('A`)は世界に魔法を見つけるようです

293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:23:54.03 ID:iherNopz0


エピローグ


王都に戻ると、すぐに王に謁見が許された。

三人は全てを説明し、その後各自の実力を見せた。

王はこれまでにない強い態度で、王の権限で防衛軍をシーベイに組織すると
宣言した。

臣下の誰も反対はしなかった。王の強い態度に、なにか身の震える快感を
得るものが多かったという。

三人は故事にならい、新たな職名を得た。

クーは不死騎団長に、ブーンは獣王に。

そしてドクオは大魔道師に任命された。



エピローグ2



298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:24:40.07 ID:iherNopz0
月のない深夜を選んだが、光球自体が強く発光していたため、
あまり意味がなかった。

その光球は限界まで膨らむと、一気に地面へと消えた。

その日以来、リンガイア公国を悩ませた群発地震はなりを潜めた。


島の西には、直径数百メートルの穴が残った。




 「勇者は再び王女に恋をするようです」


プロローグ


それは数十年前。ある島でのこと。

初老の男が言う。

「……バランのおっさんはそれなりに年くってた。なら、ダイだって
 そろそろ老いて戦えなくなっていてもおかしくないんだ」

全身光沢に輝く男が答える。

「どうにもよくわかんねぇんだよな、何がいいてぇの?」



300: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:25:41.55 ID:iherNopz0
青い肌の男が応じる。

「フッ……ポップはつまり、『戦っていない可能性』を言っているのだ」

「さっすがよくお分かりで。ズバリ言う。『凍れる時の秘法』に
 捕らえられてんじゃねえかと思う」

瓶のふたを開けるのに苦労していた男が、やっと酒にありついて
一口飲んで言う。

「ふぅ……しかしあれは、皆既日食が条件だったはずだ」

「そこはまだわからねえ……だが、まあそういう状況じゃねえかってことさ。
 ……まあ、俺はやっぱり『凍れる時の秘法』に類する魔法じゃねえかと思う」

男は「実はかつてこういうことをした」と、パプニカの王女に施した
魔法術について説明した。ヒャドとアストロンを融合し、
さらに時間の進むエネルギーで対象の時間を同じだけ逆行させるという
その魔法術は、光沢の男には理解できなかった。



302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:26:20.12 ID:iherNopz0
「ま……やりようはあるってこった。なにが起こってるかは、向こうに
 乗り込んでみなきゃわからんがね」

首をひねり続ける光沢の男に、初老の男は言った。

「ま、そこで準備をしておいて欲しいんだ。まず、魔界の大気ってのは
 人体に有害か?ってことが知りてえ」

「それはおそらく大丈夫だ。もし違いがあるなら、炉の色でわかるはずだ。
 武器鍛冶は、炎の色で大気の組成を読む」

「ヘ、そりゃありがてえ。なら問題の一つは杞憂に終わったな。次は
 地図だ。地上のこの島から穴をあけたら、その下は魔界ではどこにあたるのか
 それを教えてほしい。そしてヴェルザーの勢力圏と、その腹心の部下なんかが
 いるならそれも知りてえ。それから……」


男たちの話は数日続いた。



304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:26:54.54 ID:iherNopz0


そしてエピローグ。


パプニカ王城、地下霊廟。
その奥には壁に偽装された扉がある。

男がその前に立つと、隣の隻腕の老人がアバカムを唱えた。



306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/20(日) 02:27:20.28 ID:iherNopz0
扉が開くと、二人は中へ進み、老人は床に複雑な陣をつくった。
男のほうは、部屋の中央で冷たく輝く繭になにやら話しかけている。
陣をかき終えた老人は、それから複雑な印を結び、なにやら唱えると、
急にその場にへたり込んだ。男は老人に手を貸そうとするが、
老人は笑顔でその手を拒み、輝く繭を指差した。

繭はやがて溶け、中から女性が現れ、目をひらくと、男は言った。


「ただいま、レオナ」


ξう-)ξ むにゃ……

ξ゚听)ξ 遅いわよ、ダイ君



「('A`)は世界に魔法を見つけるようです」
「勇者は再び王女に恋をするようです」

               -完-



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