( ^ω^)がアフロにしたようです
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:23:11.64 ID:eh6CxzBZ0
- プロローグ
季節は春。
桜の花も満開とはいかないものの咲き乱れ、
冬という厳しい季節を過ごしてきた小鳥たちがうれしそうに歌いだす春。
日差しは穏やかで、すべての生命が喜びにあふれ、
彼らが奏でる命の躍動が世界の下で調和し、美しいシンフォニーを奏でる、
根暗な作者にとってはなんだか少しむかつく春。
そんなうららかな春の陽気の中で、ブーンこと内藤ホライズンは今日も健康的に
昼真っから部屋でゴロゴロ、テレビを観賞していた。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:25:09.76 ID:eh6CxzBZ0
- ( ´ω`)「あー、つまんないお。春休みはなにもすることがないお」
( ^ω^)「だがそれがいい!」
つまんないと言いつつ、だがそれがいいとわけのわからないことを申すこの男。
頭の中は大丈夫なのだろうか?
そうこうしている内に、彼はリモコンを手にテレビ番組をザッピングしだした。
一通りすべての局の番組を覗き終えると、リモコンを床に置いた。
( ´ω`)「やっぱりつまんないお」
結局つまらないという結論に達したブーンは、
座布団を枕代わりに床にゴロリと寝転がり、天井を見上げた。
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:35:52.36 ID:eh6CxzBZ0
- ( ´ω`)「……」
築20年の借家の痛んできた天井を見つめながら彼は思った。
( ´ω`)「(今の僕も、春休みの昼間のテレビのようにつまらないお。
でも、そんなはずはないお。僕はそんなつまらない人間なはずがないお…)」
根拠も無しに自分をつまらない人間ではないと言い切る彼は
どう見ても典型的な中二病患者である。
大人帝国の野原ひろしの回想シーンを見てからそんなことは言ってもらいたい。
しかし、彼の今までの人生を振り返ると、
自分がつまらない人間ではないという根拠が無いわけではない。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:39:05.18 ID:eh6CxzBZ0
- 内藤ホライズンは小学生までは明るく楽しい、クラスの中心人物だった。
野山を駆け回り秘密基地を作ったり、
美人の幼馴染のスカートをめくったり、
授業中に平気でちんちんを出したり、
道路を走る車に真っ向勝負を挑んで全治二ヶ月の重傷を負ったりと、
それはそれは明るく楽しい、ちょっと頭の足りないお子様だった。
しかし、そんな彼に転機が訪れたのは中学校に入学する直前だった。
( ^ω^)「僕にはきっと隠された力があるんだお!」
何かの漫画に影響でも受けたのであろう。
彼は自分に漫画の主人公のような特別な力があると信じ、
今までとは一転して、クールで神秘的な(少なくともブーンはそう思っていた)中学生を演じだした。
つまり、中二病を発症したのである。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:40:36.14 ID:eh6CxzBZ0
- しかし当たり前だが彼にそんな力などあるはずもなく、
彼は部活も何もやらない怠惰な、漫画のような出来事を待つだけの中学生活をすごした。
ここまでくるとさすがにおかしいと感じだした内藤ホライズンは
高校では心機一転、原点回帰、
小学生の頃のような本来の自分に戻ろうとした。
しかし、中学三年間のブランクは大きく、
思うように昔の自分に戻れないまま一年が過ぎ、
高校二年生を目前とした春休み、つまり今に至る、というわけだ。
( ´ω`)「(僕には何か足りない……でも、それがわからないお)」
お前に足らないのは頭だ。
そんなつっこみを入れたくなるのが、彼の人生である。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:41:41.65 ID:eh6CxzBZ0
- さて、その日の夕方。
ブーンは夕食を食べながらサザエさんを見ていた。
( ´ω`)「あー、つまんないお」
何をしてもつまらない。
そんな時期が誰にでもあるだろう。
そんな風にしてぼんやりとサザエさんを眺めていると、
次回予告でブーンの目が見開かれた。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:43:25.07 ID:eh6CxzBZ0
- サザエ「さーて、来週のサザエさんは?」
アナゴ「ぶるぁぁぁぁぁ!
アナゴです。先日、孫御飯にボコボコにされた私は
地球を道連れにしようと思い自爆体制に入ったんだ。
すると孫悟空が瞬間移動で私を連れ去り、私の陰謀は界王星とともに散った。
来週のサザエさんは、
『イクラ&ノリスケ、究極の親子かめはめ波』
『中島、そんなことより野球しようぜ!』
『波平、アフロにする』
の三本だ!」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:51:21.55 ID:eh6CxzBZ0
- ( ´ω`)「アフロ……」
|
\ __ /
_ (m) _ピコーン
|ミ|
/ `´ \
(^ω^) <そうだお!これだお!
ノヽノヽ
くく
ブーンは洗面台の鏡のもとへと走り、自分の姿を見た。
今年になってからいつか切りに行こうと思いつつ結局行かなかった結果、
伸びに伸びまくった長すぎる髪が、今の彼にはいとおしかった。
( ^ω^)「これならアフロにできるお!」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:52:26.78 ID:eh6CxzBZ0
- 翌日、カーちゃんにもらった散発代となけなしの貯金を手に、
ブーンは美容室へと来ていた。
美容師「サーセンwwwwwすげー長い髪っすねwwwwwww」
( ^ω^)「黙れ小僧」
美容師「サーセンwwwww今日はどんな髪型にしますwwwwww」
ブーンは美容師のほうを振り返り、言った。
( ^ω^)b「アフロにしてくれお!」
美容師「超ファンキーっすねwwwwwwww」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:53:20.23 ID:eh6CxzBZ0
- 数時間後。
( ´ω`)zzZ「……違います……僕はオダギリジョーではありませんお……」
美容師「サーセンwwww起きてくださいwwwwwできたっすよwwwwwww」
ブーンは心地よい眠りから目を覚ますと、
目の前に置かれた鏡の中の自分の姿に唖然とした。、
そこには、信じられないほどファンキーな姿の自分が映っていた。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:54:06.54 ID:eh6CxzBZ0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: ) < お?
<ヽ ノ┘
||
┛┗
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:56:28.60 ID:eh6CxzBZ0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::::::::::::::人:::::::::ノ
(:::: (^ω^)ノ::: ) < おお!
<ヽ ノへ
┏┘ `┛
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 19:59:10.80 ID:eh6CxzBZ0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::ヽ:::::::人::::::::::ノ
(:::: (^ω^):::::: ) < アフロックマンだお!
┗-ヽ ○
┏┘
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:00:46.62 ID:eh6CxzBZ0
◎
◎ ◎
◎
◎ ◎ ◎ ◎ < アッ――!
◎
◎
◎
ティウンティウンティウン
ブーンがアフロにしたようです ―完―
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:02:22.84 ID:fXLq1tV6O
- >>1
少なからず期待して読んでた俺に謝れ
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:03:11.67 ID:sSRMeYNBO
- おもしろかったぜ
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:06:22.03 ID:fz98hqdk0
- なかなかさっぱりした終わり方だな
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ::2006/10/16(月) 20:11:20.27 ID:JWzeDuwH0
- アフロ関係NEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ::2006/10/16(月) 20:17:11.35 ID:chT3pNFf0
- スレ立ててやることじゃねーだろwwwww
VIPのリソース無駄遣いすんなよwwwwww
でもバロスwwwwオダギリジョーってwwwwwwww
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:18:04.49 ID:maCLvw5f0
- やべぇツボったwwwwwwwwwwwwww
中々クォリティの高い短編だったなwwwwwwwwwwwww
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:24:44.04 ID:K+KZVcnI0
- ちょ、えっ? 終わり?wwwwwwwwwwww
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:28:23.92 ID:eh6CxzBZ0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(::: ┐:::人:::::::::::::::ノ
(:::: (^ω^)┐:::::: ) < 嘘だお〜ん!
ヽ ノ
┏┘└┓
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:31:12.67 ID:eh6CxzBZ0
- ( ^ω^)「すごいお!超ファンキーだお!」
美容師「サーセンwwwwマジ似合ってるっすよwwwww」
美容室内にもかかわらず、ブーンはポーズを取りまくった。
周囲の視線もなんのその。
ブーンは、あまりにもファンキーな自分の姿に興奮していた。
( ^ω^)「僕に足りないのはこれだったんだお!」
いや、お前に足りないのは頭だ。脳みそだ。
そんな作者のつっこみもむなしく、ブーンはひたすらにポーズを取りまくった。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 20:32:32.00 ID:eh6CxzBZ0
- 美容師「サーセンwwww400円のお釣りですwwwwwありやしたwwwwww」
美容師の調子のいい声に見送られて、ブーンは美容室を後にした。
外は、まばゆいばかりの日差しに、どこまでも広がっている青い空。
小鳥たちは歌い、河川敷に植えられた草木は青々としている。
まるで、すべての命がブーンのアフロをたたえているかのようだ。
( ^ω^)「明日の始業式が楽しみだお!」
「明日が楽しみだ」なんて思うのは何年ぶりだろうか?
ブーンはうれしさのあまりに飛び上がった。
もさもさのブーンのアフロへアーが、上下に「ボイン」と揺れた。
プロローグ おしまい
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