黄昏のブーン系小説のようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 11:52:40.03 ID:4Lo7lpHl0
- コンピューターの前で、少年が一人カタカタと音をたててキーボードを叩いている。
画面には幾行にもわたる文字列。どうやら少年は小説を書いているらしかった。
カタカタカタ……。
それまで続いていた音が不意に止まった。
少年は軽く息を吸ってから、疲れたように大きく空気を吐き出した。
続いて画面の文字を追い、その続きを考えようとしても、うまくまとまらない。
改めて読み返してみた自分の文章が、面白くない。今日はもうやめてしまおうか、
そう少年が考えていた時、インターホンが鳴った。
『僕だお』
('A`)「入って」
短いやり取りは長年一緒にいた証だ。
ガチャリという音の後、遠慮もなくやや小太りな友人が上がってきた。
先ほどまでキーボードを叩いていた少年――ドクオは小さく「いらっしゃい」と言った。
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 11:53:56.96 ID:4Lo7lpHl0
- ( ^ω^)「何書いてるんだお?」
('A`)「ブーン系小説」
( ^ω^)「また書いてるのかお?」
('A`)「まぁな」
ブーン系小説というのは
( ^ω^) ('A`) ξ///)ξ 川 ゚ -゚) ( ,,゚Д゚) ( ´_ゝ`) (´<_` ) ノパ听) lw´‐ _‐ノv ミセ*゚ー゚)リ (*゚ー゚) ζ(゚ー゚*ζ
などの様々なAAを小説のキャラクターとして扱い、主にニュース速報VIPのスレで展開されるお話の総称である。
( ^ω^)「もうブーン系は終わったおwwwww」
('A`)「何で?」
( ^ω^)「だって夏だというのにこの現行の少なさだおwwww毎年この時期は糞でも良作でも沢山出るのにwww」
('A`)「確かにな。今年はちょっと少ないな」
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 11:54:57.68 ID:4Lo7lpHl0
- ( ^ω^)「今はやるお系の時代だお」
('A`)「あれ面白いよなー。AAも漫画やアニメのキャラクターで分かりやすいし。
やるお系は文章量も少なくて漫画みたいな感じで手軽に読めるしな」
( ^ω^)「それに比べて今のブーン系小説ははっきり言ってつまらんお。ゴミだお」
('A`)「そーなのか?」
( ^ω^)「そうだお! 面白い作者さんはたまにしか投下しないし、有望な新人さんはやるお系や新ジャンルに行くし。
このままではブーン系は廃れていくんだお」
('A`)「そーかもな」
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 11:57:50.41 ID:4Lo7lpHl0
- ( ^ω^)「なのに何でまだブーン系を書くんだお?」
('A`)「いろいろあってな」
( ^ω^)「いろいろ? いろいろってなんだお?」
('A`)「うーんまぁ、書くのが好きってのもあるし、自分の作品が面白いと思ってくれるのかとかも興味あるし」
( ^ω^)「どうせ、今投下したところで叩かれるのがオチだお」
('A`)「そーかもな」
( ^ω^)「そうに決まってるお」
('A`)「まぁそれもブーン系だし」
( ^ω^)「?」
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:02:23.62 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「某スレとかあるのも、叩かれたりするのも、作品だけじゃなくて作者やまとめの人の人格でいろいろ言われたりするのも
全部含めてブーン系じゃん。そりゃまぁ何時間もかけて作ったものを荒らされてつまらんとか言われた日には泣くけどさ」
( ^ω^)「ならどうして今のブーン系を放置するんだお? 自分の意見を言ってブーン系を変えていけば良いんだお!」
('A`)「分からんけどネット上でそういうこと議論しても変わらないと思うけどな。
議論なんて面と向かった状態でもなかなかうまく行かないのに。まして不特定多数の中で議論なんてやろうものなら、
よっぽど集団に強い目的意識がない限り、各人が好き勝手こと言うだけだと思うぞ」
(;^ω^)「確かにそうだったお……」
('A`)「まぁひょっとしたら今ブーン系にいる人はいろいろ忘れちゃってるのかもな」
( ^ω^)「忘れる?」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:03:54.45 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「今ブーン系にいる人ってさ、ブーン系が好きだったからいるんだろ?
もともと好きだったのに、某スレで愚痴ってみたり、荒らしになってみたり、あの作品はつまらんとか、
作品は面白いけど作者は糞だとか言ってみたり、嫉妬で悪口言ってみたりするじゃん。
人間だししかたねぇなって思うし、まぁこれもブーン系だなって思う。
そういう人ってこう……根本的なことを忘れてるんじゃないかな、と」
( ^ω^)「だから何を忘れてるんだお?」
('A`)「いろいろだろ。お前もブーン系小説書いたことあったよな?」
( ^ω^)「……あるお」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:04:55.19 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「最初さ、書くのスッゲー楽しくなかった? 自分の考えた世界で、自分の考えた話が出来る。
俺は最初そういう世界を書いてるとき無茶苦茶楽しかったよ。
それがさ、それだけじゃダメになってくる」
( ^ω^)「つまらないって言われてたり、荒らされたりするんだお」
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:05:52.27 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「ま、そういうこともあるね。
たださやっぱりそれはスレ立ててやる以上仕方のないことじゃん。
よくブーン系はオナニーと一緒だなんていわれるけど、
本当にオナニーなら投下する必要も無いわけで、小説を書く以上どうしても他人の目を意識して書くじゃん。
ブーン系が小説かどうかとかはまぁおいて置くとしてさ、やっぱり他人に見て欲しいから書くわけじゃん。
それで公開オナニーなんて言われたりするけど、それこそ街中で公開オナニーなんてしたら迷惑だし、叩かれて当然な面もある。
そうするとやっぱりブーン系は多くの場合、オナニーとかじゃなくて、他人に見せたいから書くものなわけでしょ。
いやでもオナニーだ! って主張する人の考えを否定する気はないけどね。そういう考えの人もいると思うだけで」
( ^ω^)「確かになんだかんだいっても他人に自分のものを見てもらって、面白いと思ってもらえればうれしいお」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:06:48.08 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「だろ? そうやって読者の目を気にして、馴れ合いとかも叩かれたりするから自重して……なんてブーン系を続くけていくとさ、
最初にあった書くのが楽しいなんて気持ちもどっかいっちゃってさ、書くこと自体に必死になっちまう。
特に最初の作品で支援もいっぱいもらえて、面白かったといわれて、まとめもついた人は。
でもそうやって書くことを楽しんでない小説ってのはなんだかつまらなかったりするんだよな。
もちろんそうならない人もいるけど、意外とそういう人は多い。
それが分からずに、つまらんとか言われるとスッゲーショックを受ける。
こんなに読者の目を意識して書いたのに、つまらんとか意味分からんってね」
( ^ω^)「…………」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:07:47.96 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「で、人気のある他の作品を見てみる。純粋な読者としてじゃなくね。
いわゆる嫉妬作者。しょうがないことだけどね。
この嫉妬作者には最初の作品でつまらんって言われた人も含まれる。
嫉妬作者は結構多い。自覚してない場合も多い。叩かれたことのない人でも、
一回作品を書くと嫉妬作者になることだってありうる。
自分の作品の方が面白いのにっ! って感じで。
もうこの時点で純粋にブーン系を楽しむってことを忘れちゃう。
そうするとブーン系が好きっての忘れちゃう。『ブーン系が好き』なんじゃなくて『自分のブーン系が好き』に変わる。
面白い作品も読まない。読んでも純粋に作品を楽しめない。
それはある程度しょうがないことだけど。
こうやって、ブーン系の負の部分が蓄積されていく」
( ^ω^)「……なるほどだお」
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:08:45.86 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「そうやってどんどん忘れていくうちに今のブーン系ができあがったのかもな」
( ^ω^)「どうしてそういうことが分かっててもまだブーン系を書くんだお?」
('A`)「だからいろいろ。俺は『ブーン系が好き』だからってのもある。
去年の夏くらいだったかな。俺も今言ったことを色々忘れかけた頃さ、久々に面白かったのを見かけたんだよ。
でも嘘か本当か知らんが作者が外国行っちまったらしくてな、その話は途中で放置されたんだ」
( ^ω^)「いわゆる逃亡だお」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:12:47.88 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「そう。まぁ見てた人数はあんまり多くなかったから騒がれなかったんだが、俺はマジでウゼーと思ってな。
せっかく期待したのにこれだからブーン系は、って思った。それでしばらくブーン系から離れてた。
けどその作者さんが四ヶ月後の正月にひょっこり帰ってきて、しかもちゃんと完結させやがった。
内容もそこそこ面白くてな、俺はなんかうれしかったよ。
それで純粋な読者としての目とかを思い出した。
自分が書き始めるようになってから他の作品は見てなかったんだが、
他の作品も見れてな。人気作品でも自分はあんまり面白くないものもあったし、
やっぱりおもしれーと思ったものもあった。逆にほとんど知られてないような作品でも面白いのがあった。
それで色々影響受けてな、また新しく書き始めた。その時書くのが楽しいって一番根本的なこともようやく思い出したよ」
( ^ω^)「そうだったのかお」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:17:04.27 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「そ。
『楽しいが正義』とか言ってるわけじゃなくて、VIPだし面白おかしくやれたら良いなって事。
VIPは中高生が多くて、議論好きな奴もいっぱいいるけど、実は糞真面目な議論で生まれることなんてVIPじゃそう多くない。
それが例え何かを良くしようと議論しててもさ。
その場のノリとかでぎゃあぎゃあやってたら案外うまくいく。せっかくVIPにいるんだから面白おかしくあればいいと思う。
ブーン系なんかは自分の言いたいことを作中で言えるしな。
もし俺が今のブーン系をちょっと変えてやった方が面白おかしくなるんじゃないかと思えば、
今ブーンに言ってるようなことを主張するブーン系スレを立ててみる。
某スレで議論するよりは遥かに有意義だと思うだろ?」
( ^ω^)「そうかもしれんお」
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:18:42.83 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「まぁ正直俺は文才ないから、直接このまま書くことになるんだろうけど、それを物語りにして主張することも出来る。
もしそんなスレがたったとして、その内容自体は糞つまらんかったとしても、それでブーン系を好きな人間の
ほんの一部でもちょっと忘れてたこととか思い出してくれたら、良いんじゃね? って感じでw」
( ^ω^)「なるほどだおw」
('A`)「まぁこういう落ち目な感じの時に必要なのは、そんなスレじゃなくて、面白いブーン系小説だけどなw」
( ^ω^)「面白いブーン系……僕にも書けるかお?」
('A`)「知らん」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:23:05.47 ID:4Lo7lpHl0
- ('A`)「けど個人個人が楽しくブーン系書いてりゃ、そのうち面白いものも出てくるだろ。
結局ブーン系っての一人一人の作品の集合だからな、ブーン系全体が活性化すれば自然と面白いものも出てくる」
( ^ω^)「うーん、けど叩かれるのが怖いお」
('A`)「ま、そんなゆとりちゃんは書かないこったw 基本的に時間の無駄だしな。
俺だって投下する時はいつもちょっとテンション上がるしw
叩かれるかもしれない、つまらないといわれるかもしれない。
だ が 投 下 。
VIPだし。
おもしろおかしくやれれば良いよ。そのための規則なんかもあったりするから、その辺は守れよって感じで」
( ^ω^) (うーん……久々になんか書いてみるかお……)
('A`)「ま、いろいろ言ったけど、要はブーン系が好きですよってこと。
ブーン系なんて滅びても良いし、別に終わったな状態でも構わんけど、
ま、せっかく楽しめるうちは楽しんでいきましょーということで」
おしまい。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/16(土) 12:24:17.96 ID:4Lo7lpHl0
- ( ^ω^)「本当に立てたのかお?」
('A`)「てへへ」
( ^ω^)「キメェwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
('A`)「……」
( ^ω^)「そういえば冒頭で書いてたのどれくらい書き溜めてあるんだお?」
('A`)「七話の途中までで、180k くらい……」
( ^ω^)「多くね? 投下しちゃえば?」
('A`)「もちょっと熟成したい」
( ^ω^) (こいつ無駄に書き溜め好きだお)
('A`)「というかなんか焦って書くのがいや……」
( ^ω^)「へwwwwwwwwたwwwwwwwwwwれwwwwwwwwwwwwwwwww」
('A`)「……」
読んでくれた人ありがとう。
くだらないことをいろいろ言いました。
まるで全ての作者さんに当てはまるようなことを言っている感じになってしまった……
「ブーン系……書いてみよっかな」とか思ってくれたらうれしいです。
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