( ・∀・)モララーはつがい草を育てるようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:03:26.53 ID:gSejs+po0
- 僕がモナーと共に学校を出ると、校門の目の前に怪しいおっさんがいました。
もうこれ以上下がりそうにないくらい下がっている眉毛、
くたびれたロングコート、同じ色をした焦げ茶色の帽子。そんな貧相な格好には似合わない、銀色のアタッシュケース。
この春の陽気の中ではとても暑そうな格好です。
ただおっさんがいただけなら、僕らは無視していたでいしょう。
だけど、おっさんの前にはレジャーシートが引いてあり、その上に不思議な商品が大量に置いてありました。
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:04:38.54 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「モララー、なんか面白そうな物がいっぱい置いてあるモナ!」
( ・∀・)「ホントだね……ほとんどがうさんくさいけど」
(´・ω・`)「そんな事言わないでよ。結構掘り出し物もあるんだから」
(*´・ω・`)「ほうら、これなんかお湯につけると1000倍に膨らむペニスだよ!!」
( ・∀・)「うさんくせー」
おっさんは色んな物を手に取って、僕らに説明をしてきます。
手の上で踊るマッチだとか、テレビ石だとか、興味はあるけど買おうとは思わない物ばかり。
そのうち興味が無くなって来たので、モナーと共に立ち去ろうとした時でした。
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:06:36.36 ID:gSejs+po0
( ・∀・)「…もう行こうモナー」
( ´∀`)「えー もうちょっと見てみたいモナ」
( ・∀・)「もう殆ど説明してもらったじゃんかよ。いこいこ」
そう言ってモナーを引きずり帰ろうとすると、目に見えて慌てた様子でおっさんが話しかけて来たのです。
(;´・ω・`)「ちょっ ちょっとまって!とっておきを出すから!ねっ!」
そう言うとおっさんは大慌てでアタッシュケースを開き、中から何かを取り出しました。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:08:45.27 ID:gSejs+po0
( ・∀・)「なんだそりゃ」
( ´∀`)「モナ?」
(´・ω・`)「小学生の時に、水栽培ってした事あるだろう?それと同じ要領で育てる球根さ」
おっさんが取り出したのは、親指の第一関節程の大きさの小さな二つの球根。
…球根にはとても見えないけど、球根らしい。どちらかというと、おっぱいと亀頭に見えます。あらやだ卑猥。
丸い玉状にピンクのポッチがついた球根と、やはり亀頭にしか見えない球根を僕らの目の前に持って来て、おっさんは続けます。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:10:37.25 ID:gSejs+po0
(´・ω・`)「実はこれ、木じゃなくて草なのに雌雄があるという珍しい種類なんだ。その名もつがい草」
(´・ω・`)「育て方はとぉーっても簡単!この専用の鉢に水と専用肥料を入れて、しばらく置いておくだけ!」
(´・ω・`)「それに成長するにつれて姿がどんどん変わっていくからまったく飽きない!」
(´・ω・`)「この植物から出来る実はとっても美味しいし、花は美しいから育ててみる価値はあると思うよー」
おっさんは僕らに売りつけるのに必死なようで、もの凄い勢いで捲し立ててきます。
その、間近に迫ったおっさんの顔を見ると余計貧相に見えて、
生活に困ってるんだろうなぁだとか、僕らがこの球根を買う事で少しでも生活の足しになればだとか、
同情心が心の中にむくむくと頭をもたげてきて、結局この怪しい球根を買ってあげる事にしてあげました。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:13:32.03 ID:gSejs+po0
( ・∀・)「聞いた事ない草だね…」
( ・∀・)「モナー。この球根買おうよ」
( ´∀`)「モナは最初から買うつもりだったからノーポッシブルだモナ」
( ・∀・)「プロブレムね。じゃあ、おっさんそれ何円?」
(´・ω・`)「千円」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:14:04.00 ID:gSejs+po0
- ( ・∀・)「帰ろうかモナー」
( ´∀`)「早く帰んないと夜ご飯に間に合わないモナ」
(;´・ω・`)「嘘!ごめん!本当は500円!」
( ・∀・)「モナー 野球しようぜ!」
( ´∀`)「今日は負けないぞ中島ー」
(´;ω;`)「ごめんね!ほんとごめん!250円でいいから!」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:16:07.54 ID:gSejs+po0
- あまりいじめすぎるのもよくないと思ったし、常に貧乏な僕らの所持金は二人あわせてちょうど250円だったので、
そのお金で球根を買い、一人一個ずつ貰う事にしました。
じゃんけんの結果、僕が卑猥な方 モナーも卑猥な方。
おっさんは泣きながら250円を受け取りました。きっと球根が売れた喜びからでしょう。
僕らはその卑猥球根セットと、専用のプラスチックの鉢と、肥料の入った小さな小瓶を受け取り、
小瓶の中身をさらにおっさんに二等分にして貰い、家に帰る事にしました。
僕らは車の排ガスがごうごうと渦を巻いて吹いていく幹線道路の横を歩き続けて行きます。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:17:45.02 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「またここなんか立つのかモナ」
( ・∀・)「工事現場の近くってうるさいよねー」
( ・∀・)「ドンガンドンガン。働いてる人は大変だと思うけどね…」
( ´∀`)「虫歯建設株式会社」
( ・∀・)「懐かしいねそれ」
幹線道路わきにある工事現場の横を通り、懐かしい話をしながら、
二人同時に球根を育てて、時折電話で連絡しあう事をやくそくして別れました。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:19:30.04 ID:gSejs+po0
- 早速帰って来てただいまも言わずに自室に飛び込んだ僕は、窓際に水を入れた鉢植えと球根を置き、
おっさんから球根を買った時に同時に説明書を読む事にしました。モナーには説明書の写しをあげました。
そんなに長い文章ではないので、移す事は容易です。
( ・∀・)「なになに……」
*つがい草の簡単な育て方*
1.まずは鉢の下の線まで肥料を入れて下さい。入れすぎは厳禁です。
2.その上から、さらに水を上の線まで入れて、こぼれないようにゆっくり混ぜて下さい。
3.水と肥料がしっかりと混ざった事を確認した後、鉢に蓋を被せます。
4.球根を蓋の真ん中に乗せて、後は根が出るまで暗い所に置いておいて下さい。
5.根が出て、芽が出たら、日の当たる所に移してやって下さい。
6.成長には個体差がありますが、一ヶ月程で花を咲かせます。二個とも大事に育ててあげて下さい。
注.水が少なくなったら、継ぎ足すのではなく1と2の工程を最初からやって下さい。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:22:50.37 ID:gSejs+po0
- そういう事なので僕は早速鉢をセットして、真ん中に球根より一回り小さい穴があいた蓋に、卑猥な球根を乗せました。
それを僕は水をこぼさないように押し入れの奥に入れて、その日はそれ以上球根の様子を見る事はありませんでした。
次の日、モナーに昨日の鉢植えの事を聞いてみました。
ちなみにモナーが持ち帰ったのはおっぱい球根。僕は亀頭球根。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:23:59.73 ID:gSejs+po0
- ( ・∀・)「昨日買った球根、何か変化あった?」
(*´∀`)「特に無いけど、極小ながらも乳首の触り心地を味わっていたモナ」
( ・∀・)「へぇ…そりゃよかったね。そしたら僕は精液が出てくるのでも待ってるかな」
( ´∀`)「じゃんけんで負けたモララーが悪いんだモナ!」
( ・∀・)「そうですね そうですね」
僕らは昨日と同じ、ごうごうとトラックが走る幹線道路の脇を歩いていきます。
近くの工事現場からは朝っぱらだと言うのによくわかんない金属音が響いてきます。
この道路は車の交通量が多いくせに街路樹が一本も植えてありません。
僕は空気の浄化と景観の為に、少しくらいは木を植えた方がいいと思ってます。
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:24:38.22 ID:gSejs+po0
- 学校で、昼休みにモナーと弁当を食べながら球根の事を話します。
三階の窓から見える市の端にある山には、もうあちらこちらに薄ピンクの部分が出来ているのが見えます。
しかし空は相変わらず、薄くかかった煙越しに太陽が見えるくらいで、いい天気とは言えません。
( ´∀`)「天気悪いけどやっぱり春モナねぇー」
( ・∀・)「あれってさ、俗にいうマンドラゴラとかの仲間かな?」
( ´∀`)「モナ?聞いてなかったモナ。なんだモナそれは」
( ・∀・)「西洋で、魔女とかが薬を作るのに使ってたってやつ」
( ´∀`)「あぁ、思い出したモナ。引っこ抜くと叫びだすやつモナ?」
( ・∀・)「それそれ。もしそれだったら、俺たち死んだりしないかな?」
( ´∀`)「引っこ抜かないで、そのまま枯れるのを待ってればきっと大丈夫だモナ」
(;・∀・)「…きっとか。なんか怖いから図書館行って詳しく調べてみようよ」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:27:40.27 ID:gSejs+po0
- 帰り僕たちは、市の図書館に行ってマンドラゴラの事を調べてみる事にしました。
僕とモナーで手分けして、大量の本棚の中から目的の物が書いてありそうな本を選びます。
僕は一足先に机一つを占領して、普段誰も借りていなさそうな分厚い辞典のような本を
もっさもっさと積み重ねて、マンドラゴラの項目を探している所でした。
( ・∀・)「ん〜。西洋と魔女の関係性、魔法学入門書、危険な原生生物とその対処法」
(#´∀`)「こっちもいっぱい見つけたモナ!」
( ・∀・)「なになに?魔法植物の使用方法、魔法薬学のススメ、楽しい水栽培」
( ・∀・)「…ねぇ、なんでこの町の図書館はこんなホグワーツな本が揃ってるのかな?」
(#´∀`)「知らんモナ!ちゃっちゃと調べて帰るモナ!」
( ・∀・)「…腹減ってるんだね。じゃあここで読むのは諦めて、自分家で読んでくる事にしようよ」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:29:22.52 ID:gSejs+po0
- モナーの腹が減って機嫌が悪くなっていたので、
僕らはそれぞれ二冊ずつ本を借りて帰る事にしました。
二冊と言っても、みんなそれなりに分厚い本なので持って帰るのは大変です。
僕が借りたのは、危険な原生生物とその対処法と、魔法植物の使用方法。
モナーが借りたのは、魔法薬学のススメ、楽しい水栽培。
ちなみに、つがい草という項目も探してみましたが、まったく見つかりませんでした。
僕もつがい草というのは何かの通称だとか、そういうちゃんとした名前ではないと思ったので真面目には探さなかったのです。
明日までには流石に無理そうですが、返却期限の二週間先までに読む事を約束して、その日は帰りました。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:32:02.04 ID:gSejs+po0
- 家に帰ってきて借りてきた本を勉強机に投げ出すと、早速押し入れの奥から球根を引っ張りだします。
もう根っこが亀頭の下からちょろっと出て来ていました。
モナーに電話をすると、モナーのおっぱいからももう根が出ているとの事でした。
どうやら成長速度はまったく同じようです。
その日はまた押し入れの奥に球根をしまい込み、借りて来た本を読む事に没頭していました。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:33:28.78 ID:gSejs+po0
- 五日程して、やっと僕はあの長い本を二冊読み終える事に成功しました。
書いてあったマンドラゴラの説明には、
引っこ抜く際に悲鳴を上げる。悲鳴を聞いた者は死んでしまう。
なので黒い犬をマンドラゴラにつなげてひっぱらせ、引っこ抜かせる。
当然犬は死んでしまうが、その死んだ犬は丁重に葬る事。
マンドラゴラは、強力な魔法薬草で、媚薬や不老不死の薬の元となる
…等々書いてありました。
でも、そんなオッソロしい植物がこんな中学生に球根から育てられるものか?
後、あんなしょぼくれたおっさんから250円で買える訳が無いと思い、
僕は無理矢理あの球根がマンドラゴラであるかもしれないという可能性を、否定しました。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:34:44.15 ID:gSejs+po0
- 学校の昼休み、僕らはまた弁当を食べながら球根の近況を報告しあいます。
( ・∀・)「モナーやい。おっぱいはどうなった?」
( ´∀`)「そっちこそちんこはどうなったモナ?」
( ・∀・)「……」
( ´∀`)「……」
(;・∀・)「なんかね。根っこだと思ってたのが、人間の足みたいなんだよ」
(;・∀・)「最初は二本根っこが出て来た程度にしか思ってなかったんだけど、」
(;・∀・)「成長するにつれてすねげの生えた男の足になってさぁ…」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:36:43.26 ID:gSejs+po0
- (*´∀`)「…すねげは無いけど、モナのおっぱいもすらりとした美脚が二本生えてるモナ」
( ・∀・)「美脚ならいいじゃんか…亀頭から男のごっつい脚が二本突き出してるのを想像してみなよ」
(;´Д`)「…それが走り回るのを想像してしまったモナ」
( ・∀・)「やっぱりあれはマンドラゴラなのかね」
( ´∀`)「いや、スケトウダラの仲間だとモナは思うモナ」
モナーも本を一冊読み終えたそうです。魔法薬学のススメは読む気が起きないので、
楽しい水栽培だけ読み終わり、明日返す事にすると言っていました。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:39:20.55 ID:gSejs+po0
- 帰宅後
( ・∀・)「さぁーて、今日の球根はぁー?」
(,,-Д-) 「……」
( ・∀・)「……」
( ∀ )「ぎゃあたぁっrxせdrftgyふじこ」
家に帰って球根を見てみると、立派に生えた足以外に、亀頭の上からちょこんと頭が飛び出ていました。
亀頭から亀頭ではありません。ちゃんとした、人間の頭です。
だけど眠ってるのか意識が無いのか、その丸坊主の頭はちっとも動きません。
とりあえず水が減って来ていたのでその亀頭球根を
ゆっくりと鉢から蓋ごと抜き、水を換えておきました。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:43:13.80 ID:gSejs+po0
- 気が動転しながらもなんとか水を換え終えた僕は、芽?なのかわからないけど頭が出たので、
鉢植えを窓際に移し、モナーに電話をしてみました。
( ・∀・)「モナー!? 聞いてくれよ!亀頭から男の頭が!」
(*´∀`)「こっちも乳首の辺りを突き破って女の頭が出て来たモナ! べっぴんさんで可愛いモナ」
(*´∀`)「しかもふわふわいいにおいがするんだモナ。もうこのべっぴんさんにメロメロモナ」
(;・∀・)「お前の球根だって、球根から足と頭しか出てない状態だろ?よくそんな感情抱けるな」
(*´∀`)「顔だけ見てれば十分だモナ」
(;・∀・)「そのお前の考えに尊敬するよ…」
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