川 ゚ -゚)クーたちは想像上の生物のようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:03:23.85 ID:peSmYiXI0
プロローグ
『メイド・イン・パラダイム』

act.1『宇宙戦艦バルバトス』

(,,゚Д゚)「これが……最後の、任務になるだろう」

戦艦『バルバトス』艦長Aは眼前に集合した乗務員に向かって言った。
彼の背中には巨大なディスプレイがある。
そこでは今まさに宇宙空間で行われている、
地球とXXXXXXXXXX星との最終戦争が映し出されていた。

(,,゚Д゚)「我が艦に司令部からの命令が下された……。
     可及的速やかに敵艦への突貫を行え、と」

重々しく言い放った彼の言葉に、乗務員全員が色めき立った。
現在、地球軍は圧倒的に不利な状況に立たされている。
この『バルバトス』もつい先程まで前線で戦っていたため、至る所にダメージを受け、
装備していた弾丸も尽きてしまい、補給のために一時後退しているのだ。

(‘_L’)「そ、そんな。では、し、司令部は我々に死ねとおっしゃるのですかっ」

砲撃手Aが声をあげた。それに呼応するかのように、他の乗務員達も一斉に喚き始める。
中には泣き出す奴、壁を殴り出す奴までいてえらい騒ぎだ。

(,,゚Д゚)「静かにしろ!」

艦長Aが一喝する。

(,,゚Д゚)「戦況は極めて不利だ……事態を打開するには、こうするしかない……!」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:06:26.71 ID:peSmYiXI0
一方、『バルバトス』艦内にある乗務員室。
今そこではまさに、ちんことまんこのせめぎ合いが行われていた。

(*^ω^)「あふぅ、ふ、ふ、ふぐぅ、ふにゅ、も、もう出ちゃうおっ」

後背位の恰好で賢明に腰を振っているのは全裸の乗務員ブーンである。
彼の陰茎たるや、今や彼の妄想の分だけ誇張した大きさを保っており、
フランス人も吃驚なマグナムペニスが相手の膣内でうねっているのである。

さて、そのお相手であるがこれがあまりはっきりしない。
妙に霞がかっていて、その姿形を正確に把握するのは不可能である。
だが、そこにははっきりとヴァギナが存在しており、
「はぁ、あはっ、ハァン、いいわ、いいわぁ、YES! OH MY GOD!」
という、萌えボイスな喘ぎ声がブーンの鼓膜を断続的に刺戟していた。

(*^ω^)「おふぅ、お、おふぅ、おふう」

( ゜ω゜)「ふなっ!」

瞬間、ブーンの身体が大きくのけぞった。
彼女のものと思しき肉体に両手で必死にしがみつきながら、
その膣内へ白濁液をぶちまける。ぶちまけ続ける。その射精は止まらない。

( ゜ω゜)「お、おう、オウ、と、止まらない、ぼ、僕の精子がエンドレス!」

そのとき、轟音と共に室内が炎に包まれた。
『バルバトス』が敵戦艦に衝突、爆発炎上したのである。
紅蓮の炎の中で、ブーンの陰茎から放出され続ける精子が微かに煌めいていた。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:09:01.79 ID:peSmYiXI0
act.2『日本撲殺』

( ´∀`)「……ブーンさん、落ち着いて聞いて欲しいモナ」

医師Aがブーンに静かに語りかける。

(;^ω^)「や、やだなあ先生、お、脅かさないでくださいお」

( ´∀`)「貴方の病気は極めて深刻です……そう、病名は睾丸疲労症。
      あまりに精子を作りすぎたため、睾丸が極度に疲弊してしまう病です」

(*゚ー゚)「そ、そんなはずないわ先生!」

ブーンの後ろに立っていた、ブーンの妻Aがずいと前に出てきて抗議する。

(*゚ー゚)「だって、だってブーンとはこの頃、ちっとも夜のプロレスごっこをしていないんですのよ!」

( ´∀`)「しかし……睾丸はそうは言っていません。
     ……余命、二ヶ月といったところでしょうか」

( ゜ω゜)「な、なんだって!」

(*゚ー゚)「あんた! どこの誰とセックスしたの!?」

( ´ω`)「いや、ええと、その、宇宙戦艦で……」

(*゚ー゚)「ハァ!?」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:12:01.73 ID:peSmYiXI0
(*゚ー゚)「わかった、イメクラね! 宇宙戦艦ごっこしてたのね!?」

( ゜ω゜)「うっせー!!」

突然ブーンの怒りが頂点に達した。

その勢いでブーンは、いつの間にか右手に握り締めていた金属バットを妻Aの側頭部に叩きつけた。
吹き飛ぶ妻A。ついでにブーンは、医師Aも撲殺した。

次にブーンは自分が今まで座っていた丸椅子を撲殺した。
注射器を撲殺した。レントゲンを撲殺した。X線を撲殺した。
蛍光灯を撲殺した。白衣の天使を撲殺した。受付のテーブルを撲殺した。

病院そのものを撲殺した。
隣の家を撲殺した。マンションを撲殺した。東名高速を撲殺した。
メタセコイヤを撲殺した。コインロッカーを撲殺した。

東京タワーを撲殺した。六本木ヒルズを撲殺した。赤坂サカスを撲殺した。
東京都二十三区を撲殺した。千葉県を撲殺した。神奈川県を撲殺した。

茨城県を撲殺した。関東平野を撲殺した。
富士山を撲殺した。飛騨高山を撲殺した。中部地方を撲殺した。

近畿地方を撲殺した。東北地方を撲殺した。
稚内以外の北海道を撲殺した。四国を撲殺した。うどんを撲殺した。
鳥取砂丘を撲殺した。九州地方を撲殺した。

めんどくさいので、とりあえず、全部撲殺した。

その日、日本は血の海に沈んだ。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:15:23.63 ID:peSmYiXI0
act.3『クーは想像上の生物のようです』

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:18:41.59 ID:peSmYiXI0
( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)

川 ゚ -゚)

( ^ω^)「誰?」

川 ゚ -゚)「魔法少女」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:20:21.64 ID:peSmYiXI0
act.4『煉獄への階段』

視界が混濁している。
ブーンは道を意識的に或いは無意識的に歩行している。
その道は狭く、暗い。音は無い。聴覚は働いていないようだが、
いつの間にか隣を歩いていた男の声だけ鮮明に認識出来る。

( ´∀`)「ここを抜けるとあなたは煉獄に行くことが出来るモナ」

( ^ω^)「ということはここは現実じゃないお。地獄かお? 天国かお?
      あ、そうか。これは夢だお。夢。夢……」

( ´∀`)「さ、ここからは階段が続いてるモナ。足下に気をつけるモナ」

( ^ω^)「夢だからなんでもできるお。なんでもできるお。
      でもまだやらないお。そのほうが楽しそうだから。ふひひひひ」

( ´∀`)「あ、ちなみに上り階段だモナ」

その時ようやくブーンは目の前の階段を意識する。
意識された階段は視覚的な存在を果たす。

( ^ω^)

( ´∀`)

( ^ω^)「夢だからなんでも出来るお」

( ´∀`)「そう、夢だからなんでも」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:23:18.53 ID:peSmYiXI0
思考が巡る。
何でも出来るならば何がしたいだろう。
ブーンが最初に思いついたのは「飛ぶ」ことだった。

どこかで聞いたことがあるのだ。
夢だと意識した夢の中ではなんでも出来る。
その一例に、まずそれが飛べると。

どこかに書かれいた。どこに書いてあったかは覚えていない。
だからブーンは、何よりもまず飛びたいと願った。

願った瞬間に、ブーンは飛んでいた。
ふわりと宙に浮き上がり、隣にいた男を俯瞰していた。
目の前にマンションが見えた。坂道と自動販売機も見える。
言いようのない既視感を覚えるが、そこがどこであるのかは分からない。

ブーンは空中を歩いていた。
いや、そこにある見えない階段を上っていた。
歩行するブーンはさらに上昇していた。

( ´∀`)「おーい、どこに行くんだモナー?」

下の方から声が聞こえる。
だが、もはやブーンは気にしていなかった。
何も思わず何も考えず、ブーンはただただ上へ上へと目指していた。

そのうち、突然意識が断絶した。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:26:00.95 ID:peSmYiXI0
act.5『ジェットコースター・ベイビーズ』

いつの間にかブーンはジェットコースターの先頭に乗り込んでいた。
係員が安全対策用のレバーを降ろし、ブーンの身体を固定する。

ブーンの隣にはまだ一歳にも満たないであろう赤子が座っていた。
いや、そのジェットコースターはすでに満員であるのだが、
乗客はブーン以外全員襁褓をつけた赤子であるのだ。

彼は皆自身が赤子でないということを主張するかのように静かで、暗い目をしていた。
誰一人泣いてはおらず、皆死んでいるかのように礼儀正しく席に座っていた。

彼らにはレバーが意味をなさないということをブーンはすぐさま理解した。
彼らの体躯はあまりに小さく、普通ならば身長制限で引っかかるはずなのだ。
だが、それについてとやかく言うほどブーンは野暮で無かった。
夢であることはすでに自覚済みなのだ。
また、自分が身動きできず、これからやって来る夢の展開を甘受せねばならぬことも分かっていた。

やがて、軋んだ音を立ててジェットコースターが動き出した。
緩やかなスピードで定石通り坂を上っていく。
カタンカタンと断続的な機械音が鼓膜を打つ。

ブーンはちらと隣の赤子を盗み見る。
男か女かも未だ判別しがたいその赤子は、両手を膝の上に乗せて、
口を真一文字に結んだまま、置物のように静止し続けている。

ブーンの視界から上り坂が消失する。
コースターが頂点に達したのだ。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/22(月) 22:28:22.92 ID:peSmYiXI0
だが、その認識が誤りであったことをブーンは即座に気付く。
ブーンは当然、このコースターが次に猛スピードで下り坂を下るものだと思っていた。
だが、このコースターには下るべき下り坂が存在していない。
上り坂の頂点が、いわばこのコースターの終着点だったのだ。

しかし、そんな事実に関係なくコースターは前へ進み、
そのうち車体の最後尾がレールからはみだし、コースターが完全に宙に浮いたところで、
それは勢いよく落下を始めた。

下からの壮絶な風圧がブーンを殴打する。
だが、その風圧をブーンは大した衝撃であるとは思っていない。

彼は空を仰いだ。
今し方までコースターに整然と座っていた赤子達が一斉に宙を舞っていた。
肌色の花弁が舞い散るように、赤子の身体がくるくると回転しながら自由落下している。

コースターはどこまでも落下した。
その時ブーンは唐突に、ジェットコースター以外の風景や、
その他あらゆる感覚を知覚していないことに気付いた。

だが今更どうすることもできない。

ブーンの身体は落下し続ける。

落下に落下を重ねてやがてブーンは、教室の自分の席に着地した。

それと同時に、数学教師に頭を参考書で思いきり叩かれる。



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