( ^ω^)変わった人達のようです

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:09:24.44 ID:CcPdhQurO



 それは、幼い彼女を愛した男の話。

 それは、男を愛した幼い彼女の話。

 それは、ひどく離れた二人の歳の話。

 いったい彼は幼い彼女にとの間に何を求めるのでしょうか。



『いつつでたりず。』



 始まりは、五つの笑顔。



150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:12:35.83 ID:CcPdhQurO

 僕は目を開き、首の向きを戻して前を見ました。

 ただただ広い白の空間は、彼らの無知を思わせます。


 背中にぞくりとした冷たい何かを感じて、少しだけ移動し、5と書かれた扉を開けました。


 扉の向こうには、幼い女の子を抱いて部屋を彷徨く男の姿。

 僕は友人である彼に声をかけながら、部屋に入って扉を閉めました。



152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:15:22.50 ID:CcPdhQurO

( ^ω^)「失礼しますお」

(,,゚Д゚)「ん? おう、内藤じゃねぇか」

( ^ω^)「久しぶりですおーギコさん」

(,,゚Д゚)「敬語とさん付け止めろっつったじゃねぇか、変わんねぇなお前は」

(;^ω^)「お、す、すみませんお」

(,,゚Д゚)「ほら座れよ、俺は立ったままだけど気にすんな」

( ^ω^)「はいですお」

(,,゚Д゚)「しぃがぐずってな、ほらしぃ、泣くなよ」

(*;−;)『うー……』

(,,゚Д゚)「全く、すぐ泣くなぁしぃは」

( ^ω^)「ギコさん」

(,,゚Д゚)「あー?」

( ^ω^)「ええと……もしよろしければ、聞かせて貰えません、かお?」

(,,゚Д゚)「あん?」



154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:18:37.01 ID:CcPdhQurO

( ^ω^)「何で、あんな事をしたのか……ですお」

(,,゚Д゚)「……何でこんな事をしているか、か?」

( ^ω^)「……はい、ですお」

(,,゚Д゚)「…………分かった、このままで良いなら、話す」

( ^ω^)「ありがとう、ございますお」

(,,゚Д゚)「非人道的だとか、異常だとか、思って構わねぇからな」

( ^ω^)「思いませんお、そんな事」

(,,゚Д゚)「そ、か……有り難うよ、内藤」


 彼は幼い彼女を抱いて、立ったまま少しだけ笑いました。
 どこか自嘲的なその笑顔は何だか悲しくて、僕は、思わず目を背けます。

 幼い彼女の背中をとんとんと叩きながら、彼は何から言うべきか悩んでいる様でした。



 始まりは、五つの彼女の笑顔だった。



159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:21:24.58 ID:CcPdhQurO

 それは、彼の兄夫婦の娘が生まれた時の事。
 まだ少し若かった彼は、共働きで忙しい兄夫婦に娘を預けられる事が少なくありませんでした。

 最初は大変だったおしめの交換も、ミルクの作り方も、あやし方も抱き方も、兄より上手くなるのにそう時間はかかりませんでした。
 生まれた時から知るその娘を妹の様に可愛がる彼の姿は、兄夫婦から見てとても微笑ましく、とても安心感のある姿でした。

 初めて寝返りをうったのも、はいはいをしたのも、立ったのも、歩いたのも、喋ったのも、全て彼が見てしまいましたが。
 それでも、その全てを見事にビデオに納めた彼は、親では無いのに親バカだったのでしょう。


(,,゚Д゚)「生まれたばっかのしぃは可愛くってな、俺の指を握って寝たりして、本当の妹みたいだった」


 娘が歩いて喋るようになってから、彼に手を引かれて出掛けたり、家の中でおままごとなどをして遊ぶ様になりました。

 自分を妻、彼を夫として振る舞わせるおままごとはひどく気に入ったのか、頻繁に、彼に遊ぼう遊ぼうと誘いました。


『ギコおじちゃん、おままごとしよう?』

「おじ……お兄ちゃんな、お兄ちゃん」

『ギコおにいちゃん、あそぼー』

「おう、おままごとだな」



162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:26:00.59 ID:CcPdhQurO
『うんっ、ギコおにいちゃんはだんなさまね?』

「はいよ、しぃは嫁さんか?」

『えへへ、ギコおにいちゃんのおよめさーん』

「可愛い嫁貰ったなぁおい俺」


 娘は彼によくなつき、遊び、勉強をし、めきめきと賢くなって行きました。
 彼が遊びを交えて文字や数字を教え、簡単な足し算等を教えてみせれば、娘は一つ二つ上の年齢の子供が習う様な事を覚えて見せました。

 それには兄夫婦も驚き、喜ぶ反面、少し寂しそうでもあります。

 本来、両親が見て、聞いて、感じて、教える筈の事。
 それらを全て奪っている事に気付いた彼は、娘に何かを教える事を止めました。


(,,゚Д゚)「しぃは俺や兄貴達が思っていたよりもずっと頭が良くて、何でも吸収しちまうんだ。
     俺が冗談で教えた文字も、数字も、アルファベットまでも覚えちまった。
     しぃが賢くなればなるほど嬉しかった、でも、申し訳なかった」


 四つになった娘は歳のわりにひどく落ち着いていて、余り子供らしいとは言えませんでした。
 勿論子供らしく遊び、笑い、泣くのですが、どこか大人びた顔をする時があり、思考も早熟と言えるほど冷静でした。



163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:29:36.97 ID:CcPdhQurO

 兄夫婦が喧嘩をすれば、自然に間に割って入って仲裁し。

 娘に聞かせづらい話をしたそうであれば、察して部屋を出て行く。

 包丁こそ握らないけれど、進んで台所に立ち、手伝う。

 部屋を散らかす事無く、読んだ本や遊んだ玩具は全て元の位置に戻す。


 言葉も多少は辿々しくはありましたが、程無くしてしっかりとした言葉遣いになりました。
 そんな四歳児とは思えない娘の姿に、兄夫婦は少しだけ、不安になります。


(,,゚Д゚)「しぃは普通の子なんだろうか、って……妙な不安があったんだ。みんなに。
     俺は少し後悔した、冗談半分でいろんな事、教えるんじゃなかったって。
     ……怖くなったよ、しぃの異常な成長速度が……」


 全員が抱いた漠然とした不安を知ってか知らずか、娘の成長は衰える事はありませんでした。

 悪戯をする事も無く、自分の事を自分で殆んど出来るようになり。
 娘はすくすくと、元気に、妙なくらいに賢く育つばかり。



164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:32:24.26 ID:CcPdhQurO

 そしてある日、娘が言いました。


『ギコおにいちゃん』

「何だ? しぃ」

『わたしが、きもちわるい?』

「何、を」

『わたしがなにかすれば、いえば、おとうさんもおかあさんも、ギコおにいちゃんも、こまったかおをするよ』

「あ、……しぃ、」

『わたしは、そんなに、へんなのかな』

「そんな、事、」

『そんなに、きもちわるいのかな』

「違う、違う、しぃ」

『……わたしは……おかしいの、かな……』

「し、ぃ」



168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:35:03.57 ID:CcPdhQurO

(,,゚Д゚)「はっきり、そんな事ねぇって言ってやれなくて、悔しかった。
     俺は、何でしぃを傷付けてんだって、腹が立った」


 娘に言われた事を兄夫婦に言うかどうするか二晩悩み、彼は打ち明ける事にしました。


(,,゚Д゚)「その事を兄貴達に言って、余計な事してきた事を謝ったんだ。
     兄貴達は泣いて、俺は悪くない、悪いのはろくに構わなかった自分達だって泣いて、謝って。
     余計に、悔しくなった」


 兄夫婦は娘を腫れ物の様に扱う事を止め、普通の子供と同じ扱う様になりました。
 彼もまた、構いすぎず、けれど突き放す訳でもなく、叔父としての立場を崩さない様になりました。

 それ以来、娘はああいった大人びた発言をする事は無くなり、子供らしく振る舞うようになったのです。


(,,゚Д゚)「普通の筈だった、ワガママ言ったり誰かを困らせるのが普通の筈だった。
     なのに、違和感を感じるんだ……無理に子供っぽくしてるみてぇでさ……何か、悲しくてよ」



170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:38:15.74 ID:CcPdhQurO

 そして、娘は五つの誕生日を迎えました。
 相変わらず、子供らしく振る舞ったまま。


『ねぇギコおにいちゃん、いっしょにおふろいこー?』

「え゙、あ、や、あ、うん、まあ」

『……いや?』

「や、ぁ、嫌じゃねぇよ、うん、パパやママとじゃなくて良いのか? 本来はパパやママと入るもんだぞ?」

『おとうさんとはおとといはいったし、おかあさんとはきのうはいったもん』

「あ、そ、そうか……じゃあパパとママに俺と入るって言ってきな?」

『はーいっ』


 ぱたぱたぱた、軽く駆けて行く白いワンピース。
 小さな背中は、間違いなく幼い、幼女と言える歳の物。


『いってきたよー』

「おう、はえーなおい。パパとママは何か言ってたか?か」



173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:41:17.90 ID:CcPdhQurO

『えっとね、かたまでつかりなさいって』

「うんうん」

『あとね、のぼせないようにしなさいって』

「うんうん」

『でね、おとうさんが「しぃに手ぇ出したらブチ殺すって言っといてねー」って』

「出すかァッ!!」

『あははっ、ねぇギコおにいちゃん、おふろいこっ』

「お、おう!」


 彼の手を引いて脱衣所に走る娘、引っ張られながらよたよたと小走りをする彼。

 その姿は、ひどく微笑ましい物でした。



177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:44:03.59 ID:CcPdhQurO

 脱衣所で先に服を脱ぎ、風呂場へと駆け込む娘。
 彼はその後ろ姿を見ながら、肩を竦めて小さく苦笑い。
 彼は少し遅れて服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて風呂場へと足を踏み入れました。

 そして、目を見張りました。


(,,゚Д゚)「久し振りに一緒に風呂入って、分かった。
     しぃは、ただ子供っぽく装ってただけなんだって」


 シャワーを浴びる、そのしなりとした腰のラインが。
 濡れた長い髪が張り付く背中が、肩胛骨が、細く頼り無い手足が。

 言い様の無い、色気を放っていました。


(,,゚Д゚)「あいつは五歳児の雰囲気じゃなかった、いや、寧ろ、人間なのかすら分からなくなるくらいで。
     陳腐な言い方だと思うけどよ、こう、人間離れした美しさだったんだ」


 彼が入ってきた事に気付き、視線だけでそちらを見る目付きは、最早幼女の物とは思えませんでした。
 流れるようなその目付きに息が止まった彼を見て、娘はしんなりと笑って手招きをします。


『ギコおにいちゃん、あびないの?』



179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:47:21.15 ID:CcPdhQurO

 こちらを向いた身体。
 平らな胸に、ふっくらとした丸みのある腹部。
 狭い肩幅、するりとした肩、大した括れの無い腰。
 それらは全て、幼女特有の物。
 なのに、それなのに、娘が醸し出す雰囲気は、明らかに異様で。


(,,゚Д゚)「何て言うんだろうなぁ……小せぇ身体なのに、雰囲気だけ大人の女みてぇでよ。
     不似合いな筈なのに、アンバランスな筈なのに、やたらと相性が良い、みてぇな感じで」


 彼はぎこちなく頷いて、娘を座らせてから自分もシャワーを浴びました。
 ちらりと足元を見れば、彼を見上げる娘と目が合い、慌てて顔を背ける。

 シャワーを浴び終えた彼は、恐る恐る娘の身体を洗い、頭を洗ってから湯船に浸からせました。


『ギコおにいちゃん、せなか、ながそっか?』

「い、や……大丈夫だ、有り難うよ」

『……そっか』


 娘を見ないように、出来るだけ触れないように、何も考えないように、乱暴に自分の身体と頭を洗う彼の心臓は、いやと言うほどに喧しくて。



182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:50:27.62 ID:CcPdhQurO
 ざぷ、と湯船に浸かった彼は娘から出来るだけ離れる様にと身を縮めていました。
 そんな彼を見た娘が、笑って彼を見上げます。


『ギコおにいちゃん』

「お、おう?」

『わたしね、ギコおにいちゃんのおよめさんになりたい』

「じゃあ、また、おままごとでもするか?」

『そうじゃないの』

「あ、……?」

『そうじゃないの、わたしは、ギコおにいちゃんのおよめさんになりたい』

「…………し、ぃ?」

『わたしが、きらい? こわい? きもちわるい?』

「そんな、事、ねぇよ」

『……じゃあ、どうしてはなれるの? わたしをみないの? めをそらすの?』
「それ、は、その」

『…………わたしは、ギコおにいちゃんがすきだよ』



183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:53:11.30 ID:CcPdhQurO

 数日後、彼は娘を独り暮らしの家に連れてきました。

 あの、どうしようもない程に艶のある目が、言葉が、雰囲気が。
 彼の脳裏に焼き付いて、離れないのです。

 いやと言う程に脳内で再生される娘の言葉は彼を揺さぶり、理性を、ゆっくり、ゆっくり、へし折る様に。


(,,゚Д゚)「俺はおかしくなったのか、最初っからおかしかったのか分からねぇ。
     でも、しぃに好きだって言われて、確信した」


 彼は、あの娘に一目惚れをしました。
 五つやそこらでも埋まらない歳の差。
 けれど、あの早熟な娘の精神年齢と言う物は、もう、子供と言える歳では無くなりつつあるのかも知れません。


『ギコおにいちゃん、きょうはおとまりだね』

「……ああ、そうだな、しぃ」

『いっしょにおふろにはいろうね、ギコおにいちゃん』

「ああ、…………今日だけでなく、ずっと泊まってけよ、しぃ……?」



186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:56:12.94 ID:CcPdhQurO

 どこか濁った目をして笑う彼に、娘は微笑みを返しました。
 喜んでいるのか、哀れんでいるのか、その微笑みは、何だかひどく悲しく見えたのです。


「しぃ、そろそろ風呂に入ろうか」

『うんっ、まっててー、いまおもちゃだすからっ』

「平仮名のオモチャか、好きだなぁそれ」

『うん、だいすき』


 ぞくり。

 娘は家から持ってきた、あいうえおの形をしたお湯に浮かぶ玩具を胸に抱いて、狭い脱衣所へと向かいました。
 台所で何かを手にした後、ゆっくりと脱衣所に入った彼は、もう先に入ったらしい娘の姿を思いながら、服を着たまま風呂場へと。

 娘は白い裸体を晒しながら、バスタブに張られた水に平仮名を浮かべ、こちらを向きます。


 また、艶のある笑顔で。



189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/24(水) 23:59:09.16 ID:CcPdhQurO

「……しぃ」

『ギコおにいちゃん、……わたしのこと、すき、?』

「ああ、愛してるともさ、しぃ」

『…………あはぁ……うれしいな、ギコおにいちゃん』

「でもな、しぃ、しぃ」

『……ギコおにいちゃん』

「俺は、もう、駄目なんだ」

『ん……』

「しぃの身体が大人になるまで、我慢は出来ない」

『うん、』

「けど、しぃを傷付けたくはない」

『うん』

「苦しいの……我慢、出来るか?」

『うん、ギコおにいちゃん』



195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/25(木) 00:02:10.84 ID:CcPdhQurO

 ばしゃん。

 幼い裸体を水に押し込み、顔を上げられないように、首を押さえつけて。


 ぱくぱく。

 水の中で口の開閉を繰り返す娘は、空気を吐き出しながら真っ直ぐに彼を見つめていました。


 こぽん。

 暫くして、一際大きな泡を吐き出した娘は動かなくなりました。


 それでももう暫く水の中に娘を浸け続けてから、ざばりと引き上げました。
 ぐったりとして重くなった娘は、青い顔をしているにも拘わらず、微笑んでいて。

 彼は濡れる事を気にもせず、娘を抱き締めて顔に掛かる髪を払い、優しく優しく、唇を重ねました。
 冷たくて少し固くなった小さな唇が悲しくて、彼はふと水に浮かぶ平仮名を見ました。



そこには、五つのひらがな。



201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/25(木) 00:04:24.84 ID:vLZM/8dRO

『およめさん』


 ゆらゆらと浮かぶその文字を見ると、彼は涙を溢して娘を片手で抱き。

 台所で持ってきた物を、己の腹部に向けて─────




(,,゚Д゚)「俺の話は、これでおしまいだ」

( ^ω^)「どうして、そんな、」

(,,゚Д゚)「しぃを無理矢理犯すなんざ出来なかった、でも、我慢も出来なかった」

( ^ω^)「だから……」

(,,゚Д゚)「だから、沈めた。
     しぃを水に沈めて、俺の腹に包丁の刃を沈めて、これ以上は傷付けないようにしたかった」

( ^ω^)「……」

(,,゚Д゚)「一目惚れなんざ初めてだった、あんな目を見たのは、初めてだった。
     俺は…………ああ、悪ぃ、下らねぇ事ベラベラと」



206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/25(木) 00:06:58.52 ID:vLZM/8dRO

( ^ω^)「いえ……聞かせてくれて、有り難うございましたお」

(,,゚Д゚)「悪いな、こんな話で……いっそ蔑めよな、この変態がってよ」

( ^ω^)「そんな事言いませんお、言えませんお……じゃあ、僕は失礼しますお」

(,,゚Д゚)「ったく、逆につれぇよ……ああ、またな内藤」

( ^ω^)「はいですお」

(,,゚Д゚)「……なあ、内藤……もしかしたら俺は─────」



ある意味、弄ばれてたのかもな。



 彼は己の腹の傷跡を撫でながら、僕に背を向けて言いました。



209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/25(木) 00:08:43.69 ID:vLZM/8dRO


 言葉の途中でぱたん、とドアを閉めた僕は、閉じたドアに額を押し付けて項垂れます。

 彼は、ひどくひどく、純粋だったのかもしれない。

 それでも幸せそうに部屋の中をうろつく彼の姿を思い出して、僕は息を吐いて肩を落としました。




『いつつでたりず。』
おしまい。



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