【+  】ゞ゚)死人達の夜のようです

1: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:03:54.33 ID:UwAKUjVO0
-市街【ヴィップ】-

この街には誰もいないはずの墓地から、四人の声が聞こえてくる噂が流れていた。
街の人々は、墓荒らしの仕業か、はたまた亡霊が彷徨っているのか。
しかし、あまりに不気味すぎて、誰一人その正体を掴めないでいる。

場所は変わり

【ヴィップ総合墓地】
街からそれほど離れていない荒地。
そこには、死者を埋葬するために墓地が設立されていた。

十字架と墓石、中には卒塔婆も混じっているが、ズラリと並ぶ墓石は
どことなく不気味な負陰気(無理やり変換してみた)を醸し出している。

時刻は午前三時。
妖しげに光り輝く三日月が、薄暗い墓地を照らしている。

「今夜はこれだけなのか?」

「うん……他の皆は寝てるみたい」

「ギギギ」

「あばばばばばばー」

噂どおり、真夜中の墓地から四人の声、内二つは奇声の様な音であるが響いてくる。



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/07(金) 22:05:56.52 ID:UwAKUjVO0






        【+  】ゞ゚)死人達の夜のようです





4: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:08:59.65 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「死人とはいえ、寝てばかりでは話がまとまらんではないか」

「オサム」
自身が納められていた棺桶を、常に肌身離さず背負っている。
元は貴族の息子であったが、不運なことに馬に蹴飛ばされ
その距離100メートルというギネス記録を打ち立てたが、同時に短い生涯に幕を閉じた。

(#゚;;-゚)「しょうがないよ、皆安らかに眠りたかったんだから……」

「でぃ」
篭いっぱいのマッチを売って、生計を立てていた少女。
大雪が降り注いだある日、あまりの寒さに耐えかねて一本のマッチをつけ
最初は暖かい火で寒さを凌いでいたが、やはり無理があり、衰弱死でこの世を去った。

( ∴)「ギギギ」

「ビコーズ」
何をして生きていたのか、何をして処刑されたのか、全てが不明の男。
判る事は、断頭台で首を切り離されたという、悲惨で、唯一の真実を持っている事。
また、顔が上下さかさまになると「ギギギ」と「ゼアフォー!」の奇声しか発してこない。

(´゚ω#`)「あばばばばばば」

「ショボン」
料亭【バーボンハウス】を経営していたマスター。
彼の作る料理は美味しく、それでいて独創的で、街では一、二を争うほどの腕前だとか。
しかし、酒に酔い潰れたあらくれのラリアットを食らい、治療もむなしく息を引き取った。



5: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:10:43.48 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「さて、紹介も済んだところで、本題に戻ろう」

【+  】ゞ゚)「議題は先日同様【総合墓地のイメージUP】でよいな?」

(#゚;;-゚)「意義なーし……」

( ∴)「ゼアフォー!」

(´゚ω#`)「あばばーば」

【+  】ゞ゚)「よろしい、ならば議論開始だ」

以前からオサムはあることを問題視していた。
それは、総合墓地から漂う不気味さであった。

昼、太陽が射しかかっている時刻でも、カラスが飛び交い街とは別の空気が漂っている。
夜にもなれば街の外灯すら届かず、月が明るく照らしていても妖しさと不気味さが増すだけ。

('A`)「うぅ、トイレトイレー」

たまにではあるが、墓地の前に人が通りかかる事もあった。
しかし……。

【+  】ゞ゚)「む?」

(;'A`)「?!」

【+  】ゞ゚)「これは珍しい、生きている者と出逢うとh」

ε≡┏(;'A`)┛「オォォオオォォオバケだぁぁぁあああああああ!!!!!!!」



6: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:13:00.24 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「……」

【+  】ゞ;) ブワッ

(#゚;;-゚)「まずい、トラウマを思い出しちゃったみたい……」

(´゚ω#`)「あばばばば?」

【+  】ゞ∩)ゴシゴシ「大丈夫だ、心配無い」

【+  】ゞ゚)「まず始めに、この薄暗い墓地のふいんき(変換できない……だと!?)をどうにかするべきだ」

(#゚;;-゚)「松明を設置するとか?」

【+  】ゞ゚)「それでは夜だけにしか効果がない、もっと別の案はないか?」

(´゚ω#`)ヘ「あびゃびゃびゃびゃ、ばびぶべぼーん!」

【+  】ゞ゚)「何、私に任せてくれ?」

(´゚ω#`)「うぇらーをっち!」

【+  】ゞ゚)「ふむ──ではショボン殿、頼みますぞ」

(´゚ω#`)ヘ「おってらーい!」

(#゚;;-゚)(なんて言ってるのかわかんね、てかオサムは何でわかるの……?)



7: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:15:06.69 ID:UwAKUjVO0
─翌日・朝─

(,,゚Д゚)「市長、こっちだ!」

/ ,' 3「なんじゃ、朝から騒がしいのう!」

黒の燕尾服を着こなす老人は【ヴィップ】の市長こと「スカルチノフ=アラマッキー」

(;´・_ゝ・`)「今朝、母の墓石を洗いに来てみたら、入口にあんなのが!」

/ ,' 3「!」

デミタスが指さした光景に、市長を含め、多くの住民が目を疑った。

Welcome to Integrated graveyard in VIP

と書かれた看板が立てかけられていた。
ただそれだけなら問題はなかった。

しかし

/ ,' 3「これは……血か?」

(,,゚Д゚)「いたずらにしても、これはひでえ……誰がやったんだゴルァ!」

(;'A`)「お、俺見たんだ! 棺桶を背負った死体が座って月を眺めていたのを!」

(;'A`)「その時は怖くなって逃げたけど、きっと通りすがりの旅人を襲って書いたんだ!」

細身のキモ男ドクオの推測を聞いて、住民たちがざわめきだす。



9: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:17:13.16 ID:UwAKUjVO0
/ ,' 3「亡霊の仕業だとしても、一体何のために……?」

(,,゚Д゚)「んなこと知らねえよ! とにかく、なめた真似をした野郎をとっちめるのが先だ!」

(,,゚Д゚)「今夜、俺が見張ってドクオが言ってた野郎を捕まえてやんよ!」

/ ,' 3「待たんか、捕まえるにしてもお主一人じゃ危なかろう」

/ ,' 3「何人か付き人を連れて、行くのが得策じゃ」

(,,゚Д゚)「俺一人でもいいが、市長がそういうってなら……ドクオ!」

(;'A`)「は、はい?!」

ギコがドクオを呼びつけると、嫌な予感がするといった面持ちで返事を返す。

(,,゚Д゚)「今のところ怪しい男を見ているのはお前だけなんだろ? だったら今晩確かめに行くぞ!」

(;'A`)「そんなぁ……」

/ ,' 3「何が起こるかわからん、だから命を落とさない程度に気をつけるんじゃよ」

(,,゚Д゚)「任しときなって、ガーハハハハ!!」

('A`)「うぅ、なんでこんな目に……」



10: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:19:22.30 ID:UwAKUjVO0
─総合墓地・夜─

(´;ω#`)「おーん……プテラノドーン!」

【+  】ゞ゚)「まあまあ落ち着いてくだされ」

(#゚;;-゚)「何か……あったの? あと読んだ事ないのに他小説のネタ使うのやめい」

【+  】ゞ゚)「実は先日、ショボン殿が立ててくれた看板が取り壊されていたのだ」

(´;ω#`)「かをーめ! かをーめ!」

(#゚;;-゚)「それはひどいなぁ……というかそれは泣いてる時の声なの?」

(´゚ω#`)ヘ「うぇらーをっち!」

(#゚;;-゚)(こいつうぜえ……)

オサムはバラバラに壊された看板の欠片を指さした。

【+  】ゞ゚)「入口に立てかけておいたのだが、起きてみればこの有り様だ」

(#゚;;-゚)「あーあ……ボロボロに壊されてるね……」

看板の欠片を手に取り、でぃはそれらを丁寧に並べる。



11: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:21:29.67 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「少しずつイメージうpを目指そうと【ようこそ、ヴィップ総合墓地へ】と書いたのだが」

(#゚;;-゚)「ところで、書くもの無いのにどうやって書いたの……?」

【+  】ゞ゚)「墨がないなら血を使って」

(#゚;;-゚)「光の速さで原因が判明しますた」

【+  】ゞ゚)「ちなみに、血はオワタ殿の身体に残ってた物を使わせていただきました」

\(^o^)へ「俺の人生オワタ」

陽気な声をあげながら、腕が折れた死人が地面から上半身だけ出し、手を掲げる。

(#゚;;-゚)「うわ汚っ、近寄るんじゃないこのえんがちょ」

\(;o;)へ「オワタ後の人生もオワタ」

【+  】ゞ゚)「うぬぅ……新鮮でないドス黒い血が墨に似てたからイケると思ったのだが……」

(#゚;;-゚)「血という発想がすでにグロの領域に達しています」



13: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:23:30.85 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「となると【美しい看板で墓地のイメージうp作戦】は失敗ということか」

(#゚;;-゚)(本当に成功すると思ってたんだろか……?)

【+  】ゞ゚)「他にいい案はないものか……」

(´゚ω#`)「あばぁ……」

( ∴)「ギギギ」

(´゚ω#`)「……」


( ´゚ω#`)ノ ( ∴)


( ´゚ω#`)ミ。( ◎) シパーン
            クルクルクルクルクルクルクル

(#゚;;-゚)「ショボンさん何してはるんですか?」

【+  】ゞ゚)「ひょっとして……ビコーズ殿を呼ぼうとしているのか」

勢いよく回転していたビコーズの頭が、徐々に速度を落としていく。

( ◎) クルクルクルクル……

( ∵) シャキーン!!



14: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:25:32.42 ID:UwAKUjVO0
( ∵)「っ……あぁー、久々のシャバの空気はやっぱり美味いぜ……」

つながっていない首の位置を正しながら、ようやく奇声以外の言葉を口にするビコーズ。

【+  】ゞ゚)「おはようございます、ビコーズ殿」

(#゚;;-゚)「おはよう……」

(´゚ω#`)「あばばばー」

( ∵)「よう、クソ共。こんなに集まって、一体何をおっぱじめようってんだ?」

自分が収められていた棺に向かいながら、どこから仕入れたのか
一本の葡萄酒のビンを取り出す。

【+  】ゞ゚)「実は、かくかくしかじか」

(#゚;;-゚)「かくかくうまうま」

二度も同じことを書くのめんどくさいので以下省略。

( ∵)「へえ、これまた面白そうなことをやってるじゃねえか」

葡萄酒のフタを開け、一口分の酒を流し込む。

【+  】ゞ゚)「そこで、ビコーズ殿にも良い案がないかお聞きしたい」

( ∵)「それならあれだ、”歌”なんてどうよ?」



15: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:27:33.81 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「歌……といいますと?」

( ∵)「つまり墓地の暗さをどうにかすりゃいいんだろ?」

( ∵)「なら明るい歌でも歌えば、イメージうpも図れるだろうよ」

【+  】ゞ゚)「むぅ、歌ですか」

( ∵)「なんだよ、俺の案になんか問題でもあんのかよ?」

【+  】ゞ゚)「恥ずかしながら、我は音痴故に観る側なのだ」

(#゚;;-゚)「お家が……貧乏だから音楽なんてあまり聞いたことがない……」

( ∵)「あーもう、しょうがねえ! この俺様が一肌脱いでやんよ!」

( ∵)「おいオヤジ!」

(´゚ω#`)「あぼん?」

( ∵)「以前俺がオヤジの店に行った時に、歌った曲があったよな?」

(´゚ω#`)「おー……あ、あばば!」

( ∵)「覚えていてくれて嬉しいぜ、早速やってみようぜ!」

(´゚ω#`)ヘ「おってらーい!」

(#゚;;-゚)(ビコーズさんもわかるんかい……)



16: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:30:11.84 ID:UwAKUjVO0
―総合墓地より少し離れた荒地―

松明の光が、夜道を照らしだす。

(,,゚Д゚)「おいドクオー、さっさ着いてこねえと置いてっちまうぞ」

(;'A`)「待って…ヒィ、ください……速すg……ハァハァ……」

(,,゚Д゚)「早くしねえと、朝が来ちまうだろ!」

(;'A`)「朝って、まだ午前三時前ですよ……」

(,,゚Д゚)「モタモタしてる暇はねえ、朝の仕入れもあるしとっとと行くぞ!」

(;'A`)「あっ、待ってくださいよー!」

墓地に向かって駆ける二人。


|木|д川


|木|彡 サッ


それを木の陰から見つめる黒髪の女がいた事を、二人は気付かなかった



17: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:32:12.18 ID:UwAKUjVO0
(´゚ω#`)「あばばばああああああ!」

( ∵)「センキュー!」

【+  】ゞ゚)「おお、なかなか良い曲ではないか!」

( ∵)「昔、東の国に逃亡した時に覚えた曲なんだ。確か「熱情の律動」だっけか」

(´゚ω#`)「あばばばばー」

( ∵)「いやいや、オヤジの歌声には敵わねえよ」

(#゚;;-゚)「ビコーズさんはともかく、ショボンさんは あばば だけだったような」

( ∵)「おっし、この調子でもう一曲行くか!」

( ∵)「熊の子見ていた、ぁかくれんぼぉ〜♪」

( ∵)「ぅお尻を出した子、一等賞!」


www ガサガサ


w,,゚Д゚)「なんだ? 誰かの歌声が聞こえるぞ?」

w'A`)「き、きっと亡霊が恨み憎しみを歌にして、旅人に聞かせてるんですよ……」

w,,゚Д゚)「恨み憎しみっつか、もの凄く拳のきいた童謡が聞こえるんだが……」



18: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:34:45.24 ID:UwAKUjVO0
( ∵)「いいーないいなぁ、にぃーんげんっていいなぁ♪」

( ∵)「おいすぃおやつに、ほかほかごはんっ! 子供の帰りを待ってるだろな!」

( ∵)「僕も帰ーろお家へ帰ろぅ!」


(ノ∵)ノ でぇーんでぇん


γ( ∴) でぇんぐり返して


煤i ∴) ゴキッ


( ∴)「ゼアフォー!!!」


w゚A゚)

w,,゚д゚)



20: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:36:47.70 ID:UwAKUjVO0
(#゚;;-゚)「あちゃー、首が折れちゃった……」

【+  】ゞ゚)「繋がっていないのにでんぐり返しとは……無茶しやがって……」

(´゚ω#`)「あばばばば?!」

( ∴)「ゼアフォー!」

(#゚;;-゚)「ゼアフォーモード(略してゼアモー)になったら、何も反応してくれないんだよね……」

【+  】ゞ゚)「ゼアモーになった直後だと首が取れる事もあるから、暫く放置するしかあるまい」

(#゚;;-゚)「まあいつもの事だし、なんとかなるでしょ……」

三人にとっては、ビコーズの首が百八十度曲がると
ビコーズ⇔ゼアフォーになるという事態はいつものことであった。

しかし、他の者からすれば、それは普通から到底かけ離れている事態であった。


(;'A`);,,゚Д゚)「「くくくくく、首がぁぁぁぁぁぁあああああああ!!?!!1?!1!!?」」

(#゚;;-゚)「わっ!?」

【+  】ゞ゚)「しまった、人間がいたか!」



22: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:38:41.08 ID:UwAKUjVO0
ε≡┏(;'A`)┛「助けてカーチャアアアアアアアアン!!!!!!!」

(;,,゚Д゚)「ちょwwっをまwww逃げんのはええよwwwwwww」

秒速10メートルという驚異的なスピードで逃亡するドクオ。

川д川「フンッ!」

しかしそれを遥かに超えるスピードで、彼の背後に立ち、菊門に狙いを定める姿が!

(゚A゚)「はうあっ!!!!」

菊門に捻じりこまれると同時に、ピンッと硬直し、白目をむきながら地面に倒れこむ。
時折けいれんを起こしているがキモイ。

川д川「余所者よ、今すぐここから立ち去れ」

(;,,゚Д゚)「ドクオ! てめえ、ドクオに何しやがった!」

川д川σ「去らぬと言うなら、我が奥義【四千年殺し】の餌食となれ」

両手を重ね、人差指を強く突き出し、戦闘態勢に入る女。
ギコは持っていた松明を構え、注意深く相手を窺った。

【+  】ゞ゚)「ここで我の”三行でキャラ紹介”を」

「貞子」
生前は女性でありながら、武術家として各地を渡り歩いていた。
東の国に渡った際に会得した「三年殺し」を自己流に改良させ「四千年殺し」の技を完成させる。
しかし、旅の途中で釣った魚から食中毒を発症し、短い生涯を終える。



23: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:40:41.04 ID:UwAKUjVO0
(#゚;;-゚)「なんか私達、置いてけぼり食らってるね……」

【+  】ゞ゚)「しょうがない、我が仲裁に入るとしよう」

(#゚;;-゚)「あ、ショボンさん、そっちで倒れてる人の看病お願いします」

(゚A゚) ピクピク

(´゚ω#`)「……」

(,,゚Д゚)「アンタが何者か知らねえが、連れの仇、取らせていただくぜ!」

ちなみにドクオは泡をふきながらまだピクピクしている、キモイ。

【+  】ゞ゚)「あの 川д川σ「ほう──抗おうというのか人間」

【+  】ゞ゚)「ちょっt (,,゚Д゚)「御託はいらねえ! かかってこいやぁ!」

【+  】ゞ゚)「おー 川д川σ「愚かな……その身に拭い切れぬ苦痛を与えてくれよう……!」

【+  】ゞ゚)「聞い (#,,゚Д゚)「上等だゴルァァァアァアアアアア!!!!」

【+  】ゞ゚)「だk 川#゚д川「死ねい若造!!!」


ブチン


【+  】ゞ゚#)「人の話を聞かんかいこのド腐れ野郎共がぁ!!!111」



25: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:42:46.03 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「で、何のためにここへ来たのだ?」

(#),##Д゚)「はい、変な声が聞こえるとの噂があったので、確かめに来ました」

【+  】ゞ゚)「よろしい、では貞子殿は?」

川##)д川「見慣れない人がいたから……ついカッとなってやってしまいました」

【+  】ゞ゚)「いきなり襲いかかるのはどうかと思いますぞ……」

川##)д川「いやだって」

【+  】ゞ゚#)「だって、じゃありません!」

【+  】ゞ゚#)「見境なく必殺技をお見舞いするなと、あれ程言ったではありませんか!」

(#゚;;-゚)「ショボンさん、その人大丈夫なの?」

(´゚ω#`)「あばばばびゃびゃ」

(゚A゚)「あばばばば」

顔色が段々と悪くなっていき、視線も明後日の方向を向いている、キモイ。

(#゚;;-゚)「新しい仲間が出来そうだね……」



26: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:44:41.54 ID:UwAKUjVO0
その時、黒く染まった空が明るくなり始める。

夜明けの時間が迫ってきたのだ。

(#゚;;-゚)「はいはい皆さん、お開きの時間ですよー」

【+  】ゞ゚)「ぬ? もうこんな時間か、そろそろ眠りに就かねばならぬ」

(´゚ω#`)「あばばばば!」

( ∴)「ゼアフォー!」

川д川「ふん、朝が来なければ、貴様との決着をつけれたのだがな」

(,,゚Д゚)「うるせー! なんなら今晩でも構わないぜ!」

(´゚ω#`)「あばばばー」

川; д川「ぬお! 何をする、離せ、離さんかショボンー!」

貞子はショボンに引きずられていき、自身の墓石へと連れられていった。


【+  】ゞ゚)「──ところで人間よ、一つ頼みごとを聞いてくれないか」

(,,゚Д゚)「おう、なんでい!」

【+  】ゞ゚)「我々の存在を、他の住民たちには内密にしておいてほしいのだ」



27: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:46:41.29 ID:UwAKUjVO0
【+  】ゞ゚)「我は死人となり果て、安らかにこの地に眠るはずだった」

【+  】ゞ゚)「だが……ある日突然、何故かはわからぬが、こうして蘇ってしまった」

【+  】ゞ゚)「我らは他者に危害を加えるつもりはないのに、外見で判断し、我らを討伐しに出向いて来た者もいた」

【+  】ゞ゚)「我らは安らかに眠りにつき、それでいて普段どおりに生活を送りたいだけなのだ」

【+  】ゞ゚)「頼む、人間よ。我らは決して危害を加えたりはしない、だから我らの存在を見なかったことにしてくれ」

(,,゚Д゚)「…………」

少しの間を置き、顔をあげてギコは口を開いた。

(,,゚Д゚)「なんかよ、あんたの面見てると、今まで何が起こったか、なんとなくなんだ、わかるんだ」

(,,゚Д゚)「だから今日ここで見たことは誰にも言わねえよ」

(,,゚Д゚)「後”人間”って呼ぶの辞めてくれよ、あんただって生きてる時は人間だったんだろ?」

ギコの言葉を聞いて、死人であることを当然と思っていたオサムは、あることを思い出す。

そうだ、自分も元は”人間”だった事を

【+  】ゞ゚)「──これは失礼した。我はオサムと申す」

(,,゚Д゚)「俺はギコだ、よろしくなオサム!」

【+  】ゞ゚)「あぁ──ありがとう、ギコ殿」



30: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:49:41.11 ID:UwAKUjVO0
(#゚;;-゚)「オサム……もう朝が来ちゃうよ」

【+  】ゞ゚)「わかった、ではこれにて失礼する」

(,,゚Д゚)「おう、ぐっすり眠れよ!」

【+  】ゞ゚)「もちろんそうするさ、それではさらばだ」

墓石を動かし、ポッカリと空いた地面に背負っていた棺桶を入れた後、オサムが降りていく。
暫くしてからズズズと墓石が動き、何事もなかったように静まり返る。

そして、朝日が大地を照らし出し、朝を迎える。

(,,゚Д゚)「さてと、帰るとするか。おいドクオ!」

('A`)「ふぇっ?」

菊門を貫かれ、そのまま気絶してしまい、グッスリと眠っていたドクオは目を覚ます。

(,,゚Д゚)「いつまで寝てんだ、とっとと帰るぞ!」

('A`)「あれ、確か首が縦に回転したり、逃げようとしたらいきなり掘られたり……」

(,,゚Д゚)「何言ってんだ、見張ってる最中に居眠りしてただけじゃねーか」

(;'A`)「あ、あれー……って置いていかないで下さいよー!」

ドクオが考えている間に、ギコは足早に街へと戻っていく。



32: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:52:03.41 ID:UwAKUjVO0
その後、住民たちがギコに詰め寄り、何があったのか、誰かいたのかと問い詰める。
しかしギコはどんな質問も。

(,,゚Д゚)「あぁ──音痴な詩人達が、満月を眺めながら練習していたんだよ」

(,,゚Д゚)「あまりにひどいもんだから”家にでも帰ってやってろ!”って怒鳴ってやったぜ」

と返し、詰め寄る住民たちを納得させた。
あまりの内容に笑う者もいれば、なんだー(´・ω・`)とがっかりする者もいた。

だがそれが功を成したのか、それ以来、不気味な噂はあまり流れなくなったようだ。


数日後。


―ヴィップ総合墓地・夜―

(#゚;;-゚)「こっちこっち……」

(´゚ω#`)「あびゃびゃびゃ?」

( ∴)「ギギギ」

【+  】ゞ゚)「どうしたのだ、でぃ?」

(#゚;;-゚)「入口に……あれが」

でぃは嬉しそうな表情を浮かべながら、入口の方へ指をさす。



35: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:54:02.75 ID:UwAKUjVO0
するとそこには、沢山の綺麗な花が植えられていた。

【+  】ゞ゚)「これは……いったい誰が」

(#゚;;-゚)「起きてみたらこんなに植えられていたの、綺麗……」

(´゚ω#`)「うぇらーをっち! うぇらーをっち!」

( ∴)「ゼアフォォォォオオゥ!!」

【+  】ゞ゚)「ん? これは何だ?」

門の側に大きな岩が置かれている。
その岩には短い一文が彫られていた。

短くも長くも 一度きりの生涯を終えた者たちに 安らかなる眠りを

【+  】ゞ゚)(あの男か……)

岩を冷たい手でなぞりながら、ギコに感謝の意を込める。

(#゚;;-゚)「オサム? 泣いてるの……?」

【+  】ゞ゚)「? 我が泣いているように見えるか?」

(#゚;;-゚)「でも頬に……」

顔に手を当てると、気づかぬうちに流していた涙に気づく。

【+  】ゞ゚)「む……これは……汗、そう汗なのだよ」



37: ◆SCBun2nD3Y :2008/03/07(金) 22:56:11.87 ID:UwAKUjVO0
(#゚;;ー゚)「……ふふふ」

【+  】ゞ゚)「な、何を笑っておるのだ!」

(#゚;;ー゚)「だって、なんだかオサムらしくないんだもん」

(#゚;;ー゚)「オサムならこういう日は」

【+  】ゞ゚)(#゚;;ー゚)「「今宵はなんとも素晴らしき日だ、さあ皆の者、喜びを分かち合おう!」」

(#゚;;ー゚)「やっといつものオサムに戻った」

【+  】ゞ゚)「何を言うか、我はいつもどおりだ」

【+  】ゞ゚)「さあこうしてはいられぬぞ、今日という素晴らしき日を忘れぬ為に歌おう!」

その日は朝が来るまで、明るい歌声が墓地から、絶え間なく聞こえてきたそうな。


我ら生きる死人達はいつ、永遠の眠りにつくのだろう。
ふと、その思考を過らせたオサムだが。

二度目の生涯も”人間”らしく振る舞い、変わることなく全うしよう。

そう考えながら、オサムは眠りに就いた。




-終-



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