( ^ω^)唐傘男は団子好きのようです
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:04:48.69 ID:+KjdU9BX0
- (*;ー;)「だから、私の分までとか言って団子を作ってるんだ。
子って文字が入ってるっていう理由だけでねぇ・・・・・・ホント、馬鹿だろ?」
( ^ω^)「それは確かに馬鹿だお」
(*;ー;)「だけどよ、そんな馬鹿だから私はアイツが好きなんだよ。
そんな馬鹿に付き合って団子を作ってたら、本当に幸せになったんだよ。
・・・・・自慢の子供達になってんだよ」
なんてこたぁ無いよな
馬鹿にされて怒ってたのはギコだけじゃねぇんだ
しぃだってよ、子供を馬鹿にされて怒らねぇ訳なかったんだ
・・・・・ただ、女だからな、守ってもらう事しか出来ないのさ
(*;ー;)「馬鹿なのは私もって事だね」
( ^ω^)「・・・・・・本当に夫婦揃って馬鹿だお」
唐傘男はよ、この状況でフッと笑ったんだ
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:05:17.89 ID:+KjdU9BX0
- ( ^ω^)「なら、僕は阿呆だお」
(*;ー;)「・・・・・・え?」
唐傘広げて、背負いやす
下駄がカランコロンと響きやす
竹串口にくわえやす
ここに阿呆と馬鹿が競演ですぜ
常識、理性、なんのその
唐傘くるくる回れや、回れ
阿呆の花道、彩れや
ほうら、馬鹿を助けに阿呆が行くぜ
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:19:32.89 ID:+KjdU9BX0
- <ヽ`∀´>「あひゃひゃ、お前は本当に馬鹿だ!
団子と女の為に、命を捨てようなんざなぁ!」
(#,,゚Д゚) 「嫁と息子を馬鹿にされて、黙ってる父親がいるかぁ!!
子供はなぁ、親の背中を見て育っていくもんなんだよ!!」
<ヽ`∀´>「・・・・・こいつ、頭の中に団子が詰まってやがるよ、あひゃひゃ!!」
実はよ、ギコも無謀なんざ百も承知なんだぜ
だが引くに引けねぇ、男の意地ってやつがあるんだ
馬鹿と一言で片付けるには、ちょいと悲しいもんがあるよな
<ヽ`∀´>「団子屋の店主には刀なんか荷が重いと思わねぇか・・・・・?」
(,,゚Д゚) 「ひっひっ、あんまり野暮な事は言うもんじゃねぇぞ。
男はなぁ、生まれた時から死ぬまで、心は侍で在るもんなんだぜ?」
<ヽ`∀´>「・・・・・・その心意気は良し」
ゴロツキがスッと鞘から抜いた刃はよ
銀色どころか、七色に光ってさえ見えたな
ギコもよ、流石に震えが収まらなかったさ
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:20:39.27 ID:+KjdU9BX0
- <ヽ`∀´>「江戸に生まれた事を後悔するんだな。
ここいらで、生意気な口叩いたら生きていけねぇよ」
(,,゚Д゚)「喧嘩ってのは腕っぷし張ってやるもんだと思ってたがな・・・・・・。
いやはや、決闘なんてのはメンドクサイったりゃありゃしない」
<ヽ`∀´>「安心しろ、一瞬で三途の川に送ってやるよ」
(,,゚Д゚)「そうかい、あの世ってのを見るのも悪くないかもねぇ」
弱気だねぇ、ギコさん
それは負ける事を考えた男の台詞だよ
(,,゚Д゚)(・・・・・・あの世で団子は作れるのかねぇ)
ありゃ、本当にこいつはもうダメかもね
死ぬ事を前提に考えてやがるじゃねぇか
・・・・・・つまり、思ったより冷静なのさ
本物の侍に、団子屋が勝てる訳ないんだからな
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:21:46.84 ID:+KjdU9BX0
- <ヽ`∀´>「じゃ、早速だが」
ゴロツキは駆け出したよ
見た目とは裏腹に素晴らしい脚だね
一瞬で間合いは零になってよ
その刀が振り下ろされるっていうんだから
(,,゚Д゚)(あ、これは無理だわ)
ギコはさ、刀を動かそうともしなかったよ
ただ、痛くないようにしないでって願うだけだったね
いや、もう二つ三つ、もっとあったかね
しぃよ、元気でやっとくれ
しぃよ、泣かないでおくれ
しぃよ、団子を作っておくれ
願いは底無しに増えてくけどよ
最後にたった一つだけ、決めたみたいだな
『しぃよ、最後に会いたかったな』
ってな
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:22:36.10 ID:+KjdU9BX0
- 願い空しく、夢と散る
右手の刀は落としちまってよ
ニダーがニヤリと笑ってたな
白刃が振り落とされて
びゅうと風が唸る
刹那が無限に広がっていった後
紅い線が空間に描かれたさ
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:23:22.17 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚)「・・・・・・?」
そうさ、刹那が広がったのは錯覚なんかじゃねぇ
ギコは生きてたのさ、今も心臓はドクンドクンと跳ねてるのさ
<#;ヽ`∀´> 「・・・・・なんだ、お前は!?」
ゴロツキは慌てふためいて言うけどよ
唐傘男は眉一つ動かず言ったそうな
( ^ω^)「・・・・・・ただの皿洗いだお」
紅い線は男の唐傘
閉じた傘を刀に見立て
切っ先向けるはゴロツキの頭
唐傘男の瞳は語る
見事、切り捨ててご覧になりませう
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:24:36.35 ID:+KjdU9BX0
- (;,,゚Д゚)「おめぇ・・・・・・」
( ^ω^)「ギコは下がってるお」
言われたとおりにギコさん下がったけどよ
ちょいと男の品格下げてる気がするよ
<#ヽ`∀´> 「てめぇ、男の決闘を邪魔するたぁ良い度胸じゃねぇか!!」
( ^ω^)「それより早く、僕にはお前に決闘を申し込む資格があるんだお」
唐傘男がキラリと光るものを投げてよ
ゴロツキがそれを確認したさ
<ヽ`∀´> 「・・・・・皿?」
( ^ω^)「言ったお?僕は皿洗いだって。
一生懸命洗った皿を割られちゃあ、黙ってられないんだお」
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:25:23.69 ID:+KjdU9BX0
- ゴロツキの血管が切れる音がしたね
怒りやすい男はもてないっての
<#ヽ`∀´> 「つまり、お前は俺に切られたい馬鹿って事でいいんだな?」
ゴロツキが刀を掲げたからよ
( ^ω^)「それは違うお」
唐傘男も傘を構えたね
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:26:17.62 ID:+KjdU9BX0
- <#ヽ`∀´>「ぶっ殺してやるよぉおおお!!」
( ^ω^)「『馬鹿』なんかじゃ、ないんだお」
刀振りかざし迫れども
唐傘男は冷静さ
腰をずんと落として構えてよ
凶刃、傘で受けてたつ
目を奪われたはギコやしぃさ
ゴロツキの刀が空から落とされて
唐傘切ったと思いきや
刀、カラリと音立てて
ゴロツキと共に、崩れ落つ
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:26:48.79 ID:+KjdU9BX0
- たった一閃
傘が腹を打ったのさ
されども、その一閃
刃よりも危険な代物でさ
そうさ、唐傘男の一撃はよ
大砲よりも効くんでな
刃じゃねぇと、甘く見ちゃいけなかった
ゴロツキが目を覚まさないのを確認して
最後にポツリと零したと
( ^ω^)「馬鹿じゃなくて、阿呆なんだお」
決めもバッチリたぁ、粋だねぇ
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:28:21.97 ID:+KjdU9BX0
- .
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
(*;ー;) 「生きてるねぇ、良かったねぇ!」
(,,゚Д゚)「そりゃ生きてるがよ・・・・・いてて、あんまりくっつくなって!」
ゴロツキ路上にほっぽって
店も終いで祝勝会さ
団子と茶しかねぇ粗末なもんだがな
( ^ω^)「決闘の邪魔したのは納得いかないけど・・・・・・。
まぁ、二人が嬉しそうだから良しとするお」
(*゚ー゚) 「そうだよ、何も出来ないけど団子くらいはあるからね。
たっぷり食べておくれ!」
( ^ω^)「言われなくても、食べまくるお!」
アホ面引っさげて団子食う姿はよ
さっきまでと同じ人物とは思えないね
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:29:05.61 ID:+KjdU9BX0
- (*゚ー゚) 「アンタも、もう無茶はしないでおくれよ」
(,,゚Д゚)「そうは言ってもだなぁ、男にはやらにゃいかん時が・・・・・」
(*゚ー゚) 「そういう時でも!それでも!」
(,,゚Д゚)「それでも?」
ほんのり頬を赤らめて
上目遣いでしぃは言ったさ
(*゚ー゚) 「アンタがいなくなったら・・・・・私は生きていけないよ」
(,,゚Д゚)「・・・・・ああ、そうかい、わかったよ」
ギコも恥ずかしくて苦しいみたいだがよ
今、この状況で一番苦しいのは唐傘男に違ぇねぇ
団子食って、切り抜けるしかなかったとよ
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:29:53.66 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚)(それにしても・・・・・・)
チラと目をやってみたらよ
団子を喉につまらせてむせてやがった
とりあえずは、見なかったことにしな
(,,゚Д゚)(本物の侍に勝つだなんて、しかも傘で。
コイツは一体、何を隠してやがるんだ・・・・・?」
疑問は浮かべど、尋ねはしねぇ
黙ってるのにな、聞くのは野暮ってもんだろ
ギコもそれぐらい百も承知よ
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:30:14.10 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚)(そういや、最近巷で噂の『兎』
正義の味方とか何とか言ってたな)
もう一度見てみたらよ
今度はお茶の熱さにヒーコラ言ってやがった
(,,゚Д゚)(・・・・・まさかなぁ)
これは兎っていうより、狸だな
そんなこんなで、ギコも考えるのを止めたよ
狸ねぇ
失礼だが、的を得てるねぇ
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:32:52.34 ID:+KjdU9BX0
- 草木も眠る丑三つ時
廃れた寺にざわめく影やら音やら灯やら
どいつもこいつも、いかつい顔してやがってよ
傷だらけ、なんてのも珍しくはなかったねぇ
その中心、どすんと座ったやつはここいらじゃ、ちょいと有名
もちろん悪名高いって意味でな
( ゚∀゚)「おめぇら、酒が足りねぇぞ!!」
小津杯のジョルジュたぁ、こいつの事よ
小津杯の意味は聞いちゃあ、いけないぜ
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:34:05.10 ID:+KjdU9BX0
- ('A`)「兄貴・・・・・」
( ゚∀゚)「んお、どうしたよ」
('A`)「ニダーの野郎がよ、ちょいと・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・呼んでこいや」
貧相な男が連れてきたのはよ
どうやら、団子屋に現れたゴロツキのようだな
<ヽ`∀´>「・・・・・・兄貴」
( ゚∀゚)「おうおう、どうしたどうした!景気が悪ぃな!
不細工な顔が、余計に気持ち悪く見えるってもんだ!」
ガハハと大きな笑いだよ
豪快な男さね
- 79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:35:41.46 ID:+KjdU9BX0
- <ヽ`∀´>「すまねぇ、決闘に負けちまった」
( ゚∀゚)「・・・・・あん?」
だがよ、ニダーの一声で笑いは止まったよ
鷹よりも鋭い眼光がよ、ギラリと光ってやがる
胡坐を組みなおして、ボリボリ頭を掻いてよ
そんな仕草にも不穏な雰囲気纏ってんだ
( ゚∀゚)「どこの奴にやられたんだよ?
幕府のお抱えの奴らにやられちまったかい?
それとも、俺達みたいな行く当て無しの流浪民かい?」
<ヽ`∀´>「それが、その・・・・・・団子屋の皿洗いに・・・・・・」
ジョルジュはスッと立ち上がってな
ニダーの元へと一歩、二歩さ
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:37:42.06 ID:+KjdU9BX0
- <#;;;`∀´>「ニダアアアアアアアア!!」
そんで躊躇いなしに拳を振るってよ
ニダーが断末魔みてぇな悲鳴あげやがった
それもそうさ、ジョルジュの拳はさ
空気との摩擦で火がつくんじゃねぇかって勢いだったからな
(#゚∀゚)「団子屋だぁ!?皿洗いだぁ!?
てめぇ、侍のくせに何やってやがるんだ!!」
<#;ヽ`∀´>「そうは言いましても、めっぽう腕が立つやつでして・・・・・・」
(#゚∀゚)「ふざけんなよ、ニダー。
もっと許せねぇのはお前が負けたくせにノコノコ帰って来やがったって事だ。
死ぬ覚悟もねぇのに決闘なんかしたのか・・・・・・?」
むんずと胸倉掴んで言ったさ
- 83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:39:04.11 ID:+KjdU9BX0
- <#;ヽ`∀´>「俺だって、決闘に命張るくらいは常識持ってますぜ!
だがよぉ、相手が傘で決闘なんかしやがるから・・・・・・」
( ゚∀゚)「傘・・・・・・?」
ぱっと急に腕を放したからよ
ニダーも思わず、腰を抜かして座り込んじまったな
( ゚∀゚)「そうか・・・・・傘・・・・・・」
<#;ヽ`∀´>「あ、兄貴・・・・?」
( ゚∀゚)「・・・・・・ヒヤハハハハハハ!!こいつぁ面白くなってきやがったぜ!!」
ニダーの声なんか聞いちゃいねぇよ
深く考え込んでいたかと思えば、これだもんよ
近所迷惑考えず、不気味な笑いが夜を裂いたとさ
- 84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:40:37.45 ID:+KjdU9BX0
- .
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
唐傘男が団子屋に着てからどれぐらい過ぎただろうねぇ
御天道様が昇って落ちてを7回以上繰り返してたけどねぇ
んで、どうなったかって話だけどよ
(,,゚Д゚) 「皿ぁ!!」
( ^ω^) 「あいよぉ!!」
素晴らしい流れ作業でさ
プロ顔負けの皿洗いっぷりだよ
(,,゚Д゚) 「皿ぁ!!」
( ^ω^) 「よいしょお!!」
まぁ、プロの皿洗いって何だって話だがな
- 88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:42:57.00 ID:+KjdU9BX0
- そんなこんなで今日も一日働き詰めだよ
旅人とは言え、暇人も良いとこでさぁ
(*゚ー゚)「はいよ、お疲れさん」
たっぷり蜜のお団子さ
仕事の終わりにゃ、相も変わらずこれのみさ
( ^ω^)「うほほ、今日も変わらず団子が美味いお!」
(,,゚Д゚) 「ひっひっひっ、食い逃げなんかで食べる団子よか、よっぽど美味いだろ」
( ^ω^)「いやぁ、あれのスリルもなかなか・・・・・・」
(#゚ー゚)「馬鹿な事言うんじゃないよ!!」
ぼか、と頭を叩く音とさ
ギコの引いた笑いはいつしか、当たり前の流れになってたよ
- 90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:44:24.41 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚) 「・・・・・・ところでよ、アンタが来てからもう一週間は経つよなぁ」
( ^ω^)「おっ?」
唐傘男は内心、ドキリときたね
いよいよ、出て行けと言われるんじゃねぇかと思ったのさ
(,,゚Д゚) 「んで、しぃと話したのさ。
これからの事とか、色んな事をさぁ」
( ^ω^)「・・・・・・お」
(*゚ー゚)「こんな事言うのも、何だけ申し訳ないんだけどねぇ。
何しろ、今のご時世じゃ色々と大変だからさぁ」
( ^ω^)「・・・・・・お」
内藤の顔も真っ暗さ
んで、しんとした空間に一息置いてギコは言ったよ
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:45:35.31 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚) 「アンタさぁ、うちの用心棒やってくれねぇか?」
(;^ω^)「お・・・・・・おお!?」
これにゃあ、流石の内藤もたまげたね
- 93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:46:10.60 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚) 「アンタさぁ、うちの用心棒やってくれねぇか?」
(;^ω^)「お・・・・・・おお!?」
これにゃあ、流石の唐傘男もたまげたね
- 96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:48:30.82 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚) 「とは言っても、賃金やるほどの余裕は家にはねぇ。
あげられるものなんか、団子と寝る場所と普通の飯ぐらいのもんさ」
(*゚ー゚)「それに、この前みたいな事なんて滅多にないからねぇ。
皿洗いだけは今と同じようにやってもらおうと思ってるよ」
真剣そのものさ
本気で夫婦は唐傘男に語ってるのさ
(;^ω^)「でも、それじゃあまるで・・・・・・」
(,,゚Д゚) 「まるで?」
(;^ω^)「まるで・・・・・・」
言えなかったね
根無し草の自分にそんなことはと思ったのさ
『家族になってくれと言ってるのか?』
なんて事はさ。
- 98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:50:19.65 ID:+KjdU9BX0
- 唐傘男が黙って俯いててよ
沈黙の時間が過ぎてたんでさぁ
(,,゚Д゚) 「迷うのはよく分かる、だけどよぉ」
と、そこまで言ったところでな
団子屋の入り口の方からガタゴトと音が聞こえたんだよ
(*゚ー゚)「おかしいねぇ、店仕舞いの看板は出しておいたのに・・・・・・」
(,,゚Д゚) 「どれ、見て行ってこいよ」
(*゚ー゚)「偉そうに・・・・・はいはい、わかりましたよーだ」
ベぇと舌出して、しぃは文句言ってたさ
ま、ちゃんと言う事聞くのは良い子だねぇ
- 99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/06(日) 20:52:01.71 ID:+KjdU9BX0
- (,,゚Д゚) 「話戻すけどよ、悪い話じゃねぇと思うんだよな。
・・・・・お前さん、訳有りで旅してるとこなんだろ?」
( ^ω^)「まぁ、確かに・・・・・」
兄弟はいねぇ、両親も殺されちまってな
一匹狼の文句は伊達じゃねぇってことさ
(,,゚Д゚) 「ここいらで一旦、落ち着いてみたらどうだ?
その年頃なら嫁さんだって欲しいだろうに」
( ^ω^)「僕の嫁は、この唐傘ですお」
(,,゚Д゚) 「浮気は出来ないってか、笑わせるなよ」
女にゃ興味ないんだと
花より団子の極みってやつさ
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