ブーンは背で悩んでいるようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:23:05.34 ID:3otux3bzO
7月1日

チュン  チュン
( ^ω^)「今日も今日とて大学だお」
( ^ω^)「・・・・・・どうせ今日もからかわれるお」
('A`)「おいっす、ブーン」
( ^ω^)「お?ドクオ、おはようだお」
('A`)「おお。相変わらず背が低いな。」
( ^ω^)「・・・・・・」
スタスタ
(;'A`)「ちょ!ちょ待てよ!冗談だって」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:28:34.71 ID:3otux3bzO
てくてく

( ^ω^)「・・・・・・はぁ。なんでブーンは背が伸びないんだお・・・・・・」
('A`)「あんまり気にすんなよ。スマイルスマイル」
(#^ω^)「ドクオが気にさせたんだお」
('A`)「オーケー、細かいことは気にするな。」
( ^ω^)「ブーンだってせめて150を越したいお。」
('A`)「うはwwwwwwww大学生で140台とかwwwwwwwwねーよwwwwwwww」
( ^ω^)「・・・・・・」
スタスタ
('A`)「ちょ、待てって悪かったって」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:33:27.76 ID:3otux3bzO
てくてく

( ^ω^)「ドクオは180くらいかお?羨ましいお」
('A`)「最近また伸びたから183になったよ」
( ^ω^)「羨ましいを通り越して妬ましいお・・・・・・」
('A`)「まぁ、考えてもどうなるもんじゃないしな。気にすんなよ」
( ^ω^)「お・・・・・・」

至って日常的な光景でした、しかしまさかあんなことが起こるなんて・・・・・・
あのときの僕は、想像もしていませんでした・・・・・・。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:38:06.54 ID:3otux3bzO
トボトボ

( ^ω^)「今日も大学でいじられまくったお・・・・・・最終的にショボンにまで笑われたお」
( ^ω^)「・・・・・・早く帰ってご飯食べてVIPして寝るお」

トボトボ
コツン

( ^ω^)「お?なんか足にひっかかっ・・・・・・」
( ^ω^)「ランプ・・・・・・?」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:45:14.30 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「ランプを見ると擦りたくなるお。」
( ^ω^)「これは本能なのかお」

コスコス
ボワン

( ゚∀゚)「やぁ、僕はランプの精。出してくれてありがとう」
( ^ω^)「・・・・・・」
スタスタ
(;゜∀゜)「ちょ、待てよ!ほっといていくなよ!」
( ^ω^)「正直、こんなありがちな展開はつまらないお」
( ゚∀゚)「まぁそういうな」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:49:57.89 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「出してくれてありがとう、お礼にあなたの願いを叶えてあげましょう」
( ^ω^)「なんというテンプレ・・・・・・」
( ゚∀゚)「やかましいわ。なんか願いないのか?」
( ^ω^)「それは世界征服とかでもいいのかお?」
(;゜∀゜)「え・・・・・・いやまぁ、別にわるかないけど・・・・・・マジでやるのか?」
( ^ω^)「冗談だお。プギャーwwwwwwww」
(#゚∀゚)「・・・・・・」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:52:52.47 ID:3otux3bzO
(#゚∀゚)「・・・・・・で、なんかねーのか?」
( ^ω^)「・・・・・・じゃあ、」
( ^ω^)「背が高くなりたいお」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 20:57:07.11 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「そんなんでいいのか?欲のない奴だな」
( ^ω^)「ブーンにとっては死活問題だお。重要なんだお」
( ゚∀゚)「まぁいいか。おk。明日の朝を楽しみにしてな」
( ^ω^)「期待して裏切られるのは嫌だお。期待しないでおくお」
( ゚∀゚)「・・・・・・寂しい奴だ」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:02:13.30 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「じゃあブーンは帰るお」
( ゚∀゚)「じゃあ俺は自由になれたしさよならバイバイするわ。ありがとな」

そう言って( ゚∀゚)はランプを置いて、どこかへ行ってしまった。
( ^ω^)「・・・・・・このランプ、ついでだし持って帰っておくお」


ブーンの家
( ^ω^)「うはwwwwwwww釣りスレうぜぇwwwwwwww」
( ^ω^)「・・・・・・あ、もうこんな時間かお。明日は講義があるんだったお」
( ^ω^)「・・・・・・どうせまた明日もバカにされるお・・・・・・憂鬱だお」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:05:04.94 ID:3otux3bzO
7月2日

ピピピピピピ
( ^ω^)「んー・・・・・・今何時だお?」
( ^ω^)「!!!しまった寝過ごしたお!」
( ^ω^)「朝御飯食べてる時間ないお!ダッシュだお!」
タタタタッ



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:11:28.37 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「な、なんかいつもより若干体が重いお・・・・・・ゼェハァ」
タタタタッ

( ^ω^)「ギ、ギリギリ間に合ったお!」
ガララララッ
('A`)「うおっ、ブーンギリギリだな」
(´・ω・`)「おはようブーン、朝から騒々しいね」
( ^ω^)「ショボンはともかくドクオより遅いとは・・・・・・」
('A`)「失礼な奴だ・・・・・・って、ん?」
( ^ω^)「?どうかしたかお?」
('A`)「いや、なんかお前背がかなり伸びてないか」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:15:54.58 ID:3otux3bzO
(#^ω^)「・・・・・・またからかう気かお?」
(;'A`)「いや、マジだって。お前昨日より10センチは高いぞ」
(#^ω^)「そんなありえないことを・・・・・・」
(´・ω・`)「いや、ブーン。本当に高くなってるように見えるぞ」
(#^ω^)「ショボンまで・・・・・・!」

そこでブーンは思い出しました
昨日自分が言った言葉を

( ^ω^)『背が高くなりたいお』



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:21:07.07 ID:3otux3bzO
(;^ω^)「・・・・・・ひょっとして本当に高くなってるのかお?」
(#'A`)「だから最初から言ってるだろ!」
(´・ω・`)「いや最初に言ったのは『ギリギリだな』だろう」
( ^ω^)「・・・・・・ちょっと鏡見てくるお!」
(;'A`)「あっ!おいブーン!講義始まるぞ!?」
( ^ω^)「サボるお!講義より身長だお!」
ガララララッ
タタタタッ

(´・ω・`)「・・・・・・必死だな」
('A`)「学校まで来てんのにサボるなよ・・・・・・」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:27:09.27 ID:3otux3bzO
in トイレ

(;^ω^)「はぁ、はぁ・・・・・・こんなに鏡を確認するのが怖いのは、自分が痔か否かを確認したとき以来だお」
(;^ω^)(ドキドキ)

( ^ω^)(!!!)

( ^ω^)「鏡に顔が映りきってないお・・・・・・上にはみ出してるお・・・・・・前は映ってたのに・・・・・・」
(*^ω^)「やったおー!身長が伸びたんだおー!」

トイレで大騒ぎしたブーンの声は講義中の教室まで響きわたり
教授にむちゃくちゃ怒られましたが、ブーンは笑顔でした
だってついに背が伸びたのですから!



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:31:16.67 ID:3otux3bzO
帰り道

(´・ω・`)「まさかの急成長だね、ブーン」
(*^ω^)「身長が・・・・・・身長が・・・・・・」
(;'A`)「聞いちゃいねぇ・・・・・・」
(´・ω・`)「でもその伸び方はおかしいよブーン、何かあったのかい?」
(*^ω^)「身長身長・・・・・・おっおっ・・・・・・」
('A`)「だめだこいつ・・・・・・早く何とかしないと・・・・・・」

ブーンは幸せな気持ちで帰路を辿りました



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:38:01.30 ID:3otux3bzO
(*^ω^)「〜〜!最高だったお!!まさか背が高いのがこんなに気持ちいいなんて!」
(*^ω^)「それもこれもみんなランプの精のおかげだお!」
(*^ω^)「そう言えばランプ持って帰って来たんだお、確かこの辺に・・・・・・」

ガサゴソ
ガサゴソ

( ^ω^)「・・・・・・?あれ?ないお?」
( ^ω^)「・・・・・・まぁいいお。今日は幸せな気持ちで寝れそうだお」
( ^ω^)「ベッドが小さく感じるお。なんか嬉しいお」

ブーンはベッドに潜り込んでぐっすりと寝ましたとさ



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:42:41.70 ID:3otux3bzO
7月3日

( ^ω^)「うーん、頭が痛いお・・・・・お?」

ブーンが目を覚ますと、頭がベッドに当たっていました

( ^ω^)「・・・・・・これが150センチ台の辛さかお」
( ^ω^)「わるくないお」
ブーンは立ち上がって、大きく背伸びをした後、洗面所へ向かいました。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:44:16.07 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「・・・・・・?昨日よりさらに背が高くなった気がするお」
( ^ω^)「気のせいかお?」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:49:07.63 ID:3otux3bzO
その日は授業はとっていない日だったので、ブーンは町へ繰り出すことにしました

( ^ω^)「背が高いと、町の見慣れた風景もまた違って見えるお」
( ^ω^)「それにしても、服がかなり小さくて困るお。」
( ^ω^)「服を買いにいくお」

in 服屋

( ^ω^)「〜♪これなんかぴったりサイズだお」
( ^ω^)「サイズは・・・・・・160センチ・・・・・・?」
( ^ω^)「・・・・・・」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:52:31.76 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「まぁ・・・・・・いいお。背がまた高くなったんなら、それは良いことだお」

ブーンは自分を納得させ、服を買って帰宅しました
途中、ショーウィンドウに映った自分を見ると

( ^ω^)「・・・・・・やっぱり、昨日よりかなり大きくなってるお」
( ^ω^)「160センチ・・・・・・まさに理想が現実となった瞬間だお」

しかしブーンは素直に喜べませんでした。
それは自分の中で、ある不安が現れたからです



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 21:59:40.62 ID:3otux3bzO
7月4日

( ^ω^)「いたたたた!」
ブーンが目覚めると、ベッドに当たって頭が変な方向に曲がっていました
それはつまり、あることを意味していました

( ^ω^)「・・・・・・寝違えちゃったお」

ブーンはにじみ出る不安を隠せません。
曲がった首でヒョコヒョコと起きあがり、鏡の前に立ちます。

( ^ω^)「・・・・・・」
鏡には、曲がった首は映っていませんでした



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:03:49.69 ID:3otux3bzO
( ^ω^)「・・・・・・今日は、大学があるんだったお」
( ^ω^)「首が痛いけど、行くしかないお」

てくてく

( ^ω^)「昨日買った服が、小さく感じるお・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・前とは違う意味で、学校に行きたくないお・・・・・・」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:08:13.84 ID:3otux3bzO
ドンッ

( ^ω^)「あ、すみません、寝違えて前が・・・・・・」
「いえ、こちらこs・・・・・・ブーン!?」
(;'A`)「お、お前ブーンかよ!?なんでそんなに背が・・・・・・!」
( ^ω^)「ドク・・・・・・オ・・・・・・かお。助けて欲しいお」

( ^ω^)「背が・・・・・・背が、伸び続けているんだお」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:12:52.02 ID:3otux3bzO
(;'A`)「た、助けろったって・・・・・・どうしろってんだよ」
( ^ω^)「わからないお・・・・・・わからないんだお・・・・・・」
('A`)「・・・・・・よし、今日はサボるぞ。」
( ^ω^)「え?」
('A`)「オメーは沈みすぎだ、背が高くなって何が悪い」
('A`)「前にも言っただろ。考えてもどうしようもないんだよ」
('A`)「飯でもおごってやんよ、今回だけだぞ」
( ^ω^)「・・・・・・ドクオ・・・・・・」
( ^ω^)「ありがとうだお・・・・・・」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:16:09.40 ID:3otux3bzO
('A`)「いいってことよ。んじゃショボンの奴も誘うか」
( ^ω^)「そうだお、ドクオの奢りでパーチーだお。おっおっおっwwwwwwww」
(#'A`)「テメェ・・・・・・」
(;^ω^)「じょ、冗談だお」
(#'A`)「・・・・・・まぁとにかく、ショボンに電話するわ」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:21:38.38 ID:3otux3bzO
プルルルル
ピッ
『・・・・・・もしもし』
('A`)「お、ショボンか?」
『これは僕の携帯だよ、僕に決まってるだろう』
('A`)「だな。ところで今日サボらねぇか?飯でも行こうぜ」
( ^ω^)「ドクオの奢りだお!」
(#'A`)「横からよけいなこと言うな!」
『うーん、ごめん。魅力的な誘いだけど、ちょっと風邪っぽくてね』
('A`)「そうなのか?見舞いいこうか」
『いや、移ると悪いからいいよ。』
('A`)「そうか、悪かったな。じゃあまた誘うわ」
『うん、楽しみにしてるよ』
プツッ



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:27:19.91 ID:3otux3bzO
('A`)「ショボンは来れないっぽいぜ」
( ^ω^)「残念だお。せっかくドクオの奢り・・・・・・」
(#'A`)「そろそろ怒るぞ」


in ファミレス

('A`)「それにしてもなんでそんなになっちまったんだ?」
( ^ω^)「・・・・・・心当たりがあるお」

ブーンは話した。
ランプの精のこと、自分が願ったこと、そしてランプが見つからないこと――――



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:32:07.18 ID:3otux3bzO
('A`)「・・・・・・なるほどな、にわかには信じられんが、まぁ実際でかくなってんだしな」
(;^ω^)「安易に背が高くなりたいなんて言わなきゃ良かったお・・・・・・」
('A`)「俺が思うに、ランプはたぶん何かのキーアイテムだな」
(;^ω^)「かお?」
('A`)「それさえ見つかればどうにかなるキガス。」
(;^ω^)「根拠はなんだお?」
('A`)「勘。」
( ^ω^)「うはwwwwwwwwおkwwwwwwww」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:36:22.63 ID:3otux3bzO
ブーンは帰宅した後、家中を探し回った。
机に始まり、タンスの中、本棚、便器の中に至るまで。

しかし、ランプが見つかることはなく、


(;^ω^)「ハァハァ・・・・・・疲れたお、もう探す場所が・・・・・・」

グラリ

(;^ω^)「お・・・・・・?世界が回って・・・・・・」

ブーンの意識は途絶えた。



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:40:08.20 ID:3otux3bzO
7月5日

( ^ω^)「!!!」
ブーンは目が覚めると同時に、洗面所へ。
そして鏡を見て・・・・・・。



( ^ω^)「もう・・・・・・嫌だお、背が・・・・・・」
( ^ω^)「180・・・・・・ドクオに追いつきかけてるお・・・・・・」
( ^ω^)「ひょっとして、このまま伸び続けてゴジラとかレベルに・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」



44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [疲れてきた] 投稿日: 2008/08/26(火) 22:43:17.04 ID:3otux3bzO
7月6日

ドクオからだろうか。
携帯が鳴り続けている。
だがブーンは、誰とも話す気にはなれなかった。

ベッドに寝れなくなった。
( ^ω^)「もう嫌だお」
( ^ω^)「背が低い方が・・・・・・ずっと楽だったお・・・・・・」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:47:16.38 ID:3otux3bzO
7月7日

ブーンが手を伸ばすと、簡単に天井に触れられる。

( ^ω^)「・・・・・・携帯・・・・・・」
一日ぶりに開いた携帯電話。

着信履歴:28件


( ^ω^)「・・・・・・」
ブーンは、黙って携帯を閉じた。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:50:20.09 ID:3otux3bzO
7月8日


プルルルル プルルルル
ピッ

『・・・・・・ドクオ、かい?』
('A`)「これは俺の携帯だ。」
『そう・・・・・・だったね。』
『僕の・・・・・・家に来てくれないか・・・・・・。』
『たぶん・・・・・・命に関わるんだ。』



( ^ω^)「・・・・・・」
( ^ω^)「あたまが、天井に当たりそうだお・・・・・・」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:55:46.12 ID:3otux3bzO
7月9日


ドンドンッ
( ^ω^)「・・・・・・?」
朝から、荒々しく響くノック。
ドアが壊れるのではないかと言うほど、荒々しく乱暴に。
( ^ω^)「・・・・・・誰だお?」
『俺だ!!ブーン、開けろ!!!』
狭くなった部屋に響きわたるのはドクオの声。
( ^ω^)「・・・・・・ブーンは、もう・・・・・・誰とも会いたくないお・・・・・・」
( ^ω^)「服はなくて毛布一枚だし、ドアノブが低すぎて困ってるくらいだお・・・・・・」
( ^ω^)「帰ってくれお・・・・・・」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 22:59:20.00 ID:3otux3bzO
本当は、服がないことなんてどうでも良いことだった。
ブーンが本当におそれたのは、異様な自分の姿におそれたドクオが自分を突き放すこと。
友人がいなくなること。
それはいまやブーンにとって、この世界でたった一人になることだったから。

( ^ω^)「ブーンは、ドクオと友達でいたいお」
( ^ω^)「帰ってくれお・・・・・・」
( ^ω^)「せめて、友達のままでいてくれお・・・・・・」



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:04:23.36 ID:3otux3bzO
『ブーン』
( ^ω^)「・・・・・・」
『何回も言ってるだろ。考えなくていいんだ』
( ^ω^)「・・・・・・」
『お前がどんな姿になってるかわかんねぇし、たぶん見たら驚くだろうよ』

『でもな、俺はお前と友達をやめる気はねぇ』
('A`)『身長なんて自分でどうにもならないんだからしょうがないんだ』
('A`)「身長なんて・・・・・・どうでもいいんだよ、開けてくれ・・・・・・」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:06:56.06 ID:3otux3bzO
ドアが音を立てて開いた。

('A`)「ブーン・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・ありがとうだお、ドクオ」
( ^ω^)「ブーンがダメになりそうなとき、いつも励ましてくれたお」
( ^ω^)「一番の友達だお」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:12:08.02 ID:3otux3bzO
(´・ω・`)「一番の友達か、いい友情を見せてもらったよ」
( ^ω^)「!」
(´・ω・`)「ブーン、大きくなったものだね。物理的に。僕と・・・・・・正反対だ」
('A`)「・・・・・・」
( ^ω^)「ショボン・・・・・・!?」

ドクオの陰に隠れていた。
勿論ドクオが身長が高いのも理由の一つだ。
が、一番の理由は、

(´・ω・`)「惨めだろう、ブーン。70センチの大学生なんてそうそうみれないよ」
( ^ω^)「そんな・・・・・・」

ショボンが、縮んでいた。



63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [ブーン系小説は初めてです。] 投稿日: 2008/08/26(火) 23:16:01.80 ID:3otux3bzO
(´・ω・`)「ははは、見事に君に身長をとられちゃったよ」
(´・ω・`)「僕は・・・・・・7日後に消えるのかな?」
(´・ω・`)「そうしたら、ブーンの急激な成長は止まるのかな、楽しみだよ」
(´・ω・`)「・・・・・・僕は、その場に居れないのが残念だけどね」

( ^ω^)「そんな・・・・・・そんなことって・・・・・・」
ブーンは気が遠くなるのを感じた。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:17:10.41 ID:3otux3bzO
7月10日

死んだ。



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:21:15.50 ID:3otux3bzO
7月18日

ショボン消滅。



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:25:23.84 ID:3otux3bzO
7月19日

ブーンの部屋には、約3m20cmになったブーンの死体。
放心したドクオ。
もうそれしか残っていない。


ブーンを自殺に追いやった罪の意識も、
冷静なショボンが最後に見せた悲痛な顔も、
諦めなかったドクオの意気も。


何も残ってはいなかった。



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:30:13.51 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「お久しぶりー」
('A`)「・・・・・・」
(;゚∀゚)「・・・・・・あれ?ブーン死んでね?」
('A`)「・・・・・・」
(;゚∀゚)「え、ちょっとなにこれ?ひどいBAD END?」
('A`)「・・・・・・」
(;゚∀゚)「あ、えーっと」
('A`)「・・・・・・あんたは?」
(;゚∀゚)「あ、俺?えーっと、元・ランプの精だけど」
('A`)「・・・・・・!!!」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:34:46.02 ID:3otux3bzO
ドガアッ
( ゚∀゚)「ごふっ」
(#'A`)「てめえのせいか・・・・・・」
( ゚∀゚)「え!ちょ、ま、俺は願いを叶え―――」
ガスッ
( ゚∀゚)「がはっ」
(#'A`)「この結末を誰が願ったんだ?」ミシミシッ
(;゚∀゚)「いぎぃぃぃ!痛いです!やめ・・・・・・」
('A`)「なんで・・・・・・なんで・・・・・・」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:38:40.07 ID:3otux3bzO
('A`)「ちくしょう・・・・・・ちくしょう・・・・・・」
(;゚∀゚)「はぁっ、はぁっ、死ぬかと思った、精なのに死ぬかと思った」
('A`)「・・・・・・何しにきたんだ・・・・・・」
(;゚∀゚)「手をあげる前にそっち先に聞けよ!えーっとだな」
( ゚∀゚)「いやー、言い忘れたことがあったなーって」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:42:14.94 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「俺がいくら願い叶えられるっつってもさ、代償ってもんがあんのよ」
( ゚∀゚)「まぁつまり、ブーンの身長伸ばしたぶんだけ誰かのぶん身長とらなきゃいけない訳よ」
( ゚∀゚)「いやーうっかり言い忘れちゃってさー。帰ってきたらとんでもないことになってるし」
( ゚∀゚)「あんた死ななくて良かったね」


(;゚∀゚)「ぎゃああああ!!折れる折れる、折れますからああああ!!!」



83 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [>>81 ありがとう。] 投稿日: 2008/08/26(火) 23:50:14.70 ID:3otux3bzO
(;゚∀゚)「ま、そんなわけでさ。それとこっちはついでなんだが、よく考えたらランプ忘れたじゃん?」
( ゚∀゚)「いや別になくてもいいんだけどさ、一応ずっと住んでた家みたいなもんなんだ」
( ゚∀゚)「だからもらっとこうかなーって」
('A`)「・・・・・・そいつは今どこにある」
( ゚∀゚)「身長をのばしたブーン、ブーンと関係の深い奴から適当に選んで身長を減らしたショボン」
( ゚∀゚)「どっちかの家にあると思うんだよね」



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:52:37.94 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「いやいや。たまーにランプ移動するから困る。道ばたに落ちたときはブーンがこないと死ぬかと」
('A`)「・・・・・・俺がとってきてやる」
( ゚∀゚)「お?いいん?ありがと」
('A`)「そのかわりだ」
('A`)「俺の願いを叶えやがれ」



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:55:18.29 ID:3otux3bzO
( ゚∀゚)「え?願い?まぁいいけどさ、さっき言ったけど代償もらうぜ?」
('A`)「何でもとりやがれ」
('A`)「この・・・・・・」
('A`)「てめぇがブーンの願いを叶えたせいで起こった惨劇を」
('A`)「なかったことにしてくれ・・・・・・」
( ゚∀゚)「!」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/26(火) 23:57:31.71 ID:3otux3bzO
(;゚∀゚)「まぁ叶えても良いけどかなえちゃったら俺はまたランプに・・・・・・あれー?」
('A`)「頼む・・・・・・」
(;゚∀゚)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・まぁ、俺のせいだしな。いいか」
( ゚∀゚)「だが代償はお前の命だ」
('A`)「!」
( ゚∀゚)「どうするね?おれはどーでもいーよ」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:00:07.71 ID:vHLQTEhjO
('A`)「・・・・・・」
('A`)「・・・・・・俺が代償で死んだら・・・・・・」
( ゚∀゚)「?」
('A`)「その後に、なかったことにできるか?」
(;゚∀゚)「できるけど・・・・・・ちょ、それセコくね?お前生きかえらね?」
('A`)「気のせいだ 早くやれ」
(;゚∀゚)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「まぁいいか」

('A`)「 」



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:06:53.16 ID:vHLQTEhjO
7月某日

マンションの一室で、二人の大学生が死亡。
一人は人間ではあり得ないほどの巨体であり、
また自殺した後があった。
もう一人は、自殺した男の後に死亡。
また、直前まで第三者がいた痕跡はあったが部屋を出た後がなく、部屋の中で消滅したことになり、
警察は怪奇事件として捜査を難航させて――――


( ゚∀゚)「いやー」
( ゚∀゚)「人が狂いながら死んでいくのを見るのは楽しいな」
( ゚∀゚)「結局死に神だってばれなかったなぁ」
( ゚∀゚)「まぁどうでもいいか、それにしても俺の話術も捨てたもんじゃねぇな」
( ゚∀゚)「お、次のカモ到来」

『――――?なんだ?このランプ』


終わり



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