( ^ω^)がアフロにしたようです
- 114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 21:53:08.29 ID:eh6CxzBZ0
- 第二話
その一
('A`)「……空が青いぜ」
放課後の屋上でセンチメンタルに空を眺める男がいた。
身長180pはありそうなすらりとした体躯、それに不釣合いに目つきの悪い不細工な顔。
伸びまくったまっすぐな黒髪とあいまって、
彼は、一見するとただのキモオタだ。
しかし、何を隠そうこの男こそがVIP高校始まって以来の大不良、
その名も鈴木 タケシ(すずき たけし)。通称ドクオである。
- 118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 21:57:23.30 ID:eh6CxzBZ0
- 日系アメリカ人の彼は、どう見ても典型的な日本人の容姿を兼ね備え
なぜかニューヨークのスラム街で産声を上げた。
父の顔も母の顔も知らない。
そんな彼は、物心ついた頃から喧嘩三昧の日々を送っていた。
毎日が戦い。
負ければ死につながるそんな環境の中を、彼は生き抜いた。
彼は本来、喧嘩など好きではなかった。
しかし、周囲の状況のため喧嘩せざるを得なかった。
そんな環境に辟易した彼は、15歳の春、平凡で自由な生活を求め日本へとやって来た。
なぜか日本語もペラペラな彼は、AO入試ですんなりとVIP高校へと入学。
('A`)「これで普通の生活が送れる」
しかし、運命はそれを許さなかった。
- 119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 21:57:25.75 ID:pepKRhqX0
- ブーンに萌えてしまったwwwww
- 120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 21:58:35.56 ID:eh6CxzBZ0
- 「てめぇ、何ガンつけてんだよ!」
「キモオタのクセに背が高いなんて生意気なんだよ!」
日本に来てからも彼はなぜか因縁をつけられ、喧嘩三昧も日々を送った。
しかし、スラム街に比べれば日本の高校生はあまりに弱かった。
連戦連勝の彼は、ついにヤクザ養成高校と呼ばれ恐れられる
ラウンジ高校の番長と対決するはめになった。
- 121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 21:59:47.17 ID:eh6CxzBZ0
- ('A`;)「日本にもこんな骨があるやつがいたとは……」
ラウンジ高校の番長は強かった。
だが、その勝負は警察が駆けつけたため決着が付かず、結局引き分けとなった。
しかし、そのおかげで彼の名は一気にとどろいた。
そして気が付けば彼は、VIP高校の番長と呼ばれるようになっていた。
- 122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 22:00:40.07 ID:eh6CxzBZ0
- やがて彼に喧嘩を売る者もいなくなり、
ドクオは望みどおりの平凡で静かな生活を手に入れた。
('A`)「毎日がこんな風に過ぎていけばいい」
ドクオはそう思った。
何事もなく、この屋上を渡っていく風のように
ただ悠々と過ぎていく日々がたまらなくいとおしかった。
しかし、今日学校に登校した彼は信じられない光景を見た。
- 123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 22:02:00.35 ID:eh6CxzBZ0
,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::::人::ヽ::::ノ
(::: ヽ(^ω^):::::: ) < HAHAHA!
ヽ ノ―━
└━
ジャジャ――ン
- 125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 22:03:58.98 ID:eh6CxzBZ0
- ('A`;)「な、なんてファンキーなんだ……」
アフロヘアのクラスメイツの姿に彼はアンビリーバボーした。
('A`;)「お、俺もあんなファンキーな髪型にしたい……」
それは、自分に流れるアメリカ人の血がそう思わせるのだろうか?
しかし、冷静なもう一人の自分が言う。
ファンキーな髪型にしてしまうと、この平穏な日々が失われてしまう、と。
- 127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 22:05:07.21 ID:eh6CxzBZ0
- ('A`;)「どうすればいい……どうすればいいんだ……俺は」
ドクオは一日悩んだ。
しかしドクオは自分の中に湧き上がる熱い血の情動を抑えられなかった。
ドクオは、自分に金魚の糞のごとく付きまとう
わかんないですに、ブーンを呼び出すよう命令した。
- 128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/16(月) 22:06:54.58 ID:eh6CxzBZ0
- ('A`)「空はイイ……俺もあの雲のように自由に生きたい……」
ブーンを待っている間、ドクオは空を眺めていた。
不細工な顔に似合わず、彼はロマンチストだった。
ポケットに手を突っ込み、彼は空を見上げ続ける。
すると、背後の扉が「ギギギ」と音を立てて開く。
('A`)「……現れたか」
ドクオは静かに振り返った。
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