( ・∀・)見つめているようです

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:13:07.53 ID:a4Q0WM4A0
ケース・5


( ・∀・)「・・・?」

一人の男性だ。腕を組んで、ソファーに座っている。
部屋の中。壁は白い。
テレビ、テーブル、コーヒー、吸殻と、灰皿。

ベッドはない。

( ・∀・)「・・・ん」

テレビ画面には、この部屋を天井から見下ろした映像が映っている。

同じだ。



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:14:12.72 ID:a4Q0WM4A0
( ・∀・)「・・・そうかい、そうかい」

男性は立ち上がって、天井を仰ぎ見た。

( ・∀・)「見ているんだろう?見つめているんだろう?」

誰に、話しかけているのだろう。

( ・∀・)「キミだよ。キミ。知ってるぞ」

分からない。



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:16:41.20 ID:a4Q0WM4A0
( ・∀・)「この世界」

世界。

( ・∀・)「そう、キミの世界のことだ。死について」

死。

( ・∀・)「理不尽な死だ。分かるか?」

彼は何を言っているのだろう。

( ・∀・)「四つの、理不尽な死」

分からない。



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:17:50.79 ID:a4Q0WM4A0
( ・∀・)「見られているんだ。誰かが必ず、見つめているんだ」

男性は、ゆっくりと歩き始めた。

( ・∀・)「理不尽な死を、見つめているやつがいる」

( ・∀・)「『自分は大丈夫』なんて思うな。人間は生きることよりも、死ぬことのほうが、簡単なんだ」

( ・∀・)「夜、外を出歩く時。自分の部屋でくつろいでいる時。太陽の光を浴びている時」

( ・∀・)「上を見てごらん。見つめているんだ」

( ・∀・)「視線を感じた時、気をつけたほうが良い」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:19:13.41 ID:a4Q0WM4A0

本当に、何を言っているのだろう。

誰に言っているのだろう。

( ・∀・)「キミだよ。気をつけたほうが良い」

( ・∀・)「理不尽な死を、見つめているやつがいる」



( ・∀・)「それだけだ」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/15(金) 02:19:58.52 ID:a4Q0WM4A0


部屋の中には、誰もいない。
家具があるだけだ。

テレビが、つけっぱなしになっている。
消そうと思い、近づいた。

だがすでに、テレビの画面は真っ暗だった。

おかしいな。
確かに、部屋を上から見下ろした映像が、映っていたと思ったのに。



誰かが、見つめている気がする。



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