( ΦωΦ)おばけとかのようです

8: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:23:17.04 ID:XKS52keUO

( ^ω^)「また明日おー」

('A`)「またなー」

( ΦωΦ)「うむ」

( ^ω^)「お? そういや今日はエクスト達は居ないのかお?」

( ΦωΦ)「うむ、妹者のお守りのため留守番である」

('A`)「つーか、帰らないのか? 杉浦」

(ΦωΦ )「今日は日直なのでな、遅くなりそうである」

( ・∀・)「杉浦ー、はい日誌」

( ΦωΦ)「む、すまんなモララー」

( ・∀・)「手伝う事ある?」

( ΦωΦ)「いや、問題ない。また明日な」

( ^ω^)「お、頑張れおー!」

('A`)「じゃなー」

( ・∀・)「また明日」



10: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:25:07.35 ID:XKS52keUO

( ΦωΦ)「ふー……」

( ΦωΦ)「人数多いと場がごった返しになるな」

( ΦωΦ)「これ以上増えんようにせねば……」


 我輩は杉浦ロマネスク、健全健康な高二男子である。
 最近の悩みはおばけや妖怪が我が家に居座っている事、そしてかさむ食費である。

 今日はおばけのエクストも一反木綿の鈴木もゆきんこの妹者も居ない。
 一度妹者を学校につれてきたら、周りから可愛いけど寒いと大変不評であった。
 故にそれ以来、エクストと鈴木には妹者のお守りと留守番を任せている。


 おばけと妖怪に妖怪のお守り任せるとか、我輩も慣れたなあちくしょう。



 ( ΦωΦ)おばけとかのようです サードインパクト



11: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:27:11.84 ID:XKS52keUO

 日直としての仕事が終わり、自分で編んだ黒いマフラーと手袋を身に付ける。
 鞄を背負った我輩は、ふと窓に目を向けた。

 寒くなった十一月、陽が落ちるのが早い。もうすっかり暗くなった外の世界。
 窓に近寄り空を見上げれば、ぽっかり輝く大きな満月。

 綺麗な金色だ、と思いながらカーテンを閉め、我輩は教室を後にした。


( ΦωΦ)「今日はねーちゃんが料理当番か……鍋だろうな」


 靴を履き替えて外に出ると、冷たい空気が我輩を包んだ。
 ああ、もう本当に冬なのだな。
 きっと空気がきんと澄むのも近い。冬の空気は乾燥していて鼻の奥が痛くなるので少し苦手だ。

 学校を出て、いつもの帰り道。
 夜と言える暗い道。
 家の暖かさや居候達のお出迎えを想像すると、胸がほくほくした。



13: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:29:17.37 ID:XKS52keUO

 こつこつこつ

 自分の足音を、昼に比べれば静かな町に響かせる。


 こつこつこつ ひたひた

 その足音に、何かが混ざる。


( ΦωΦ)「……」

( ΦωΦ)(普通の人か、人外か、犯罪者か)


 足音らしき物がひとつ増えただけ。
 まだその程度であり、それだけで人外や犯罪者の類いだと断定は出来ない。

 それにもし普通の人だったら恥ずかしいし申し訳ない。



14: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:31:10.80 ID:XKS52keUO


 こつこつこつ ひたひたひた

 こつこつこつ ひたひたひた

 こつこつこつ ひたひたひた

 こつこつ ひたひた

 こつん ひたり


( ΦωΦ)(歩幅を揃えて、我輩が止まれば止まる……普通の人の可能性が減ってきたな)


 普段は曲がらない道を曲がり、入らない道へ入り、鞄を背負い直す振りをして足を止める。
 それでも付かず離れず、一定の距離を保つ謎の足音らしき何か。

 いい加減疲れてきたし、寒い。上に腹も減った。
 さっさと帰りたいと言う思いは強いが、このまま帰るのは姉や居候が危ない。
 しかも交番の場所忘れた。

  _,,
( +ω+)(しかし腹減った)



16: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:33:22.59 ID:XKS52keUO

( ΦωΦ)(しょうがない……せめて後ろに何が居るのか確認してみるか……)

 立ち止まったまま動こうとしない我輩に焦れたのか、背後の気配が少し蠢く。
 微かに聞こえる息づかいは荒く、脳内に浮かぶ「人外」の文字。

 そして、ゆっくりと、後ろを向いて。


ミ,,゚Д゚彡 (ΦωΦ )ミ

ミ,,゚Д゚彡 (ΦωΦ )


 なんか人っぽい犬が居た。


ミ,,゚Д゚彡「いや狼ッス」

(ΦωΦ )「……あ、そうですか……」

ミ,,゚Д゚彡「腹減ったんで食って良いッスか」

(ΦωΦ )「は?」

ミ,,゚Д゚彡「いただきまー」


 ろまねすく は にげだした!!



17: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:35:16.43 ID:XKS52keUO

(;ΦωΦ)「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ミ,,゚Д゚彡「ちょ、逃げんなよ!!」

(ΦωΦ;)「逃げるわボケ! 死ぬわボケ!!」

ミ,,゚Д゚彡「ボケ連呼すんなよテメェ! マジ食うし絶対食うしテメェ!」

(ΦωΦ;)「うっぜこのDQN!!」

ミ,,゚Д゚彡「狼相手に走って逃げれると思うのかテメェ!?」

(ΦωΦ;)「それでも逃げるのが杉浦家!!」


 重い鞄に制服、動きづらさと乾燥した空気に眉を寄せながら走っていた。
 犬人間は犬人間から犬に変体し、四つ足で我輩を追いかける。

 じわじわとなぶり殺すつもりなのだろう、
 一定の距離を保ったまま、本気を出さずに追いかけている事が分かる。
 所詮は犬と人間、足で犬に勝てる訳が無いのに、この犬は我輩の後ろに居たままなのだ。


ミ,,゚Д゚彡「テメェさっきから犬連呼してねぇ?」

(ΦωΦ )「してますけど」

ミ#,゚Д゚彡「ぜっってぇ食うガチで食うマジ食う殺す!!」



19: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:37:13.24 ID:XKS52keUO

(;ΦωΦ)「ぬおおおおおおおおおお!!」

ミ#,゚Д゚彡「待てゴルァああああああああ!!」


 全速力で走る我輩、追い掛ける犬。
 どたどたとやかましい己の足音に、せめて運動系の部活に入っておけば良かったと後悔した
 そんな元料理研究部部長。掛け持ちしてたけど。

 ぐねぐねよく分からない角を曲がっては走り、フェイントに曲がって直ぐに方向転換。
 勢いが付いているので犬は我輩の隣を通りすぎ、慌てて方向転換をして追ってくる。

 人様宅の塀を乗り越えたり、フェンスをよじ登ったり。
 もう自分が町内のどこに居るのかも分からない。
 ただ満月がぎらぎらと輝いていた。

 捕まれば食い殺される。
 しかし上がりきった呼吸、早鐘を打つ鼓動、痛む足。


 そろそろ、限界である。



21: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:39:15.53 ID:XKS52keUO

 汗を流しながら、勢いに任せて角を曲がってみれば、

 そこは、行き止まり。


(; ω )「ぜっ……ぜっ……ぜひぅ……っ」

ミ,,゚Д゚彡「やあっと止まったな……」

(; ω )「だま、れ……ぜぇっ……っ」

ミ,,゚Д゚彡「ほんじゃま、腕から食うか足から食うか」


 壁に手をついて肩を上下させていた我輩は、犬を振り返って眉を寄せる。
 呼吸が荒く、乾燥した空気は喉に張り付いて胸が痛い。

 犬から犬人間に変体した犬は、じりじりと我輩に迫ってくる。
 大きな口から見える牙、だらりと垂れる赤い舌と唾液に、目眩がした。

 万事休す。



24: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:41:36.89 ID:XKS52keUO

 胃がぎりぎりと痛み、我輩はぼやける視界の中で腹を押さえた。

 そうだ、腹が減っていたのだ。
 本来ならば、何事もなく帰って、ゆきんこやおばけに出迎えられて、こたつで姉の作った肉鍋をつついて。
 そのあと、おばけとゲームして、風呂入って、宿題して。
 ふかふかの布団と毛布にくるまって、おばけに邪魔されながらも、ゆっくり眠って。


(  ω )「…………ぇ」

ミ,,゚Д゚彡「あん?」

(# ω )「本気で……うぜぇ……」

ミ,,゚Д゚彡「はぁ? もう黙れよ人間、いっただっきまぁーす☆」


 噛み締めた奥歯、その隙間から溢れる我輩の本音。

 こんな犬っころに、我輩の、我輩の平穏を、晩飯を、温もりを。


 勢い良く飛びかかってきた犬人間。


 我輩は何も考えず、振りかぶって。



25: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:43:21.49 ID:XKS52keUO

      ___
     / __⌒丶
     / // \」」
    / //
    | ))
    \  \/\
    i⌒\  丶|
    | ノ\_ く_
    (_) 彡   ミ
      ∴\|\|
        _;∴
     ∧_= ̄`;
    / ̄ _≡:;
   /  ―ニ ̄"'.
   /  /)
  /  _ \
  | /\ \
  | /  丶 |
 / ノ   | |
/ /   ( 丶
丶_〉     ̄ ̄



 ぶっとばした。



26: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:45:42.10 ID:XKS52keUO

ミ;メ#)Д゚彡「…………え?」

(# ω )「貴様の様な犬ころ風情が……我輩の……我輩のぬくもりを……」

ミ;メ#)Д゚彡「え? え?」

(#ΦωΦ)「歯ァ食い縛れ駄犬がアアアアアアアアアアアア!!!!」

ミ;メ#)Д゚彡「うぎゃああああああああああああ!!!!」




  ⊂⊃  チーン
ミメメ##)Д(#メ彡

  _,,
(#ΦωΦ)=3



28: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:47:30.91 ID:XKS52keUO

 ボコボコになった犬人間は地面に倒れ、ぴくりともしない。
 しかし我輩はその首根っこを掴んで、引き摺りながら歩き出した。

 まだまだ、こいつには思い知らせねばならん。
 それにこんな奴を放置していては危険である。


ミメメ##)Д(#メ彡「あの、どこ、に」

( ΦωΦ)「持ち帰って説教コース」

ミメメ##)Д(#メ彡そ

( ΦωΦ)「逃げたら、殺す(鈴木が)」

ミメメ##)Д;(#メ彡てそ


 妖怪の威を借る人間、そんな言葉が脳裏に浮かんだ
 が、気にせずに嫌々と暴れる犬人間を殴って静かにさせ、再び帰路についた。


 まだ晩飯残ってるかなあ。



29: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:49:24.20 ID:XKS52keUO

( ΦωΦ)「ただいまである」

<_プー゚)フ「おー、猫目おかえ……」

l从・∀・ノ!リ人「猫目おか……」

(*‘ω‘*)「ん、遅かったっぽね、弟」

( ΦωΦ)「ド畜生とおいかけっこしてたのである」

(*‘ω‘*)「先に風呂入るっぽ?」

( ΦωΦ)「いや、飯食ってから風呂入ってすぐに寝たい」

(*‘ω‘*)「じゃあ鍋暖めるっぽ」

( ΦωΦ)「すまんな、わざわざ」

(*‘ω‘*)「きにすんなっぽ、それより」

( ΦωΦ)「む?」

(*‘ω‘*)「その変態なんだっぽ」


ミメメ##)Д;(#メ⊂( ΦωΦ)



32: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:51:14.98 ID:XKS52keUO

( ΦωΦ)

( ΦωΦ)「変態」

ミメメ##)Д;(#メ彡「変態じゃねぇよ! 狼男だよクソ人間!!」

(ΦωΦ )

( ΦωΦ)「飯の前に説教するわ」

(*‘ω‘*)「把握だっぽ、今日は肉鍋は肉鍋でもすき焼きだから早めに終わらせろっぽ」

( ΦωΦ)「はいはいよー」


l从・∀・ノ!リ人「……おっぱい姉者」

(*‘ω‘*)「熱い茶飲ますぞ」

l从・∀・;ノ!リ人「お、おっきい姉者」

(*‘ω‘*)「どこが大きいかは聞くまい。何だっぽ?」

l从・∀・ノ!リ人「猫目がこわいのじゃ」

(*‘ω‘*)「怒ってんだっぽ、まあなんとなく想像つくけど」



34: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:53:03.88 ID:XKS52keUO

<_フ;゚ー゚)フ「猫目は怒ったら怖いのか!?」

(*‘ω‘*)「まー怖くない方じゃないかっぽ? 姉弟喧嘩では負けた事ないし」

<_プー゚)フ「いやそれは勝てないだろ」

(*‘ω‘*)「あ?」

l从・∀・ノ!リ人「猫目は怒るとこわいのじゃ……よしよししてくるのじゃ!」

<_プー゚)フ「俺も!!」

(*‘ω‘*)「……ガキがいっぺぇだっぽ」

(*‘ω‘*)「まあ良いか、賑やか賑やかっぽ」

(*‘ω‘*)

(*‘ω‘*)「僅かにあった結婚願望が消えたけど」



36: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:55:18.56 ID:XKS52keUO

/゚、。 /カチャカチャ

/ ゚、。/コトコト

/゚、。 /コポポポポ

/ ゚、。/カチャン コポコポ


   茶
〜/ ゚、。/ヒラヒラ


「……である、貴様は己がどう言う事をしたか理解しているのか犬」

  茶
/ ゚、。/?

「で、でも……狼男で……」

  茶
/ ゚、。/??

「 言い訳をするな見苦しいッ!!」

   茶 ポーン!
   ‖‖
Σ/;゚、。/そ ビクッ



37: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:57:16.70 ID:XKS52keUO

  ‖
  茶 スチャッ
/;゚、。/? ? ?

   茶
〜/;゚、。/ヒラヒラ


  ベソベソ     ギャンギャン
ミメメ##)Д;(#メ彡 (ΦωΦ#)

  茶
/;゚、。/

        茶
?(ΦωΦ#)ヾ/゚、。;/ ツンツン

ミ( ΦωΦ) 茶√/゚、。 /ピラリ


( ΦωΦ)「おお、すまんな鈴木」



39: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 14:59:19.95 ID:XKS52keUO

/;゚、。 /

( ΦωΦ)「む?」

/;゚、。 / チョットコワイ

( ΦωΦ)「ああ、すまん。この犬ころに説教をしているのだ、少し我慢していてくれ」

/;゚、。 /゙コクコク


/゚、。;/〜 ヒラヒラ


(*‘ω‘*)「どうだったっぽ? 鈴木」

/;゚、。 /ビックリ

(*‘ω‘*)「普段怒らない奴が珍しく怒ると怖いってのはよくある事だっぽ、鈴木達な怒ってんじゃないんだから気にすんなっぽ」

/;゚、。 /゙コクリ

/ ゚、。 /

/ ゚、。 /「いつも怒ってない?」

(*‘ω‘*)「あれはただの突っ込み」



40: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:01:21.09 ID:XKS52keUO

ミメメ##)Д;(#メ彡「ずびばぜんでじだ……ずびばぜんでじだ……」

(#ΦωΦ)「大体貴様は何故に我輩の前に現れたのだ、たいした理由がなければ埋めるぞ」

三<_フメ##)Д;(#メ彡フ「それは……その……えっと」ガシィィン!!

(#ΦωΦ)「まさか、無いのか、理由」

    l从・∀・ノ!リ人ミ ヨジヨジ
<_フメメ##)Д;(#メ彡フ「ぐぇ。いえ、そんな、事、は」

(#ΦωΦ)「歯を食い縛るか? 犬。他の人たちが被害に合わなくて良かったものの、腹の虫がおさまらんわ」

キャッキャッ ヾ从>∀<ノ!リ人ゲシッ
<_フメメ##)Д;(#メ彡フ「その、あの、ず、ずびばぜんでグボォッ」

( ΦωΦ)「エクスト、妹者、遊ばないの」

  _,,       _,,
l从・ε・ノ!リ人 <_プз゚)フ



41: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:03:26.58 ID:XKS52keUO

(#ΦωΦ)「犬、貴様は更に」

(*‘ω‘*)「鍋あたためたっぽー弟」

(ΦωΦ )「む、では頂こうか。その前に着替えてこよう」

<_プー゚)フ「俺も食う!」

(*‘ω‘*)「てめぇ食ったろうがドマンジュウ」

( ΦωΦ)「鈴木ー妹者ー、その犬を縛って物置に放り込んでおいてくれである」

/ ゚、。 /゙ コクコク

l从・∀・ノ!リ人「がってんしょーちのすけなのじゃ!!」

ミメメ##)Д;(#メ彡「え、な、なんで」

(ΦωΦ#)「水でもかぶって反省するか?」

ミメメ##)Д;(#メ彡「物置でお願いします」



42: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:05:27.27 ID:XKS52keUO


( ゚∋゚)クックルドゥドゥドゥ!


<_プー゚)フ「猫目! 起きろ! 朝ー朝だよー朝御飯食べて学校いくよー!!」

( ΦωΦ)「起きとる起きとるエロゲるな」

l从・∀・ノ!リ人「猫目ー」

(ΦωΦ )「うん?」

l从・∀・ノ!リ人「わんこはどーするのじゃー?」

(ΦωΦ )「我輩は学校に行ってくるから、三人で犬ころ見張ってて欲しいのである。説教はまだ終わらんよ」

<_プー゚)フ「よっしゃ任せろ!!」

l从・∀・ノ!リ人「ためしてがってんなのじゃ!!」

( ΦωΦ)「それは違うであろう」

  _,,
l从・ε・ノ!リ人



44: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:07:26.65 ID:XKS52keUO



ミ,,゚Д゚彡「あ゙ー……寒かった……」

l从・∀・ノ!リ人「わんこ! お手!」

<_プー゚)フ「足!」

/ ゚、。 /「首」

ミ;,゚Д゚彡「テメェらマジ酷くね?」

l从・∀・ノ!リ人「ひどくないのじゃ!」

<_プー゚)フ「ないない!」

/ ゚、。 /「死ね」

ミ;,゚Д゚彡「このナチュラルにひでぇ一反木綿は何なんだよ!?」

<_プー゚)フ「鈴木」

ミ;,゚Д゚彡「……ああ、そう」



46: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:09:27.31 ID:XKS52keUO

l从・∀・ノ!リ人「おばけー! ゲームするのじゃー!」

<_プー゚)フ「俺触れないから無理だ!!」

l从・∀・ノ!リ人「じゃあ鈴木!」

/ ゚、。 /「掃除」

  _,,
l从・ε・ノ!リ人


ミ,,゚Д゚彡(何なんだよこいつら……)

ミ,,゚Д゚彡(取り敢えず落ち着けよカッコイイ俺、状況を整理しようぜ)

ミ,,゚Д゚彡(フラフラさ迷ってたら腹が減って、ふと筋っぽそうな人間を見つけたんだよな)

ミ,,゚Д゚彡(それで筋っぽくても食えれば良いやって思って、そいつを追い掛けた)

ミ,,゚Д゚彡(そしたら殴られて、引きずられて、説教されて、縛られ軟禁)

ミ,,゚Д゚彡(俺マジ被害者じゃね?)

/ ゚、。 /「説明&責任転嫁乙」

Σミ゚Д゚,;彡てそ



47: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:11:25.15 ID:XKS52keUO

ミ;,゚Д゚彡「ぇ……え?」

/ ゚、。 /「頭悪い可哀想」

ミ;,゚Д゚彡「えぇ!?」

<_プー゚)フ「どしたー!?」

/ ゚、。 /ナンモナイナイ

<_プー゚)フ「なら良い!」

ミ;,゚Д゚彡(何なんだよマジでこいつら、ハンパネェよ……)



l从・∀・ノ!リ人「わんこは何をぶつぶついってたのじゃ?」

<_プー゚)フ「独り言多いなあいつ!」

/ ゚、。 /「口に出る馬鹿」

l从・∀・ノ!リ人「かわいそーなのじゃ?」

<_プー゚)゙フ コクコク

/ ゚、。 /゙ コクコク



51: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:13:28.31 ID:XKS52keUO


ミ,,゚Д゚彡「何はともあれ、こいつら三匹には仕返ししねぇとなぁ……」

ミ,,゚Д゚彡「変な頭にされたり上に乗られたり縛られたり凍らされたり……仕返しするしかねぇよなぁ……」

ミ,,゚Д゚彡「…………よし、まずはあのオレンジ色のからやるか」

ミ,,゚Д゚彡「狼男なめんなよ……爪でびゃーっとやってやるぜ……へっへっ」



<_プー゚)フ「よう犬! 何してんだ!」

ミ,,゚Д゚彡「え、えぇと……」

<_プー゚)フ「あ、俺エクスト! エクストプラズマン! お前はポチか!?」

ミ#,゚Д゚彡「ポチじゃねぇよ! フサって名前があるよ!!」

<_プー゚)フ「そうか! 分かった! よろしくな犬!」

ミ#,゚Д゚彡「ぬがあああああああああ!!!」



52: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:15:16.94 ID:XKS52keUO

ミ#,゚Д゚彡(このおばけが……!! マジ殺す……!!!!)

<_プー゚)フ「お前もバカだなー俺らでも猫目怒らせた事なかったのに」

ミ#,゚Д゚彡(我慢だ、クールでホットなフサ……イケメンな俺……!!)

フワフワ((<_プー゚)フ「まあ面白かったから良いけどな!」

ミ,,゚Д゚彡(いまだ!!)


    ヒュッ! スカー
ミ,,゚Д゚彡=<⊃プー゚)フ


ミ,,゚Д゚彡「……」

<_プー゚)フ「何してんだ?」

ミ,,゚Д゚彡「……いや、触れるのかなーと思って。ははは、触れないんスねー」

<_プー゚)フ「おばけに触れると思うお前は普通に頭が悪いんだな」

ミ#,;Д;彡てそ



53: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:17:15.86 ID:XKS52keUO

ミ,つД;彡「気をとりなおして……次はあのにっくき薄水色一反木綿を……」

ミ,,゚Д;彡「オレンジはおばけだったから……おばけだったからダメだったんだ……決して俺がダメなんじゃねぇ……」

ミ,,゚Д゚彡「よし、……ビリビリに引き裂いてやんよ一反木綿……!!」



ミ,,゚Д゚彡「えーと、鈴木さん? あ、俺フサって言うんスよー」

/ ゚、。 /

ミ,,゚Д゚彡「……ええと……何を、して……?」

/ ゚、。 /

ミ;,゚Д゚彡「す、鈴木……さ パチーン!! あふぅん!!」

ミ;,#)Д゚彡「……え?」

/ ゚、。 /「掃除、邪魔、あっち行け」

ミ;,#)Д゚彡「あ、す、すんません……」



55: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:19:18.30 ID:XKS52keUO

ミ;,#)Д゚彡(いや落ち着けナイスガイ俺! ここで引き下がっちゃイケメンが廃るぜ!?)

ミ,,#)Д゚彡(……やってやる、やってやr)ンギュイ


グエエエエ!?
:ミ;,#)Д゚:/#゚、。 /:ギリギリギリギリ

ビクンビクン
::ミ;,#)Д :/#゚、。 /:ギリギリギリギリ



<ドサッ



〜/#゚、。/オソウジ サッサカ



56: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:21:22.04 ID:XKS52keUO

ミ,,;Д;彡「何で……何でいきなり首絞められたんだよ俺……何だよあの水色……」

ミ,つД;彡「くそぉ……あいつマジつえーよ……ただの布妖怪の癖によぉ……」

ミ,,゚Д;彡「フェミニスト☆な俺としては、あんまりやりたかなかったけど……」

ミ,,゚Д゚彡「次は、あのガキだ……!!」



ミ,,゚Д゚彡「お嬢ちゃーん☆」

l从・∀・ノ!リ人「なんなのじゃ? ポチ」

ミ#,゚Д゚彡「ポっ……落ち着けイケメン落ち着け色男……お兄ちゃん、フサって名前あるんだけどなー」

l从・∀・ノ!リ人「ふさ?」

ミ,,゚Д゚彡「そうそう、フサ」

l从・∀・ノ!リ人「かわいくないから、わんこって呼ぶのじゃ!」

ミ#, Д 彡てそ



57: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:23:06.70 ID:XKS52keUO

ミ#, Д 彡(ここの奴らは揃いも揃って……!!)

ミ#, Д 彡(もう良い我慢なんかするか!! こっちは腹減ったままなんだよ!!)


ミ#,゚Д゚彡「クソガキがあぁあッ!! 頭っから食っちまうぞオオオオオオオ!!!!」


l从・д・ノ!リ人

ミ#,゚Д゚彡
  _,,
l从・д・ノ!リ人

ミ,,゚Д゚彡
  _,,
l从;д;ノ!リ人

ミ;,゚Д゚彡

  _,,
l从;д;#ノ!リ人「ゔぇ゙え゙え゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇぇぇえぇええぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえん!!!!」

ミ;,゚Д゚彡「んなあ!?」



58: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:25:24.98 ID:XKS52keUO
  _,,
l从;д;#ノ!リ人「ゔわ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁあああああああぁあああああぁぁああん!!!!」

ミ;,゚Д゚彡「ちょ、待、えぇっ!?」

<_プー゚)フ「おー、家の中が銀世界だ!」

ミ゚Д゚,;彡「何で楽しそうなんだテメェ!? 泣き止ませろよ!?」
  _,,
l从;д;#ノ!リ人「ゔわ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙あ゙あああああぁあああああぁぁああああああああああん!」

ミ;,゚Д゚彡「な、泣くな! 泣くなガキ!!」

/ ゚、。 /ヒルメシ デキタゾ

ミ゚Д゚,;彡「今それどころじゃねぇって分かりません!?」
  _,,
l从;д;#ノ!リ人「ゔえ゙え゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙え゙ぇ゙え゙え゙ぇ゙ぇ゙え゙ぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇえぇええぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえぇえん!!!!」

ミ;,゚Д゚彡「猛吹雪! 家の中で猛吹雪!! 一メートル前すら見えねぇよマジで!!」

<_プー゚)フ「泣かせたのお前だろ」

/ ゚、。 /ナキヤマセロ

ミ゚Д゚,;彡「ちくしょうガキなんて嫌いだああああああああ!!!!」



60: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:27:12.85 ID:XKS52keUO

ミ;,゚Д゚彡「え、えぇと、あ、ほーら雪だるまだぞー!」
  _,,
l从;д;#ノ!リ人

ミ;,゚Д゚彡「お兄ちゃんかまくらも作っちゃうぞー!」
  _,,
l从;д・#ノ!リ人

ミ;,゚Д゚彡「ほらほら、雪ウサギだぞー! 可愛いだろー!」
  _,,
l从・д・ノ!リ人

ミ;,゚Д゚彡「雪合戦でもしちゃおっかなー!」

l从・∀・ノ!リ人

ミ;,゚Д゚彡(ッシャ泣き止んだ!!)

l从・∀・ノ!リ人「ゆきがっせんなのじゃ、ゆきがっせんなのじゃ!」

ミ;,゚Д゚彡「や、やる? 雪合戦」

l从・∀・ノ!リ人「やるのじゃ!!」



61: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:29:21.69 ID:XKS52keUO


「ちょ! 顔の周り飛ぶなオレンジ! 邪魔だ!」

「雪合戦に混ざれなくてつまらん!!」

「おりゃーなのじゃ!」

「オウフッ!?」

「あ、股間ヒット」

 ココア ノメ

「おお! 俺のは……皿に!?」

「妹者のはちめたいのじゃー!」

「俺は……あ、普通ッスね」

 カジ ヒトヤスミ

「おつかれなのじゃー!」

「お疲れ!」

「お疲れさまッス」

 オマエハ シネ



62: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:31:09.06 ID:XKS52keUO


( ΦωΦ)「さーて、あいつらはちゃんと留守番をしていたか……」

( +ω+)「不安ではあるが、まあ何とかなっとるだろう……」

( ΦωΦ)「ただいまー」ガチャ


( ΦωΦ)


<_プー゚)フ「おかえり猫目!」

/ ゚、。 /ヒラヒラ

l从・∀・ノ!リ人「おかえりなのじゃー!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、どもッス」


( ΦωΦ)


( ΦωΦ)「おいこら」



64: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:33:27.20 ID:XKS52keUO

ミ,,゚Д゚彡「はい?」

( ΦωΦ)「一応聞いてやろう、この部屋は何だ」

ミ,,゚Д゚彡「は? 見ての通り銀世か…………あ……」


ミ;,゚Д゚彡

( ΦωΦ)


| )))
ガチャン バタム

|((( ΦωΦ)
ガチャン バタム ジャラジャラジャラ



( ΦωΦ)「言い訳だけは、聞こうか」

ミ;,゚Д゚彡「…………はひ……」



65: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:35:55.68 ID:XKS52keUO



(#ΦωΦ)「こら妹者! サボるなである!!」

l从・д・ノ!リ人「だって重いのじゃー……」

(#ΦωΦ)「原因は犬ころと言えど、この居間にみっちり膝上まで積もった雪を出したのは貴様であるぞ!」

l从・∀・ノ!リ人「……てへーなのじゃっ☆」

(#ΦωΦ)「可愛くしても雪掻きは手伝ってもらう!」
  _,,
l从-ε-ノ!リ人

/;゚、。 /ガッシガッシ ザックザック



<_プー゚)フ「大変だなー」



66: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:37:23.63 ID:XKS52keUO

(*‘ω‘*)「ただいまっぽー……ん?」

(*‘ω‘*)「……」

(*‘ω‘*)「……弟と人外共ー今帰ったっぽー」

( ΦωΦ)「む、お帰りであるねーちゃん。飯は出来ておるぞ」

<_プー゚)フ「鍋だぞ!!」

/ ゚、。 /ヤサイモリモリ

l从・д・`ノ!リ人「妹者は冷まさなきゃ食べられないのじゃー……」

(*‘ω‘*)「ああ、うん……うん……」

( ΦωΦ)「どうした? ねーちゃん」

(*‘ω‘*)「……今は亡きビーグルの小屋に、何かいるっぽ」

( ΦωΦ)「あー」

(*‘ω‘*)「なんか、半裸のイケメンが…………あれ昨日の変態っぽ……?」

( ΦωΦ)「うむ、本当にろくな事をしなかったので、首輪と鎖で繋ぐ事にしたのである」



67: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:39:20.35 ID:XKS52keUO

ミ,,゚Д゚彡「……ワオーン」

(ΦωΦ )「無駄吠えしたら捻るぞ」

ビクッ :ミ;, Д 彡:てそ

(*‘ω‘*)「おー怯えとる怯えとる、まあ犬くらいなら問題ないっぽ。それより飯だっぽ飯」

( ΦωΦ)「はいはいよー、鈴木ー妹者ー、お手伝い頼むのであるー」

<_プー゚)フ「俺は!?」

(ΦωΦ`)「触れんのに聞くのか……」

<_プー゚)フ「聞くぜ!」

(ΦωΦ`)「……じゃあ準備終わるまで犬の話し相手しといて」

<_プー゚)フ「エェー」



68: ◆tYDPzDQgtA :2008/11/16(日) 15:41:23.19 ID:XKS52keUO

<_プー゚)フ「……おい犬!」

ミ,,゚Д゚彡「……何だよ」

<_プー゚)フ「玄関の犬はバンケンなんだぞ!」

ミ,,゚Д゚彡「ばんけん?」

<_プー゚)フ「バンケンは家を守る強い犬だ!」

ミ,,゚Д゚彡「……」

<_プー゚)フ「頑張れよ、バンケン!」

ミ,,゚Д゚彡「……まあ、頑張ってやらねぇ事もないし? まーどうしても守って下さいってんなら」


<エクストー飯だぞー


 三<_フ*゚∀゚)フ「ヒャッホー!!」ヒュボッ


ミ#,゚Д゚彡「…………いつか、ぜってぇ食ってやる」



おしまい。



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