('(゚∀゚∩なおるよ!のようです

745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 02:31:07.15 ID:SYYE62qLO

ここはとある森の中。
そのなかに、なおるよ はいました。

('(゚∀゚∩

ちょっとバカそうだけど、とても なおるよ は有能な医者でした。

('(゚∀゚∩≡.≡∩゚∀゚)')

今日も、なおるよ は大忙しです。



750: ◆lirqr6DwLQ :2008/03/12(水) 03:00:07.68 ID:SYYE62qLO

( ;∀;) うぇぇーん痛いよー

今日は元気で活発だけど、ちょっと泣き虫な兎のモララー君が擦り傷を作っていました。

('(゚∀゚∩ 大丈夫だよ!! ただの擦り傷だからすぐなおるよ!

('(゚∀゚∩ 男の子が泣いちゃ駄目だよ!

そう言うと、なおるよ は擦り傷に良く効く薬草を取り出します。

それを丁寧に傷口に塗り、「これでなおるよ!」とお決まりの台詞を言います。

( ;∀;) ウグッ…エグッ

( つ∀;) 僕は男の子だから泣かないよ…

('(゚∀゚∩ そうだよ!さぁ、元気に遊んでくるんだよ!

( ・∀⊂") ありがとう、なおるよさん

そうに言うと、モララー君は元気に走っていきました。



752: ◆lirqr6DwLQ :2008/03/12(水) 03:03:44.56 ID:SYYE62qLO

すると、そこに熊のギコさんと、ギコさんの奥さんのしぃさんがやって来ました。

(,,゚Д゚) 久しぶりだゴラァ!

('(゚∀゚∩ 久しぶりだよ!今日はどうしたんだよ!

(,,゚Д゚) 妻のしぃが つわりなんだ、薬を頼むぜゴラァ!

(* ;‐;) …………

確かに、しぃさんはとても辛そうでした。

('(゚∀゚∩ わかったよ!

じゃあ…、と言いながら なおるよ はゴリゴリと薬草を擦り潰し、薬を作りました。

('(゚∀゚∩ これで大丈夫なんだよ!

('(゚∀゚∩ 飲めばすぐになおるよ!



754: ◆lirqr6DwLQ :2008/03/12(水) 03:04:29.11 ID:SYYE62qLO

(,,゚Д゚) ほら、飲めゴラァ!

(*;-;) ウゥ、ありがとうございます

そうに言うと、しぃさんは苦い薬を頑張って飲みきりました。

するとどうでしょう、みるみるうちにしぃさんの表情が明るくなります。

(*゚ー゚) 良くなった…、ありがとう なおるよ さん!

('(゚∀゚∩ いいんだよー!僕の薬を飲めば、何でもすぐになおるよ!

(,,^Д^) ギコハハハハ

ギコさんはしぃさんの体調がよくなったのがよっぽど嬉しいのか、豪快に笑いました。

その後に、ところで…とつけ なおるよ に話しかけます。



755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:08:06.82 ID:SYYE62qLO

(,,゚Д゚) なぁ、なおるよ

(,,゚Д゚) お前さんは旅とかをしないのかい?

(*゚ー゚) そうよ!あなた程の腕なら何処でも立派なお医者様よ


そう言われて、なおるよ はとても悩みました。

('(゚∀゚∩ でも、この森のみんなはどうするんだよ?

(,,゚Д゚) それなら、左にでも頼めばいいだろう

(*゚ー゚) そうよ!彼もそろそろ自立すべきだもの


「それもそうだよ!」と なおるよ は言って、左を呼びます。



756: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:11:09.40 ID:SYYE62qLO
.
∩゚∀゚)') 何だよ?

('(゚∀゚∩ 左、お前もそろそろ独立すればいいよ!

('(゚∀゚∩ この森はお前に任せたよ!


「分かったよ」と左は言うと、森の奥へと消えていきました。


('(゚∀゚∩ じゃあ、僕は旅に出るよ!

(,,゚Д゚) おう!この森のことは、左と俺に任しとけ。


そう言うとまた彼は、豪快に笑いました。



('(゚∀゚∩ ………

('(゚∀゚∩ じゃあ行ってくるよ!

なおるよ は森の入口に立って森へと挨拶をしました。

今夜からなおるよ は森を離れ、旅をするのです。



757: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:14:37.61 ID:SYYE62qLO
.
しばらく なおるよ は歩き続けました。

その時、小川で一人たたずむ悲しげな顔の若い猫を見つけました。


ξ゚听)ξ ………

('(゚∀゚∩ どうしたんだよ? 僕は なおるよ。 どっか悪いのかよ?

ξ゚听)ξ あなた誰…?

('(゚∀゚∩ 僕は医者だよ! なんでもなおるよ!

ξ゚听)ξ そう…、じゃあちょっと話を聞いてちょうだい

('(゚∀゚∩ いいよ!

なおるよ は猫の隣に座りこみ、お話に耳を傾けます。



759: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:18:10.64 ID:SYYE62qLO
.
ξ )ξ 私のお母さんとお父さんね

ξ )ξ 悪い人間にやられて、死んじったの

ξ )ξ 私ね恋人も、友達もいないのどうすればいいのかな?


うーん、と なおるよ は考えました。ずっと、ずっと考えています。

だけど、なおるよ は彼女を元気にする薬を知っていませんでした。



760: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:20:35.34 ID:SYYE62qLO
.
結局、陽が暮れても なおるよ は何にも思いつきませんでした。

('(゚∀゚∩ ………


しばらくすると、猫は言います。


ξ;;)ξ やっぱり駄目だよ、私なんか生きてちゃダメ……

('(゚∀゚∩ 違うよ!何か意味はあるよ!死んじゃダメだよ!


なおるよ は今まで誰かが死んでいくところを見たことがありません。

だから、なおるよ は猫が死んでしまうと思い、とても怖かったのです。


ξ;ー;)ξ いいんだよ。ありがとね、お医者さん。お話を聞いてくれてありがとう


猫は泣きながらそうに言うと、猫にとっては大きすぎる程の川に飛び込んでしまいました。



762: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:22:13.94 ID:SYYE62qLO
.
('(゚∀゚∩ …………


なおるよ は呆然とするしか、できませんでした。

すっかり陽は落ち、辺りは真っ暗になっていましたが、それでも なおるよ は動けませんでした。


('( ∀ ∩ 猫の一人も救えなくて…医者なんかやってられないよ

('( ∀ ∩ なおらなかったよ……、何であの猫さんに効く薬がないんだよ…



763: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 03:25:51.99 ID:SYYE62qLO

なおるよ はまだ分かっていませんでした。

心の傷というのは、お薬では治せないということを。


('(;∀;∩ ウゥ…ウゥ…


なおるよ は、一晩中泣いていました。しかし、いつの間にか眠りについていたようです。

気がつけば朝でした、眠い目をゴシゴシとしながら なおるよ は歩き続けます。

('(゚∀゚∩ 絶対になおるよ!

なおるよ は、まだ自分が一流の医者ではない。



765: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:00:02.63 ID:SYYE62qLO

なおるよ は声をかけます、泣いているモノを見ると
怪我をしてるんじゃないか?と、心配だからです。


('(゚∀゚∩ 何で泣いてるんだよ?

J( 'ー`)し シクシク…、あら可愛い兎さん。

('(゚∀゚∩ だから、何で泣いてるんだよ?

J( 'ー`)し 聞いてくれるの?

('(゚∀゚∩ 聞くよ!僕は なおるよ!お医者さんなんだよ!

J( 'ー`)し あらあら、立派ねぇ。それじゃ聞いてくれるかしら?



767: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:00:50.49 ID:SYYE62qLO

赤い実をつけた木は語り始めました。

J( 'ー`)し 私の子供達はね

J( 'ー`)し 雨にも、風にも、台風にも負けないで

J( 'ー`)し とても頑張って、こんなに綺麗な実になるの


なおるよ は真面目な顔で、ふむふむ…と聞いています。


J( 'ー`)し でもね、何かに敗けてしまった子は

J( 'ー`)し また私のような木になれるのに

J( 'ー`)し 最後まで頑張ってた子供達は、人間に売られちゃうのよ…



768: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:03:58.43 ID:SYYE62qLO

('(゚∀゚∩ ……?

なおるよ はまだわかりません、何でこの木が泣いているのかを。

なおるよ は、しばらく考え、勝手に結論を出しました。


('(゚∀゚∩ わかったよ!

('(゚∀゚∩ 僕があなたの涙を止めるよ!

('(゚∀゚∩ だから…僕も今日からあなたの息子だよっ!


なおるよ は、とても恥ずかしい言葉を堂々と言いました。

それが可笑しかったのか、泣きながらも木は クスッ っと笑います。


J( 'ー`)し ありがとね…

J( 'ー`)し 君が何処かに行きたくなるその時まで

J( 'ー`)し よろしくね



769: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:06:17.94 ID:SYYE62qLO

それから、なおるよ と木は毎日を一緒に過ごしました。

何年もの月日が流れていきます、その間、なおるよ は
ずっと木の涙を止めようと、薬を作ったり、お話をしたりと研究をしていました。


しかし、なおるよ の身体は限界を迎えてしまいます。

('(-∀-∩ うぅぅ…

J( 'ー`)し 大丈夫かい?なおるよ

('(゚∀゚∩ だ、大丈夫だよ!このくらいすぐになおるよ!

なおるよ はそうに言っていますが、本当はいつ死んでもおかしくない状態でした。



770: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:09:00.22 ID:SYYE62qLO

それから3日ぐらい経った日のことです、ずっと黙っていた なおるよ が急に話し始めます。


('(-∀-∩ カーチャン、わかったよ

J( 'ー`)し なにをだい…?

('(-∀-∩ 何でカーチャンの涙が止まらないか、わかったよ


なおるよ は語り続けます。

('(-∀-∩ 僕はカーチャンとお別れしたくないよ…

('(-∀-∩ そおゆうことを考えると、思うんだよ…

('(-∀-∩ どんなに凄い薬があっても…、なおせないものがあるんだよ

('(-∀-∩ それは心の傷だよ…、何をしてもなおらない……、心の傷だよ



771: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:13:04.06 ID:SYYE62qLO

('(゚∀゚∩ ……あ!


最後の気力を振り絞ってなおるよ はカーチャンを見ました。


('(-∀-∩ (心の傷の治し方……わかったよ)


最後にみたカーチャンはなおるよ にとって最後の景色でした。

しかし、なおるよ はとても満足しています。何故なら心の傷の治し方がわかったからです。

('(-∀-∩ (カーチャン…、最後まで一緒にいれて……、僕もよかったよ)


そう、なおるよ もカーチャンと同じように心の傷がありました。
それは、昔出会った一匹の猫のこと。救えなかった、猫のことです。

だからこそ、なおるよ は気付けたし、心の傷の治し方がわかりました。



772: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:16:50.99 ID:SYYE62qLO

('(-∀-∩ (どんなに…辛いことがあっても……、一緒にいてあげれば大丈夫なんだよ…)

('(-∀-∩ (きっとそれが、心の傷の治し方なんだよ!)

なおるよ はここまで思ったところで、意識が遠のいていくのを感じました。

最後に瞼の裏に浮かんだのは、

――― J( 'ー`)し

泣いていない、とても綺麗なカーチャンの笑顔でした。



773: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:19:13.74 ID:SYYE62qLO

死んでしまったなおるよ を支えるように、とても笑顔な木があります。

J( 'ー`)し なおるよ……

J( 'ー`)し ありがとう

J( 'ー`)し カーチャンの傷も

J( 'ー`)し きっとなおるよ


なおるよ の顔は、とても綺麗でした。
そう、思い残すこともないくらいに。
ですが、最後に一つだけ。なおるよ がわからなかったことがあります。


そう、なおるよ には気づくことのできない何かが。
いったいそれは、何だったのでしょうか?

それは、カーチャンにしかわかりませんでした。



776: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:25:46.13 ID:SYYE62qLO

('A`)「はい、おしまい」

(*^ω^)「おー……」

('A`)「さ、今日は早く寝なさい。おやすみ」

(*^ω^)「とーちゃん、とーちゃん!最後にいいかお?」

('A`)「ん?なんだい」

(*^ω^)「最後になおるよ がわからなかったことってなんだお?」



778: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/12(水) 04:30:08.45 ID:SYYE62qLO

('A`)「んー、多分だけどな」

('A`)「ちょっと難しくなるから、真面目に聞きなさい。ブーン」

('A`)「なおるよ はカーチャンに心の傷を治してあげたけどね。
なおるよ が死んじゃったから、またカーチャンには心の傷ができた。
ってことだよ」

( ^ω^)「……お」

('A`)「どういうことか、わかるかい?」

( ^ω^)「心の傷を治して、その後も一緒にいなくちゃいけない。
ってことかお?」



780: さるさる ◆lirqr6DwLQ :2008/03/12(水) 05:00:02.71 ID:SYYE62qLO

('A`)「ははは、大体そうゆうことさ」

( ^ω^)「友達でいろっ!ってことだおね」

('A`)「いいや、ちょっと違うよブーン」

('A`)「誰とでも親友でいて、支えてあげなさい」

('A`)「ってことだよ」

(*^ω^)「おっおっ、わかったおww
僕は皆を助けてあげられる親友になるお!」

('A`)「うん、いい子だ。それじゃあ、おやすみ」

(*^ω^)「おやすみなさいだお」

パチン と音をたてて、電気が消えた。真っ暗になってしまった部屋で、一人で寝るブーンは自分に語りかける。


(*^ω^)「僕は、みんなを助けられる。そんな心のお医者さんにないたいお」

(*^ω^)「なおるよさん……ありがとうだお」



781: さるさる ◆lirqr6DwLQ :2008/03/12(水) 05:00:57.30 ID:SYYE62qLO
.
―――50年後

僕の大好きな父と母、二人はもう先は長くないだろう。

('A`)「もういいんだよ、ブーン」
川 ゚ -゚)「私達の先は短いから、自分のやりたいことをしなさい」
僕もそう思うけど、いいんだ。

( ^ω^)「いいんだお!」

どんなにこの二人が辛くても、僕は支え続けたい。
子供の頃読んでもらった、絵本の主人公のように。

( ^ω^)「きっと治るよ!」

どんなに二人が好きなことをやれと言っても、僕達はずっと一緒。
子供の頃食べた3つ繋がったさくらんぼのように。

( ^ω^)「あのさくらんぼみたく、僕達は最後まで一緒なんだお!」

僕は、家族を愛してるから。まだまだ、親孝行したりないんだお。

( ^ω^)「二人共、大好きだお!」


end



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