( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです
- 8: 第23話 :2006/12/05(火) 01:23:51.94 ID:+N+MmUxP0
('A`)「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「おはよう。気がついた?」
なぜ自分はここで寝ているのだろう。首筋から生暖かいものが抜け、ツンが白いタオルを額にあててくる。
ひんやりしていて気持ちいい。
ドクオはとりあえず起き上がろうと力を入れるが、グラリと世界が揺れて起き上がれない。
しかたなくツンにされるがままの状態で、記憶を反芻してみた。
昨日──合宿初日。夕方からアイドルやスタッフ、『ラウン寺』の住職たちもまじえてのバーベキュー大会。
生臭坊主達とブーンらがアイドルともども肉をかたっぱしから食い散らかしている。ビールだけでなく
どこからともなく運ばれた日本酒。すっかり酔い回った住職やスタッフがアイドル達に酒を飲ませようとするたび、
スケープゴートとしてドクオが杯を乾かしていたのだが・・・・・
('A`)「・・・あぁ、酔いつぶれたのか」
あっさり回答にたどり着く。
- 9: 第23話 :2006/12/05(火) 01:25:07.42 ID:+N+MmUxP0
ξ゚听)ξ「全く、倒れた事くらい覚えておきなさいよね」
('A`)「無茶だよ・・・最後、一升瓶からそのまま飲んでたくらいだし」
自分から積極的に飲むことはめったにないが、ドクオはそこまで酒に弱いほうではない。
飲み会の席(『ニュー速プロ』に入る前は親族以外でそんな席もなかったのだが)ではいつもクーやショボンに飲まされて
あっさり壊れるブーンを、同等以上に酒の入った状態で世話をやいている。
実際、アルコールで意識を飛ばしたのははじめてだった。
('A`)「今、何時?」
ξ゚听)ξ「11時。水でも持ってくる?残り物でいいのならご飯もあるわよ」
('A`)「いや、いらない・・・それより、修行はどうしたの?」
ξ゚听)ξ「修行、って・・・そんな大層なモンじゃあないわ。今休憩中。ギッコ先生が来て、朝から座禅組まされたわ。
身体だけでなく、心の姿勢から鍛えなおすってすっごく張り切ってる」
('A`)「そっか・・・わざわざ休憩中に来てくれたんだ」
ξ////)ξ「かっ、勘違いしないでよね。アヤカやアイドルAの会話がカオスってきたから非難しにきただけなんだから!」
- 10: 第23話 :2006/12/05(火) 01:26:13.14 ID:+N+MmUxP0
- ('A`)「・・・ごめん」
ξ゚听)ξ「全く・・・ほら、額ふいたげるわ。脂汗でいつも以上にキモい顔になってるわよ」
('A`)「ありがとう」
ξ゚听)ξ「どっちがマネージャーなんだか・・・起きれる?」
差し出されたツンの手をにぎり、ドクオが半身を起こしかけた瞬間、ふすまが開いた。
( ^ω^)「おいすー。ドクオ、もう治ったかお?」
从'ー'从「ツンちゃん、そろそろ始まるよぉ」
即座にツンが手をふりほどく。頭から再びマクラに落ちるドクオ。
('A`)「ぐえっ」
ξ゚听)ξ「ごめん、今いくわ。アンタもさっさと体調戻しなさいよ」
从'ー'从「(・・・お邪魔だったかなぁ)」
- 12: 第23話 :2006/12/05(火) 01:27:48.44 ID:+N+MmUxP0
( ,,゚Д゚)「久しぶりだな、お前達」
アイドルA「20分前まで教えてもらってたんですけど・・・」
( ,,゚Д゚)「いや、気にするな。それよりワタナベ」
从'ー'从「わたしですかぁ」
( ,,゚Д゚)「他に誰がいる。ちゃんと復習はしてただろうな?」
从'ー'从「い、いえ・・・ごめんなさい」
( ,,゚Д゚)「トロいんならトロいなりになんとかしろ。それがダメならここの坊主にでもなっちまえ」
(’e’)1「大歓迎です」
アイドルD「(どこから出てきたんだろう・・・)」
从'ー'从「す、すいません・・・」
( ,,゚Д゚)「しょぼくれるな。時間がもったいない・・・はじめるぞ」
アイドル達「把握!」
昨日最初に通された本堂。木張りの床にアイドル達のステップが響く。臨時ですえつけられた鏡に
彼女達の汗しぶきがきらりと輝いた。
- 13: 第23話 :2006/12/05(火) 01:29:49.98 ID:+N+MmUxP0
チーンコーンカーンコーン
住職『昼食の時間だぞぉ。来ない奴の分はワシが食う。来た奴のはワシが奪う。わかったらさっさと
食堂まで取りにこい』
住職のアナウンスと同時にテープレコーダーが止まった。
( ,,゚Д゚)「・・・よし、これで午前のレッスンは終わりだ。俺はこれから戻るが、夜には帰ってくる。
きちんと復習しておくように。わかったな、ワタナベ」
从'ー'从「は、はい」
アイドル達「ありがとうございました!」
部屋のスミにまとめていた荷物へと駆け出し、汗をぬぐうアイドル達。
頭にまいたバンダナを取り、ギッコは本堂を抜け出した。
- 14: 第23話 :2006/12/05(火) 01:30:36.51 ID:+N+MmUxP0
AD「今回はわざわざ朝から来てもらってありがとうございます。今日来るはずの講師が昨日から
食中毒で入院してしまって・・・助かりました」
( ,,゚Д゚)「いいってことよ。それに、あっちの組には菊池真が行ってるんだろ?こっちは教員不在、ってなるのは
公平じゃない」
AD「はい、すみませんでした」
食堂での食事(精進料理、ということはもちろんない)をがっつり平らげ、食休みを撮った後、
ボイストレーニングが始まる。
いつものレッスン以上に厳しく、楽しく、負けられない時間。彼女達の顔には、部屋や食堂で
にこやかに談笑していたときの面影はない。そこにあるのは、自分を誰よりも高めようとする、
アイドルとしての真摯な態度だけだった。
- 16: 第23話 :2006/12/05(火) 01:31:55.28 ID:+N+MmUxP0
マネージャーB「(・・・やっぱり、集中力がいつもと違う)」
( ^ω^)「(これが合宿効果かお)」
('A`)「・・・おはようございます」
( ^ω^)「ヒソヒソ(おっ、ドクオ。おはようだお)」
マネージャーA「ヒソヒソ(大丈夫ですか?)」
('A`)「ヒソヒソ(うん・・・なんとか歩くくらいは・・・ちょっと座っててもいいですか?)」
マネージャーD「ヒソヒソ(今日は部屋で休んでいては・・・)」
('A`)「ヒソヒソ(そうはいかないですよ。ツン達ががんばってるのに・・・)」
合宿二日目。アイドル達の熱い夏はまだはじまったばかりである。
【続く】
ところで、もう片方の組はどうなっているのだろうか・・・
- 17: 第23話 :2006/12/05(火) 01:32:54.07 ID:+N+MmUxP0
まぶしい太陽の照りつける白い砂浜。等間隔にビーチパラソルが並び、波音をさえぎって女の子の歓声があがる。
⌒*(゚〜゚)*⌒「くっ!」
頭からボールめがけて飛び込むが届かない。くやしげにカレハは立ち上がり、ボールを相手陣地に返して
紺色の水着についた砂を払う。白のゼッケンに手書きの文字が青々しい。
真「これでマッチポイントだね」
⌒*(゚〜゚)*⌒「まだまだですわ!」
川 ゚ -゚)「おちつけ、カレハ。相手は“ムコナの10人”だ。がむしゃらに行って勝てる相手じゃない」
⌒*(゚〜゚)*⌒「それよりもあなたのマネージャーのほうが反則ですわ。あれだけ正確ジャンプサーブをうたれては
まともにとめられませんことよ。それに何ですか、あの胸。さっきからカメラの人あの人ばかり撮ってますわよ」
川 ゚ -゚)「うん、いいね。あのゆれ具合」
⌒*(#゚〜゚)*⌒「クーさん!!」
川 ゚ -゚)「冗談だ。だが、『アイドル争奪渚のビーチボール大会』で、私達アイドルチームが
講師とマネージャーに全敗という展開は少し残念だ。何かみせないと・・・」
- 18: 第23話 :2006/12/05(火) 01:34:25.19 ID:+N+MmUxP0
真「っと。マッチポイントはいったものの・・・さすがにボク達がずっと勝つのはマズいかなぁ?」
川`■■)「でも、あの子たち全然負ける気はなさそうよ」
真「そうだね・・・よぉし、優勝するよ!」
・ ・ ・
『アイドル争奪渚のビーチボール大会』3日目。今日も空は快晴だった。
川 ゚ -゚)「カレハ、上げてくれ」
⌒*(゚〜゚)*⌒「わかりましたわ!」
真「(・・・来る!)」
川 ゚ -゚)「はぁぁぁぁぁぁぁっ。
< 約 束 さ れ た 勝 利 の ア タ ッ ク >
エクスカリバー!!!!」
エチゼン「アウト。ウォン・バイ・真様&マーヤ様チームでございます」
〔おしまい〕
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