【VIPサスペンス劇場】( ^ω^)NEET探偵ブーンの推理〜モデ(ry

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 21:59:06.92 ID:0MxOVkO8O
身なりを整えたブーンは、部屋を出て一階に降りた。
キッチンではシュールが、洗い物を片付けている。

( ^ω^)「母ちゃん、ちょっと出掛けてくるお」

lw´‐ _‐ノv「そう。遅くなるようなら連絡を寄越しなさい。
……一緒にご飯食べてあげれば、少しは気が紛れるかもしれないし」

( ^ω^)「ありがとう、母ちゃん」

lw´‐ _‐ノv「そうだ。これ持っていきな」

シュールが何かを投げる。
それを受け止めるブーン。

( ^ω^)「……なんだおこれは」

lw´‐ _‐ノv「しゃもじ」

( ^ω^)「これで何をするお」

lw´‐ _‐ノv「さあ?」

( ^ω^)「行ってきます」

lw´‐ _‐ノv「行ってらっしゃい」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:00:45.68 ID:0MxOVkO8O
ブーンは家を出ると、ツンとデレが所属する芸能事務所に向かった。
電車に揺られながら、流れる景色を見るが、何も感じない。
頭の中を占めるのは、ツン達のことばかりだ。

( ;ω;)「…………」

仲睦まじかった3人の姿を思い出して、涙が出た。

( つω;)(ヤンさん……なんで死んじゃったお)

ヤンの言葉ばかりが、脳内で回っている。
ツン達のことを頼んだのは、死ぬためだったのか。
何故死んだのか。やはり犯人だったのか。
あれこれ考えているうちに、降車する駅に着いてしまった。

( ^ω^)「…………湖の犯人もまだ捕まっていないし、事件はまだ終わってないお」

煮え切らない現状に疑惑を膨らませながら、ブーンは事務所へと足を進めた。



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:04:03.67 ID:0MxOVkO8O
事務所のあるビルに到着したブーンは、ロビーでツンとデレを待つ。
事務所の人間でも芸能関係者でもないため、奥に入ることは出来ない。
しばらくするとエレベーターが降りてきて、ツンとデレが出てきた。

( ^ω^)「ツン」

ξ゚听)ξ「あ、ブーン。ごめんね、お姉ちゃんの遺品整理するの手伝ってくれて」

ζ(゚ー゚*ζ「すみません」

( ^ω^)「別に謝らなくていいお。僕もヤンさんのことは気がかりなんだお」

ξ゚听)ξ「そう……じゃあ、帰りましょうか」

出口に向かう三人。
すると入れ違いになるように、二人の男女が入ってきた。

ミセ*゚ー゚)リ「あ、ツンちゃんじゃない」

ξ゚听)ξ「ミセリちゃん」

ミセリと呼ばれた女は、ツンと同世代ぐらいだろうか。
格好からして、ツンと同じモデルだということがわかる。
だとすれば、後ろのエラが張った男はマネージャーなのか。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:06:09.73 ID:0MxOVkO8O
ミセ*゚ー゚)リ「お姉さん、残念だったね。ご愁傷様。
亡くなった日から私地方ロケだったでしょ? 訃報聞いたの向こうで」

ξ゚听)ξ「そう……お疲れ様」

ミセ*゚ー゚)リ「お葬式は出席させて。会ったことはないけど」

ξ゚听)ξ「いえ、葬式は身内だけでやるから」

ミセ*゚ー゚)リ「そうなの。まぁ、気を落とさないで」

ξ゚听)ξ「ありがとう」

<ヽ`∀´>「ミセリちゃん、事務所で人任せてるから行くニダ」

ミセ*゚ー゚)リ「そうね。これからスタッフさんと打ち合わせなの。
ツンちゃんにデレちゃん、マスコミが騒いでるけど気にしちゃ駄目よ」

そう言うと、ミセリとマネージャーの男はエレベーターの前に向かった。
ボタンを押すと、先程ツンとデレが乗ってきたためかすぐにドアが開く。
乗り込むと、ドアが閉まるまでミセリは笑顔でツン達に手を振り続けた。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:07:40.64 ID:0MxOVkO8O
( ^ω^)「なんか嫌味な感じだお」

ξ゚听)ξ「そんなんじゃないわよ。ミセリちゃんは、頑張ってるし」

ζ(゚ー゚*ζ「ツンお姉ちゃん、ミセリさんと同期だもんね」

ξ゚听)ξ「うん。ミセリちゃん、モデルの仕事が上手くいってなくて、
今はバラエティとかに力入れてるし。色々あるのよ」

( ^ω^)「そうなのかお……じゃあ、帰るお」





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49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:09:52.53 ID:0MxOVkO8O
( ^ω^)「遺書とかはなかったのかお?」

ξ゚听)ξ「うん。もしかしたら事故か事件なのかもしれないらしいけど。
でも湖の事件のこともあったし、過度のストレスで発作的に……って感じみたい」

ヤンの部屋で遺品を片付けながら、話をする。

( ^ω^)「そうかお……」

確かに、あのような取り調べが何日も続けばストレスは計り知れない。
しかしそれだけで自殺するだろうか。
黙秘したということは、何かを隠しているということではないのだろうか。
犯人であることを隠したのではなく、別のことを隠し、それで自殺したのか。

( ^ω^)(大切な妹を残して?)

ヤンとの会話はごく僅かなものだったが、
ヤンが自殺するとは思えなかったし、思いたくもなかった。

( ^ω^)「わからないお……」

ζ(゚ー゚*ζ「あー、懐かしい。子供の頃写真だぁ」

ブーンが考え込んでいる中、写真立てを手にしたデレがやっくる。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:12:34.26 ID:0MxOVkO8O
ξ;゚听)ξ「ちょっとデレ! その辺まだ荷物あるんだから気をつけなさ……」

注意し終える前に、デレが荷物に躓いた。
写真立てが宙を舞う。
そして、音を立てて床に落ちた。

ζ(゚ー゚;ζ「ご、ごめん!」

ξ゚听)ξ「もう! ドジなんだから……」

( ^ω^)「ガラス割れちゃってるから危ないお」

近付いて床を確認する。
破片は遠くにまで散らばっていないようで、ブーンは安心した。
そのまま写真に目が移る。

( ^ω^)「みんなちっちゃいお」

ξ゚听)ξ「当たり前でしょ。確か、あたしが小学校に入るか入ってないかくらいの頃だし」

( ^ω^)「お……? 写真の後ろにもう一枚別の写真があるお」

ブーンの言葉に、ツンとデレも写真に視線が向く。



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:14:15.48 ID:0MxOVkO8O
ブーンは指を切らないように注意しながら、中の写真を取り出した。
写っているのは、幼いヤンと、若い女。
若いといっても、30前後だろうか。
とても仲が良さそうに、寄り添いあっている。
その他にわかることといえば、狼岬と掘られた記念碑ぐらいか。

( ^ω^)「狼岬……警察でツン達を待ってる時、ヤンさんから聞いたお。
子供の頃にお母さんと良く行った場所だって」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、この人はお母さんじゃないですよ」

ξ゚听)ξ「顔が違うし、何より母さんは病弱で、こんな所になんか行けなかったもの」

母親ではない。
だとすれば、この人物は何者なのか。

( ^ω^)「この顔、どこかで見たことあるような、ないような……」

写真の女を凝視するブーン。
答えが出そうで、出てこない。



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:17:23.66 ID:0MxOVkO8O
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._    J('ー`)し       
|狼|    (  )\*(‘‘)*   
|岬|    │|   (_ _)ヾ   
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ξ゚听)ξ「狼岬って、ニュ速県にある岬よね。事件と何か関係があるのかしら?」

( ^ω^)「でも殺されたのはこの女の人じゃないお。
というか、殺された人とヤンさんはどんな関係だったんだお?」

ξ゚听)ξ「お姉ちゃんのお店に来てたって話だけど、詳しいことは何も。
なんだが揉めてたってことはわかったんだけどね……」

関係は未だ、霧がかかったまま。

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、ヤンお姉ちゃんが子供の頃に会いに行ってたおばさんじゃないかな?」

ξ゚听)ξ「遠い親戚だっていってた? でも……それなら納得が」

( ^ω^)「そのおばさんの住所、わからないかお?」

ξ゚听)ξ「……どうするつもり?」

( ^ω^)「この人が事件に関わってるかわからないけど、探して会ってみるお」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:20:44.44 ID:0MxOVkO8O
ξ;゚听)ξ「でもブーン……それで、もしお姉ちゃんが犯人だったら……」

(#^ω^)「そんなことないお!!」

ξ゚听)ξ「ブーン……」

( ^ω^)「ヤンさんは人殺しとか自殺とかそんな、
ツンやデレちゃんを悲しませることなんてしないはずだお。
それをツンが信じてあげなくてどうするんだお!」

ζ(゚ー゚*ζ「お姉ちゃん、ブーンさんの言う通りだよ。わたしも事件の真相が知りたい」

ブーンとデレの顔を交互に見ながら、ツンは何かを決意した。
落ちそうになる涙を拭い、力強い顔でブーンを見る。

ξ゚ー゚)ξ「わかった。待ってて、お父さんの遺品の中に確か手紙があったような気がする!」

また溢れ出しそうになる涙を隠すため、ツンは小走りで部屋を出ていった。

ζ(゚ー゚*ζ「泣きたいなら泣けばいいのに」

( ^ω^)「素直じゃないお」

だが、前向きになってくれツンに安堵する。
ブーンとデレは、笑った。



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:22:41.44 ID:0MxOVkO8O
 




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ブーンは再び、ニュ速県に足を踏み入れた。
手には、ぐしゃぐしゃになった封筒が握られている。

( ^ω^)「……」

ツン達の父の遺品を探したが、あったのはこの封筒のみ。
何か読まれてはいけないことが書いてあったのか、手紙は見つからなかった。
封筒も遺品をしまっていたダンボール箱の隅の隅にあり、
残っていたことが奇跡といえる。

( ^ω^)「このアパートだお……」

皺を伸ばしてもぐしゃぐしゃの封筒に書かれた差出人の住所。
年季の入ったアパートだった。取り壊されていなくてブーンは安心する。



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:24:27.52 ID:0MxOVkO8O
部屋の番号を確認すると、ドアを叩いた。

( ^ω^)「カーチャンさん! いませんかお!?」

呼びかけながら、何度もドアを叩いた。
しかし、出てくる気配はない。

「……そこの人なら、何年も前に引っ越しましたよ」

( ^ω^)「えっ?」

振り向くと、隣の部屋の住人らしき女がドアを開いて顔を出していた。

( ^ω^)「どこに引っ越したかわかりませんかお?」

∬ ´_ゝ`)「えぇっと……そうだそうだ。確かこの前事件があった湖の近くのホテルよ」

( ^ω^)「え……?」

女の言葉に、頭の中で引っかかっていたものが取れる。
ブーンは思い出した。
ヤンと共に写真に写っていた女は、ホテルニューワタナベで話を訊いた仲居だ。



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:25:52.09 ID:0MxOVkO8O
∬ ´_ゝ`)「それに殺された人、そこに住んでた人に脅迫みたいなこともしてたし……」

( ^ω^)「脅迫?」

∬ ´_ゝ`)「お金たかってたみたい。それが嫌になって、アパート出てったって話よ」

( ^ω^)「そうですかお……」

湖の事件で謎だった部分が繋がっていく。

( ^ω^)「ありがとうございましたお」

一礼して、ブーンは踵を返す。
ブーンの予想が正しければ、湖の事件の犯人は仲居の彼女に間違いはない。
しかし……

( ^ω^)「ヤンさんが生きてたら、きっと悲しむお……」

大事そうに語った、岬へ母親と一緒に行った思い出。
母親というのが嘘とは、ブーンには思えなかった。
ホテルまでの足取りは、重かった。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:27:58.00 ID:0MxOVkO8O
ホテルに着くと、ブーンはフロントで目的の人物であるカーチャンの所在を尋ねた。
受付の係員が、内線で連絡を取っている。
その時間が、ブーンには妙に長く感じた。

J( 'ー`)し「何かご用でしょうか?」

( ^ω^)「お久しぶりですお」

J( 'ー`)し「あなたは……」

ブーンとの再会に、驚きを隠せない。
歩きながら、会話を始めるブーン。

( ^ω^)「この前の事件について、またお訊きに来ましたお」

J( 'ー`)し「またって……知らないと言ったはずです。
それにあなたは警察ではないのでしょう?」

( ^ω^)「そうですお。でも、これだけは言わなくちゃいけない。
容疑者として警察で取り調べを受けていたヤンさんが、亡くなりましたお」

J(;'ー`)し「!!」

ブーンの言葉に、カーチャンは信じられないといった様子で、
よろめいて倒れそうになった。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:29:50.97 ID:0MxOVkO8O
J(;'ー`)し「そんな……そんなことって…………」

( ^ω^)「都心のホテルから転落して。自殺か事件か、それはまだわかってませんお」

J(;'ー`)し「あの子が死んだって……」

( ^ω^)「これは僕の想像にすぎませんが、確信がありますお。
あなたは、ヤンさんの本当のお母さんなんじゃないですかお?」

J(;'ー`)し「そ、それは…………」

核心を突かれ、狼狽えるカーチャン。
ブーンは、信じた。ヤンが守ろうとしたものを。
姉を、妹を。
そして、母親を。

( ^ω^)「ヤンさんは、母親と狼岬に行ったことを大事そうに話してくれましたお。
そして、写真立てには、姉妹で写ってる写真と、その後ろにあなたと写ってる写真が。
これは姉妹を大切にする心と、事実を隠したままでも本当の母親を大切にする心……
そのどちらも捨てられないから、ヤンさんはそうやって写真を飾っていたんですお」

母親を庇った。
だが、ツンやデレに知られないために黙秘を続けた。
そんなヤンの気持ちを、ブーンは伝えた。



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:31:24.32 ID:0MxOVkO8O
J( 'ー`)し「……そう通りです。私はあの子の、ヤンの母親です」

( ^ω^)「話してくださいお。いったい、何があったんですお」

ホテルの中庭へとやってくる。
ブーンとカーチャンの他に、人の姿はない。

J( 'ー`)し「ヤンとは、私がアパートを出た時に会うのをやめたんです。
かつて私は、湖で殺されたあの男、渋澤と深い関係にありました……」

静かに、身の上を話し始める。

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J(;'ー`)し「もうやめてよ! 私達別れたのよ!」

( ,_ノ` )「聞こえねえな」

アパートの部屋の前で、不毛な争いを始める。
カーチャンはなんとしても渋澤を部屋に入れまいと、
ドアの前から動こうとはしなかった。

*(‘‘)*「……」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:33:05.77 ID:0MxOVkO8O
部屋には、少女がいた。
ヤンである。

J(#'ー`)し「もう来ないで!」

そう怒声を上げると、カーチャンはすぐさま部屋に入り、鍵を閉めた。

( ,_ノ` )「おいおい、締め出しとはやってくれんじゃねえか」

靴のつま先でドアを小突く音に、カーチャンの体が跳ねる。
カーチャンはヤンに駆け寄ると、ヤンを抱き締めた。
渋澤が立ち去るまで、ずっと。

J( 'ー`)し「ヤンごめんね。お母さん、あの人のせいでお前を幸せにできない」

*(‘‘)*「お母さん……」

J( 'ー`)し「だからお母さん、あいつから逃げる。
どこかのホテルに住み込んで、ひっそりと生きていくわ」

ヤンの顔をしっかり見て、カーチャンは言う。

J( 'ー`)し「だからもう、ここには絶対に来ちゃ駄目よ。
あなたやお父さん、あなたの家族に、迷惑がかかるから」

*(‘‘)*「………………うん」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:34:19.47 ID:0MxOVkO8O
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J( 'ー`)し「あの子は不倫をして産んでしまった子です。
ですが私はあの子を養っていけるほど収入もなく、
彼の家の子として育てられることになりました」

動揺していた時とは真逆の、真剣な眼差しがブーンに向く。

J( 'ー`)し「彼の奥さんは、あの子を我が子同然に育ててくれました。だから……」

例え母親が違えど、ヤンとツンとデレの姉妹としての関係は深い。
本物の姉妹に変わりはない。
壊してはいけないもう一つの家族が、そこにはあった。

J( 'ー`)し「これ以上は何も、話せません」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:36:48.71 ID:0MxOVkO8O
カーチャンはブーンに背を向けて、ホテルに戻っていく。
その後ろ姿は、何か決意を秘めていて。

(;^ω^)「それでいいんですかお!!」

ブーンは言い知れない不安に襲われた。
叫んでも声は届かないのか、カーチャンは行ってしまった。

('A`)「ん? あんたは……」

( ^ω^)「あ……またあの時の刑事かお」

(´・ω・`)「なんだそのあからさまに嫌そうな顔は?
やっぱりお前が犯人なんじゃねぇのかぁ? あ?」

(#^ω^)(こいつ……!!)

('A`)「こいつは口が悪くてな。まぁ、許してくれや。あんたにいいもの見せてやるからさ」

刑事はそう言うと、懐から写真を取り出した。

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     ヽ('A`)ノ
       (  )
      ノω|
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70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:39:13.88 ID:0MxOVkO8O
(*'A`)「間違えた。これは趣味でやってる露出写真だ」

(;^ω^)(公然猥褻!!)

刑事は別の写真をブーンに見せる。
そこには、カップルらしきホテルの客が写っている。

(;^ω^)「こ、これは……」

ブーンは驚愕した。

( ^ω^)「ずいぶんブッサイクなカップルだおwwwwwwwwww」

(#'A`)「ちげぇーよ! そいつらの後ろ見ろ後ろ!!」

(´・ω・`)「確かにブッサイクでどうしようもないけどね」

('A`)「お前は黙ってろ!」

(#´・ω・`)「あ?」

('A`)「…………」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:40:27.71 ID:0MxOVkO8O
('A`)「このカップルの後ろに人が写ってるだろう。よく見ろ」

( ^ω^)「お? ……ヤンさんが写ってるお」

('A`)「そうだ。それとその女が会話している思しき人物が殺された渋澤だ」

(´・ω・`)「君達を釈放した後にこの写真を見つけてね」

ブーンは写真を手にすると、穴が開くほど見た。
そして、あることに気付く。
見切れているが、ヤンと渋澤のそばには、ブーンの知っている人物がいた。

( ^ω^)(こいつ、ミセリとかいうモデルのマネージャーだお)

エラの張り具合から、ブーンはすぐに誰なのかを思いだした。

( ^ω^)「刑事さん、捜査はどれくらい進んでるんだお」

(´・ω・`)「あぁ? そんなこと一般人のお前に喋れるわけ……」

('A`)「被害者の過去を洗おうと思っている」

(´・ω・`)「ちょっ……先輩?」

刑事の言葉に、ブーンは何かを考える。



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:42:35.69 ID:0MxOVkO8O
( ^ω^)「……刑事さん、その捜査、ちょっと待ってくれませんかお」

被害者の過去を調べれば、必然的にカーチャンのことも知られることになるだろう。
話そうとはしなかったが、ブーンは彼女が渋澤を殺した犯人だと確信している。
ブーンは自分の中で引っ掛かっているもの全てを解決したかった。

('A`)「いいだろう」

(´・ω・`)「先輩、何言って……」

('A`)「だが、その先に何がある。待っているのは幸せな結末じゃないだろう」

( ^ω^)「わかってますお。でも僕は、真実を突き止めたいんですお」

(´・ω・`)「おーい」

('A`)「…………わかった。協力できることがあるなら言ってくれ。力になろう」

( ^ω^)「ありがとうございますお!」

交わされる視線。
熱き握手。

(´・ω・`)「…………だめだこりゃ」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:44:53.85 ID:0MxOVkO8O
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ブーンは戻った。
早速、ツンに連絡を入れる。

( ^ω^)「もしもし、ミセリって子のマネージャーがどこにいるか知ってるかお?」

ξ;゚听)ξ「ちょっと、なんなのよいきなり! ミセリちゃんのマネージャー?
そういえば……見てないわね。確か、ミセリちゃんはオフだったはずよ」

( ^ω^)「マネージャーは!?」

ξ゚听)ξ「マネージャー? ちょっと待ってて…………えっと、無断欠勤してるみたい」

( ^ω^)「なん・・・だと・・・?」

ξ゚听)ξ「さっきからなんなのよブーン!?」

( ^ω^)「ヤンさんを殺した犯人は、その人かもしれないんだお」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/11(火) 22:46:28.44 ID:0MxOVkO8O
ξ゚听)ξ「え? どういうこと?」

( ^ω^)「詳しいことは後だお。とりあえずマネージャーの家に行ってみるお」

ξ゚听)ξ「わかった……住所を言うわ。何か書くものはある?」

ツンの説明を聞きながら、メモを取るブーン。
携帯電話を切ると、ブーンは空を見上げた。

( ^ω^)「ヤンさん、待っててお!」





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