( ・∀・)モララーはつがい草を育てるようです
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:45:48.88 ID:gSejs+po0
- 次の日の帰り道、僕らはあの思い本を図書館に返した後、
お互いの鉢植えを見せあうために僕のうちに集合する事になりました。
時間が近づいて来たのでしばらく鉢植えを眺めていると、チャイムがなりました。
玄関に迎えにいくと、黒い布を被せた何かを持ったモナーが立っていました。
( ´∀`)「モナモナ。お邪魔するモナ」
( ・∀・)「それが例の…女の頭が出た鉢?」
( ´∀`)「そうモナ。とりあえずお部屋に上がらせてもらうモナ」
モナーが部屋で黒い布を鉢からどかすと、そこからひょっこりと突き出た小さな女性が目をつむっていました。
花などは咲いていないし、葉っぱも出ていないのに、なぜだか甘ったるい香りがして、
それをずっと嗅ぎ続けていると頭がくらくらして来たので鉢に顔をつけるのをやめました。
しかし男女関係無くこの植物はつるっぱげなようです。成長したら髪の毛が生えるのかな?
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:47:51.03 ID:gSejs+po0
- 僕はモナーの持って来た鉢を観察するのをやめて、窓際に置いてあった鉢をモナーの前に でん と置きます。
昨日はあまり感じなかったのですが、少しわきがというか、汗の臭いがした気がしました。
( ´Д`)「……」
( ・∀・)「なんだよその顔は」
( ´Д`)「こんなの選んだモララーの神経を疑うモナ」
( ・∀・)「じゃんけんで俺が負けて、お前がこっち嫌だからおっぱいにするって言ったんだろ」
( ´∀`)「とにもかくにも、やっぱりモナの鉢の方が可愛いモナ。ねー しぃちゃーん」
( ・∀・)「しぃ?」
( ´∀`)「このおっぱいちゃんにつけた名前だモナ」
( ・∀・)「変な名前…」
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:50:06.11 ID:gSejs+po0
- モナーは相当あのおっぱいに入れ込んでるようで、僕の方の鉢はちらりと見ただけで
後はずっと自分のしぃちゃんという名のおっぱい植物を見つめていました。
( ・∀・)「それでさ…モナー。この鉢植え、将来的にはどうするの?」
( ´∀`)「枯れるまでお世話するモナ」
( ´∀`)「後、美しく成長するように音楽を聞かせたりしてるモナ」
( ・∀・)「どんだけ入れ込んでるんだよ」
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:52:22.79 ID:gSejs+po0
- そして数日してから学校は春休みに入り、僕らは学校で会う事は無くなりました。
それでも互いに鉢植えの状態は報告しあい、
花はどんなのが咲くだろうだとか、おっさんの言っていた木の実とはどんなだろうだとか、楽しく話していました。
もう二週間近くたったころには、あの球根は足以外にも手やら体やらが球根から出て来て、
蓋から出ている頭のしたは、人間とまったく同じ体が出来ていました。
例えるなら首つりの人間の首から下の胴体が、蓋から下にのびている胴体のようなものです。
亀頭の部分はもうすっかり栄養を使い果たしてしまったのか、いつのまにか消えてなくなってしまいました。
色は腰の辺りから上は緑で、腰と足は薄茶色です。足が根っこということでしょう。
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:52:52.90 ID:gSejs+po0
しかも、なんとあの日モナーが帰った後に鉢植えの男が目を開きました。
普段は目を見開いたまま、鉢が置いてある窓の外を眺めていますが、時々方向転換をしているようです。
水を変えてやった後にうっかり顔を室内側に置いてしまった時等、いつの間にか外に顔を向けています。
動く事を知りましたが、叫びだす事も無いし、暴れだす事も無いし、ただそれだけです。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:54:40.39 ID:gSejs+po0
- 怪しい植物を育てながら、平和な春休みを過ごしている最中でした。
お昼前ぐらいにいきなりモナーが訪ねて来たかと思うと、いきなり僕の鉢植えにとんでもない事をしました。
( ・∀・)「あれ、今日はお前お気に入りのしぃちゃんはいないんだ」
( ´∀`)「…しぃちゃんにあげる肥料の分量を間違えてしまったモナ」
( ・∀・)「どんぐらい?」
( ´∀`)「小瓶に残ってた肥料を、うっかり手を滑らせて全部いれたんだモナ」
(;・∀・)「おいおい…何か変な事は起こってない?バランスよく二つそろえて育ててたのに…」
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:55:55.26 ID:gSejs+po0
- (;・∀・)「あんな変な植物に肥料大量にあげたらなにが起こるかわかんないだろ?」
( ´∀`)「のーみそこねこねコンパイル」
(#・∀・)「現実逃避しない!」
( ´∀`)「じゃあモララーの鉢植えにも肥料全部入れればバランス取れて問題無いモナ」
( ´∀`)「これで同じだモナ」
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:58:57.76 ID:gSejs+po0
- そう言うとモナーは、窓際の鉢の横にあった小瓶の中身を全部僕の植物にかけてしまいました。
心無しか、鉢植えの丸坊主の男はびっくりした顔をしている気がします。
(;・∀・)「あぁぁああぁ!! どうしてくれるんだ!!」
(#´∀`)「これでモララーもモナと同じ心配を味わうモナ!」
(#・∀・)「腹が減ってるからって俺に当たるなばか!」
僕は怒ってモナーを帰らせ、とりあえず肥料がもの凄く濃くなった鉢の水は抜き、
応急処置という事で水を換えた後普通の液体肥料を与えました。
…おっさんからもらった肥料は無いので、仕方ありません。
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:01:53.55 ID:gSejs+po0
- ……
僕は畳の部屋に布団を敷いて、睡魔の胸に抱かれていました。
こっくりこっくり。
………。
……ガチムチの脇毛が生えた男が、マスをかきながら走ってきました。
僕はひたすら逃げていました。逃げながら時折後ろを振り返ると、ガチムチが一人、また一人と増えていきます。
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(;・∀・)「うわぁぁぁぁぁあこっちくんなぁぁぁあ」
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:03:33.27 ID:gSejs+po0
Σ(;・∀・)「はっ」
悪夢にうなされたおかげで、僕は明け方に目が覚めてしまいました。
枕元にあった時計を見ると、5時ちょっと前。
春休みにこんな朝早く起きたって意味が無いので、僕は二度寝をしようとまた布団に潜り込みます。
( -∀-)「……」
( -∀-)「……くさい」
(;・∀・)「…運動した後の男子更衣室の臭いが…くさっ」
(;・∀・)「なんだ…どこが臭いの発生源なんだ…? !!」
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:05:51.62 ID:gSejs+po0
窓際に何かのふいんき(ryを感じ、そっちを見てみます。
…緑色の髪を生やした僕より一回り大きい男が、窓に背を向けてあぐらをかいて眠っていました。
どうやらあのガタイのいい男から、男臭さが溢れ出しているようです。
男の周りにはわれた鉢と、こぼれた水が明け方の紫を反射させています。
(,,-Д-) 「……zzz」
(;・∀・)(なんだあれ…あの鉢植えの男か!?)
(;・∀・)(でも髪の毛が生えてる…違う!葉っぱだ!)
(;・∀・)(どうしよう…こんな時間にはモナーに電話も出来ないし)
(;・∀・)(とりあえずあの男を刺激しないように、下に行こう…)
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:09:43.71 ID:gSejs+po0
そうして僕が下に行こうとした時、いつの間に出て来たのか太陽が窓の外に登っているのが見えます。
( ・∀・)「あ…もう朝なのか……」
そして太陽の光が男の背中を照らした時でした。
Σ(,,゚Д゚)
(#,,゚Д゚) 「ゴルァァァァア!!」
眠っていた男が急に目覚め、雄叫びをあげたのです。
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:11:49.43 ID:gSejs+po0
- (;・∀・)「!! 叫び声聞いちゃった! 死ぬ!」
すっかり油断していた僕は、男の咆哮をもろに聞いてしまいました。
マンドラゴラの可能性は低いですが、完璧に否定出来た訳ではありません。
慌てて耳を閉じて畳にしゃがみこみましたが、もう遅かったと思います。
耳を閉じた手の平越しに、男の声とガラスの割れる音が聞こえてきました。
しばらくじっとしてて、死んでいない事を確認した後顔を上げると、
窓ガラスが外側に向けて割れていました。どうやら男はこの二階の窓から飛び降りたようです。
- 79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:13:56.68 ID:gSejs+po0
- 慌てて窓に駆け寄ると、男が民家に並んでいる鉢植えを踏んづけてひっくり返しながら
どこかに進んでいる所でした。幸いな事に、朝早いので騒ぎにはなっていないようです。
僕はとりあえず、サンダルを突っかけて、男を追うため外に出てみました。
と同時にモナーに携帯で連絡を取ろうとします。意外な事にモナーはすぐに電話に出ました。
- 80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:14:30.93 ID:gSejs+po0
- (;・∀・】「モナー!?大変だ!俺の鉢植えの男が巨大化して暴れだした!」
( ´∀`】「モナのしぃちゃんもでっかくなったモナ…暴れてはいないけどモナ」
(;・∀・】「なんでそんな落ち着いてるんだよ!」
( ´∀`】「モナモナ…モナのしぃちゃんこそが世界でもっとも美しい生き物だからだモナ」
( ´∀`】「そのしぃちゃんが、親指姫からいきなり八頭身の美女に変身したんだモナ」
( ´∀`】「これを喜ばずになんと呼ぶ」
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:16:24.68 ID:gSejs+po0
- (;・∀・】「…モナー、お前なんかおかしいよ」
( ´∀`】「まったくおかしくないモナ。あ、今しぃちゃんが窓を突き破っておんもに出て行ったモナ」
(;・∀・】「それ暴れてるっていうんだよ!ちなみにどっち方面に行った?」
( ´∀`】「モララーんち方面だモナ」
(;・∀・】「…そう言えば鉢男も、よく考えたらあれはモナーの家方面だ」
( ´∀`】「…モナはこれからハイポネックスを持ってしぃちゃんの後を行かなければならないのでこれで」
(;・∀・】「モナーっ!モナー!?おい!…クソっどうなってんだよ!」
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:19:15.59 ID:gSejs+po0
- モナーの様子がおかしいのが、電話越しにでもわかりました。
なんというか…あの、しぃちゃんというのに操られている感じです。
確信は持てませんが、どこかおかしい事だけは僕にだってわかります。
早朝の冷たい空気をきって走って行くと、男の姿が見えました。
なぜかは知りませんが、男は相変わらず民家の鉢植えを踏んづけながら進んでいる所でした。
踏んづけてはまた進み、踏んづけては進むので速度は速いとは言えません。
男が踏んづけた後には、水分と栄養を奪われたのかからっからに乾いた土とかさかさの植物しか残っていませんでした。
しかし時間が経つに連れて朝日が上に登っていくと、それに比例するように男の速度も早くなっていきます。
- 94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:22:22.64 ID:gSejs+po0
- (;・∀・)「くそっ…一応俺が飼い主だからな。なんとかあいつを止めないと」
僕はサンダルで転びそうになりながらも、男を追いかけていきます。
男は道路脇の鉢植えを根こそぎ踏んづけた後、幹線道路へ出ました。
幹線道路に出てから、律儀にも歩道を走ろうとする男。
だけど不思議な事に、道路に出てから踏む鉢が無くなると目に見えて速度が落ち、ついに男は倒れてしまいました。
(;,,゚Д゚) 「…ゴルァ…ゴルァ…」
(;,,-Д-) 「ゴルルルル……ゴルァ」
- 96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:24:38.25 ID:gSejs+po0
- 最後に辛そうな鳴き声?をあげると男はぱったりと動かなくなってしまいました。
僕は身長に後ろから男に近づき、ひも等の拘束する道具を持ってくればよかったと思っていました。
巨大化した男の姿は、相変わらず下半身が薄茶色で上半身が緑色です。
はげ頭はすっかり細い葉っぱに覆われていて、頭頂部から何かがにょろんと生えていました。
よーく見てみると…りっぱなちんこです。亀頭が黄色で粉を吹いていて、竿の部分は美しい水色をしています。
(;・∀・)「すごく気持ち悪い色使いだな…」
( ・∀・)「でもこいつって一応植物だから、これが雄しべとかなのかな?
- 98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:26:38.47 ID:gSejs+po0
- 僕はしばらく男を観察していたのですが、遠くからいきなり悲鳴のような声が聞こえてきました。
慌てて辺りを見回すと、男が倒れた歩道の先に濡れた素っ裸の女の人が緑のショートヘアを振り乱して走ってきました。
しかしその女性は股間には何も無く、上半身緑色で下半身薄茶色なのを見て、
すぐにあのモナーが持っていた球根が成長したものだという事がわかりました。
(*゚ー゚)「しぃーっ!!」
(*´∀`)「モナモナモナモナ!モナはしぃちゃんの下僕!…もうどうにでもして下さいモナ…!」
後ろからは、モナーが変な液体を女の人に時折かけながら走ってきます。
大きなプラスチック容器に入ったそれは、どうやら野菜や花の絵が描いてあるラベルを見ると
園芸用の肥料のようです。でもアレを薄めないで直接ぶっかけても大丈夫なのか僕は不安になりました。
- 101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:29:10.21 ID:gSejs+po0
- 女の人が接近して来るのを見ていた時でした。女の人が近づくにつれて、独特な甘い香りが辺りに漂い始めた事に気づきました。
この香りは、前にモナーが僕のうちにあの鉢をもってきた時にした臭いと一緒です。
でも前より数倍臭いが強まっており、少し嗅いだだけで頭がピンク色になって意識がはっきりしなくなります。
その時、僕は確信しました。そうか…モナーは多分この臭いであの女性に誘惑されてるんだ…。
そんな事を考えていたら、女の人がもうすぐ近くまで接近していました。そして倒れ込んだ男に近寄り、介抱しようとしています。
- 104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:32:17.86 ID:gSejs+po0
- 女性の人の頭には雌しべがあるのかと思い、覗き込んでみると、
細い髪の毛の奥に埋まるように、頭頂部に濃いピンク色の花びらが二枚向かい合うようについており、
その真ん中辺りにぷっくりとしたオレンジ色の玉のような部分が粘液に包まれて朝日に輝いていました。
何に似ているのかは言いません。
(*゚ー゚)「しぃっ!」
(;,,-Д-)「……」
(*´∀`)「了解モナ!モナはあなた様の下僕…あなたの望む事なら何でも!」
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