('A`)どうみても( ^ω^)はランプの魔神のようです
- 2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:42:37.96 ID:DNZafBoY0
- 昔あるところに独りの男がいました。
求めたのは死者を蘇らせる禁断の秘宝。
彼は領分を侵すものに降りかかるのは危災のみと思ってるらしいです。
('A`)「うわー! 吹きすさぶ風が砂を巻き上げて俺の行く手を阻むぜ!」
とか言いながらちゃっかり目的地に到着しました。
特に難所とかないです。
('A`)「これが魔法のランプか!」
洞窟の奥の方にあった台座に鎮座ましましていたランプ。
男は見つけるが早いかくすんだ色のランプをおもむろに擦りました。
モクモクと煙が立ち上がり、煙はやがて実態を伴います。
( ^ω^) おいすー
('A`)「ブーンじゃないか!」
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:45:37.28 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) ブーンじゃないですお
( ^ω^) ぼくの名前は西川
( ^ω^) 西川=サウンド=ホライズンですお
('A`)「なるほど。ブーンはそんなオサレな名前じゃない」
( ^ω^) 分かってもらえたようで何よりですお
('A`)「ランプの魔神! お前は願いを何でも叶えてくれるんだろう?」
( ^ω^) おっと、そんな仰々しい呼び方は好きじゃないお
( ^ω^) キャサリンか西川でいいですお
('A`)「気さくだなあ」
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:47:37.63 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) ところでどうやってこの場所を知ったんですかお? ここに人が来たのは100年ぶりらしいですよお
('A`)「そんな無理して『お』を付けなくても」
( ^ω^) 『お』が無ければ
( ^ω^) AA生命終わりだ……庶民ならな!お
('A`)m9「西川、お前は魔神だが庶民だ」
( ^ω^) にゃろめ
('A`)「えーと、で、ここを知った理由?」
( ^ω^) そうそうお
('A`)「無理やりすぎて脳が痒くなってきた」
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:49:37.34 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「ま、いいや」
('A`)「なんか旅の途中で、わりとこの近くの、ある町に行ったら変なおっさんが居て」
( ・∀・)『あっこにある洞窟に魔法のランプがあるから取って来て! 報酬弾むから!」
('A`)『魔法のランプ?』
( ・∀・)『願いが何でも叶う素晴らしい秘宝だ』
('A`)『ふーん、凄いね。帰っていいよ』
( ・∀・)『ファッキンジャップ!』
('A`)「で、色々あって、醤油一升くれたから承諾して、今に至る」
( ^ω^) 醤油一升かお
('A`)「ふるさとの味に餓えてます」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:51:46.18 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「でも俺、あのおっさんの頼みを聞く気はないんだ」
( ^ω^) ほうほうそれでそれで?
('A`)「西川には俺自身の願いを聞いてもらう。本当にお前に力があればな」
( ^ω^) ……おっさんから醤油貰ったのにですかお?
('A`)「へへ……知らねえな。証拠はもう全部飲んじまったよ」
( ^ω^) そういうの、嫌いじゃないお
( ^ω^) よろしい。あなたの願いを一つだけ叶えますお
('A`)「やったぜ加トちゃん!」
( ^ω^) ?
('A`)「ググれカス」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:53:28.63 ID:DNZafBoY0
- 唐突に場面転換が始まりまして、どうやら二人の女が砂漠を歩いているようです。
ラクダも連れていない軽装であり、とてもじゃありませんが砂漠に似つかわしい姿には見えません。
('、`*川「あの……シュー、ここ、どこ?」
lw´‐ _‐ノv「砂漠ですね。ほら、砂が普通のものと比べてさらさらしてる。うふふ、ふふ、素敵」
('、`*川「素敵じゃないわよ……。なんでこの私がこんなところに……」
lw´‐ _‐ノv「三行で説明しましょう」
lw´‐ _‐ノv「世は大後悔時代。あなたことちんコロンブスは新大陸を求めて船旅をしていたが嵐に遭いあえなく船は転覆」
lw´‐ _‐ノv「流れ着いた先で運良く一緒にいた薄幸の美少女召使であるこの私に背負われて今やあなたは砂漠のど真ん中」
lw´‐ _‐ノv「あなたが目覚めたのはつい先ほど。すでに砂漠に入って十数時間経ったのですよ。いつまで寝てるんだカス」
('、`*川「言いたいことは山ほどあるけど、私の名前はちんコロンブスじゃなくてペニサスだから」
('、`*川「あと主人は私なんだから様くれろ」
lw´‐ _‐ノv「これは失敬ペニ○ス様」
('、`*川「正直それは読めた」
lw´‐ _‐ノv「おちんちん様」
('、`*川「もうこの子といるの嫌だ」
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:56:01.01 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「くくく……いまさらそんなことを言っても無駄さ。この広大な砂漠に俺たち以外の人間が居る筈がねえ」
lw´‐ _‐ノv「こんなところにまで疑いなくほいほい来ちまって、たいしたメスブタだなお前さん。可愛がってやんよ」
lw´‐ _‐ノv「おやおやもう濡れてやがる。ここか? ほれほれ、ここがええのんか? ペニ○ス『ああ、堪忍して』」
('、`*川「奴隷が執拗に官能小説っぽいの朗読して同性セクハラかましてくるよう怖いよう」
lw´‐ _‐ノv「確かに今のは自分でも引いた。ごめんよ、ちんコロンブス略してちんコブス」
('、`*川「ちんこブス!? 誰か助けて……わりと本気で……」
lw´‐ _‐ノv「なあごめんって、許せって」
('、`*川「私は小学校の同級生じゃない!」
lw´‐ _‐ノv「私が許せって言ってんのに許さないなんて感じ悪くね?」
('、`*川「何様なのよあんた……」
lw´‐ _‐ノv「あ、8万ヤードくらい先に日除けに良さそうな洞窟っぽいのがある。ペニサス様行きますよ」
シューはペニサスの手を取り駆けだしました。
自慢の俊足を活かして、ペニサスを引きずる形で。
('、`*川「もうやだあばばばばばばばばばばばば」
後には砂煙が舞いました。砂煙は8万ヤードつまり約80km先を目指して爆進します。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:57:41.71 ID:DNZafBoY0
- 場面戻って男と魔神西川。
('A`)「さて、普通に願い事を言えばいいのか?」
( ^ω^) いや、僕の魔力は砂漠の強い太陽光の下でないと発揮されないですお
( ^ω^) だからランプごと持ち上げて運んで欲しいんだけどお……
('A`)「何か問題あるのか? 俺にはその不自然な『お』が問題に見えるぞ」
( ^ω^) 実はランプを取ると洞窟が崩れるんですお
('A`)「なるほど、ありがちだな。でも崩れるんだったら、どうやって一々外に出したランプを元に戻してるんだ?」
( ^ω^) 僕は新米だからにんともかんともわからんですお
('A`)「魔神って世代交代あるのか」
( ^ω^) 僕でだいたい103代目ですお
('A`)「これは超老舗のランプですね。魔力wktk」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 21:59:51.13 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) いいですかお? スッ持ち上げたらサッと走るんですお
('A`)「なるほど、スッでサッか。そういうの得意だよ。障害物競争みたいなもんだ」
( ^ω^) 準備はいいですかお。運動会の障害物競争では何位だった?
('A`)「ビリから二番目!」
男はランプをスッと持ち上げてサッと走りました。
ランプからは未だに西川がモクモクと姿を見せていますが、重さは感じません。
ですから走るのには何の支障もありません。
男は走り、走り、走り、入り口に辿り着きました。
特にピンチとかないです。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:02:15.09 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「ふう、無事に外に出られた」
( ^ω^) お疲れさまですお
('A`)「疲れた疲れた。ところでさ」
('A`)「洞窟っていつ崩壊するの?」
洞窟はまるで崩れる気配なく、そこにありました。
走り損というやつです。
( ^ω^) そのうち跡形もなく崩れ落ちますお
('A`)「そのうちっていつだよ!」
( ゚ ω゚ )カッ!
( ゚ ω゚ ) そのうちって言ったらそのうちだお!
( ゚ ω゚ ) あーあ! 今から崩壊しようと思ってたのにすぐそういうこと言うからやる気無くなっちゃったよ!
('A`)「ごめんね、母ちゃんよくわからなくてごめんね」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:04:39.45 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) すいませんお。取り乱しましたお
('A`)「そんな時は向精神薬を処方してもらってはいかがでしょうか?」
( ^ω^) オヤジ、リスパとジェイゾロフトをそれぞれ30ダースくれお
('A`)「お客さん飲み過ぎだよ……今日はもう店じまいだ。帰っとくれ」
( ^ω^) リスパとは! ジプレキサの前身にあたる抗精神病薬であるって今ググッたサイトに書いてあった
( ^ω^) 正式な商品名はリスパダール。下手に飲むと首が固まって動かなくなるので注意ってバイト先の先輩が言ってた
( ^ω^) ゾロフトはもう、なんかヤバイ。SSRI舐めてると痛い目見るって同じクラスのIさんが言ってた
( ^ω^) とにかく向精神薬は副作用がほんとにほんとに怖いお
( ^ω^) 遊びで飲んじゃダメ! 安易に人に勧めちゃダメ! ゼッタイ!
('A`)「しまじろうとのお約束だよ!」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:06:49.96 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) ところでそのIさんは向精神薬を嗜んでるのに40代のおっさんと付き合ってるんですお
( ^ω^) 年の差なんと20以上
('A`)「愛の形って様々だなあ」
( ^ω^) いやあ、そのおっさんとある会社の重役さんなんですお
('A`)「金持ちか! 金でIさんを釣ったのか!」
( ^ω^) 二人は金で繋がり爛れてあひんあひんですお
('A`)「愛の形って金で歪められるんだなあ。自由自在で天衣無縫じゃないか!」
( ^ω^) まあ全部嘘なんですけどね
('A`)「このやろう! 嘘をついたのか! 俺はカンカンに怒ったぞ!!」
(#'A`#)カンカン!
(;^ω^)ヤッベェオ…
(#'A`#)「西川! 外に出たんだから俺の願いを叶えてくれるんだな!?」
(;^ω^) も、もちろんですお! なんだって叶えますお! だからその顔やめてくださいお!
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:08:49.82 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「よろしい。許す」
( ^ω^) 許された。で、願いは何ですかお?
( ^ω^) 奇形じみた不細工面を少しは見れる顔にして欲しいんですかお?
( ^ω^) それとも、これから先間違いなく捨てる機会のない童貞を捨てさせて欲しいんですかお?
('A`)「なんという歯に衣着せぬ物言い。間違いなく俺は泣きそう」
( ^ω^) いっそ二次元の世界に入りたいんですかお?
( ^ω^) まあでも、二次元に入っても脇役Aがいいところでしょうおwwwwwwwww
( ^ω^) なんかこう、主人公がヒロインと良い思いしてるのを尻目に
( ^ω^) 一人だけ悲惨な目にあってるギャグキャラみたいな
( ^ω^) そういうの
('A`)「笑い男とツンデレ娘がきゃっきゃうふふしてるのを尻目にksms設定のしょぼくれ男に襲われるんですね。わかります」
( ^ω^) どうしてもというなら肛門括約筋だけがものをいう世界へ御招待しますお
('A`)「そんな世紀末的世界は嫌だ」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:10:23.55 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) じゃあ何がいいんですか。TENGAでもあげましょうかお?
('A`)「性的なものから離れてくれ。あとTENGAはダースで持ってるからいらない」
( ^ω^) ホール型もありますお?
('A`)「実家にあるからいらない」
( ^ω^) お役に立てなくて残念ですお。それでは
('A`)「ちょ、待てよ。お前は性的な願いしか叶える気がないのか」
( ^ω^) あなたに性的な願い以外があるとは思えませんお
('A`)「偏見だ。訴えるぞ」
( ^ω^) はわわ、司法には敵わん。全面的に私が悪かったと謝罪したいと思いますお
('A`)「許す」
( ^ω^) 許された
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:12:33.16 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「じゃあ願いを言うぞ」
( ^ω^) あ、願いを言う時は僕の手を強く握ってくださいお
('A`)「こうか?」
( ^ω^)つ⊂('A`) ギュッ
( ^ω^) そのまま心で強く願ってくださいお。言葉に出しても構いませんお
( ^ω^) さすれば汝の願いは叶うであろうですお
('A`)「よし、俺の願いは(´・ω・`)「日本人を皆殺しにしてください! 虐殺です!!」
( ^ω^) なんという狂気に満ちた願い……おらわくわくしてきたぞ
('A`)「違う、俺じゃないぞ! 誰だ!?」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:14:37.82 ID:DNZafBoY0
- (´・ω・`)「ククク……分をわきまえるんだな。ランプの魔神に願いを叶えてもらうのはお前じゃなくて……」
(´・ω・`)「この……あ、申し遅れました。ショボンって言います。気軽にマルコ・ポーロって呼んでね」
('A`)「これはこれはご丁寧にどうも」
( ^ω^) 僕の名前は西川=サウンド=ホライズンですお
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:16:09.32 ID:DNZafBoY0
- (#'A`#)「そんなことより人が願ってる最中にこのやろう! 西川、日本人は皆殺しにされたのか!?」
( ^ω^) 願う本人が僕の手を握ってないと願いは無効ですお。それに叶ってたらあなたも死んでますお
('A`)「じゃあいいや」
(´・ω・`)「何だと!? ではお前も野蛮人の仲間か?」
('A`)「野蛮人とは何だコノヤロー。俺は生粋の日本人だぜ」
(;´・ω・`)「きゃああああ! 日本人だ!」
(;´・ω・`)「く、来るな! こ……殺せ! 誰かこいつを殺せーーっ!」
(;´・ω・`)「嫌だ! 逝きたくない!! うわーーーッ! 死にたくない!! 逝きたくッ……」
( ^ω^) ああみえてけっこう楽しそうですお
('A`)「All humans will, without exception, eventually die. 人間は、いつか必ず死ぬ」
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:18:02.26 ID:DNZafBoY0
- (´・ω・`)「日本人だ! 日本人だ! 日本人だ!」
('A`)「うるさいなあ。どうにかしてくれ」
( ^ω^) ショボン。西川の手を握るお。落ち着く手だお
(´・ω・`)「……」
(´-ω-`)「すまねえ……!」
(´-ω-`)(手汗でぬるぬるしてて凄い気分悪い)
(´・ω・`)「!」
(´・ω・`)「今願い事を言えば叶うんじゃないか!?」
('A`)「残念それは私の手だ」
(´・ω・`)ショボーン
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:20:32.86 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「ショボンとやら、何故そんなに日本人を憎むんだ?」
(´・ω・`)「奴らが野蛮人だからさ。モンゴルの皇帝ギコ……俺は気軽にフビライ・カーンと呼んでいたが、奴が言ってた」
(´・ω・`)「ジパング、つまり日本は、カタイ(中国大陸)の東の海上1500マイルに浮かぶ独立した島国で」
(´・ω・`)「莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている」
(´・ω・`)「そして何といっても、そこに住む奴らには人肉を食べる習慣がある!」
(´・ω・`)「同胞の肉を食うなんて野蛮人だ! そんな奴らが黄金を持ってるなんて虫唾が走る! 日本人を虐殺すべきだ!」
(´・ω・`)「だから俺はランプの魔神にそれを願いにきた。どうせお前も俺の肉を喰いたいと思ってるんだろう!?」
('A`)「あたし日本人だけど基本焼き魚しか食べない? みたいな」
('A`)「今月もマジ金欠だし。今日も醤油しか飲んでないし。みたいな」
('A`)「っていうか、余所もんの偏見でウチらのこと誤解されても迷惑だし。みたいな」
(´・ω・`)「そんな……俺は今まで誤解していたのか!?」
('A`)「これが私たちのリアル(笑)」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:23:05.95 ID:DNZafBoY0
- (´・ω・`)「くそっ! 俺は騙されないぞ! 日本人は常に笑みを顔に張り付けてやがるが」
(´・ω・`)「腹じゃ何考えてるか分からねえファッキンな生き物だって聞いてるぜ!?」
('∀`)+ ニコヤカ
(*´・ω・`)ドキッ……
(*´・ω・`)「あたい……もう一度人を信じてみようかな・・・・・・」
(*´・ω・`)モジモジ
( ^ω^) この旅行家、陥落ちたッ!
(´・ω・`)「ショボンが仲間にして欲しそうな目で見ている。仲間にしますか?」
('A`)「だがNON!」
(´・ω・`)「だが断るのを断る。ショボンが仲間になった!」
('A`)「トホホだじょ〜」
lw´‐ _‐ノv「話は済んだかね?」
('A`)「あ、はい一応」
(´・ω・`)「え、誰?」
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 22:25:12.12 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「ああ、私はこういう者……しまったな、名刺切らしてる。代わりにこれあげる」
('A`)「え、何これ」
(´・ω・`)「米……粒……?」
( ^ω^) 『lw´‐ _‐ノv美少女召使シューにゃんのようです』って書いてありますお
lw´‐ _‐ノv「よく読めたな。正直引くわ」
(´・ω・`)「米粒に書けた事実と内容に引くわ」
('A`)「召使なのか。まさかとは思うけど、そのボロ雑巾が主人じゃないよね?」
lw´‐ _‐ノv「ボロ雑巾?」
( q *川「コロセーイッソコロセー」
lw´‐ _‐ノv「……」
('A`)「……」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^) ……
lw´‐ _‐ノv「これ……何だっけ?」
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:00:06.55 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) 聞かれても困りますおー
('A`)「一見80キロ程砂漠を引きずられて来た人にも見えるけど、ボロ雑巾だろ常考」
(´・ω・`)「高そうな服着てやがる。身ぐるみ剥いじまおうか」
lw´‐ _‐ノv「おk」
('、`*川「『おk』じゃないでしょう常識的に考えて……」
( ^ω^) あ、起きましたお
('A`)「最近の雑巾は自動で動くのか」
('、`*川 「雑巾じゃなくて私はこの子の主人のペニ……」
lw´‐ _‐ノv「寝てろ」
シューのいい感じのストレートがペニサスの腹に突き刺さりました。
多分、秘孔とか突いてます。
(゚、゚*川「えごふ!」
ペニサスは寝ました。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:02:10.07 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「こやつできる」
lw´‐ _‐ノv「あ……」
(´・ω・`)「どうした?」
( ^ω^) トイレなら洞窟の中にありますお
lw´‐ _‐ノv「思いだした。この人私の主人のペニサス様だった」
('A`)「……」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^) ……
lw´‐ _‐ノv「……」
( q *川「ヒュー、ヒュー」
('A`)「虫の息のこれが?」
lw´‐ _‐ノv「うん」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:04:13.88 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「事情をクヤシク」
lw´‐ _‐ノv「私たちは……いいえ、ペニ○ス様ことちんコロンブスは、新大陸を求めて船で旅をしていました」
('A`)「ショボンと似たようなもんか?」
(´・ω・`)「今や時代は大後悔時代だからね。船で知らない大陸に行くのは一種のステータスだよ」
( ^ω^) でも女性が冒険だなんて珍しいことなんじゃないですかお?
lw´‐ _‐ノv「そうかも知れませんが、しかし『誰でも西に行けば陸地にぶつかる』がちんこブスの口癖でした」
lw´‐ _‐ノv「この考え方は『おちんちんの卵』と呼ばれ、大流行りしました。これにはポルトガル人も大苦笑」
('A`)「なんという男性器。ジョアン二世っぽい人も援助を拒むほどの」
lw´‐ _‐ノv「そしてちんこブスが『カリバ』と呼ばれる食人種族の住む西インド諸島に辿り着こうとした間際」
(#´・ω・`)「食人種族!? よし、殺せ!!」
(#'A`#)「黙るんだ」
(´・ω・`)ショボボボーン
lw´‐ _‐ノv「哀れちんこは嵐に遭い船は沈没。私ことシューにゃんの助けを借りて、今に至ると言うわけです」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:06:26.42 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「ところで、君たちの話は聞かせてもらった。そこにいる西川はランプの魔神だそうだな」
( ^ω^) Yes I am!
lw´‐ _‐ノv「ランプの魔神は願いを叶えてくれる。それに間違いはないな?」
( ^ω^) Exactly(そのとおりでございます)
lw´‐ _‐ノv「本当なら君の力を見せてほしい」
( ^ω^) UUURRRRYYYYYYYYYYYYYY!
lw´‐ _‐ノv「日本語で……」
lw´゚д゚ ノv「!」
lw´‐ _‐ノv「今さらながら私たちは何語で話しているんだ」
('A`)「気にしたら負けだ。ここで起こる全てにおいてそう言える」
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:08:10.84 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「このランプの所有権は誰に?」
(´・ω・`)「そっちの日本人だ。人は喰わないナイスガイさ」
('A`)+「どうもナイスガイです」
lw´‐ _‐ノv「ナイスガイどこにも見当たらねえ。頼む、ランプを譲ってはくれないかね?」
(゚A゚)「お断りします」
lw´‐ _‐ノv「そこを何とか……私のことはどうでもいいんだ。でもそこで寝ているちんこブスを助けてやってほしいんだ」
('A`)「事情が変わった。構わん。続けろ」
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:10:04.06 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「見て分かると思うが、私たちは遭難中だ。正直、本国に生きて帰ることが出来るかすらわからない」
lw´‐ _‐ノv「けれどこのちんこブスは本国に帰してあげて欲しい。彼女の冒険の成果は本国の発展に必要なもの」
lw´‐ _‐ノv「うちの主人は、こんな砂漠で朽ちて良い人間じゃないんだ。どうか、ランプを譲ってくれないか?」
(´・ω・`)「なるほどね。ランプの魔法で主人を本国に送り返したいと」
lw´‐ _‐ノv「せめて砂漠だけでも脱出できれば」
(´・ω・`)「だってさ。どうする?」
('A`)「……」
('A`)「駄目だね」
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:12:09.34 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「ふむ……」
lw( _ _)ノv スッ…
lw( _ _)ノv「頼む。この通りだ」
(´・ω・`)「地面に頭を擦りつけて……まさかそこまでするなんて……」
( ^ω^) 僕はあなたにお任せしますお
('A`)「いや……その……」
lw( _ _)ノv「頼む、いや、お願いします!」
('A`)「だからさあ」
('A`)「三点倒立とかされても、困る」
lw´‐ _‐ノv「駄目か」
('A`)「ああ、駄目さ」
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:14:04.15 ID:DNZafBoY0
- lw´#‐ _‐ノv「鬼! 悪魔! 鬼畜! 童貞! 包茎! 陰金! 淋病! 色白! ガリ! 変な柄のシャツ!」
lw´#‐ _‐ノv「勃起不全! 寝ぐせ! 香水はファブリーズ! メンヘラ! 金欠! 風俗通い! 金融会社!」
lw´#‐ _‐ノv「ディフェンスに定評がある! ……ならなんとかしてくれる! 天才ですから! 〜だピョン!」
(;´・ω・`)「なんて罵倒の嵐なんだ……」
(;^ω^) 恐ろしいですお……
('A`)「いや、あの」
('A`)「俺たちが帰る時にでも近くの町まで連れてけば良くね?」
(´・ω・`)「鬼才あらわる!」
( ^ω^) みwなwぎwっwてwきwたw
lw´‐ _‐ノv「VIP始まったな」
( q *川「……」
( q *川「ナントイウ……」
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:16:11.68 ID:DNZafBoY0
- lw´‐ _‐ノv「わるくち言ってごめんねごめんね」
('A`)「許す」
lw´‐ _‐ノv「許された」
( q *川「ゴエエエ」
(´・ω・`)「おい、主人の方が仲間になりたいって呻き声を上げてるぞ!」
( q *川「ゴエエエエエエエ」
普通に瀕死でした。
( ^ω^) 仲間にしますかお?
('A`)ニア はい
lw´‐ _‐ノv「主人と召使が仲間になった!」
( q *川「ナンダコノシステmゴエエエエエエエエエエ……ガハッ」
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:18:11.42 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「さてこれで滞りなく俺の願いが( ・∀・)「ちょっと待った―」
('A`)「はいはい。パターンパターン」
lw´‐ _‐ノv「誰だっ! ストリーキングか!?」
(´・ω・`)「懐かしいな。よくやったもんだ」
( ・∀・)「その魔法のランプは私のものだ!」
( ^ω^) いやっ! 触らないで! のび太さんのえっち!
男はいきなり現われたおっさんにランプを奪われたみたいです。
('A`)「うわー面倒くせー。おっさんマジ面倒くせーよ」
( ・∀・)「君が約束を守らないのが悪いんじゃないか!」
( q *川「セイロンダナア」
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:20:12.52 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「依頼したのはいいものの、待てど暮らせど帰って来やしない! もうおっちゃん待ちくたびれたよ!」
( ・∀・)「醤油返せ!」
('A`)「もう全部飲んだ!」
( ・∀・)「なら、しょうがないな」
(´・ω・`)「うん、しょうがない」
lw´‐ _‐ノv「しょうがないなあ」
( ^ω^) しょうがないですお
( q *川「コイツrゴエエエ……」
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:22:17.14 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「それはそれとして、君たちを生かして返すわけにはいかない!」
( ・∀・)「何故なら私は悪役だから! 来いツムラ!」
(´・ω・`)「ツムラ?」
('A`)「臓物をぶち撒ける女子高生?」
lw´‐ _‐ノv「漢方薬かもしれん」
( ・∀・)「君たちを始末するために雇った殺し屋だ! 早く来いツムラ!」
ゆらりと音もなく女性が現れました。
(゚、゚トソン ババァーン!
折角音もなく現れたのに効果音で台無しでした。
それはそれとして。
(゚、゚トソン「都村←トソンと読む」
( ・∀・)「諸君、今衝撃の事実が発覚した!」
(゚、゚トソン「つまりトソントソンです」
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:24:08.11 ID:DNZafBoY0
- (´・ω・`)「あれはロシアの誇る最高の殺し屋トソン……!」
lw´‐ _‐ノv「彼女は残忍な手口で対象をなぶり殺しにするという……」
('A`)「なんということだ! ロシヤの殺し屋おそろしや!!」
( q *川「ヒエー」
( ^ω^) そんな凄い人どうやって雇ったんですかお?
( ・∀・)「ウォッカ一瓶で」
( q *川「ヤッス」
(゚、゚トソン「ふるさとの味に餓えてます」
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:26:06.01 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「トソン! あんたは何故殺し屋だなんて最低の仕事をしているんだ!」
(#´・ω・`)「そうだ! 同胞を食うよりはマシだがな!」
(#'A`#)「話の腰を折るな」
(´・ω・`)ショボン・ショボボン・ショボボボーボボーボン
(゚、゚トソン「何故……ですか」
(゚、゚トソン「そうですね。殺す前に少しお話しておきましょうか」
(゚、゚トソン「さぁ、皆さま。お手元にハンケチなどをご用意くださいませ」
(゚、゚トソン「今からお聞かせするのは私の半生。貧しい生い立ちで幕を開ける、涙涙の物語でございます」
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:28:04.91 ID:DNZafBoY0
- (゚、゚トソン「砂漠は日差しが強うございますね。あの太陽のように強く強く燃える暖炉が、かつての私の家にもございました」
(゚、゚トソン「ですが、貧乏な我が家にはそれを燃やすための薪が、手に入りません」
(゚、゚トソン「弟たちはいつだって動き回っていました。空腹でしたが、そうでもしないと凍えてしまうから」
(゚、゚トソン「それから……」
(´・ω・`)「王様だーれだ!」
( q *川「ワタシ」
lw´‐ _‐ノv「なーんだ、ちんこブスか」
( q #川「2バント5バンノヒト シューヲ コロシテ」
( ^ω^) 殺人依頼 ktkr!
('A`)「通報しました」
( ・∀・)「痛風しました」
(゚、゚トソン「王様ゲームしとる」
(゚、゚トソン「穴があったら全員埋めてやりたい」
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:29:47.68 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「あ、終わった?」
(゚、゚トソン「あなたにだけは王様ゲームに参加していてほしくなかったです」
( ・∀・)「終わった?」
(゚、゚トソン「……」
( ・∀・)「ねぇ、終わった?」
(゚、゚トソン「……はい」
( ・∀・)「よし、私はランプ持って逃げるから後は任せたぞ!」
('A`)「あのおっさんかなりウザいな」
(´・ω・`)「ちょっとアレはないよなー」
( q *川「ドッチモドッチジャネ」
lw´‐ _‐ノv「オマエモナー」
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:31:28.69 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「ではさらばだ! 私は願いを叶えてくるぞ!」
ランプを手に持ち、おっさんは洞窟の方へと走り出しました。
( ^ω^) 助けてくれー
魔神の悲痛な叫びが響きました。
('A`)「あいつ何で洞窟の方へ……?」
(´・ω・`)「日光の下じゃないと願いがかなわないのを知らないんじゃない?」
lw´‐ _‐ノv「それで元あった場所で叶えようとしてるとか」
('A`)「なるほど。ご都合主義的展開の一端ですね」
( q *川「ソウトモイウ」
(゚、゚トソン「さて、あなた方はここで皆殺しです。お覚悟はよろしいですか?」
('A`)「良いわけねーだろ地味キャラ。学○都市に出てるからって調子こくな」
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:32:50.27 ID:DNZafBoY0
- (´・ω・`)「先に洞窟に行け。日本人」
('A`)「ショボン、いいのか?」
lw´‐ _‐ノv「早く行きなよ」
('A`)「シュー……」
( q *川「ゴエエ」
lw´‐ _‐ノv「ペニサス様持ってく?」
('A`)「心底いらねえ」
( q *川「シツレイナ」
('A`)「じゃあ後は頼んだ!」
男は洞窟に向かって走り出しました。
ランプの魔神を取り戻すために。
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:34:34.11 ID:DNZafBoY0
- 後に残った連中はどいつもこいつも殺気立っています。
実を言うと旅行家のショボンも召使のシューも常人ならざる体術の持ち主でした。
それこそロシアの殺し屋にもひけを取りません。
冒険家のペニサスはなんかダメです。
なのでペニサスを除いた3人による激しい厨バトルが行われようとしています。
が、この後の場面は男の視点で展開していくのでその模様をお伝えすることはできません。
殴ったりバックステップしたり邪気眼に目覚めたりエク○ードしたり(砂漠ですし)するかもしれませんが、
それらは割愛するより他ありません。
('A`)「くそ、どこだ……おっさん出てこい!」
男は奥の方にある台座にまで辿り着いていました。
それにしても。
おっさんもこんなところまで来れるなら最初から自分で取りにくればいいと思います。
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:35:50.66 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「あれれ〜トソンは?」
('A`)「おっさんいたー。もう! 探したんだから!」
( ・∀・)「べ、別に探してほしくなんかなかったんだからねっ!」
('A`)「西川をどこへやったんだ?」
( ・∀・)「西川? ああ、ランプの魔神のことか。隠したよ。君が来たからね」
( ・∀・)「どうやら日の光の下じゃないと願いは叶わないらしいね」
( ・∀・)「トソンが他の連中をぶっ殺した頃を見計らって悠々出ていくことにしたよ!」
('A`)「……他の人間を殺してまで叶えたい願いってのはなんなんだ?」
( ・∀・)「簡単なことさ。ランプの魔神に神にしてもらうんだ」
( ・∀・)「私は新世界の神になる!」
- 70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:37:08.93 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「宗教ってあるだろう?」
('A`)「ああ、色々あるけどな」
( ・∀・)「あれハマると凄いよな。信者何万人でそいつらの殆どが宗教原理に則って生きている」
( ・∀・)「ところで君は食人を悪だと思うかい?」
('A`)「そりゃあ悪いことだろうとは思うよ。それに不味いらしいから食おうとも思わない」
( ・∀・)「じゃあ仮に君が人の肉がフィレステーキのように感じられる舌を持っているとしたら?」
('A`)「……」
('A`)「それでも無理だ。人は食えない」
( ・∀・)「それが自己だ。ならば、旨ければ食うと言う人をどう思う?」
('A`)「正直、怖い。そんな人間がいるとは思いたくないな」
( ・∀・)「それが他者だ。人間とは他者の異質さを理解しようせずに自己の基準のみで判断する生き物なんだ」
( ・∀・)「その基準となる一つが、宗教だ。私は他者を自己の基準で規定したい」
- 72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:38:33.08 ID:DNZafBoY0
- ( ・∀・)「宗教を起こすんだ。私が神となって、私にとって住みよい世界を作る」
( ・∀・)「私の基準が他の者の基準なのだから、面倒くさいことも起こらない」
( ・∀・)「宗教にはエピソードが必要だ。仏陀然り、キリスト然り」
( ・∀・)「そのための神話を、ランプの魔神に作ってもらう」
( ・∀・)「それが私の願いだ!」
('A`)「ふーん、凄いね。帰っていいよ」
( ・∀・)「何だと!」
('A`)「で、どんな世界を作るの? おおっぴらに人が食える世界?」
( ・∀・)「あれは例だ。私だって人は食べたくない」
( ・∀・)「とにかく、私にとって住み心地のいい世界だ!」
('A`)「ほほう」
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:40:09.37 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「それ、どうやったら出来るの?」
( ・∀・)「さあな。でも何とかなるだろうさ。神にさえなれば」
('A`)「無理だと思うなあ。おっさんの考えにはビジョンがないよ」
('A`)「こうしたいから、こうする。それが正しい在り方だと思うけど」
('A`)「おっさんの場合はこうしたい、しかないじゃないか」
( ・∀・)「だからランプの魔神を使って……」
('A`)「その後だよ。俺は無理だと思うな。どんなに立派な神話を貰っても、ビジョンがないおっさんじゃ無理だ」
( ・∀・)「言わせておけば……!」
その時でした。なんと洞窟が大きく揺れ始めたのです。
最初の方で西川が「そのうち」と言っていましたが、その「そのうち」の崩壊がやってきたのです。
つまり御都合主義的展開です。
立っていられないほどの大きな揺れが二人を襲います。
大きな岩が、二人に落ちてきます。
やがて頭に岩をぶつけた男は、意識を失いました。
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:41:44.00 ID:DNZafBoY0
- そこで俺は目を覚ました。辺りは薄暗く、冷ややかだ。笑い顔を崩さない小太りの男が俺を見ている。
身動きが取れない。俺は椅子に座らされていて、縛られているみたいだ。笑い顔の男は言う。「簡単な
ゲームをしよう。ここに爆弾がある。赤と青の導線のついたシンプルなものだ。もちろん、正しく切れ
ば爆発はしない。君は助かる。その代わり不正解ならば勿論爆発だ。さあ、赤と青どちらを切って欲し
い?」俺は青を選んだ。身動きの取れない俺に代わって男が導線を切った。爆発はしなかった。「おめ
でとう。君は助かった」俺は安堵のため息をついた。「気が変わった。やっぱり死ね」男は金槌を俺の
頭めがけて振り落ろした。何度も何度も振り落ろした。金槌が血に塗れた。俺は死んだ。
そこで俺は目を覚ました。辺りは薄暗く、冷ややかだ。笑い顔を崩さない小太りの男が俺を見ている。
身動きが取れない。俺は椅子に座らされていて、縛られているみたいだ。笑い顔の男は言う。「簡単な
ゲームをしよう。ここに毒薬の入ったコップがある。ただしコップは二つあって片方にしか毒は入って
いない。毒入りを選べば君は死ぬが、回避出来れば君は助かる。さあ、右と左のコップどちらが飲みた
い?」俺は右を選んだ。身動きの取れない俺に代わって男が俺の口にコップを運んだ。特に味はなかっ
た。「おめでとう。君は助かった」俺は安堵のため息をついた。「気が変わった。やっぱり死ね」男は
金槌を俺の頭めがけて振り落ろした。何度も何度も振り落ろした。金槌が血に塗れた。俺は死んだ。
- 75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:43:08.83 ID:DNZafBoY0
- そこで男は目を覚ましました。
辺りは薄暗いですが、表の熱気が中にまで入って来るような、心地よい温かさがありました。
( ^ω^) お、目が覚めましたかお?
('A`)「変な夢を見たよ」
( ^ω^) どんな夢を見たんですかお?
('A`)「きっとこことは関係ない、よく分からない世界で、お前によく似た男に何度も殺される夢」
( ^ω^) おっおっお
( ^ω^) 殺される夢は、つまり生まれ変わる夢らしいですお
('A`)「俺もそれ聞いたことある。悪い夢じゃないってな」
('A`)「俺はどれだけ寝てた?」
( ^ω^) 寝てたのはほんの少しの間だけですお
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:44:29.65 ID:DNZafBoY0
- ('A`)「おっさんは?」
( ^ω^) 僕がランプの外に出た時はいませんでしたお。もしかしたら岩の下敷きに……
('A`)「……そうか」
('A`)「ここいらはまだ大丈夫なのか?」
( ^ω^) しばらくは平気だと思いますお
('A`)「じゃあ、今、俺の願いを聞いてくれないか?」
( ^ω^) いやいや、日の光の下じゃないと、願いは叶えられませんお
('A`)「いいんだ。聞いてくれ」
('A`)「ランプの魔神。俺の唯一の友達のブーンを、蘇らせてくれ」
- 80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:45:50.26 ID:DNZafBoY0
- 日本にいたころ、男はひどい生活を送っていました。
そもそも、ろくに学はなく、その日暮らしのケチな仕事をしては糊口をしのぐ生活でした。
男はひどく不器用な男でした。人力をひいては、乗り心地が悪いと罵られ、接客をすれば愛想がねえと店主にいびられる毎日。
男はその日暮らしですが何とか生きていました。
けれどそれは生きているだけでした。人と交わらず、何の楽しみも見出せない生活は男にとって苦痛でしかありませんでした。
ある日のことです。男はその日限りという約束で何とか人力車の車夫の口を見つけました。
人力車は重く、乗る人は乗り心地に関してひどく繊細です。けれど、仕事が見つかっただけ良かったと男は思いました。
その日もやはり客にどやされ、他の車夫からは白い目で見られました。
けれど、一人だけ男のことを悪い風に見ず、自分も始めはああだったおと呟く男がいました。
それが、自称横浜県で一番早い人力車「ブンブン丸」の車夫、ブーンでした。
ブーンは男に人力車の扱い方を仕込もうとしました。が、男は今日限りだからと辞去します。
すると、ブーンは親方に自分が二人分働くから彼を正式に雇って欲しいおと頼みこみました。
親方はそういう浪花節に弱い方で、あっさりそれを認めました。
男はブーンに感謝し、さらにブーンは男に人力車の扱い方を教えました。
男が人並みに人力をひけるようになった頃には、二人は無二の親友になっていました。
しばらくの間、男はそこそこ幸せに過ごしました。
相変わらずブーン以外の人間とは交われない生活でしたが、男はそこそこ満足でした。
そして数年後、とんでもないことが起こり、ブーンが帰らぬ人となりました。
男は願いが叶うと言う秘法を求めて、世界を密航とかしながら回ることにしました。
- 81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:47:38.70 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) 友達……ブーンさんは死んだんですかお?
('A`)「ああ、死んだ。唯一の友達なんだ。俺は寂しくてたまらない」
('A`)「蘇らせてもらえないか?」
( ^ω^) ……残念ながら、死者を蘇らせることはできませんお
( ^ω^) なんでも叶えるって言ったのに、嘘ついてごめんなさいお
('A`)「ははは……」
('A`)「分かってたんだよ。いや、願いが叶わないってことじゃない。そんなことをしても意味がないって」
('A`)「俺にもビジョンがないんだよ。ブーンが蘇っても、俺は変われない」
- 82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:49:05.96 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) ……
('A`)「……」
( ^ω^) あの
('A`)「ん?」
( ^ω^) 今さらですけど、僕、あなたの名前を聞いてませんでしたお
('A`)「名前? 独りに男と書いてドクオだよ」
( ^ω^) なるほど。ドクオさん
('A`)「何だよ」
( ^ω^)「手を、出してもらえませんかお?」
('A`)「……」
⊂('A`)「ほい」
( ^ω^)つ⊂('A`) ギュッ
- 83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:50:23.71 ID:DNZafBoY0
- ( ^ω^) えーと
( ^ω^) 僕の名前は西川=サウンド=ホライズンですお
( ^ω^) キャサリンか西川って呼んで欲しいですお
( ^ω^) ええと、なんといいますか
( ^ω^) ドクオさん
( ^ω^) あなたの友達ですお
('A`)「……」
('A`)「はは」
('A`)「まるで魔法みたいだな。また俺に友達ができるなんて」
( ^ω^) 日の光がなくても魔法は使えますお
( ^ω^) 男はいつだって魔法使いなんだって、先代から教わりましたお
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:52:17.83 ID:DNZafBoY0
- その時がらんがらんと岩が砕ける音がして、ぽっかりと大きな穴が空きました。
穴をあけた張本人の3人は手をつないでいる二人の姿を不思議そうに見ています。
(´・ω・`)「何やってるんだ。迎えに来たよ」
lw´‐ _‐ノv「まったく、待たせよってからに」
( q *川「ハヨセーヨ」
('A`)「三人とも……びっくりするほど無事だな。トソンは?」
(´・ω・`)「ああ、彼女なら表でノびてる」
lw´‐ _‐ノv「ここに来る前にウォッカ一瓶丸呑みしたらしいよ」
(´・ω・`)「それで激しく動いたからアルコールがまわって、急性アルコール中毒で勝手に気絶した」
( q *川「ショボン ノ モッテタ ミズ ヲ アゲタヨ」
('A`)「ウォッカ一瓶呑むとかありえねえだろ」
( q *川「ショウユモナー」
(´・ω・`)「日本人、願いはかなえたのか?」
('A`)「いや、願いはもういいんだ」
( ^ω^) ですお
- 88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:53:18.94 ID:DNZafBoY0
- 三人は考えるよう黙りこみました。
しばらくの後、三人はドクオの顔を見てにっこりと笑いました。
(´・ω・`)「じゃあ、行こうか」
('A`)「おう。まずは近くの町に二人を」
('A`)「ってショボン、お前も来るのかよ」
(´・ω・`)「当たり前。俺たちは仲間だろ」
('A`)「……」
( ^ω^) ……
ドクオはランプごと西川をひょいと持ち上げ、ランプを腰から下げました。
( ^ω^) ?
('A`)「お前も来るだろ?」
( ^ω^) おっおっおっ
- 90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:54:34.53 ID:DNZafBoY0
- さらさらとした砂漠を踏みしめながら4人と魔神は歩きます。
西川はドクオの腰のランプからモクモクと身体が出ていて、
ペニサスはシューに手を引かれてずるずる引きずられてはいるのですけど。
( q *川「ネー マジンノ ネガイ ツカワナインナラ ワタシノ タイチョウ バンゼンニ シテッテ タノンデモイイ?」
lw´‐ _‐ノv「駄目だね。全然駄目だね」
( q #川「キィー」
(´・ω・`)「ところでこの後どうするの?」
('A`)「そうだなあ。もう日本に帰ってもいいけど、もうちょっとぶらついてもいいし」
(´・ω・`)「ふーん、ジパングか。実際の日本人の生活をちゃんと見るってのも悪くないな」
lw´‐ _‐ノv「その前に本国に来たまえ。ちんこブスがきっともてなしてくれるであろう」
( q *川「カマワナイケド カエッタラ シューニハ バツヲ アタエル カラナ」
('A`)「それもいいなあ。どうしようかな」
( ^ω^) 夢が広がりますおー
- 92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/10/17(金) 23:55:14.60 ID:DNZafBoY0
- ドクオたちの世界とは関係ない世界のマルコ・ポーロは今で言えばイタリアの商人です。
そのイタリアのあるお話は「めでたしめでたし」の代わりにこう締めくくられます。
「そして二人はいつまでも幸せに暮らした。なのに私にはなにもくれなかった」
入試には出ません。
新米の西川は知らないことでしたが、崩壊した洞窟は十年後には魔法の力で元に戻ります。
かつてと違うのは、魔法のランプがないと言う事だけ。
けれどきっと、このずっと後にもう一度そこにランプが置かれることになります。
ドクオは外へランプを持ち出しました。
きっと辛いことも苦しいこともあるでしょう。
なんてったって、彼が持っているのは誰もが欲しがる魔法のランプなのですから。
けれどその辛さは、苦しさは、ほんのひと時のものです。
何故ならドクオには友達も仲間もいて、きっとそれを乗り越えられるから。
その度に、辛さや苦しさの何倍もの幸福を、間違いなく彼は得るでしょう。
ドクオは人間だから、年を取ります。
若いころのような無茶はできなくなります。
その時に、自分を幸せな冒険へ導いてくれたランプを、次の世代へ渡そうと思ったら。
きっと洞窟の奥の方の台座に、魔法のランプをそっと置くのでしょう。
自分の幸せを、他の誰かにも経験してもらうために。
その時ようやくお話は「めでたしめでたし」となるでしょう。
それではさようなら。またいつかお会いしましょう。
閉幕
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