( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです

26: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:35:22.04 ID:e7EjRwcO0
  

 〔『ニュー速プロ』・社長室・午後8時〕


 冷蔵庫からビールを取り出し、ショボンは社長椅子に座ってテレビをつける。
午後7時58分、毎週チェックしている歌番組の時間だ。


司会『こんばんわー。今日も生放送でお送りしています『トラブル・シンガーズ!』です。
今週のゲストは・・・夏の連続ドラマの主題歌に抜擢された如月千早、アルバム発売が
目前に迫った流石兄弟、今週3年ぶりのニューシングルを発売した萩原雪歩・・・』

(´・ω・`)「うむ、いつかウチの子たちもゴールデンに出演させてみたいものだ」


 プシュッと缶をあけたところでドアがノックされた。


(´・ω・`)「(面倒くさいなぁ・・・)誰かね?」

( #゜ω゜)「失礼しますお」



27: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:37:04.93 ID:e7EjRwcO0
  

(´・ω・`)「ん、ブーン君か。どうしたんだい、もう帰ったものだと思っていたが・・・」


 ショボンは入ってきたブーンを見て、テレビの音を下げた。


(´・ω・`)「ようこそ、社長室へ。まぁかけたまえ。それとこのビールはサービスだから受け取ってほしい」


 応接イスにブーンを誘い、手にした缶ビールを放り投げた。プルトップの開いた、その缶を。


( #゜ω゜)「うわっ、冷たいお」

(´・ω・`)「・・・すまない。あけたのをわすれていた」

( #゜ω゜)「ひどいお・・・・・・」

(´・ω・`)「タオルだ。あと、これが新しいビール。」

( #゜ω゜)「ありがとうですお」

(´・ω・`)「そんなに怒らないでくれ。別に悪気があったわけじゃないんだ・・・」

( #゜ω゜)「いえ、別にビールのせいじゃないんですお・・・」



28: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:38:26.42 ID:e7EjRwcO0
  

( #゜ω゜)「実は・・・・・・」


 ブーンは話した。夕方、見知らぬ他プロダクションの人間から『ニュー速プロ』のやり方、自分とドクオ、
そして何よりアヤカを否定されたことを。


(´・ω・`)「・・・なるほど。だからこうして話にきたのか。うむ・・・」


 テレビの電源を切って、ショボンは飲みさしのビールをいっきにあおる。


(´・ω・`)「それは辛いな。だが、今はそのメガネ男はいない。怒るのをやめておちついてくれ。その顔キモい」

( #゜ω゜)「それだけじゃないんですお・・・・・・」




( #゜ω゜)「慣れない顔をしたんで、うまく元に戻れないんですお」



30: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:40:06.66 ID:e7EjRwcO0
  

(´・ω・`)「・・・・・・ブーン君。君が感じている感情は精神疾患の一種だ。治し方は私が知っている。
私にまかせてくれ」

( #゜ω゜)「わかったお、是非おねがいしますお」

(´・ω・`)「じゃあ手始めに、上着を脱いで目をつむってくれ」


────10分後────


(;^ω^)「も、戻ったお・・・・・・」

(´・ω・`)「うむ。臨界点を突破した危機感がうまくブーン君の精神世界を一巡させ、
それが体にも影響をおよびし、顔の筋肉を戻したんだ。私もわざわざ演技をしたかいがあるというものだ」

(;^ω^)「・・・ありがとうございましたですお」

(´・ω・`)「気にすることはない。社長として当然の事をやっただけだ」

(;^ω^)「(違うお、ショボン社長のあの目はゼッタイ演技じゃなかったお・・・)」

(´・ω・`)「(・・・・・・おしい・・・・・・)」



32: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:42:56.73 ID:e7EjRwcO0
  

( ^ω^)「・・・話を戻しますけど、本当にムカツいたんですお。よく知りもしない人間に
あれだけよくも文句を言えるもんだお。『ニュー速プロ』やアヤカの何も知らないくせに・・・」
 
(´・ω・`)「確かにウチみたいな一アイドル一プロデューサー制をとっているところはすくない。それも新人をね。
他のプロダクションから奇異の目でみられてもおかしくない。(ブーン君だし・・・
)」


(´・ω・`)「だが、私はそれでいいと思っているよ。過度にするのはともかく、私は彼女達への信頼と期待を見せるには
これが一番だと考えている。
 アヤカ君もツン君もまだ若いし、個性的だ。マーヤ君がクー君も含めて3人管理するよりは、
君達のように経験が足りなくても信頼をおけるスタッフをつけてあげたい」

( ^ω^)「信頼されてたのかお?」

(´・ω・`)「人のために一生懸命になれるというのは、それだけで信頼に値するんだよ、ブーン君」



33: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:44:43.99 ID:e7EjRwcO0
  

 もちろん信頼だけではやっていけないがな、とショボンは続けて立ち上がる。冷蔵庫から新しくビールを出そうとし、
なかったので氷だけ取り出すと机の下からジム・ビームを取り出してグラスとともにドンと置く。


(´・ω・`)「まぁ、飲もう。他は気にせずに、とりあえず自分のできる事をやればいいさ」

( ^ω^)「・・・いただきますお!」

 二つのグラスに琥珀色の液体が注がれ、テレビが再びつけられる。流石兄弟のダンスを背に、二人は乾杯した。



川`・−)「マーヤ、クー。ただ今戻りました」

(酔^ω^)「おつかれさまですお!」


 10時過ぎ、マーヤ達が戻ってきたときも二人は飲み続けていた。テレビではすでにニュースがはじまり、バーボンのビンはほとんど空になっている。



34: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/06(佐賀県民) 23:45:31.11 ID:e7EjRwcO0
  
川 ゚ -゚)「楽しそうですね」

(´・ω・`)「うむ、クー君も飲むかね」

川 ゚ -゚)「いただきます」


 マーヤ以外の3人は飲み続け、ふと気づくと時間は11時を回っていた。


川`・−)「社長、そろそろ・・・」

(´・ω・`)「うむ、じゃあ私も上にいこう。マーヤ君が二人を送るのかな?」

川`・−)「えぇ」

川 ゚ -゚)「マーヤさん、途中でコンビニによってもらえますか?」

川`・−)「・・・明日に支障がでないようにね。ブーン君はどうする?駅まででいい?」

(酔^ω^)「ちょっとだけ乗せて欲しいですお」



39: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 00:00:53.83 ID:kdyWplgA0
  

 〔同日・午後11時30分・ドクオのマンション〕

ξ゚听)ξ「・・・ていっ、ていっ、陰陽弾をくらいなさいよっ!」

('A`)「明日も学校あるし、そろそろツンも帰ったら・・・?」

ξ゚听)ξ「待って、もう少しでセーブポイント・・・」


ナヤンデモシカタナーイ マァソンナトキモアルサ アシタハツチガウサ(注・着うた)



40: 第13話 :佐賀暦2006年,2006/11/07(佐賀県警察) 00:01:42.13 ID:kdyWplgA0
  

('A`)「ブーンからだ・・・もしもし」

(酔^ω^)『ドクオ、今どこにいるお?』

('A`)「家だけど・・・」


ピンポーン♪


(酔^ω^)『泊まりにきたお!』


 呼び出し画面を見ると、赤い顔をしたブーンが手を振っていた。



【続く】

ξ゚听)ξ「あっ、ゲームオーバー・・・・・・ロードロードっと」



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