( ^ω^)がアフロにしたようです

4: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:10:25.17 ID:ar1wP2rp0
  
その一


「ジリリリリリ―――――!!」

部屋中に鳴り響く目覚まし時計の音によって、彼女の夢は終わりを告げた。

とても楽しい夢を見ていた気がする。

しかし、夢は一度覚めてしまうと霧のようにモヤモヤとしてしまって、
その内容が何であったか思い出すことは困難になってしまう。

なぜ、夢は覚めてしまえば忘れてしまうのだろう。

彼女は思う。
それはきっと、楽しい夢の内容を記憶できるのであれば、
人はすべての楽しみを現実ではなく、夢の中に求めるようになるからなのであろう。

何もかもが思い通りにならない現実を生き抜いてくためには、
あまりに楽しすぎる夢の内容は忘れなければならない。

だから、人は夢を忘れていく。
そして、現実の中へと戻っていく。

それはきっと、人が生きていくためにあらかじめ備わっている本能がそうさせるのだろう。



5: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:12:11.04 ID:ar1wP2rp0
  
彼女はベッドから起き上がり、カーテンを開けて外の景色を見た。
いつもなら日差しが差し込むはずなのに、今日の外はなぜか薄暗い。


ξ゚听)ξ「……雨、か」


台風でも大雨でもなく、雨は小雨でしとしとと降り続けている。

彼女は、そっと自分の髪に手を触れた。

天然のくせっ毛のそれは、いつもより高い湿気のために通常の三倍カールしている。
今日の彼女の巻き毛は、まるでドリルのように鋭くとがっている。

どこまでも深く、地中を掘り進んでいくドリル。

やがて彼女は地球の中心、マントルまで到達し、
地球を内側から破壊してしまうのであろう。



7: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:14:58.17 ID:ar1wP2rp0
  
ξ゚听)ξ「雨は……嫌いだわ」


ドリルはそうつぶやくと、制服に着替えて、
二階にある自分の部屋から降りて洗面台で身支度を始める。

顔を洗い、髪をとかす。
薄く化粧をした後、鏡の前でにっこりと笑う。


ξ゚听)ξ「……よし!」


鋭くとがったドリルヘアーをなびかせながら、彼女は玄関の扉を開ける。
しかしそこには、いつも待っているはずの幼馴染の姿は無かった。

8: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:16:08.09 ID:9XsWBsoIO
  
これは…

9: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:16:14.63 ID:ZqItknD8O
  
テラドリルwwwwww



10: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:16:50.63 ID:ar1wP2rp0
  
ξ゚听)ξ「どうしたんだろう……ブーン」


お向かいにある幼馴染の家の二階にある彼の部屋を彼女は見つめた。

アフロにして以来、幼馴染は変わった。

いや、変わったというよりは元に戻ったと言ったほうがしっくりくる。
昔のような活発で明るい、ちょっとおバカな男の子に、彼は戻ったのだ。

それ以来、彼が彼女を待たせることは一度も無かった。
そう、今日までは……。


ξ゚听)ξ「もしかして……ブーンに何かあった……?」


不安に駆られた彼女は、幼馴染の家の玄関の扉の前へと進む。
そして、立ち止まる。

昔の、中ニ病を発症した頃の彼に戻ったのかもしれない。

そんな不安が彼女を支配していた。



13: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:18:36.54 ID:ar1wP2rp0
  
ξ゚听)ξ「いや!中二病の頃のブーンに戻っちゃいやよ!」


あの頃のようなギスギスしたブーンなんて嫌だ。
今の楽しいブーンのままでいて。

そんな思いを込めて、彼女は叫んだ。
その叫び声はうす暗い雨の空に溶けていく。

その後彼女は、不安に駆られ、ただ立ちすくむことしか出来なかった。

周囲には、しとしとと振り続ける雨音だけ。
彼女はひたすらに、幼馴染の家の玄関の扉を見つめ続けた。


どのくらいそうしていただろうか?

永遠のような、一瞬のような、そんな時間。

そんな時を経て、玄関の扉が静かに開いた。



14: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:19:18.60 ID:ar1wP2rp0
  
        ⌒ 
       (::::::::) 
      (:::::::::::::::ノ 
     ┌(´ω`)┐ < おいす〜……
       ヽ ノ 
      ┏┘└┓
 
      チ――ン……



15: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:20:15.45 ID:ar1wP2rp0
  
ξ゚听)ξ「………」


彼女は絶句した。

目の前には確かに幼馴染の姿がある。
だけど、いつもの彼とは決定的に違った。

そう。

幼馴染の頭上には、大便が……

否、

大便のようなヘアーがのっていたのだ。



16: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:21:00.74 ID:ar1wP2rp0
  
ξ゚听)ξ「ブーン……その頭……どうしたの?」


なぜ?
どうして?

どうしてあなたはアフロじゃないの?
あなたのアフロはどこへ消えたの!?

『アフロはどこへ消えた?』

数年前にベストセラーとなった自己啓発本のタイトルのような疑問が
彼女の心の奥底から湧き上がる。

そして彼は性器の無い瞳で言った。


(´ω`)「湿気で髪がカールして……気がつけばこんな風にアフロが収縮したんだお……」

ξ゚听)ξ「……」


そんな幼馴染の髪の毛を見て、なぜか彼女はいやな予感がした。

17: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:21:40.77 ID:ecB78LKQ0
  
どこへ消えたwww

19: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:23:37.63 ID:keKWaik50
  
性器の無い瞳ってwwwwww

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:23:38.16 ID:Z4Esngui0
  
>性器の無い瞳
当たり前だwwwwwwwwww



18: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:22:48.99 ID:ar1wP2rp0
  
六畳一間の貧相なアパート「行き倒れ荘」
そこが、彼の住まいであった。


「HEY YOU! 起きちゃいなYO!」


先日衝動買いした「ジャニーさん目覚まし」の声に目を覚ました彼は、
年中敷きっぱなしの万年床から起き上がり、
部屋から屋外に設置された廊下に出て、共同の洗面所へと向かう。


('A`)「今日は雨か……」


廊下には、雨水が浸入していた。

しっとりと濡れた廊下。
そして、降り注ぐ小雨。

雨の朝というのもまた一興。
そう思った彼は、雨に濡れる辺りの光景を見て一句詠んだ。


('A`)「五月雨に 心揺らぶる 俺の髪」



21: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:24:47.47 ID:ar1wP2rp0
  
今は五月ではないし、心が揺られると言っておいて
下の句を「俺の髪」で締めているあたり、どうしようもない奴である。


('A`)「完璧だな……早速ノートに書き留めねば……」


そう思い、部屋に引き返そうと振り向いた矢先のことだった。
彼はバランスを崩して廊下の床に倒れこんだ。

彼はすぐさま起き上がり、違和感を覚えた足元を見る。
なんと、彼の下駄の鼻緒が切れていた。


('A`)「……なんということだ……不吉な……」


そう思いながらも、部屋に帰ろうと彼は顔を上げる。
そのときだった。
目の前を、黒猫が横切っていった。


('A`)「………」


彼は、今日何かとんでもないことが起こると確信した。

24: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:27:47.19 ID:w1ZjZiTL0
  
アメリカ育ちなのに下駄

27: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:28:40.02 ID:keKWaik50
  
>>24
アメリカ育ちだから室内で外履きはくんじゃね?



23: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:26:58.34 ID:ar1wP2rp0
  
佐賀県吉野ヶ里遺跡にある竪穴式住居。
ここが、彼女の住まいであった。


「どきききききき――――――!!」


住居中に鳴り響く「弥生土器目覚まし」の音で目を覚ました彼女は、
藁布団から起き上がり、扉を開け、顔を洗いに井戸の方へと向かう。

外は雨で、地面はぬかるんでいた。
地面のぬかるみに足を取られながらも、何とか井戸にやってきた彼女は絶句した。


川 ゚ -゚)「井戸の水が……枯れている」

25: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:28:07.83 ID:Qn2jzGpwO
  
なんてとこに住んでんだよwwwwww

26: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:28:17.99 ID:ecB78LKQ0
  
クーは何処から突っ込めば良いのか



28: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:28:45.62 ID:ar1wP2rp0
  
しょうがないので、彼女は遺跡内に設置された公衆便所へとやってきた。

やはり文明の発達とはいいものだ。

そんなことを思いながら、彼女は用を足し、顔を洗う。
目の前の鏡には、自分の姿が映っている。

しかし、鏡に映った自分の姿に、彼女は再び絶句した。


川 ゚ -゚)「しまった……化粧を落としていなかった……」


昨夜、呪術をした時の化粧を落とさないまま、彼女は眠りについていたのだ。

これはうっかり玉手箱。

彼女はしっかりと化粧を落とすと、飛行服に着替え、
自家用飛行機で彼女の通うVIP高校へと飛び立った。

しかしその途中、海上保安庁の飛行機に見つかった。
どうやら海上保安庁は、彼女の乗る飛行機を北朝鮮のそれと勘違いしているようで、
彼女は朝っぱらから海上保安庁と空中戦を繰り広げる羽目になった。



29: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:30:46.29 ID:ar1wP2rp0
  
彼女の駆る飛行機は、ニーソク社製の「VIP774」

後部にプロペラエンジンを搭載した単葉機。
詳しい設定は「クーがダンスするようです」を参照されたし。


一方、海上保安庁の飛行機はマクドネル・ダグラス社製のF-15戦闘機「イーグル」

本来航空自衛隊にのみ配備されている戦闘機であるが、細かいことは気にしない。
エンジンの出力のみで離陸できるほどの強力な「ターボファンエンジン」
そして、世界最高水準のレーダーを備え、その実戦での撃墜数は開発されてからゼロ。


そんな凄まじい機体に勝てるはずがなかった。


あっさり被弾した彼女の機体「VIP774」は空中で爆発した。

間一髪、非常脱出装置で空中へと逃げ延びた彼女は、
パラシュートに吊られながら、その光景を見つめ、思った。


川 ゚ -゚)「今日は何か……不吉なことが……起こる」

30: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:31:25.01 ID:9XsWBsoIO
  
なんでwwwwwww

31: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:32:05.19 ID:ecB78LKQ0
  
不吉とかそういう問題じゃwww



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