( ^ω^)ブーンはイケメンのようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:11:17.25 ID:chKCQy5S0
-
この世にはイケメンという人種が存在する。
彼らは強力な能力を使い、他を圧倒した。
これは荒野に舞い降りた、天才イケメンの物語である。
第壱話「イケメン それは宿命という名の鎖」
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:14:54.43 ID:chKCQy5S0
- _
( ゚∀゚)「さっさと金を出しやがれ!」
J( 'ー`)し「やめてぇ! それは息子の学費なの!」
一人の婦人にたかるイケメンがいた。
金の入った麻袋を、強引に奪おうとしている。
_
( ゚∀゚)「この村の学校は学費いらねえだろうが」
J( 'ー`)し「いや、塾に通わせたいから……」
_
( ゚∀゚)「い、意外と贅沢! いいからよこせ!」
J( 'ー`)し「あ〜れ〜」
麻袋を引っ張られ、婦人はその場に倒れた。
周りの者たちは遠巻きにその光景を見ている。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:17:36.51 ID:chKCQy5S0
- _
( ゚∀゚)「ふん……俺に逆らうなんざ2,3年早いんだよ」
J( 'ー`)し「ちくしょう! あと2,3年経っていれば!」
その時である。
「待ちな」
_
( ;゚∀゚)「だ、誰だ!?」
男が見上げた先、木の枝にコアラのようにしがみついている男がいた。
( ^ω^)「貴様の悪事、見逃してはおけんお」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:20:37.12 ID:chKCQy5S0
-
突如現れた男は、すたっと地面に飛び降りると、その場に崩れ落ちた。
思ったより木が高かったようだ。足首を押さえて悶絶している。
( ゚ω゚)「おぉぐお……」
_
( ;゚∀゚)「いきなり瀕死じゃねえか……!」
( ゚ω゚)「甘いな……」
_
( ゚∀゚)「何だと?」
( ゚ω゚)「俺がイケメンじゃなかったら、今ので死んでいたぜ……」
その言葉に、周りの者は絶句する。
野次馬たちは男に希望の眼差しを、婦人から金を奪った男は恐怖の眼差しを向けた。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:24:10.81 ID:chKCQy5S0
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( ゚∀゚)「ただのイケメンでは無い……そういうことか」
( ^ω^)「ふん。どうやらお前も、雑魚イケメンでは無いらしいな」
_
( ゚∀゚)「俺はジョルジョジョルジョルジョルジュ。略して長岡だ。お前の名前を聞かせてもらおう」
( ^ω^)「ロバートデニーロ。略してブーンだお」
長岡とブーンは、同時に構えた。ぴりぴりと空気が張り詰める。
高レベルなイケメン同士の争い。それは時に空間を制圧する。
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
二人に動きは無い。
どちらも相手を警戒しているようだ。
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:27:23.48 ID:chKCQy5S0
-
( ^ω^)「ふ……」
_
( ゚∀゚)「?」
( ^ω^)「俺が怖いのか……?」
_
(#゚∀゚)「……」
長岡はただの挑発に乗るような男ではない。
しかし彼には、イケメンとしてのプライドがあった。
誇りがあった。メンツがあった。あと、何か色々とあった。
_
(#゚∀゚)「やってやんぜおらぁ!」
その色々とある何かが、彼を突き動かしたのだ。
しかし悲しいかな。全てはブーンという名のイケメンの、掌の上の出来事だったのだ。
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:30:03.22 ID:chKCQy5S0
- _
( ゚∀゚)「……!!!」
閃光。爆発。舞い上がる塵。
野次馬たちは何が起こったのかわからず、呆然としている。
( ^ω^)「ククク……これが真のイケメンの力さ」
ブーンが仕掛けたのは、高性能クレイモア地雷。
予めそこら中に埋めておいてから、戦いを挑んだのだ。
つまり、動いた方が負け。長岡はたった数秒で、負けた。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:32:37.89 ID:chKCQy5S0
-
( ^ω^)「ほらお。息子の学費だお」
J( 'ー`)し「ありがとうございます! ありがとうございます!」
婦人は笑顔でブーンに近寄る。
その時だった。
閃光。爆発。舞い上がる塵。
野次馬たちは、何が起こったのか大体検討がついてるので、ちょっと吹いた。
( ^ω^)「仕掛けすぎた……」
「あの……」
( ^ω^)「ん?」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:38:11.61 ID:chKCQy5S0
-
クレイモア地雷を避けつつ、ブーンに近寄る幼女がいた。
ブーンは幼女が大好きなので、ヨダレを垂らしながら得意のイケメンスマイルを放つ。
( ^ω^)+「何だお?」
「お願いです……この村を救って下さい!」
( ^ω^)「なん……だと……?」
幼女の話はこうだ。さっきの男はイケメン盗賊団、オリックスの者。
この村はオリックスの奴らに度々襲撃にあっている。
頼むからオリックスを皆殺しにして、さらし首にして欲しい、との事だった。
( ^ω^)「平成生まれ言う事こぇぇ……」
「駄目……でしょうか」
( ^ω^)「ふ……」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:41:42.16 ID:chKCQy5S0
-
( ^ω^)「イケメンに不可能は無い」
「ほ、本当ですか!」
野次馬たちから、歓声の声が沸き上がった。
この日、村に救世主が現れたのだ。当然の事だろう。
「ブーンさん……」
( ^ω^)「なんだお」
「オリックスを倒せたら……私と……私と……」
@@@
、@#_、_@
( ノ`)「私とお付き合いし( ^ω^)無理」
その日、ブーンはその幼女の家に泊まった。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:46:21.76 ID:chKCQy5S0
-
村にブーンが現れた日、オリックスの者たちは近くの森で酒盛りをしていた。
女をはべらしているイケメンは、党首の鴨志田という男である。
(‘_L’)「おい。ジョルジョジョルジョルジョルジュの帰りが遅いな」
(,,゚Д゚)「そうっすね。何かあったのかも」
(‘_L’)「まあジョルジョジョルジョルジョルジュの事だ。きっと子犬でも構っているんだろ」
脳天気な会話をしている所に、一人の女が駆け込んでくる。
その顔に、冷や汗を滲ませながら。
(*゚ー゚)「大変です! ジョルジョジョルジョルジョルジュがやられました!」
(‘_L’)「何だって!? あのジョルジョジョルジョルジョルジュが!?」
(,,゚Д゚)「オリックス四天王の一人ジョルジョジョルジョルジョルジュさんがやられるなんて……」
(*゚ー゚)「しかしジョルジョジョルジョルジョルジュは四天王の中で一番弱い」
(‘_L’)「四天王ですら無いお前のセリフじゃないだろ……」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:50:22.70 ID:chKCQy5S0
-
(‘_L’)「だが、もしこれが本当なら……」
鴨志田はワイングラスを傾け、一気に中身を飲み干した。
しかしイケメンは酒に弱いので、ほとんど口から吹いた。
(‘_L’)「げぇほ……! んぐ……もしこれが本当なら、集合させるしかないな」
(‘_L’)「オリックス四天王を!」
こうして、鴨志田は戦争を始める決意をした。
まずは四天王で最も強い、渋澤に連絡する。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:52:51.21 ID:chKCQy5S0
-
手早く携帯の電話帳を開き、さ行の渋澤を選ぶ。
電話番号をクリックすると、無事に繋がり、小さなスピーカーが着信音を鳴らし始めた。
(‘_L’)「……」
スリーコールで、渋澤は電話に出た。
『もしもし』
(‘_L’)「あ、もしもしー。今大丈夫ー?」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:56:12.38 ID:chKCQy5S0
-
『大丈夫』
(‘_L’)「あのさー。最近よくいく村あるじゃん」
『ああ、ヴィップ村?』
(‘_L’)「うん、そーそー。そこにさ、凄いイケメンが出たらしいんだよ」
『マジ? 凄いの?』
(‘_L’)「うん、凄いらしい」
『へー』
(‘_L’)「でさ、ジョルジョジョルジョルジョルジュが死んだらしんだよ」
『ほー』
(‘_L’)「うん。だからさ、今四天王集めてるとこ。今日大丈夫ー?」
『わりぃ、俺バイトあるわ』
(‘_L’)「ああ……そっか……わかった。はーいじゃあまたねーばいばーい」
(‘_L’)「……」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 00:59:30.17 ID:chKCQy5S0
-
(#‘_L’)「敬語使えよ!」
次にフィレンクトは、重力を操る疾風のイケメン、モナーに連絡を取る。
モナーはワンコールで電話に出た。メールでもしていたのだろうか。
(‘_L’)「あ、もしもしー?」
『もしもし』
(‘_L’)「今大丈夫ー?」
『ごめん……今アニメ見てるから、忙しいモナ』
(‘_L’)「アニメ……アニメかあ」
『モナモナ』
(‘_L’)「あー……今日集まれない?」
『無理モナ』
(‘_L’)「あー……わかった。はーい。じゃあまたー」
(‘_L’)「……」
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:03:00.86 ID:chKCQy5S0
-
(#‘_L’)「何のアニメだよ!」
(,,゚Д゚)「あ、そこなんだ」
次に鴨志田は、100メートルを12秒台で走る事が出来る陸上のイケメン、ショボンに連絡を取った。
最後の望みをかけつつ、携帯をプッシュする。
(‘_L’)「……」
『この電話は、現在繋がれて……』
(‘_L’)「あれ?」
メールをしてみる。
(‘_L’)「……」
(‘_L’)「何かメイラーデーモンって奴からメールくんだけど」
(*;ー;)「……」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:07:09.95 ID:chKCQy5S0
-
(#‘_L’)「もはや四天王抜きで戦うしかないな……!」
(,,゚Д゚)「む、無茶っすよ鴨志田党首」
(*゚ー゚)「そうですよ鴨志田党首」
(‘_L’)「どうして?」
(*゚ー゚)「だって……」
(,,゚Д゚) (‘_L’) (゚ー゚*) 3人しかいないじゃないですか…
(‘_L’)「……成せば成る!」
襲撃は明日と決めて、3人は寝ることにした。
しかしドキドキして、鴨志田は中々寝付けなかったという。
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:12:01.02 ID:chKCQy5S0
-
次の日。晴天の下、朝日を受けながら乾布摩擦に励む男がいた。
( ^ω^)「あータオルきもぢぃぃ」
やはりイケメンは、何をやっていても様になるようだ。
彼の全裸をみようと、村中の人間が集まってきた。
@@@
、@#_、_@
( ノ`)「ブーンさん。風邪をひきますよ」
( ^ω^)「大丈夫だお。被ってるから」
流石はイケメン。ジョークセンスも一流である。
イケメンと幼女の、和やかな朝の風景。
「お前だな。ジョルジョジョルジョルジョルジュを倒したイケメンというのは」
しかし、最悪は時を待たず襲来した。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:17:27.20 ID:chKCQy5S0
-
(‘_L’)「ふっふっふ……」
( ^ω^)「……!」
(‘_L’)「ふっふっふっふっふ……」
( ^ω^)「……」
(‘_L’)「ふっふっふっふっふっふっふっふ……」
(#‘_L’)「ぶち殺すぞこらあ!」
(,,゚Д゚)「すいません口べたなんですこの人すいません」
( ^ω^)(……これはやばい)
鴨志田の容姿に、ブーンは恐怖を感じている。
一見ただの右投げ投手のように見えるが、イケメンのブーンはただ事では無い殺気に気がついていた。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:22:00.61 ID:chKCQy5S0
-
(*゚ー゚)「昨日作った台本があるので、この通りに喋って下さい」
(‘_L’)「おお、すまんな」
( ^ω^)(老齢のイケメン……戦闘経験は豊富……鼻が右曲がり……)
ブーンは必死に相手の情報をかき集めていた。
高いレベルのイケメンが激突する時、情報解析能力が勝負を決するのはよくある事である。
(‘_L’)「ええっと……ギコくん。貴方の事が大好きちゅっちゅちゅっちゅ……」
(*゚ー゚)「ぎぃやああああ間違えた! それは別の文書だから読まないで!」
(‘_L’)「貴方のブリーフの臭いを嗅ぐのは、既に日課になって……」
(*゚ー゚)「書いてねえだろうがコラ!!!」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:24:36.90 ID:chKCQy5S0
-
(,,゚Д゚)「しぃ……お前……」
(*゚ー゚)「ぎ……ギコくん……」
( ^ω^)(敵は3人。その内イケメンは2人……)
(,,゚Д゚)「お前……お前……」
(*゚ー゚)「ドキドキ……」
(,,゚Д゚)「そんなに俺のブリーフが……」
(*;ー;)「……」
( ^ω^)(あの若い男は近距離タイプだな。もう一人はおそらく中距離……離れて戦う必要がある)
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:29:03.80 ID:chKCQy5S0
-
(,,゚Д゚)「欲しいなら言ってくれればいいのに。予備のを分けてやるよ」
(‘_L’)「ニヤニヤ」
(*゚ー゚)「あ、あれは誤解よ! 鴨志田党首が勝手に……でもくれるなら欲しいかも……」
(‘_L’)「ニヤニヤ」
( ^ω^)(昨日マックいったから……今日は吉野家行くか。よし!)
敵の分析は、全て終了した。
ここからがイケメンの真骨頂である。
( ^ω^)「俺の名前はナタリーポートマン、略してブーン!」
(‘_L’)「む……俺の名前は鴨志田! 略しても鴨志田! いつだって鴨志田だー!!!」
(‘_L’) 「「行くぞ!!」」 (^ω^ )
- 47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:33:33.02 ID:chKCQy5S0
-
イケメンの気迫によって、空間がぐにゃりと歪む。
まるで重力が倍になったような重い空気が流れる。
(#^ω^)「うおおおおおおおおおお!!!!!」
(‘_L’)「うおおおおおおおおおお!!!!」
(#゚ω゚)「ふぉおおおおおおおおおお!!!!!」
(゚_L゚)「きぇえええええええええええええええ!!!!!」
(#。ω゚)「ちょぽおおおおおおおおおおおお!!!!!」
(‘_L’)「うおー」
(,,゚Д゚)「こ……これがイケメンを極めし者の戦いか……!! なんてイケメン力だ!!」
(*゚ー゚)「15万……20万……25万…どんどん上がってくる……!」
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:39:26.75 ID:chKCQy5S0
-
(#^ω^)「くらえ!」
両手を体の右側に揃え、円を作る。
イケメンエネルギーがそこに収束され始める。
(#^ω^)「イ……ケ……メ……ン……」
(;‘_L’)「まずい……!」
(#゚ω゚)「波―――――――!!!!!!」
収束されたイケメンエネルギーが、一気に膨れあがり、その手から放たれた。
鴨志田は横っ飛びで避け、無駄に前転をし、ブリッジで立つ。
(;‘_L’)(なんというイケメン力! 俺があとちょっとブサメンだったら今のでやられていた!)
戦慄するほどのパワーを感じた。一撃が勝負を決める。
これが真のイケメン同士の戦いである。
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:43:19.13 ID:chKCQy5S0
-
(‘_L’)「だが……」
( ゚ω゚)「はぁ……はぁ……」
(‘_L’)「もう見切った!!!」
( ゚ω゚)「何!?」
鴨志田はエクソシストの例のあのシーンのように、ブリッジのまま前進し始めた。
今度は傍観している野次馬たちが戦慄する。そのキモさに!
(‘_L’)「いくぞ、秘奥義イケメンブラスター!!!」
説明しよう。イケメンブラスターとは、鴨志田の口から放たれるイケメンビームである。
その威力は鳩の群れを撃退し、アルミ缶をちょっとへこますという。
( ゚ω゚)「ぐああああああああちょっと痛い!!!」
(‘_L’)「ククク……もう終わりかね?」
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:46:45.19 ID:chKCQy5S0
-
( ゚ω゚)「まだまだ……!」
(,,゚Д゚)「馬鹿な! イケメンブラスターを喰らって立っているなんて……!」
(*゚ー゚)「お隣のポチでさえ倒せるあの一撃を……!」
( ^ω^)「俺は負けない……負けられないんだお!」
ブーンは懐から拳銃を取りだした。俗にいうイケメンピストルである。
高レベルなイケメンはみんなピストルを持っているのだ。
(‘_L’)「俺だって負けられないんだ!」
(#^ω^)「何故だ!」
(‘_L’)「いや……理由とか聞かれても……あの……何か……嫌だから」
( ^ω^)「だったら、俺の勝ちだお」
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:50:02.95 ID:chKCQy5S0
-
乾いた発砲音。呻く鴨志田。
叫び声を上げる野次馬。呆然とするブーン。
何かに気付いた鴨志田。平気な顔の鴨志田。
後ろを振り返る鴨志田。血を流し倒れる幼女。
――ミスった。
( ^ω^)「……」
(‘_L’)「……勝ってないよ」
( ^ω^)「……うん」
(‘_L’)「勝ってないよ」
( ^ω^)「繰り返さないで……」
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:54:08.32 ID:chKCQy5S0
-
高レベルなイケメン同士の戦いでは、アクシデントはつきものなのである。
気をよくした鴨志田は、ブーンに向けて拳銃を構えた。
(‘_L’)「これで終わりだ」
( ;^ω^)「く……」
(‘_L’)「楽しかったよ。ブーン君」
銃口から火が噴く。
ゆらゆらと燃える小さな火が、銃口に留まる。
ゆらゆら、ゆらゆら。
拳銃型、ライターだった。
(‘_L’)「あ……そういえば俺、銃持ってなかったわ……」
( ^ω^)「どんまい」
息を呑むアクシデントの連続。
ここまでレベルの高いイケメンの戦いは無い。
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 01:59:04.40 ID:chKCQy5S0
-
(‘_L’)「仕方ないな……じゃあここからは」
( ^ω^)「ああ……あれしか無いな」
( ‘_L’) 「「イケメン血戦だ」」 (^ω^ )
(,,゚Д゚)「イ……イケメン血戦だと……!!!」
(*゚ー゚)「それ、何なの!?」
(,,゚Д゚)「初めて聞いたけど、一応ちょっと驚いておいた」
(*゚ー゚)「……そっか」
説明しよう。あらゆるカオスにより、戦いの流れがわからないイケメン同士の戦闘。
それにあえてルールを加え、縛られた状態で戦う。これがイケメン血戦である。
簡単に言うと殴り合いだ。
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 02:03:56.60 ID:chKCQy5S0
-
(#‘_L’)つ)゚ω^) ぐはぁ!
(゚_L(と(^ω^#) このやろう!
(#^ω^)つ)゚_L’) 痛い!
(゚ω゚(と(‘_L’#) やめろ!
壮絶な死闘だった。
見方を変えれば小学生の喧嘩に見えない事もないが、それは壮絶な死闘だった。
(;(#)L’)「ぐ……」
( ;^ω#)「ご……」
どちらも戦いをやめない。それはそうだ。
彼らにはプライドがある。誇りがある。あと……高いプライドがある。
負けられない理由……は特に無い。何故戦っているのだろうか?
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/11(金) 02:06:54.81 ID:chKCQy5S0
-
壮絶な死闘は、一時間に渡って続けられた。
野次馬たちは飽きて、畑仕事に行ってしまっている。
( ;゚ω゚)「くそ……」
(;‘_L’)「いい加減倒れろ……!」
( ;゚ω゚)「イケメンは諦めないんだお……!」
(;‘_L’)「俺だってそうだ……!」
その時、一人のイケメンが、奇跡を起こした。
第壱話 完
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