其の実力は互角。      
                         二羽の禽は嘗ての姿と勢いを取り戻し、
眼は互いの尾を狙い定め、      
                                 彼らはウロボロスの蛇となる。
刹那の薙ぎと紙一重の避けを繰り返す。

<<国防空軍全機に通達、歌姫が成層圏を突破した!>>

( ^ω^)<<聞いたか? 僕の片翼>>
  _
( ゚∀゚)<<ああ、聞いたよ? 俺の片翼>>

妖精天声を聞き、
                             二人の英雄は戦の終わりを悟った。
片やは上へ、片やは下に、
                         しかし、彼らは刃を収めようとはしなかった。            
刃を突き向け舞い昇る。
                       天と地を背後に、アフターバーナーが煌く。

986: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 22:39:02.17 ID:xWSL4Hm2O

( ^ω^)<<どうするんだ? もう12時だぞシンデレラ、パーティーは終わりだ>>
  _
( ゚∀゚)<<なに、勿論――>>

             散り逝った仲間の無念を背に、
           彼の悲しみはトリガーに指を掛けた。

( ^ω^)<<――硝子の靴を持った王子様が迎えに来てくれる?>>
  _
( ゚∀゚)<<――そう、そして二次会だ!>>(end)



987:>>984乙 題「最後の空のようです」 :2008/02/03(日) 22:41:28.07 ID:rOtjhmt40
子供の頃見上げた空は、いつだって青く、高かった。
それなのに、今日の空は不機嫌で、灰色で、どんより濁っている。
最後くらい――そう恨みがましい言葉を吐こうとして諦め、黙って芝生に寝転がる。
 
(,,゚Д゚)「空か。まじまじ見るのは久しぶりだゴルァ」

(*゚ー゚)「どうしたの? ギコ君。こんな曇りの日に、外で寝ころんで。服、湿っちゃうよ」

その女の視線から眼をそらして、また空に戻す。
空も、彼女も。どちらも見納めだが、今来た方の見納めは、辛かった。

(,,゚Д゚)「うっせーよゴルァ。俺の勝手だ。服だって自分で洗ってる」

(*゚ー゚)「またまた、可愛くないこと言っちゃって」

そう言って頭の横に腰を下ろす。そして言葉もなく、泣き出しそうな空を二人、眺める。何分も。

(*゚ー゚)「――――いいの? 言わなくて」

(,,゚Д゚)「何を」

(*゚ー゚)「ギコ君、行っちゃうんでしょ。この空のもっともっと上の、宇宙の彼方まで。戦争に」

(,,゚Д゚)「知ってたのかゴルァ……参っちまうな。どいつが漏らしたんだか」

そのまま、無言。別れの挨拶も、気の利いた言葉も。実は結構、本命だったんだぜ、なんて茶化して言えるはずもなく。
話し始めたら止まらないだろうが――そろそろ、出発の時間だ。

ゆっくりと立ち上がり、歩き出す。呼ぶ声には答えない。
最後に見上げた空は幼い頃のように晴れ渡っていたが、まぶたの裏で降る雨に霞んでいた。



990:1/1 :2008/02/03(日) 22:49:06.89 ID:nqWxeW/L0
人混みを掻き分け、ホームの階段を昇る。
誰もが同じような顔をして、同じような服を着て、同じような方向へ向かっている。
ガヤガヤとしたこの空間にも、大分慣れてきた。


「お……?」


横断歩道を渡る途中、懐かしい顔を見た――気がする。向こうも僕の視線に気がついていたようだった。

記憶の奥底に沈んでいた思い出が一瞬にして蘇る。この数年で、酷く曖昧になっていた。
彼女がもし、自分の知っている彼女であれば、単純に再会を喜ぶだろう。
自分の知っている彼女でなくとも。それでも構わない。


「……ツン」


彼女と最後に会ったのは、もう五年も前になる。
僕も彼女も、もう大人だ。昔のようにはいかなくなった。それは仕方の無いことだと思う。

そう思いつつも、僕の手には携帯が握られていて。
液晶には彼女のアドレスが浮かんでいた。



991:>>990乙 題「妄想あるいは……のようです」 :2008/02/03(日) 22:54:10.80 ID:rOtjhmt40
今日も聞こえる。
地獄の底からの呼び声のように、水底からの誘い声のように、契約を持ちかける悪魔の甘い声のように。

( ^ω^)「ツン、愛してるお」

やめて! あたしはただ、ゆっくり眠っていたいだけなの。それなのに、なんでそんなにあたしを責めるの?

( ^ω^)「ツン、愛してるお」

分かってる、分かってるわよ。
アンタがあたしを愛してるのは知ってる。何度も何度も言ってくれたのも当然知ってる。
でも、これはやりすぎじゃないの?

( ^ω^)「ツン、愛してるお」

体が重い。動かない。暑い。押しつぶされる。
息ができない。全身がもみくちゃにされて、自分がいまどちらを向いているのかすら分からない。

( ^ω^)「ツン、愛してるお」

……うるさい。

ξ#゚听)ξ「うるっさーーーーーーーーーーーーーい!!!」

がばっ! と起きあがり、二枚重ねの毛布をはねのけて枕元の携帯を拾い上げる。
壊れても構うもんかとばかりに壁に投げつけると、がたん! と物音。どこかのボタンが押されたのか、声は止んだ。

……はぁ。やっぱり、他人の肉声を目覚ましにするのは間違ってるわね。
せっかくブーンが言ってくれたから、嬉しくて録音したのに……他のにしよっと。
                                                 <妄想あるいは電話のようです 終>



992:川 ゚ -゚)どんなものに0をかけてものようです :2008/02/03(日) 22:58:35.46 ID:OenX0gi+O
川 ゚ -゚)「はい、この計算式を解きなさい」

( ^ω^)+('A`)

(*゚∀゚)「わかったさ!」

( ^ω^)+('A`)
=( 'ω`)

川 ゚ -゚)「じゃあ、さらに(,,゚Д゚)と(´<_` )を足して下さい」


ξ゚听)ξ「分かったわ!」

( 'ω`)+(,,゚Д゚)+(´<_` )+( ´_ゝ`)
=(,,'゚<ω>゚`)

川 ゚ -゚)「じゃあ、さらにミ,,゚Д゚彡+( <●><●>)+( ФωФ)すると?」

ノパ听)「わかったぞおおおおお!!!」

(,,'゚<ω>゚`)+( ФωФ)+( <●><●>)+ミ,,゚Д゚彡
=ミ,,Φ'゚<ω>゚`●彡

川 ゚ -゚)「これに0をかけると?」

ξ゚听)ξ(*゚∀゚)ノパ听)「ビコーズ!」

ミ,,Φ'゚<ω>゚`●彡×0=( ∵)   終わり



993:1レス :2008/02/03(日) 23:00:03.93 ID:g/Jy7A1K0
川 ゚ -゚)「そろそろ起きて」

クーは起きてすぐ、隣に寝ているモララーに声を掛けた。返事はない。
カーテンからもれる薄暗い光のなかで彼女は、
布団から起き上がったまま隣の布団を見つめていた。
しばらくそうしていたが、やがてあきらめたように起き上がった。

まだ眠っているのだろう。モララーは朝に弱いからな。
あせらずゆっくりと、透明な水のように彼女は思う。

2人分の朝食を用意してから、まだ寝ているモララーに声を掛ける。返事はない。
モララーは朝に弱いからな。
彼女は再び心の中でその言葉を口にする。
食べ終わり、早々に仕度をする。
彼女の勤め先は都心にあり、このアパートからは少し遠かった。

川 ゚ -゚)「行って来ます。モララーも遅れるなよ」

相変わらず返事はない。彼女は玄関の扉を閉める。

1週間前にモララーは、踏み切り事故で帰らぬ人となった。
朝の遅い時間帯の電車が踏み切りに進入してきた車と衝突した。
その日に限って、モララーは朝寝坊をしていた。
もう少し早く出ていればそんな事故には逢わないはずだった。

彼女はそれを知ったとき我を失い、そして気付いたとき、彼は彼女の前に再び姿を現した。
以来彼との生活は続いていた。以前と同じ、2人だけの生活。
少し無口になったけれど、優しい彼のままだ。

彼女が去った部屋の中で、物言わぬ写真立ての中のモララーが笑っていた。



995:ξ゚听)ξは拾うようです :2008/02/03(日) 23:03:41.27 ID:Z2lM3kZ8O
ξ゚听)ξ「別にあんたのためじゃないんだからねっ!」

ξ゚听)ξ「あんたのためじゃ…」

ξ;;)ξ「ないんだから…」

ξ;;)ξ「なんであんたの骨を拾わなきゃいけないのよ…」

ξ;;)ξ「先にいくなんてずるいよ…ばかぁ」



996:紫の雪が降るようです :2008/02/03(日) 23:05:25.50 ID:rOtjhmt40
今日、季節はずれの雪が降った。
だからといって報告する相手もいない。軒下で一緒に見る相手もいない。
近くのコンビニまでいくのがかったるい。それぐらいの感想だった。

('A`)「あーあ、とはいえ冷蔵庫にはビールしかねぇし。
    仕方ねぇ、行くか」

ゴム底の長靴で滑らないように、慎重に階段を下りる。
ふきっさらしの玄関ホールまで辿り着いて、覚悟を決めて傘を広げる。

('A`)「あーあ、行きマスカット」

重いガラス戸を押して外に出る。
そこは――

从;゚∀从「ぬわあああっ?」

('A`)「うぶぉっ!?」

紫のレースだった。



(:メ;;A`)「おねえひゃん、だいじょうぶれすふぁ」

从 ゚∀从「おー、わりぃな。チャリの修理までしてもらってよ。
      まぁ、お代は前払いってコトで勘弁してくれよな! がはは!」

そういって紫レースの姉ちゃんは去った。顔面の治療費は自腹と言うことだろう。
顔は痛むが、なんだか明日からも頑張れそうな気がした。



997:リーマンブーンの恵方巻き ◆tOPTGOuTpU :2008/02/03(日) 23:06:42.91 ID:hcscLDQS0
( ^ω^)「ただいま……」

「おかえり」など期待していなかったが、案の定返事は無かった。
疲れのため、へべれげみたいになった足を引きずりながらリビングへ向かった。
無人だったが、机の上には巨大な恵方巻きが皿の上に乗っていた。
「夕食」とだけ書かれたチラシの裏が、皿を重しにして挟まっていた。
ブーンは無言で着席すると、南南東に向かって食べ始めた。

(;^ω^)「……! ……!」

口径がやけに大きい。口に収めるのが一杯々々で、中々噛み切ることが出来ない。
具材の味が酢飯の傾打ちのせいで、よく分からなかった。
途中、糊が喉の中で絡まって地獄を見た。
巻き寿司はやけに長かった。
ブーンは当初、「これだけで満腹になるものか」と憤慨遣る瀬無い気持ちであった。
だが、未だ四分の一程も残っている状況で、ギブアップしたくなるほど満腹になってしまっていた。
胃の内容物が逆流しそうになる中で、ようやくブーンは完食した。

( ^ω^)「……ゲップ」

お茶を飲もうと考え、急須に手を伸ばした。
コップに注ぎ飲んだところで、中身が天つゆだったのを知る。

一生幸せになれないと思った。



998: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 23:08:44.19 ID:cgSpvZBLO
みんな乙!

999: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 23:09:06.10 ID:nqWxeW/L0
本当にお疲れ様でした。

1000: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/03(日) 23:09:13.21 ID:hcscLDQS0
1000ならみんなブーン才に溢れる!



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