( ^ω^) お蔵入りされた没ネタがここに集うようです――!!

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:43:50.87 ID:L7nHG6GS0
 
 
『この世界には、古来より3つの種族が有り、3つの種族にて成り立っている。

  ―――― 一つは騎士族『キシ族』
  ―――― 一つは姫族『ヒ族』
  ―――― そしてもう一つは、魔族『マ族』

  騎士族は姫族を護らなければ生きて行けず、
  魔族は姫族を喰わねば生きて行けず、
  ――――――――姫族は非力である。

  これは世界を廻す理にして、それは世界が掛けた呪いである。』



108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:45:33.70 ID:L7nHG6GS0


   第一話


  ヴィスティアの森
  キシ族の領地にして、最近マ族の出没が多く発見されてるこの森を
  二人の少女が賭けていく。

  やがて一人の少女が体制を崩し、マ族に捕まってしまった。



109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:46:04.84 ID:L7nHG6GS0
 
ξ;;)ξ「きゃー」

  少女は悲鳴をあげながら人生最後の瞬間を想像し、瞳を閉じた。

  しかし、その瞬間はやってこなかった。

  倒れこむマ族。
  こちらを覗きこむ、男の姿

  男は屈強な筋肉を持ち、右手には短剣を握っていた。

  それに、私を助けたということから判断し、
  男はキシ族なのだろう

(;'A`)「なんだ?ヒ族か?」

  助かったことがわかった少女は、もう一度大粒の涙をこぼした。

ξ;;)ξ「あ、ありがとう」

(;'A`)「あのさ、君もしかしてヒ族?」

  当たり前だろう
  魔族なら魔族に襲われないし、キシ族なら自分で撃退しているだろう

ξ;;)ξ「そうよ」



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:46:36.37 ID:L7nHG6GS0
 
(;'A`)「……まじかよ」

  男が発したのは深い後悔の声。
  キシ族がヒ族を護るのは当然のことだ。
  私は驚きの声を出すとともに、顔を上にあげた。

ξ;;)ξ「え?」

('A`)「悪いけどさ……俺、今後お前を護る気ねえから」

  何を言ってるの?
  一度助けた時点で私たちは誓約の関係になった。

  私が死んだら、彼も死ぬのに?

ξ;;)ξ「……」

('A`)「んじゃな」

  颯爽に歩き去っていく男。
  ああ、彼はきっと知らないんだ。

ξ;;)ξ「……待ちなさいよ」

  男はめんどくさそうにこちらを向いた。

('A`)「んだよ?」



111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:47:21.62 ID:L7nHG6GS0
 
ξ;;)ξ「……教えてあげる。私たちはもう誓約の関係」

ξ;;)ξ「あなたは誓約の騎士、」

('A`)「誓約を破る騎士、つまりお前を護らないと俺も死ぬんだろ?」

ξ;;゚听)ξ「え?知ってるの?」

('A`)「俺も16だからな」

  16?
  おかしい、16歳のキシ族がこんなとこにいるわけがない

  キシ族は18までに誓約の関係を結ばないと死ぬ。
  だから12〜15の時から騎士はヒ族の村に来て、自分の選んだ "姫" に忠誠を誓うのだ常だ

  まさか、二重契約をしてしまったのだろうか……

  二重契約とは誓約を誓った "姫" が複数いることを言う。
  誓約を誓った姫のうち一人でも死んだら、制約の騎士も死んでしまうため、
  よほど力に自信がなくてはできないことだ

  見たところ、多重契約をするほどの強さはなさそうだ。
  もし、年老いた時に騎士に死なれたら、新たな騎士をつけることは難しいだろう



112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:47:59.61 ID:L7nHG6GS0
 
  まさか、この男はヒ族なのだろうか?
  いや、それはありえない
  なぜならヒ族は男だろうが力を持たない。

  誓約の騎士に護られねば、生きていくこと自体厳しいのだ。
  ましてや、誰かを護るために自分から戦うなんてことはありえない

ξ;゚听)ξ「あんた、もしかしてもう誓約の姫はいるの?」

('A`)「いねえけど?」

  やはりいなかった。

ξ;;゚听)ξ「じゃあなんで16歳のキシ族がこんなところにいるのよ?」

('A`)「あ?なんか問題あるか?」

ξ;゚听)ξ「大ありよ!私が偶然襲われたから契約できたけど、私が通らなかったら、あなたは二年後に死んでたのよ?」

('A`)「別にいいんじゃないか?」

  何を言ってるんだ?
  "死"が別にいい?

  狂ってるとしか思えない……
  流石に体の強いキシ族は言うことが違うわね

ξ;゚听)ξ「あ、あなたがどうでも良くても、私にとって命は大事なの」



114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:48:34.25 ID:L7nHG6GS0
 
('A`)「……」

ξ#゚听)ξ「誓約の騎士は多重にできない!」

  そう、今回はこれが一番の問題であった。
  誓約の騎士一人に対し、誓約の姫は複数いてもいいが、
  誓約の姫は一人しか生きてる騎士と契約を結べないのだ

  つまり、私はこの男が死ぬまで、他の男と誓約の関係にはなれない

ξ#゚听)ξ「私と誓約の関係になった以上、命懸けで私のことを護りなさい!」

(#'A`)「ふざけんなよ、助けたくて助けたんじゃねえよ!」

(#'A`)「俺が何もしなくてもその大切な命は終わってたじゃねえか!」

  ありえない。
  誓約を誓った姫に騎士が暴言を吐くなんて

(#'A`)「てめぇみたいな女、後ろにいる魔物に食われちまえ!」

  その言葉を聞き、私はおそるおそる後ろを見た。

( ^ω^)「……」

  そこにはマ族がいた。
  その肩には、さっきまで私の隣を走っていた、最愛の妹デレがいた。



116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:49:11.96 ID:L7nHG6GS0
 
ξ;;)ξ「デレ!」

  マ族はきっと私たちを喰らうのだろう
  マ族がジリジリと間合いを寄せてくる。

(;^ω^)「……ちょっと待てお」

ξ;;)ξ「へ?」

(;^ω^)「っていうかそこのキシ族はこの事態をスルーかお?」

('A`)「俺には関係ないから」

(;^ω^)「ちょ、関係ないって……」

('A`)「関係ないものは関係ない、そいつを喰いたいならとっとと喰えよ」

  ドクオが大声でマ族を煽る
  何を考えてるのだろう、私が死んだら彼も死ぬのに……

(;^ω^)「何があったんだお?」

('A`)「罠じゃないからとっとと喰っちまえよ」

  ああ、私は気付いてしまった。
  この男は本当に私を見殺しにする気なのだ。

  死ぬことも本当に怖くないのだろう



117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:49:47.28 ID:L7nHG6GS0
 
(;^ω^)「まず最初に言っとくけど、食らう気はないお」

(;^ω^)「この子も殺してないお。他のマ族に襲われてたから保護したんだお!」

('A`)「あ?お前マ族だろ?なんでマ族がヒ族を喰わないんだ?」

(;^ω^)「ブーンは15歳だから、まだ喰わなくても大丈夫なんだお」

(;^ω^)「お前こそ、なんでキシ族なのにヒ族を護らないんだお?」

('A`)「あ?なんで俺がヒ族を護らなきゃならないんだ?」

(;^ω^)「お前がキシ族だからだろ常考」

  キシ族の男はマ族の男にとの距離をつめると、短剣をつきつけ、言った。

('A`)「なんでキシ族がヒ族を護らなきゃいけない?」

('A`)「おかしいだろ?肉体的にも頭脳的にも最も優れるキシ族が……」

(#'A`)「なぜ、なぜこんなお荷物を背負わなきゃいけない!!」

  キシ族の男の持つ短剣は、マ族の男の皮膚を少し刻み、血が滲むのが見えた。

(;^ω^)「それは……呪いのためだお!」



119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:50:18.07 ID:L7nHG6GS0
 
(#'A`)「それだ!その呪いだ!」

(#'A`)「なぜそんな呪いがあるんだ?」

(#'A`)「その呪いがなければ、その呪いさえなければまず争いがなくなる」

(#'A`)「争いがなくなれば、生活が発展する。そして、俺達は豊になれるというのに……」

(; ω )「……それは、そうだお」

(; ω )「呪いなんて必要ないお!」

(# ^ω^)「今まで疑ってなかったけど、呪いなんて必要なかったんだお!」

(# ^ω^)「一緒に呪いを打ち破るお」

(;'A`)「ちょっと待て、呪いを撃ち破るのは可能なのか?」

(# ^ω^)「可能だお!」

(;'A`)「どうやるんだ?」

(# ^ω^)「管理者を倒せばいいんだお!」

(;'A`)「管理者?」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:51:06.82 ID:L7nHG6GS0
 
(# ^ω^)「この世界の管理者だお!!」

(;'A`)「それは管理者って言葉から想像できるが」

(# ^ω^)「聞いたことないかお?超越者ショボン!全てを事象を操ると言われている"神"だお」

(;'A`)「ショボンって実在したのか」

(# ^ω^)「ものみの塔で住んでるお」

('A`)「そうと決まれば行くか、俺の名前はドクオ、古の誓約の騎士、ミルナの末裔なり!」

(# ^ω^)「ブーンの名前はホライゾン。第四の地平線を赤く染めた男、魔王クックルの孫なり!」

ξ;゚听)ξ「ちょっと待ってよ、私を護るのはどうしたのよ?」

('A`)「あ?そういやお前も居たんだな」

( ^ω^)「君は僕が護るから安心してほしい」

('A`)「ってわけだ。ショボンを倒すまでは護ってやるよ」

( ^ω^)「おっお」



122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:51:42.56 ID:L7nHG6GS0
 
  そのころ、ブーンの抱えて来た少女が目を覚ました。

ζ(゚ー゚;ζ「えっと?」

('A`)「ブーン、俺がそいつを殺す、わかってるな?」

( ^ω^)「おっお」

ξ;;゚听)ξ「ちょっと、何言ってるのよ?ヒ族を殺したキシ族は死ぬのよ?」

  ドクオは私の忠告も無視して、デレに刃を突き立てた。
  それを防いだのは、ブーンの野太い腕

( ^ω^)「おっお、これで僕が君の誓約の騎士だお」

ζ(゚ー゚;ζ「はい?」


第一話 完了



187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:02:14.58 ID:FeMEWZiB0


第二話



188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:02:51.09 ID:FeMEWZiB0
  突然意気投合した優しいマ族と、鬼の心を持つキシ族の
  二人に引っ張られて、私とデレはものみの塔の目の前まで来ていた。

(;'A`)「しかし、こんな近いとは」

( ^ω^)「おっお、ショボンは絶対の自信があるんだお」

  塔に突入した私達の前に、一人の青年が姿を現した。

(;'A`)「ショボンか?

( ^ω^)「いや、ショボンはもうとっくに老人のはずだお」

(´・ω・`)「いや、朴の名はショボン、調整者にして世界の管理者、キシ族での呼び名は神だったかな…」

(´・ω・`)「そして、真の名は、白き精霊ルギア!」

(´・ω・`)「やあ、仮初の終焉へようこそ」

  その言葉に、私たちは戦慄した。



189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:03:48.33 ID:FeMEWZiB0
  
   仮初の終焉。
   それは禁書の一説。


  "我らは来るものはこばまないが、去る者は許さない。仮初の終焉へようこそ"

  その後、人々は神により、永久に踊らされることになる。
  それは恐怖の記憶の再現。
  全てを拒絶させる辛苦の言葉

  その中で、弱い私は動くことすらできなかった。

('A`)「びびってても始まんねえな!」

  キシ族は精神も強いのだろう、
  あの恐怖から逃れ、攻撃をしかけている。

('A`)「オラアアッ!」

  神から、他でもないショボンから最強の身体能力をもらったドクオが短剣を武器に神に襲いかかった。



190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:04:10.88 ID:FeMEWZiB0
  
(;メ'A`)「ガッ」

  ドクオがショボンに近づいた時、ショボンのした動作は、ドクオの方面に手をかざす
  それだけであった。

  それだけでドクオは後方に吹っ飛ばされる結果になった。

(´・ω・`)「朴は絶対なんだよ。君たちは、盤の上の駒でしかないくせに。」

(;^ω^)「絶対じゃないお!」

(´・ω・`)「白の精霊は絶対だよ、だから、白の精霊である朴は絶対なんだ」

(´・ω・`)「だって、君たちを造ったのは僕なんだから」

(;^ω^)「かつていた12の精霊の時、確かに精霊は絶対だったお!」

(# ^ω^)「でも、絶対は崩れた。他でもないショボン!いや、ルギア!君の仕業だお」

(# ^ω^)「白の精霊として産まれ、13番目というだけの理由で
      無理やり地上に落とされた君は、他の白の精霊達への復讐を決意した。」

(# ^ω^)「そのために造ったのが僕らだお!
      僕ら、マ族、ヒ族、キシ族はもともと一種類の生物だった。」

(# ^ω^)「違うかお?」



191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:04:32.57 ID:FeMEWZiB0
 
(´・ω・`)「……そこまで知ってる者がいるとはね」

(´・ω・`)「話してもらおうか、どこまで知ってか」

( ^ω^)「完全な彼らを倒すため、君が集めたのは不完全な者を集めた。」

( ^ω^)「不完全な彼らは、時に異常なまでの力を発揮し、完全な彼らを追い詰めた。」

( ^ω^)「完全な君は不完全な僕達を畏れたんだお」

(´・ω・`)「……ふむ、そして3つに分かれた理由は」

( ^ω^)「不完全な僕らを分断し、君を狙わせないためだお」

( ^ω^)「君はキシ族に力を、ヒ族に家事を、マ族に感情を与えた」

( ^ω^)「その上で、呪いを作り、協力不可能な状況を作りあげたんだお」

  ブーンが自信を持ってした発言に、ショボンは少し眉を下げた。

(´・ω・`)「……残念だが、少し外れだ」

  ショボンが少し悲しそうな顔をして、言った。

(´・ω・`)「私の目的、それは君たち、不完全なる友の永久的な平和だよ」



192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:04:55.44 ID:FeMEWZiB0
 
(;メ'A`)「あ?何言ってるんだ?今の状況のどこが平和だ?」

(´・ω・`)「平和そのものさ、特にキシ族、ヒ族間は、な」

(´・ω・`)「キシ族がヒ族を護っている。たまに襲ってくるマ族はキシ族なら子供でも撃退可能なレベルだ」

(´・ω・`)「注意不足でたまに死ぬとこもあるが、それが愛されるべき人ならキシ族がそれをしないだろう」

(;メ'A`)「呪いがなきゃ死ぬことはない」

(´・ω・`)「それはないよ、生物は愚かな生き物だ」

(´・ω・`)「呪いが消えればすぐにヒ族はキシ族に淘汰されるだろう……」

(´・ω・`)「やがてマ族もキシ族に淘汰され、キシ族の中でいくつの派閥に分断が起きる……」

(´・ω・`)「そうして、また殺しあうのさ」

(;メ'A`)「そんなのわかんねえだろ!」

(´・ω・`)「わかるさ、この世界は3度目なのだから」

(;メ'A`)「え?」

(´・ω・`)「君たちのようなものに説得されてね、もう二回失敗したんだ」



193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:05:14.39 ID:FeMEWZiB0
 
(;メ'A`)「……そんな」

(´・ω・`)「久々の来客で帰したくなかったんだが、君たちは返さなければならないようだ」

  ショボンの体から閃光があふれ出し、それは私たち4人を包みこんだ

(;メ'A`)「くっ」

(´・ω・`)「君たちは最近の記憶をなくし、日常に戻る」

(´・ω・`)「ドクオ君はキシ族だね、君はツンとデレと再会させることを約束しよう」

(;メ'A`)「護ってやる!俺はヒ族のやつらを護る!ショボン!約束だ!」

(;^ω^)「ブーンも約束するお!ブーンは死んでもヒ族を食べたりしないお!」

  二人の言葉がショボンに聞こえたのかはわからなかった。
  そこで、私は記憶を失った。


(´・ω・`)「やれやれ、僕も甘いな。到底ミラディン様のようにはなれそうもない」



194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:05:37.18 ID:FeMEWZiB0



彼ら4人が目を覚ますと、彼らの世界から呪いは消えていた。




第二話 終

完結



125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/27(木) 23:52:30.37 ID:L7nHG6GS0
以上です


特定される前に逃げねば(;;´ー`)

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 01:06:09.75 ID:FeMEWZiB0
改めて見るとめちゃめちゃ短いなw

すまんかったorz



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