( ・∀・)モララーはつがい草を育てるようです
- 106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:34:10.61 ID:gSejs+po0
モナーは頬を紅潮させながら、ハイポネックスと書いてある肥料を男の足に大量に引っ掛けました。
男のすね毛のような部分はみるみるうちにかかった肥料を吸い取り始めました。
あっという間に、滴り落ちて地面に広がっていた肥料も吸い取られ、
その吸い取り具合に圧倒されていると、倒れていた男がむくりと起き上がり、
なにやら走って来た女性とコンタクトを取っていました。
(*,,゚Д゚) 「ゴルァッ!!」
(*゚ー゚)「しぃっ」
- 107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:36:00.76 ID:gSejs+po0
- (*-ー-)「……」
(*,,-Д-)「……」
そのまま得に何か喋る訳でもなく、
そのまま二人の植物はもうはなすまいとするように強く抱き合い、
おでことおでこをくっつけあうような仕草をしたまま、そこで動かなくなりました。
そして女性が動かなくなったのと同時にあのむせ返るような甘い臭いも消え、
男から漂っていた汗臭いような臭いも消え去りました。
(*´∀`)「あぁ…本当に会えてよかった。もう会えないかと思ってた…よかった…ギコ…」
(*´∀`)「……」
Σ( ´∀`)「モナッ?」
( ・∀・)「モナー!」
( ´∀`)「…なんでモナはこんな朝っぱらから外にいるモナ?」
( ・∀・)「…お前…なんでこんなとこにいるのかわかってないの?」
- 108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:37:55.97 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「…朝になんか物音がして、起きたらしぃちゃんが巨大化してて…」
( ´∀`)「それに気づいたら途端に目の前がピンク色になって…」
( ´∀`)「後は気づいたら目の前にモララーがいて、こんな所に立ってたモナ」
( ・∀・)「…多分お前操られてたんだよ。あのしぃちゃんって花に」
( ´∀`)「じゃあなんでモララーはあのガチムチに操られてないんだモナ?」
( ・∀・)「多分、あの花が雄だからだよ」
( ・∀・)「俺が思うに異性しか操れないんだと思う」
- 111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:39:49.24 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「でも、モララーだってしぃちゃんの臭いをさっき嗅いだモナ?なんで平気なんだモナ」
( ・∀・)「…お前さ、ずっとあの花の近くにいたじゃん。育ててるんだから」
( ・∀・)「だからあの花に気に入られたとか…利用されたとか…」
( ・∀・)「よくはわかんないけど、あれだけ長時間臭いを嗅ぎ続けてたら操られても仕方ないと思うよ」
( ・∀・)「お前あの花育て始めた時からなんか変だったけど、花が巨大化して一気に効果が出たんだねぇ」
- 112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:40:42.57 ID:gSejs+po0
- 僕はやっと男の暴走が止まった事と、仲睦まじく抱き合った二人を見てしみじみと答えました。
携帯の時計を見ると、意外な事にそんな時間は立っておらず、5時半少し過ぎでした。
僕は唐突に思い出して、モナーに訪ねます。
( ・∀・)「! モナー、さっきお前がひっかけてた肥料ってもう無いの?」
( ´∀`)「…肥料?あそこの入れ物の事モナ?もう空っぽみたいモナ」
そう言ってモナーは、転がった容器をけり飛ばします。容器は軽い音を出して転がって行きました。
- 115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:43:46.09 ID:gSejs+po0
( ・∀・)「モナー、お前しぃちゃんに栄養補給の道具にさせられてたんだろ」
( ´∀`)「モナ?そうなのかモナ?」
( ・∀・)「多分そう。貢いで育てて操られて、本当は本命の男がいるんだ」
( ・∀・)「植物も残酷だよな」
( ・∀・)「…でも、もう肥料が無いって事は、あの二人あそこで放っておいたら枯れちゃうんだよな…」
( ´∀`)「これでモナ達の重荷も無くなって万事解決だモナ」
( ・∀・)「お前って白状なやつだよな。それに俺たちは飼い主なんだ」
( ・∀・)「あんな未確認生物をこんな路上に放置しておけない。どこか人がいない所に運びにいこう」
( ´Д`)
(#・∀・)「そんな顔しない。ほら、俺頭の方持つから足持て」
- 117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:45:49.78 ID:gSejs+po0
- すっかり体の表面がくっついてしまったように、離れない二人を運ぶため、
僕らは手分けして市の端にある山に運ぶ事にしました。
( ´Д`)「…植物のくせになんて重いんだモナ」
( ´Д`)「モララー、そこの工事現場でリアカーをぱくっていこうモナ」
( ・∀・)「おっ、ナイスアイディア」
( ・∀・)「モナーにしてはいい事思いつくね。ほら、工事現場まで100mもないんだから頑張ろう」
( ´Д`)「…手が抜けるモナ」
- 123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:49:45.09 ID:gSejs+po0
- まだ開始時間になっていないのか、工事現場には誰もいませんでした。
でも僕たちはプレハブ小屋に誰かいるかもしれないと思い、なるべく音を立てないように
リアカーに二人を乗せ、僕らはえっちらおっちら山まで運ぶ事にしました。
ついでにブルーシートも頂戴し、通行人対策もばっちりです。
- 124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:50:13.04 ID:gSejs+po0
- ( ・∀・)「よし、早く運びにいくぞ。パジャマだとかなり寒いから早く済ませて帰りたいんだ」
( ´∀`)「モナは昨日風呂入るの忘れたからそのままの格好モナ!」
( ・∀・)「こっちくんな」
( ´Д`)「酷いモナ…」
( ・∀・)「嘘だよ。それよりなんか荷台軽くなってない?」
二人で早朝の町をリアカーを引いて山へ向かっていたのですが、
僕は運んでいる途中で何かおかしい事に気づき、モナーに荷台を見てもらうように頼みました。
- 126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:51:48.06 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「…なんか抱き合ったまましなしなになってきてるモナ」
( ・∀・)「…しなしな?」
( ´∀`)「モナ。野菜みたいモナ」
僕は嫌な予感がして、慌ててブルーシートをめくり上げて様子を見ました。
土から抜かれて放置された雑草のように、さっきまでつやがあった葉っぱや髪の毛が、
水分が無くなって、不健康そうな黄緑色になってきていました。
- 128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:53:32.38 ID:gSejs+po0
- (;・∀・)「これはやばい。そういえば水も無いしブルーシートをかぶせちゃったから太陽の光も浴びてない…」
( ´∀`)「植木鉢から花を引っこ抜いて暗い所に放置とか、絶対に枯れるモナ」
( ・∀・)「悠長な事言ってる場合じゃないぞ。早くあの山に移し替えないと…」
( ´∀`)「もうそこの池がある公園に植えて帰っちゃえばいいんじゃないかモナ?」
( ´∀`)「もともと水栽培で育てたんだから池に沈めたって大丈夫モナ」
(;・∀・)「池の中にヒトガタの植物が沈んでたら公園に遊びに来た子供がパニック起こすだろ」
(;・∀・)「それに、こんな空気が悪くて水や土に栄養が無いとこに植えたって、結局枯れるだけだ」
- 129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:55:13.12 ID:gSejs+po0
二人は目に見えてしなしなに弱ってきています。
もう死んでいるのかいないのか、まったく動き出す様子はありません。
モナーと二人で慌てて運んだおかげで、なんとか完璧に枯れる前に山にたどりつきました。
この山には小さな神社があるのですが、その神社の裏手に小川が流れておいるので、
その小川のふちに植えてやる事にしました。
僕らはリアカーに最初から積んであった土木用具のスコップやつるはしを使って大慌てで穴を掘り、
1m程掘った所で二人の体を運び出し、縦に埋めてやりました。
改めてみて見ると、緑色の男女が抱き合った状態で上半身を出しているというのはなんと怪しい事でしょう。
- 130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:56:39.26 ID:gSejs+po0
(;・∀・)「…とりあえず応急処置はしたけど、まだしなびたままだね」
( ´∀`)「でもこの辺りは土がいいんだモナ。カブトの幼虫とかでっかいのがいるモナ」
( ´∀`)「きっと明日になれば土から栄養を吸って復活してるモナ」
(;・∀・)「そうかな…水分が足りなさそうなんだし、」
(;・∀・)「小川の水を吸い上げてさえくれれば多分復活すると思うけどな…」
( ・∀・)「いきなり肥料あげすぎで巨大化したんだから、消費する量もやっぱり大きくなってるんだろうな」
- 133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:58:46.56 ID:gSejs+po0
それから10分程見守っていましたが、そんな早く復活する事もないという事で、今日は帰る事にしました。
その日の夜に、モナーと電話をした時に、次の日は差し入れに液体肥料と固形肥料を持っていってやろうという事になりました。
…次の日
( ´∀`)「モナ!しぃちゃんの為に油かすを持って来てあげたモナ!」
( ・∀・)「とりあえず俺は園芸店で売ってた腐葉土を持って来たよ」
( ´∀`)「wwww」
(;・∀・)「なっ なんで笑うんだよ!」
- 134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 22:59:37.86 ID:gSejs+po0
- ( ´∀`)「モララーは馬鹿だモナ!言っとくけど、この山の土全部が腐葉土みたいなものモナ!」
( ・∀・)「なんでそんな事知ってるんだよ」
( ´∀`)「昨日この辺りはカブトムシの幼虫が取れるって言ったモナ?」
( ・∀・)「! そっか…腐葉土でしか幼虫は育たないもんな」
( ´∀`)「腐葉土に腐葉土撒いたってなんにもならんモナ」
- 136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 23:01:27.14 ID:gSejs+po0
- そして神社の裏手にいってみると、昨日は抱きついたようになっていた二人はすっかりくっつき、
一つの太い木のようになっていました。見上げる程大きい訳ではありませんが、僕たちの身長くらいはありそうです。
まるで太いセロリのようになった植物のてっぺんには、ピンク色の大きなチューリップのような花が咲いていました。
( ・∀・)「おっさんさ…姿がどんどん変わるって言ってたけど」
( ´∀`)「確かにおっぱい→人→巨大化→セロリって変わりすぎモナ」
( ・∀・)「お前が肥料をぶっかけるから巨大化したんじゃないか」
( ´∀`)「アレは自分でもよくわからんモナ。多分引き離されたからどうにかしてペアに会うために」
( ´∀`)「巨大化して歩いていく必要があったんだと思うモナ」
( ・∀・)「…なんでそんな事わかるんだよ」
( ´∀`)「操られた賜物モナ」
- 138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 23:04:16.66 ID:gSejs+po0
( ´∀`)「とりあえず油カスをセロリの周りに撒いとくモナ」
( ・∀・)「そうだね。効果があるかわからないけど腐葉土も…」
( ・∀・)「これさ、凄い勢いで成長してるけど、枯れるまで見守ろうよ」
( ´∀`)「そうモナね。美味しい実も出来るらしいし」
( ・∀・)「こんな勢いで成長してるなら、三日もすれば実が出来てるだろ」
- 139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 23:07:05.56 ID:gSejs+po0
- 三日後、また見に来た僕らの予想は当たっていたようで、枯れ落ちたチューリップの花びらの真ん中に、
メロンのような大きさの山吹色の実がなっていました。
見た目はでかくなったホオズキのようで、甘酸っぱい香りもしてきます。
(*´∀`)「おうふ!ちょーいいにおいがするモナ!」
( ・∀・)「でもあんな奇形種見たいのから出来た実だよ?」
(*´∀`)「モナは最初から実を食べるためにおっぱい球根を選んだんだモナ!」
- 140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 23:08:34.17 ID:gSejs+po0
- そういうとモナーは背伸びして実を取り、小川で洗った後凄い勢いで食べ始めました。
僕が引く程の勢いでしゃぐしゃぐと食べていきます。
(;・∀・)「モナー…大丈夫?美味しい?それ」
(*´∀`)「テラウマス!果汁が多くて、桃がさらに甘ーくなったような味がするモナ!」
(;・∀・)「えー。うまそう…だけど流石に食べる気にならないよ」
(*´∀`)「モララーにもちょっぴり恵んであげるモナ」
( ・∀・)「元々割り勘なんだから恵むもなにも無いだろ」
(*´∀`)「でもモナが肥料を全部使わなければこんなでかくなる事もなかったモナ!」
( ・∀・)「まぁそれもそうか…頂きます」
(*´∀`)「ちっちゃい種があるからスイカみたいに吐き出して食べるのがいいモナ」
(*・∀・)「うわぁなんだこれうまい!すごく美味しい!」
- 142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 23:12:52.44 ID:gSejs+po0
- そんなこんなで、僕たちはものの数分で実を食べ終わってしまいました。
とても美味で、寿命でも伸びそうな気がしてくる程美味しい実でした。
そして小川に種を吐き出しながら楽しく実を頂いたのですが、
…数日後、あの例の池に変な植物が生えて来ているというのです。
あの公園の人工池は神社の小川の流れ着く先なのですが、僕は恐ろしいのです。
またあの巨大植物が大量に繁殖し、モナーのように操られる奴らが出て来たら…。
モナーにその事を言うと、肥料がないから、育つ事はあっても今度は巨大化する事はないモナ!
と元気よく言われてしまいました。
でも…巨大化した種を僕らは撒いたのですから、そこから育つのだってもしかしたら……。
おわり
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