('A`)理想桃源郷のようです

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:09:12.36 ID:UpTKW9GcO
 終  ユートピア

    、     。

( ・∀・)「……起きたか、嬢ちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「……お金の、管理者さん? それに、ここは……」

    、  。            。

( ・∀・)「桃源郷入り口の、鍾乳洞だね。見ての通り、もう塞がれちゃってるけど」

ζ(゚ー゚*ζ「……みんなは? お姉ちゃんは、そこにいるけど……無事なの? ねぇ!」

  、  ?
      、            。          。

(;・∀・)「ちょ、ちょっと。僕に怒んないでよ! 今回の事は、ある身勝手な少年の望みでね」

( ・∀・)「最初に言っとくと、ユートピアの人間は君とお姉さん以外、僕とクー様しかいない」

ζ(゚ー゚*ζ「……そんな。嘘だよ……」

   ……。
                    、      、         ……。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:11:18.74 ID:UpTKW9GcO
 
( ・∀・)「それから、君とお姉さんを助けてくれた人は、そこの瓦礫に埋まっちゃったよ」

ζ(゚ー゚;ζ「え? そ、そんな……助けなきゃ!」

 、    、                ?
……  、       、        、             。

( ・∀・)「あー、無駄無駄。もう生命反応無いから」

ζ(゚ー゚*ζ「……そんな。みんないないの? お姉ちゃんしか……」

     。

ξ゚听)ξ「……ん? ここは……あの時の?」

( ・∀・)「や、起きたかい」

ξ゚听)ξ「あなた、お金の管理者さん……これ、どういう事なんですか?」

    、               。

ξ゚听)ξ「まさか……そんなはずないわよ、だってユートピアは命に関わる望みは」

( ・∀・)「ちゃうちゃう、「直接」命関わる望みは受け入れられない、ね」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:14:16.65 ID:UpTKW9GcO
 
ξ゚听)ξ「……あぁ……そんな、そんなの……」

( ・∀・)「さて、お二人さん。辛いだろうが、君らを助けた人の望みを叶えてもらおう」

 、  ?
       、            。

( ・∀・)「彼の望みは……君らが地上に戻り、強く生きることだ。そこの水場から、地上に行ける。さぁ」

        。

ζ(;ー;*ζ「お姉ちゃん、私……」

ξ゚听)ξ「……分かってる、でも、行かなきゃならないのよ」

ζ(゚ー゚ ζ「……うん、分かった。ごめんね、お姉ちゃん」

ξ゚听)ξ「分かれば良いのよ」

……。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:16:13.33 ID:UpTKW9GcO
 






     、  、         。






66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:19:12.02 ID:UpTKW9GcO
 _
( ゚∀゚)「おい、ドクオ。今日金あるか?」

('A`)「いや……何で?」

1ヶ月後、何故だか俺はのうのうと学校に通っていた。
しかも、最近生傷も少ない。どうなってんだよと、俺が訊きたい。
 _
( ゚∀゚)「いや、今日ちょっと財布忘れちってよ、100円貸してくんね? ジュースが買いたい」

('A`)「……ほれ、やるよ100円ぐらい」

真新しい制服、余裕のある財布、馴れ馴れしいジョルジュ。
1ヶ月の間に何があったかは、よく覚えていない。
 _
( ゚∀゚)「サンキュー! 心の友よ!」

('A`;)「ぐああ、抱きつくな気色悪い!」

その時、背後から視線を感じた。
視線だけで分かる、奴だ。

ζ(゚ー゚*ζ「ふーん、ドクオさんって男の子の方が良いんだ」

(;'A`)「いや、それはない! 断じて無いぞ、デレ!」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/05(土) 04:21:37.73 ID:UpTKW9GcO
 
否定したものの、デレはさっさとどこかへ行ってしまった。
でも、本気で怒ってはいないだろう。そう信じたい。
 _
( ゚∀゚)「……なぁ、デレちゃんは何でお前を選んだんだ?」

('A`)「うーん……よくわからん」

とりあえず、昔の知り合いで、それに、まだ一緒に暮らしてるだけだと笑っておいた。

あと、それと、ほんの一滴の奇跡のエッセンス。
それだけで、理想郷が生まれてしまった。

多分、ユートピアが存在しなければ、このユートピアもない。
というか、俺はただの骨か肉塊になっていたはずだ。

しかし、俺は時々思う。
俺が救いを望んだから、あそこに桃源郷が出来たんだと。
そして、あの日は、単なる長い夢か、クーが作った安っぽいドラマのアクターになっていただけかも、と。

ともかく、ふっと望んだことは現実にはならないが、俺がずっと望んできたことは、現実になった。
現実に生きる世界こそ、理想桃源郷であり、望めば、如何な非現実さえも、起こり得る。

多分、鬱陶しい宗教勧誘にしかならないだろうが、俺はそういうことを伝えて生きたい。

そう思って、このスレを立てたんだ。



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