( ^ω^)キミニヨバレテ、のようです

107: ◆1opJeO9WQk :2009/03/09(月) 21:19:54.46 ID:cQEgIQCs0

<エピローグ>

高く昇った太陽がちりちりと地上を焼く。
そんな中、蝉の鳴く声に、子供たちの声が混じり合う。

「お姉ちゃん、今日はどんなお話聞かせてくれるの?」

少年が尋ねると、赤い髪をした女性はギターを脇に置く。

「んー、空を飛んだ男の話はどうだ?」

「それは昨日聞いたよー」

子供たちは拗ねたように言う。
それを見て女性は少し悩み、再び口を開く。

「じゃ、じゃあさ、妖怪が住んでる茶屋の話は?」

「それも昨日聞いたー」

「まったく・・・、わがままだなー」



108: ◆1opJeO9WQk :2009/03/09(月) 21:21:27.47 ID:cQEgIQCs0

すると女性は手を叩き、子供たちの注目を集めた。

「これはまだ誰にも聞かせてない」

「どんなお話?」

「聞きたいか?」

女性はいやらしく笑う。
子供はため息をついて、「聞きたい」と一言を吐き出す。

どちらが子供か分からない。



109: ◆1opJeO9WQk :2009/03/09(月) 21:22:39.70 ID:cQEgIQCs0

これはとても変わったお話。

どこかの誰かの右腕。
知らない誰かの左腕。
記憶にない人の心臓。
話したこともない人の左足。
逢ったこともない人の右足。

それらを繋げて旅に出た男がいた。

そしてこの話は今も続いている――――。

「そのお話のタイトルは?」

目を輝かせる子供の中の一人が尋ねた。
風が吹き、女性の髪が揺れる。

从 ゚∀从「タイトル?タイトルは、そう――――」



112: ◆1opJeO9WQk :2009/03/09(月) 21:23:24.36 ID:cQEgIQCs0



「キミニヨバレテ」



114: ◆1opJeO9WQk :2009/03/09(月) 21:24:27.13 ID:cQEgIQCs0



( ^ω^)キミニヨバレテ、のようです  END



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