('A`)は世界に魔法を見つけるようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 00:04:01.80 ID:iherNopz0
- 議事堂のはずれ。上院議会お抱えの魔法使いが今日も瞑想で魔法力を高めている。
「どういうことだ……?」
ホウと息を吐き再び目を閉じる。
あぐらをかき、手のひらを上に向けた状態から軽く握る。
これが彼の瞑想スタイルだ。
正座を勧める師に何度正されようとも、自分にはこれが合うと信じた。
しかし今日は様子が違った。
何度集中してみても、どこか魔法力が漏れている感がある。
「……おかしい」
次の報告書で議会に異常を知らせるべきか、彼は迷う。
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 00:05:14.12 ID:iherNopz0
- 自分の力の衰えと見られるのではないか。猜疑心の強い議長だ。
反証がない限り私の評価を下げるほうを選ぶだろう。
原因究明のための予算など期待も出来ない。
孫は流行り病で死んだ。子は私を軽視している嫁に同調するばかり。
……私は充分に生きた。
魔法使いは異常を自分の胸にしまいこむことに決めた。
日記に記しておいたのは義務感からか、習慣からか……。
-
3年後、世界から魔法が消えた。
さらに157年後、物語は始まった。
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