( ^ω^)は日々変わらないようです
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 20:50:59.55 ID:fsM/IbshO
- 続き、
( ,_ノ` )y-・~が仕事をサボったようです
始めます
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 20:55:57.11 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「気持ち良いぜ……」
今日は早く起きてみた、何時もより30分早く。
朝露に濡れる葉を、太陽の光が反射させ、何とも言えぬ輝きが俺の目を光らせる。
その光ではない、他の光が、自分の口から吐き出た紫煙を照らす。
ゆらゆらと光る紫煙、それは、何とも言えぬ姿で、心に何故か虚無感をもたらした。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:01:01.87 ID:fsM/IbshO
- .
携帯を手に取り、会社の番号をプッシュする。
( ,_ノ` )y-・~『あ、渋澤です。すいません、とても調子が悪いので今日休みます』
( ,_ノ` )y-・~『あ、はい。ありがとうございます。失礼します』
( ,_ノ` )y-・~「ちょろいぜ」
何時も真面目に勤めている、休むことなどない…ほぼ。
だから休める、真面目に勤めていれば、勤めている程。
( ,_ノ` )y-・~「有給休暇、余ってね?」
まぁいいや、細かい事なんか気にしてたら、人生つまらないからな。
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:06:54.53 ID:fsM/IbshO
- .
にしても、暇だ。
タバコがどんどん減っていく、むしろ、これで終わりだ。
( ,_ノ` )y-・~「……買いに行くか」
俺は、思い立ったら即行動派だ。後悔するならやって後悔しろ。
それが人生のスローガン。
( ,_ノ` )y-・~「じゃ、行きますか」
仕事で着るコートを羽織り、外へと出る。体を突き刺すような寒さ、とはよく言ったものだ。
しかし、それと同時に降り注ぐ暖かな太陽光、それがとても心地よい。
そんな日だ。
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:11:24.85 ID:fsM/IbshO
- .
タバコを二箱買い、ポケットへと忍ばせる。
さて、このまま帰るのはつまらないな。
( ,_ノ` )y-・~「…………ブーンに行くか」
ここから、そんなに遠くない行きつけの店ブーン。
こんな時間だ、ドクオやあの兄弟は居ないだろう。
だったら、落ち着いて店を堪能出来るだろう、酒が出ないのはちょっと辛いが……
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:14:30.34 ID:fsM/IbshO
- .
ガラララッ
( ,_ノ` )y-・~「よう」
( ^ω^)「いらっしゃいませ」
( ^ω^)「お、渋さんかお。仕事は?」
( ,_ノ` )y-・~「大人の事情だ、聞くんじゃない」
(;^ω^)「おっおっ、まぁいいお。とりあえずご注文は?」
( ,_ノ` )y-・~「オススメで」
( ^ω^)「だったら、焼肉定食でいいかお?」
( ,_ノ` )y-・~「構わないよ」
( ^ω^)「じゃ、ちょっと待ってるお」
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:21:45.63 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「ふぅ……」
店内を見回すと、朝早くから飯を食べる主婦や、学生の姿が見える。
それにしても、この店も最近になって繁盛して来た。
もしかしたら、昼間は昔からこんな感じだったのかもしれないが、少なくとも夜。
それは、常連として来てる俺なら分かるが、ブーンやハインちゃん、それとモララー君。
彼等を求めてさらに常連さんは増えた。
( ,_ノ` )y-・~oO(良かったな、ブーン)
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:26:04.32 ID:fsM/IbshO
- .
( ^ω^)「お待たせだお」
( ,_ノ` )y-・~「お、ありがとう。早いな」
( ^ω^)「渋さんは、定食初めてかお?」
( ,_ノ` )y-・~「ここで食べるのはな」
( ^ω^)「そうかお、最近定食の時だけ、一緒に働いてくれる人がいるんだお」
( ,_ノ` )y-・~「そうなのか、そいつはウェイトレスじゃないのか?」
( ^ω^)「違うお、訳有りで厨房で働いてるお」
( ^ω^)「お、そんなことはどうでもいいお。冷めないうちに食べてくれお」
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:30:51.74 ID:fsM/IbshO
- .
ブーンが本当の事を話さない、そんなことは今まで無かった。
なのに、今は何も語ろうとはしない。それ相応の理由があるのだろう。
( ,_ノ` )y-・~「分かった、頂きます」
( ^ω^)「どうぞ」
今まで、この店でご飯や味噌汁、付け合わせのキャベツは食べたことがある。
しかし、この店で肉を食べるのは初めてだ。
楽しみだ。
- 70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:35:29.46 ID:fsM/IbshO
- .
黄色く、淡く光る生姜が乗っかり、艶やかに光る褐色に近い色をしたタレ。
それらに、コーティングされた箸で突けば柔らかな感触をさせる肉。
見るからに、美味そうだ。
それを一口、口に運ぶ。
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:42:00.86 ID:fsM/IbshO
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口に入った瞬間、タレが少し焦げたような香ばしい香りが、口の中を包む。
そして、生姜のツン、とした香りが口の中を浄化していく。
その感じが、口から消える前に肉を強く噛む。
ジュワッ、っとした肉汁が、ふっくらと焼かれた肉から溢れ出した。
その肉は、何回か噛むと消えるように小さくなり、喉の奥へと吸い込まれた。
これは………、
―――――美味い。
- 77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:45:40.99 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「美味いな、これはブーンが?」
( ^ω^)「違うお、厨房に入った子だお」
( ,_ノ` )y-・~「そうか、なかなかやるな。新しいバイトの子か?」
( ^ω^)「んー、そんな感じだお」
( ,_ノ` )y-・~「やけに、今日は逃げ腰だな。隠し事か?」
(;^ω^)「お…、実は昔の知り合いだお」
- 80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:49:45.32 ID:fsM/IbshO
- .
どうやら、本当に言いたくないようだ。
ならば、聞かない。
これが大人の美学。
( ,_ノ` )y-・~「そうか。それじゃ、とても美味かったと伝えてくれ」
( ^ω^)「分かったお」
そうして俺は、食を続けた。久しぶりに美味いモノを食べると、気分が良い。
食はどんどんと進み、すぐに並べられたモノを胃袋へと叩きこんだ。
( ,_ノ` )y-・~「ごちそうさん」
- 83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:54:11.97 ID:fsM/IbshO
- .
( ^ω^)「おっおっ、どういたしましてだお」
( ,_ノ` )y-・~「食い終わるのを見計らったな」
( ^ω^)「頂きますとご馳走様、それが僕の原動力だお」
( ,_ノ` )y-・~「そうかそうか」
恥ずかしい事、そんな事も平気で言ってしまうのが、コイツの良さなんだよ。
さて、そろそろ帰ろうか。
ブーンには、千円札を手渡した。どんなに注文しても、俺は千円以内に抑える。
例え千円に届かなくとも、千円を払う。
それが俺の美学、大人の世界だと思ってる。
- 84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 21:58:48.61 ID:fsM/IbshO
- .
しかし、結局俺が店から出ることは無かった。
(´・ω・`)
店の隅に、一人の青年を発見したからだ。
大体な、高校生にもなったら学校くらいちゃんと行け。
だから今の日本は悪くなるんだ、バカ野郎が。
……俺が言えた事じゃないけどさ。
( ,_ノ` )y-・~「よう、どうした青年」
(´・ω・`)「…………」
( ,_ノ` )y-・~「何か言えよ、悩んでたりしてるんだろう?」
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:02:34.77 ID:fsM/IbshO
- .
そう思った理由、それはただの勘だ。
暗い表情をしているから、ただそれだけ。
(´・ω・`)oO(こんなこと、前もあった気がする)
(´・ω・`)「例え悩んでたとしても、何で赤の他人にそれを言わなくちゃいけないんですか?」
( ,_ノ` )y-・~「何も知らない赤の他人、だからこそ言える………
そうと思わないかい?」
- 88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:06:12.94 ID:fsM/IbshO
- .
(´・ω・`)oO(やっぱりね……、運が良いんだか悪いんだか)
(´・ω・`)「じゃ、聞いてください」
( ,_ノ` )y-・~「任せな」
(´・ω・`)「僕はですね、所謂イジメられっ子なんです」
(´・ω・`)「ですが、僕にも友達が出来ました」
(´・ω・`)「今までイジメていたグループの、一人です」
- 91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:11:07.55 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「それで?」
(´・ω・`)「ある日、そのグループに僕は、何時ものように食事を奢らせられるのを強要されました」
(´・ω・`)「しかし、僕はそれを断り続けたんです」
(´・ω・`)「そうしたら、そのグループは僕を殴り始めました」
(´・ω・`)「もちろん、僕は抵抗した。でも相手は複数」
(´・ω・`)「僕はやられてしまいます」
( ,_ノ` )y-・~「はいはい」
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:15:01.37 ID:fsM/IbshO
- .
(´・ω・`)「そんな時、彼が現れたんです」
( ,_ノ` )y-・~「その友達って奴か」
(´・ω・`)「そうです、結果として彼もやられてしまいました」
(´・ω・`)「だけど彼は、その事を何とも思わない様に」
(´・ω・`)「俺達は友達だろ?と言ってくれたんです」
(´・ω・`)「僕は嬉しかった、でも、良かったのはそれまでです」
- 94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:18:28.44 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「どう言うことだ?」
(´・ω・`)「信じられないんです……彼が」
( ,_ノ` )y-・~「その友達がか?」
(´・ω・`)「そうなんです」
( ,_ノ` )y-・~「それは何故?」
(´・ω・`)「もしかしたら、裏切るんじゃないかと……」
(´・ω・`)「仲良くした風に見せて、後で笑いモノにするんじゃないか……。って」
( ,_ノ` )y-・~「なるほどな」
- 95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:22:01.25 ID:fsM/IbshO
- .
(´・ω・`)「どう思いますか?」
( ,_ノ` )y-・~「あー、いいんじゃないか?」
( ,_ノ` )y-・~「無理に信じようとしなくても」
(´・ω・`)「どういう意味ですか……?」
( ,_ノ` )y-・~「無理に信じるな」
( ,_ノ` )y-・~「ってことだよ」
- 97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:26:03.32 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「何も気にせず、ただ一緒に居てみろ」
( ,_ノ` )y-・~「騙されていたとしても、それならショックは大きくない」
( ,_ノ` )y-・~「本当の友達だとしたら、ずっと仲が良いまま」
( ,_ノ` )y-・~「そんなもんだよ」
(´・ω・`)「そんな……もんですか?」
- 99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:29:26.00 ID:fsM/IbshO
- .
( ,_ノ` )y-・~「あぁそうさ」
( ,_ノ` )y-・~「はは、急に悪かったな、わるい」
(´・ω・`)「いや、ありがとうございました」
( ,_ノ` )y-・~「そうか……」
はははっ、柄に無いこと、言っちまったぜ。
俺らしくない、まぁ……、たまには良いか。
仕事休む自体、俺らしくないことだからな。
( ,_ノ` )y-・~「じゃ、俺は帰るぜ」
ガラララッ
- 102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:32:38.01 ID:fsM/IbshO
- .
人助けした後のタバコって、美味いな……。
仕事後も美味いんだけどな。
( ,_ノ` )y-・~oO(俺、お疲れ様)
( ,_ノ` )y-・~「帰って寝るか」
仕事もサボったんだ、こんな暇な日、なかなかないからな。
楽しもう。
さて、家帰って寝るか。
- 103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/02(水) 22:33:49.05 ID:fsM/IbshO
( ,_ノ` )y-・~が仕事をサボったようです
終わり
支援くれた人、乙。
ありがとう!
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