( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです

9: 第21話 :2006/11/30(木) 23:33:46.80 ID:aPhxIWlg0
  

( ゚ω゚)「ガビーン!!」

ξ゚听)ξ「そこまで驚くことはないでしょ」

('A`)「いや、驚くよ・・・」

从゚ー゚从「・・・・・・あれれー、わたし夢を見てるよー」

ξ゚听)ξ「夢じゃないわよ・・・あたしだってここにくるまで、結構苦労したんだから。
そんな言葉で片付けないでよね・・・・・・」




 話は15話のラスト(http://vip.main.jp/54/015.html)までさかのぼる。



10: 第21話 :2006/11/30(木) 23:37:17.90 ID:aPhxIWlg0
  

ξ゚听)ξ「失礼します」


 ガラリと横滑りのドアをあけ、銭湯なみに大きな浴場に入る。湯煙がすごい。
初夏のこの時期に、これだけ視界が白くなるのもなかなか珍しいことではないのだろうか。


ξ゚听)ξ「換気扇回すね・・・」

???「・・・ん?」


 紐をひっぱってファンをまわす。その轟音に文句をいいながら先客がツンの方を振り向いた。


ξ゚听)ξ「たまには背中でも流してあげるわ、父さん」

父゚听ξ)「ツーンちゃーん!!」

ξ゚听)ξ「そぉい!!」


 前をかくさず飛び込んできた父親を、容赦なくツンは下にはたき落とした。



11: 第21話 :2006/11/30(木) 23:41:06.03 ID:aPhxIWlg0
  

父゚听ξ)「ツンちゃんが背中を流してくれるなんて何年ぶりかなぁ〜パパ、もうビンビンだよ」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

父゚听ξ)「もちろん心が、だぞ」

ξ゚听)ξ「よかったわね。あと3秒遅かったら鋏を取りにいってたわ」

父゚听ξ)「うんうん。ずっとパパはいっしょに入ろうって言ってるのにツンちゃんは避けてたからなぁ。
昔はツンちゃんから「パパ〜お風呂はいろぉ〜」って言ってきたのに」

ξ゚听)ξ「この年になってそんなこと言う娘がいるわけないじゃない。子供の頃のあたしじゃないんだから」

父゚听ξ)「パパから見たらまだまだ子供だけどな・・・」

ξ゚听)ξ「今、ママとくらべた?」


 コクリと正直にうなづいた父親の肩に肘をうちこむ。痛い、とツンの父親つぶやくが本当にいたがっている様子はない。



12: 第21話 :2006/11/30(木) 23:41:56.06 ID:aPhxIWlg0
  

ξ゚听)ξ「全く・・・」

父゚听ξ)「大丈夫。ツンだってまだまだ大きくなるさ。そんなに気になるのか?」

ξ゚听)ξ「ママやマーヤさん──副社長を見てたら、ね・・・・・・」

父゚听ξ)「そうか。じゃあ今度そのマーヤさんのところに挨拶に・・・・・・」

ξ゚听)ξ「来ないでね」

父゚听ξ)「むぅ」



ツン父「それよりツンちゃん。学校の成績は見たけど・・・どう?アイドルの世界は」

ξ゚听)ξ「それなりに順調よ。ちゃんと練習もしてるし、小さなキャンペーンみたいな仕事もやってる」

父゚听ξ)「・・・今度、ダイゴウジグループのキャンペーンガールに」

ξ゚听)ξ「自分から言わなかったっけ?「自分の力で成り上がれ」、って」



13: 第21話 :2006/11/30(木) 23:43:24.78 ID:aPhxIWlg0
  

父゚听ξ)「そうは言うけどツンちゃん。パパはツンにがんばってほしいんだよ。ダイゴウジグループの総裁、じゃなくて
ツンちゃんのパパとして、さ」

ξ゚听)ξ「(・・・・・・ニヤリ)」

ξ゚听)ξ「だったら、ツンのお願いひとつ聞いてくれる?」

父゚听ξ)「聞こう。何だい、ツンちゃん?」




ξ゚听)ξ「あたし、ドクオといっしょに住みたい」



16: 第21話 :2006/11/30(木) 23:46:07.25 ID:aPhxIWlg0
  


ξ゚听)ξ「ドクオの家はギリギリVIP区でしょ?事務所に住むなんてのはムリだし、クーさんの所だと
遠慮しちゃうし・・・・・・家事もドクオに任せられるじゃない」

从'ー'从「なるほど・・・一理あるね」

('A`)「(そうかなぁ)」

( ^ω^)「で、ツンがドクオの家で暮らすようになったのかお」

('A`)「うん。でも次の朝、SPつれてツンのお父さんがやってきたときはおどろいたなぁ・・・・・・」



19: 第21話 :2006/11/30(木) 23:50:18.79 ID:aPhxIWlg0
  


父゚听ξ)「おい」

('A`)「Zzzzzzz…」

父#゚听ξ)「起きんか!!」

('A`)「!!!!」


 朝の5時。突然の声にあわてて起き上がり、そこにいた闖入者たちにおどろくドクオ。
ピッチリとした黒服に身をつつんだSPに四方をかためられ、それより頭ひとつ大きいはかま姿の髭男がドクオを見下ろしている。
 その後ろからピョコンとツンが顔を出した。


('A`)「・・・おはよう、ツン。どちらさま?」

ξ゚听)ξ「おはよう、ドクオ。こっちが父さん」

('A`)「・・・・・・あぁ。おはようございます、おじさん。数年ぶりですね」

父#゚听ξ)「お前がツンの担当とはな・・・・・・」


 ナイトキャップまでつけた完全パジャマ宣言しているドクオを、にがにがしげにダイゴウジ総帥は見つめる。



20: 第21話 :2006/11/30(木) 23:53:14.47 ID:aPhxIWlg0
  

('A`)「えっと、おじさんまで連れてどうしたの、ツン」

ξ゚听)ξ「あたし、今日からここで暮らすから」

('A`)「へ?」

ξ゚听)ξ「ここはあたしの家になります」

('A`)「kwsk」

ξ゚听)ξ「あたし、ここに住む。ドクオ、あたしの世話する」

('A`)「・・・ドッキリ?」

ξ゚听)ξ「悲しいけど、これって現実なのね。あっ、南のいちばんおっきな部屋あたしが使うから。
SPさん、荷物運び手伝ってください」

SP達「わかりました、ツンお嬢様」

('A`)「・・・・・・」



23: 第21話 :2006/11/30(木) 23:58:21.29 ID:aPhxIWlg0
  


ξ゚听)ξ「・・・・・・ってな事があったのよ」

从'ー'从「だからかぁ。このオーディションに参加してるのは」

('A`)「審査員や番組の人、ショボン社長にも頼んで秘密にしてたんだ、ごめん」

( ^ω^)「謝る事じゃないお」

ξ゚听)ξ「まぁ、これがあたし流のサプライズよ。ちなみに予選はちゃんと受けたわよ」

AD「・・・・・・よし」


 ニュー速プロの面々の様子をハンディカメラに写しおえたところでボタンをとめる。


AD「(でも、これで二人とも落ちたら笑うな・・・まぁ、他のアイドル候補達用のエプイソードもちゃんと撮ってるけど)」


 そう、新人だらけのオーディションに脚本などない。道を作るかどうかは彼女達しだいなのだ。
 まだみえぬ合格の二文字を抱いたアイドル達を乗せ、二台は合宿の地をめざして動き出した。


【続く】

('A`)「それにしても、ビックリしたな・・・あ、もうちょっと続きます」



24: 第21話 :2006/12/01(金) 00:01:56.39 ID:0Uheqvop0
  

 自分の家のようにツンがSPをひきつれて奥の部屋に出て行ったのを見送ってから
ドクオは頬を軽くひっぱってみる。夢じゃない


父#゚听ξ)「おい」


 ぬわっと眼前に出てきた髭におもわずあとずさるドクオ。


('A`)「な、なんでツンがウチに住むんですか?」

父#゚听ξ)「ツンちゃんの夢のためだ。VIP区に住んでいないとオーディションに出れないのだろう」

('A`)「あっ・・・だからか」


ようやくドクオが得心する。


父##゚听ξ)「(全く、なんでこんな昔から冴えない男がツンちゃんの担当なんだ・・・・・・)」



28: 第21話 :2006/12/01(金) 00:05:50.08 ID:0Uheqvop0
  
父#゚听ξ)「いいか。本当ならお前のような男とツンちゃんをひとつ屋根の下で暮らさせるなんて言語道断なんだが
他ならぬツンちゃんの頼みだからしかたない・・・」


 そこまで脅すようにドクオに言い聞かせたところで、突然一歩さがり、ダイゴウジグループ総帥はやおら頭を下げた。


父゚听ξ)「ツンを頼む」


('A`)「────っ」


父゚听ξ)「ゴールを用意させるのではなく、スタートに立たせてやるのが親としてのつとめだ。
あの子が望むように私はしてやりたい。
ツンはどういうわけか、君を頼りにしている。あの子がやりたいことをやれるよう、手を貸してあげて欲しい」


('A`)「・・・・・・顔をあげてください、おじさん。」


('A`)「わかりました。ツンの世話、プロデュース。やってみます」

父゚听ξ)「ありがとう」

ξ゚听)ξ「ちょっと、ドクオ!こっち来なさいよ」

('A`)「わかった、今行くよ」



30: 第21話 :2006/12/01(金) 00:09:20.77 ID:0Uheqvop0
  

父゚听ξ)「それから・・・」

 立ち上がり、奥に行こうとしたドクオをツンの父が制する。


父#゚听ξ)「いくらかわいいからってツンちゃんに手を出すようなことがあった場合、
私は全力でお前を抹殺するからな。
ツンに気に入られたからといって、調子にのるなよ、若造」

('A`)「・・・・・・」



 自分ははたしてツンに気に入られているのだろうか。流れゆく景色を見ながら、ドクオはそんな事を考えていた。


【おしまい】



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