( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです

7: 7話 :2006/10/19(木) 00:03:20.68 ID:M9PItZfY0
  
( ^ω^)「どうしたものかお・・・・・・」

 蕎麦屋から家具だらけでゴチャゴチャの社長室に戻ってきてもブーンはうなっていた。
ショボンやドクオの指摘は正しい。初めての仕事、本来ならきちんと相手を前にして話すのが筋というものだ。


(´・ω・`)「まぁ、過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ない。別に死刑宣告でもあるまいし、きっとアヤカ君ならわかってくれる」

('A`)「でも、アヤカちゃんは“アイドル”ってのにすごい憧れ持ってたからなぁ・・・
発想が行き過ぎてギャップに苦しむかも・・・」

( ^ω^)「・・・困ったお・・・・・・」

(´・ω・`)「(ん・・・・・)」


(´・ω・`)「そうだ、実はコーヒーが切れていてね。ブーン君、ちょっと駅前の『スーパーさいたま』までちょっと買いに行ってくれないか」

( ^ω^)「わかりましたお。ちなみにお金は・・・」

(´・ω・`)「もちろん経費で落ちる。ついでに茶菓子とバーボンを見繕ってきてくれないか」

( ^ω^)「オッケーですお」


从'ー'从「あっ」

( ^ω^)「あっ・・・」

 真っ白な事務所を通り、ドアをあけたところでふたりは鉢合わせた。



8: 7話 :2006/10/19(木) 00:05:32.92 ID:M9PItZfY0
  

('A`)「アヤカちゃんなら学校終わってその足でここまで来てもおかしくないですね」

(´・ω・`)「すでに来ておるよ。さっき、窓から彼女が見えてな。だからブーン君にいってもらった」

('A`)「そうか・・・仕事現場に行けば話しやすい。さすがですね」

(´・ω・`)「ところでドクオ君。ツン君はごねないといいんだが・・・・・・」

('A`)「・・・明日伝えます・・・・・・」


ナヤンデモシカタナーイ マァソンナトキモアルサ アシタハチガウサー(注:着うた)


('A`)「電話だ。失礼します」

(´・ω・`)「(『ポジティブ』、か・・・)」

('A`)「もしも」

ξ#゚听)ξ『ひょっとドクオ!仕事が決まったならにゃんで言ふぁないのよ!!』

('A`)「・・・どうすればいいです?」

(´・ω・`)「知らんがな」



9: 7話 :2006/10/19(木) 00:08:41.72 ID:M9PItZfY0
  

从'ー'从「で、思わず立ち上がっちゃたんですよ」

( ^ω^)「それは大変だったお」

从'ー'从「だって・・・うれしかったんです。三日目なのに、もう仕事があるなんて・・・」

( ^ω^)「その仕事なんだけど・・・」

从'ー'从「そういえばブーンP。今回の仕事ってどんなことをするんですか?」

( ^ω^)「・・・ここが現場ですお」



11: 7話 :2006/10/19(木) 00:10:37.77 ID:M9PItZfY0
  

見上げた先には『スーパーさいたま』。チェーンでも大手でもない、一介の駅前個人スーパーである。
付近の住民からは親しまれているが、一歩となりの区に出れば知名度はないに等しい、地元密着型の典型といえよう。
二人の小人と太陽っぽい小動物のロゴがいつものように入り口の上で輝いていた。


从'ー'从「売り子さん、かぁ・・・」

( ^ω^)「・・・・・・ごめんだお!」

从'ー'从「・・・ブーンP」


从'ー'从「何であやまるんですか?」



12: 7話 :2006/10/19(木) 00:13:05.34 ID:M9PItZfY0
  
从'ー'从「わたし、アイドルに憧れてアイドルになったって話しましたよね」

( ^ω^)「うん、聞いたお」

从'ー'从「うちの父さん、昔からアイドルオタクだったんですよ。セーコ・マスダ、サユリ・コシナガ、コーダ・ユキオカ・・・
イブニング娘に“ムコナの十人”。小学校のときは『THE IDOLM@STER』歌いながら帰ってました」

( ^ω^)「それはそれは・・・」

从'ー'从「それまでなんとなくスゴい人、ってイメージだけだったんですけど、中学校に入ったときにリョーコさんが来たんです」

( ^ω^)「『アイドルマスター』のリョーコ・モモヤマかお?!!」

从'ー'从「はい。今じゃ考えられませんね。」



13: 7話 :2006/10/19(木) 00:18:15.00 ID:M9PItZfY0
  

从'ー'从「実はリョーコさん、わたしと同じ中学校の出身なんです。ブレイク寸前だったリョーコさんは創立祭のときに呼ばれて
公演をして、歌ったんです。実際にアイドルの、アイドルらしい仕事を見たのはその時が初めてでした」

( ^ω^)「うらやましいお。『アイドルマスター』が学校に来るなんて・・・」

从'ー'从「信じられなかったです。体育館の中心に立っているのが自分と3つしか違わない女の子だなんて。
前の日の漢字テストでやった“魅了”って言葉を心で感じました。しゃべるだけで、歌うだけで、笑うだけで。



こんなにも、人は人を、引き込むことができるなんて・・・」



16: 7話 :2006/10/19(木) 00:21:06.60 ID:M9PItZfY0
  

( ^ω^)「・・・アヤカが憧れたアイドルリョーコさんだったのかお」

从'ー'从「はい。お小遣いをためて彼女の本も買いました。その中にリョーコさんが小さなお店でキャンペーンをした事も書いていました」

( ^ω^)「(そっかお・・・・・・)」

( ^ω^)「アヤカ、あやまってごめんだお」

从'ー'从「えっ?」

( ^ω^)「ブーンの考え方がまずかったお。販促員がアイドルっぽくない、アヤカがイヤがるかも、なんて思い込んで・・・・・・」

( ^ω^)「そうだお、がんばるお!がんばって売って売って売りまくって、アイドルの力を見せ付けるお!」

从'ー'从「はいっ!!」



17: 7話 :2006/10/19(木) 00:25:03.31 ID:M9PItZfY0
  

 こうして初仕事が決まったお。クーやちょっと渋い顔をしたツンも一緒に仕事を請けることになってアヤカはうれしそうだったお。
 それからボイストレーニングやダンスレッスンなどのアイドル基礎練習に加え、『スーパーさいたま』からもらった
マニュアルをもとにシミュレーションをやってるうちについに土曜日。運命の初仕事の日がやってきたお・・・・・・

【続く】

( ^ω^)「続く、といってもまだ7話はおわらないお。もうちょっとだけ続くお」



18: 7話・おまけ :2006/10/19(木) 00:27:54.44 ID:M9PItZfY0
  
〔月曜日・夜・アイドル出版215室〕

彡 ´ー`)「うむ、ではツンやアヤカ・ワタナベの補足も含めて確かに受け取ったよ。これでマホロ・カミギ」

川 ゚ -゚)「・・・クー・マーリェです」

彡 ´ー`)「うむ。君も今日からアイドルだ、クー・マーリェ」

川 ゚ -゚)「ありがとうございます」

川`●−)「わざわざありがとうございました」

彡 ´ー`)「しかし君がプロデューサーか、マーヤ。不思議なものだな」

川`●−)「この娘と組む、というのもなかなか不思議ですよ。でもクーは強い。いいアイ
ドルになります」

彡 ´ー`)「ならせます、じゃなくてかい?」

川`●−)「障害がなければ簡単です」

彡 ´ー`)「ふむ・・・ショボンにもよろしく言ってくれ。また飲みにいこう」

川`●−)「はい。それでは失礼します」

彡 ´ー`)「(・・・サングラス、か・・・)」

【8話へ】



戻る第8話