( ^ω^) お蔵入りされた没ネタがここに集うようです――!!
- 135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:03:43.44 ID:euSk0DtG0
- VIP市に、最高の母乳を飲ませてくれるという店があると、ドクオから聞いた。
僕は三度の飯より母乳が好きである。
母乳のためなら世界の果てまで旅立てる男だ。
そんな僕が、最高の母乳と聞いてじっとしていられるわけがない。
さっそくリュックにありったけの牛乳瓶を詰め、VIP市行きの電車に飛び乗った。
( ^ω^)美味しいお乳の勧め!のようです
- 137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:04:45.99 ID:euSk0DtG0
- 「VIP方面行き13時発、発車します。閉まるドアにご注意ください。」
ドアが閉まる。
平日の昼間とあって、車内に人はあまりいない、
なので僕は楽々と椅子に座ることができた。
(;^ω^)「このために有給取ってよかったお、ふぅ」
VIP市までは、電車で一時間かかる。
その間に僕は、母乳への思いを馳せることにした。
- 138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:06:22.74 ID:euSk0DtG0
- 今まで、僕が飲んできた母乳の数は計り知れない。
母親から始まり、父親、姉、近所のおばちゃん、同級生、担任、校長、谷亮子。
それだけでは飽き足らず、社会人になり収入が入るようになると、
大量の金を片手に握りしめ、色々な母乳取扱店をハシゴした。
暇さえあればホットペッパーのサイトで母乳の情報を手に入れ、
おいしいと評判の母乳があると聞けば、すぐにすっ飛んで行く。
いつしか、自分は母乳の為に働いているという気分に満たされるようになった。
- 140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:07:25.58 ID:euSk0DtG0
- だが後悔はしていない。
旨い母乳は、より良い人生を形成する。
それが僕のポリシーだからだ。
さて、今日訪問する店のことである。
親友のドクオに勧められて、外れだった店はほぼないに等しい。
今回の店も、不味いという事はないだろう。
ただし、それはあくまで素人、一般人、にわか、パンピーの考え。
一言で簡単に表せるほど、母乳は甘いものではない。
- 143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:09:22.17 ID:euSk0DtG0
- 例えば、仏国のアヴェロン産の60年モノの母乳、通称「聖母の護り」は、辛い。
通常の母乳というものは、ほのかに甘く、口の中で青臭さが広がるものがセオリーだが、
聖母の護りは違う。
口に入れた瞬間、山葵のような辛さが、鼻にくる。
最初はその辛味に慣れない人が多いが、二口三口と飲み進めていくうちに、段々と舌になじんでいく。
そして、ゴブレットの三分の二を飲み終わる頃には、もうすっかりこの味の虜になっている。
そんな、不思議で素晴らしい母乳だ。
- 145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:12:13.22 ID:euSk0DtG0
- このように、母乳は単純なようでいて、底なし沼のような奥深さを持っている。
同じ味を持つ母乳など、存在しない。
それぞれに、人々を引き付ける魅力がある。
これも、僕が母乳にはまった理由の一つでもあるのだが。
「次は、VIP〜VIP駅」
- 148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:13:39.41 ID:euSk0DtG0
- そんなこんなで、電車はVIP駅に到着したようだ。
電車を降りると、キオスクから乳の甘い香りがした。
ついついその方向に引っ張られそうになるのを抑えながら
改札口を抜ける。
駅を出ると僕はドクオにもらった地図を片手に、店を目指した。
- 150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:17:22.46 ID:euSk0DtG0
- VIPは、母乳の町として知られている。
今から遡ること江戸時代、VIPを治めていた大名の喪羅々妥三郎(もららださぶらふ)は、
大の母乳好きで、全国各地から母乳を集め、そして自身が治めるこの場所でも、
母乳の生産をさせていたらしい。
彼の母乳への情熱は、それから4世紀以上経った現在でもこの地に受け継がれていて、
今ではVIP市は母乳のメッカとなっている。
喪羅々のお殿様が残してくれた遺産に感謝しつつ、僕はVIPの町をのんびり歩いた。
(=゚ω゚)ノ「おじちゃん!母乳ちょうだい!」
( ´∀`)「あいよ。100円だよ」
途中、道端にある母乳屋で繰り広げられる小学生と店主のやりとりに、頬を緩ませる。
自分の小学生時代も、あんなんだったなと、ちょっとセンチメンタルな気分になった。
- 152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:19:06.22 ID:euSk0DtG0
- 数十分後。
住宅街の一角に、それはあった。
一見、ただの家にしか見えないが、塀にはちゃんと「手作り母乳の店 ヴォクノ・コ・ドモ・ウンデェーナ」
と書かれた表札が下げられている。
この店で間違いはなさそうだ。
カランコロン
ドアを開けると、綺麗な顔をしたウエイトレスが、笑顔で僕を迎えてくれた。
(*゚ー゚)「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ」
- 154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:20:22.21 ID:euSk0DtG0
- 案内された席は、窓から差し込む日の光でほんのり温められていた。
僕はその席に座り、周りを見渡す。
そこで、あることに気づいた。
おかしい。
客が僕以外に一人もいない。
旨いと評判ならば、客はかなりいるはずである。
だが、どのテーブルも全くの空。空席だ。
ドクオの情報が間違っていたのだろうか。いや、それは考えられない。
あのドクオが、特にプッシュした店である。不味いことなんてない。
では、このガラ空き様は何。
不気味だ。前例がない。
……。
しかし、深く考えていたって、仕方はない。
旨い母乳を飲めれば、満足である。
さっさと飲んで帰ることにしよう。
- 157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:22:15.83 ID:euSk0DtG0
- 僕は手を叩いて、ウエイトレスを呼んだ。
( ^ω^)「すみませんお」
(*゚ー゚)「はい、何でしょうか」
( ^ω^)「この店で一番うまい母乳を持ってきてくださいお」
僕はそう言い切ると、財布から札束を取り出しテーブルの上に置いた。
その金額、ざっと10K。
( ^ω^)「これだけあります。お願いしますお」
(*゚ー゚)「はい。わかりました」
ウエイトレスは厨房へと走った。
かと思ったらすぐにコップを載せたお盆を持って引き返してきた。
- 159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:23:53.56 ID:euSk0DtG0
- コップには白い液体が入っているのが見える。
これは母乳で間違いないだろうが、作り置きならまだしも、
こんなに早く用意できるのだろうか。
(;^ω^)「もしかしてもう出来たんですかお?」
その問いにウエイトレスは首を振った。
(*゚ー゚)「これは、あくまで母乳を楽しむための母乳、いわゆる食前乳です。
飲まなくても大丈夫と言えば大丈夫ですが、飲んだ方がよりこの後の母乳を楽しめます」
- 160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:26:26.01 ID:euSk0DtG0
- これを飲まずしてなんという。
旨い母乳か、すごく旨い母乳かどちらかを選べと言われたら、後者に決まってるではないか。
テーブルに置かれたコップを手に持ち、ゆっくりと口の方向へ傾ける。
濃い白の液体が、それに合わせて移動していく。
とろとろと口内へ運ばれてくる母乳。
ほのかに甘く、またそれでいて深い味わい。
旨い。僕の舌はそう判断した。
だが、何かが足りない。
確かにコンビニで売られているような紙パック入りの母乳よりかははるかに優れた味なのだが、
一本ネジが抜けたような、そんな感覚のする味だ。
- 163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/03/28(金) 00:29:07.33 ID:euSk0DtG0
- ここまでは書けてるんだけど、正直これ以上話の広がりが見えない。
書きたいっていう人がいるなら、だれか書いてくれ!
完全リメイクでもいいから!
ちなみにお肉の勧めの人とは別人。
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