( ΦωΦ)おばけとかのようです
- 98: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:05:06.61 ID:c7AJKw4QO
あの日、私が通帳と家計簿を見て呟いたのを
このままじゃ食っていけないなんて呟きを、聞いていたと言うのか。
あれは、親に早く入金しろよと悪態をついていただけだったのに。
それなのに、こいつは、あいつらは、
<_フ;゚−゚)フ「……あ、の、」
(* ω *)「……じゃあロマネスクを追い詰めた原因、私じゃねぇかっぽ……」
私の無責任な独り言が、弟のみならず、人外みんなを追い詰めたんだ。
人外達は逼迫した家計に責任を感じて、こんな風に、働いていると言うのに?
私は、それなのに私は心配よりも怒りをとって
エクストにも、怒鳴り付けて。
弟の、ロマネスクの寂しそうな背中、あれは私の所為なんじゃないか。
- 102: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:07:09.58 ID:c7AJKw4QO
不甲斐なさに、腹が立った。
私の頭の悪さに、目頭が熱くなった。
私はいったい何をしていたんだ。
<_フ;゚−゚)フ「ちがっ、違う!」
(* ω *)「姉が弟追い詰めるなんて、最低だっぽ……説教する権利なんてねぇっぽ」
<_フ;゚−゚)フ「その原因が俺らだろっ! ねーちゃんじゃなくて俺らのせいだろ!」
私のそばまで飛んできたエクストが、首を、体全体を左右に振りながら否定する。
ねーちゃんは悪くないとか、悪いのは俺らだからとか、
涙目で俯く私に、腹立たしいほどに優しい言葉ばかりを投げ掛けて。
こんな可愛い奴を、私は恨んでいたのか。
弟を悲しませやがってと憤っていたなんて、私は、なんて、恥ずかしい女なんだろう。
ぐ、と涙を飲み込んで、目尻に浮かんだ涙を指先で拭い、手を強く握る。
顔を上げると、目の前に居たエクストと再び目があった。
謝らなきゃいけない、みんなみんな、私の所為だ。
- 108: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:09:10.67 ID:c7AJKw4QO
私の所為で働かせてしまった事、それなのに信じられなかった事、みんなみんな謝らなきゃ。
(*‘ω‘*)「……すまねぇっぽ」
それでも、私の口からこぼれるのは、ぶっきらぼうな謝罪だけ。
どうして私は、素直になれないんだろう。
<_フ;゚−゚)フ「あ、う……俺のが、ごめんなさい……」
(*‘ω‘*)「……他の奴らも、働いてるのかっぽ?」
<_フ;゚−゚)フ「う、うん……一ヶ月契約ってのされてて、一ヶ月働いて、みんな一緒に戻ってこようって……」
(*‘ω‘*)「いったい、どんな経緯でそうなったんだっぽ?」
<_フ;゚−゚)フ「えっと、最初はでぃが────」
- 112: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:11:51.34 ID:c7AJKw4QO
エクストの話によると、でぃの知人である人外が仕事を紹介してくれたらしい。
早朝に押し寄せたにも拘わらずその人外、その女は
その日の内に、その足で、みんなを仕事先へと連れていったらしい。
(#゚;;-゚)『えっと、確かこのビルの……この部屋で……あ、ここっ
お久し振りです素直さんっ! でぃです!』
lw´‐ _‐ノv『やあ、久し振り。今日はお友達も連れてきたのかい』
(#゚;;-゚)『はいです、それで、その』
lw´‐ _‐ノv『仕事、ね、人数分ちゃんと用意してあるさ』
(;#゚;;-゚)『へ、へ?』
lw´‐ _‐ノv『私を何千年生きた魔女だと思ってるんだい、君たちが何をしにここに来るかなんて、知ってるに決まってるじゃないか』
(;#゚;;-゚)『ふ、ぇ』
lw´‐ _‐ノv『取り敢えず一ヶ月の契約で、各自ばらばらの職場だからしっかり働き給え。そら行った行った』
(;#゚;;-゚)『え、え、ちょ、素直さん!? 待っ、えぇっ!?』
lw´‐ _‐ノv『ほら連れてけお前達。でぃとその愉快な仲間達、頑張り給えよー』
- 113: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:13:29.17 ID:c7AJKw4QO
(*‘ω‘*)「……」
<_フ;゚−゚)フ「それで、みんな連れてかれたから……俺も黙ってついてったら、ここに」
(*‘ω‘*)「あー……じゃあ、一ヶ月後にはちゃんと戻ってくるっぽ?」
<_フ;゚−゚)フ「うん……でも、その」
(*‘ω‘*)「ロマネスクには言うなってか」
<_フ;゚−゚)フ「……うん」
(*‘ω‘*)「…………一ヶ月は、みんなきっと戻ってくるから一ヶ月は待てって言うっぽ、でも、」
<_フ;゚−゚)フ「……分かった」
(*‘ω‘*)「よし、他の奴らの仕事先も教えろっぽ。一人ずつ、電話くらい寄越しても良いだろって説教垂れに行くっぽ」
<_フ;゚−゚)フ「お、おう」
<_フ;゚−゚)フ「……電話の事わすれてた……ねーちゃんに電話すりゃ良かった……」
(*‘ω‘*)「お前は……」
- 115: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:15:23.63 ID:c7AJKw4QO
もう一度小さく謝罪をした私は、お化け屋敷から出て、遊園地を後にした。
かつんこつんとパンプスの踵を鳴らしながら歩き、私は思う。
何とか弟がこれ以上落ち込まないように、思い詰めないように、
私には、私の出来る事をしよう。
この件の発端は、私なのだから。
弟の気持ちと人外達の気持ちを思えば、ひどく胸が痛くなった。
けれど、一家の柱として私はみんなを支えるんだ。
それが私の幸せにも繋がるのだから。
それと、エクストの話に出てきた魔女の素直シュール。
あれ、うちの会社の社長なんだけど。
転職しようかな。
- 118: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:17:15.83 ID:c7AJKw4QO
『一ヶ月は待てっぽ弟、一ヶ月はみんなを信じてやれっぽ。一ヶ月で帰って来なかった時は、気持ちの整理をしろっぽ』
ある日の、ねーちゃんの言葉が頭に回る。
ねーちゃんはひどく真剣な顔をして言っていて、我輩もみんなを信じたくて、黙って頷いた。
みんなを信じたい。
みんなを信じてる。
みんなはきっと、帰ってくる。
それだけが、我輩を支えていた。
そっと気遣ってくれるねーちゃんや、明るく接してくれる友人達。
もちろんみんなにも支えられているのだが、胸にぽっかり空いた空間は、未だに埋まる事は無い。
我ながら女々しいと思う、情けないと思う。
自分の情けなさに怒りすら感じるのに、我輩は未だ、こんなに寂しい。
ああ、悔しいな。
- 121: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:19:09.08 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「はぁ……寒い、手が冷える……」
手袋を忘れた日の下校途中、我輩は赤くなった指先に息を吐きかけて擦っていた。
この時期に手袋を忘れるとは我輩はなんと間抜けなのだろう。
冷えきって痛みすら感じる指先に意識を向けながら歩いていると、工事現場のフェンスが見えた。
オレンジと黒で彩られた大きなフェンスの隣を通り抜けながら指先を擦りあわせる。
(,,゚Д゚)「おら新入り! ちゃっちゃと運べ!」
ミ,,゚Д゚彡「うっす!!」
(,,゚Д゚)「それじゃねぇよバカタレ! そっちだ!」
ミ,,゚Д゚彡「う、うっす!! すんませっ!!」
そのまま通り抜けようとした我輩の足が、無意識の内に、ぴたりと止まった。
- 129: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:21:17.39 ID:c7AJKw4QO
今、聞き覚えのある声が聞こえた気がした。
二十日ほど振りに聞いた、低くて通る声。
あの声、は。
(ΦωΦ;)「っ!」
(,,゚Д゚)「よっし新入り! それ持って向こう行け!」
ミ,,゚Д゚彡「うっす!!」
フェンスの向こう側、土砂の山を運びながら泥まみれで汗を流す男。
浅黒い肌をした、焦げ茶の長い癖っ毛の、大柄な男。
あれ、は、
(ΦωΦ;)「い……犬っ! 犬っ!?」
ミ;,゚Д゚彡「!?」
(ΦωΦ;)「犬! おい、犬なのだろう!! おいっ!!」
- 132: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:23:05.97 ID:c7AJKw4QO
我輩の声が聞こえたのか、聞こえていないのか。
黄色のヘルメットを深くかぶり直した男は、慌てて我輩に背を向けた。
周囲の人々がいぶかしげな目で見てくるが、そんな事は気にならなかった。
それよりも、ただ、こっちを見て返事をしてほしくて。
(ΦωΦ;)「犬……犬っ!」
ミーДー,;彡「……」
(ΦωΦ;)「ッ……犬! こっち向け犬! フサっ!!」
ミ Д ,;彡「!」
(ΦωΦ;)「無視するな! フサだろうが貴様っ!! 待っ、おいフサぁッ!!」
- 139: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:26:07.52 ID:c7AJKw4QO
肩がぴくんと揺れたかと思えば、男は駆け足でプレハブの向こう側へと消えてしまった。
我輩はそのあとを追い掛けたくて、フェンスを乗り越えようと網状の穴に手足を掛けてよじ登る。
しかし、
(;,゚Д゚)「おいおいぼっちゃん、それは勘弁してくれや」
(;ΦωΦ)「あ……」
ガードマンの男に肩を掴まれてしまえば、抵抗など出来るはずもなく。
フェンスを登りかけていた体を地面に下ろして、がっくりと項垂れる。
(; ω )「……すみませんで、ある……お騒がせ、して」
(;,゚Д゚)「いや……まあ事情はわかんねぇけど、こっちも仕事なんだ。部外者入れちゃいけねぇから、な?」
(; ω )「は、い……」
ガードマンの言う事はもっともで、我輩はただ謝罪して、頭を下げるくらいしか出来なくて。
ちら、とフェンスの向こうを見ても
もうそこには、あの男の影すら感じられなかった。
- 143: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:28:20.11 ID:c7AJKw4QO
我輩は何をしているのだろう。
肩をがっくりと落とし、体を引きずるようにして歩く。
先程の事が頭の中をぐるぐる、ものを考える事すら億劫なほどに同じ事ばかりが回っていて。
あれは確かに犬だったはず、我輩がフサと呼ぶと、確かに反応した。
けれど何も言わず、こちらも見ず、逃げてしまった。
我輩は嫌われていたのか?
顔すら見たくないと思われていたのか?
いや、違う、違うはず、違うんだ、きっと違う
何か理由があるんだ、そうだ、今さら我輩と顔をあわせにくいとか、きっと
そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃあ、
本当に、嫌われていたんじゃないかって、思うしか、ないじゃないか。
( ω )「……」
( つω∩)「……」
いやと言うほど熱を持った目元を、手で隠した。
信じたい、信じさせてほしい、みんなの事を。
- 148: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:30:30.39 ID:c7AJKw4QO
ソファに並ぶ、五つの人形。
吸血鬼、ゾンビ、狼男、ゆきんこ、一反木綿。
そして、我輩の手の中で最後の一針で出来上がろうとしている、オレンジ色のおばけ。
他の人形よりも大きな、30cmはあろう大きさの人形。
それは、エクストとほぼ同じ大きさで、両手で抱えるような丸い人形。
その最後一針を、ゆっくりと縫い終わらせた。
( ΦωΦ)「……一ヶ月、か」
結んだ糸をぷちんと切れば、完成したおばけの人形。
ソファに座ったまま裁縫道具を片付けて、ごろん、ソファに寝転がる。
あんなにも長いと感じていた日々も、慣れてしまったのか、いつの間にか一ヶ月が経っていた。
ちょうど、そう、人外達が居なくなって、ちょうど一ヶ月だ。
- 151: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:32:11.59 ID:c7AJKw4QO
おばけの人形を抱き抱えて寝転がった我輩の背中に押し潰されかけている、五つの人形。
なんだか押し潰しているのが申し訳なくて、寝転がった状態のまま、ソファから転がり落ちた。
ごつん、と床に頭をぶつけた後にごろり転がり、横を向く。
その時ソファに足が当たってしまい、衝撃で五つの人形もソファから転がり落ちる。
ぽすぽす、と我輩の上に落ちてくる人形達。
腕や足、腰の上に乗っかる人形を元の位置に戻す気にもなれず、我輩は目を瞑った。
一ヶ月、我輩がみんなを待つ事が出来る期間が、終わろうとしている。
人外達みんなは、帰ってくるどころか音沙汰も無く、きりきりと胃が痛んだ。
もしかしたら痛むのは胸なのかも知れないが、もう、分からない。
ただ、どうしようもない虚無感が、我輩を包んでいた。
( +ω+)「……楽しかった、な」
人外達と過ごした日々はどうしようもないほどに楽しくて、愛しくて、忘れたくなくて。
それでも我輩は忘れてしまうのだろうか。
みんなを待つ事を止めた明日から、少しずつ少しずつみんなの事を忘れてしまうのだろうか。
また、胸が痛んだ。
- 156: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:34:07.71 ID:c7AJKw4QO
つきつきと痛む胸を押さえるように、人形を抱く腕に力をこめる。
柔らかくて暖かな人形が我輩の力によってぐにゃりと歪み、苦しそうに見えた。
それでも腕に込めた力を緩める事はなく、人形の額あたりに顔を埋め、呼吸を静かにさせる。
この寂しさに満ちた毎日も、今日で終わってしまうのだろう。
それでも構いはしない。
寂しいけれど、構わない。
どこかで、みんなが幸せにしていれば、何でも良い。
少し、眠ろう。
昼の暖かな明かりに照らされながらそう思うや否や、我輩の意識はゆるやかに睡魔へと飲み込まれて行った。
最後にみんなの夢を見れれば良いのに、等と胸の中で囁いて。
- 159: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:36:39.89 ID:c7AJKw4QO
( +ω+)「…………む、むぅ」
床に寝転がって眠っていた事で、腰や肩が鈍く痛む。
ぎしぎし、と軋む体が妙に重く感じ、我輩は唸りながらゆっくり瞼を押し上げた。
世界は夜に近い夕方の濃い赤に染まっていた。
のそ、と上半身を持ち上げた時、重い肩から何かが転がり落ちた。
l从xдxノ!リ人「むぎっ」
( ΦωΦ)「ん、ああ、すまん」
l从・∀・ノ!リ人「気にするななのじゃー」
( ΦωΦ)「ああ、そうか、すまんな」
( ΦωΦ)
( ΦωΦ)「……ん?」
- 164: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:38:08.36 ID:c7AJKw4QO
/ ゚、。 /「おきたか」
(ΦωΦ )「あ、ああ、鈴木」
【+ 】ゞ゚)「御館様、お体は痛くありませんか?」
( ΦωΦ)「ああ、少しは痛むが、」
(#゚;;-゚)「ちゃんとベッドで寝なきゃです、ロマネスクさん」
(ΦωΦ )「す、すまん、つい」
ミ,,゚Д゚彡「風邪引くぞ」
( ΦωΦ)「ああ、気を付ける」
l从・∀・ノ!リ人「ねこめー、まだ眠いのじゃー?」
( ΦωΦ)「あー……そう、かも……知れん」
l从・∀・ノ!リ人「じゃあ妹者が起こすのじゃ」
ンギュリィィィ
(;Φω+>∝⊂l从・∀・ノ!リ人
イデェ!!
- 172: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:40:17.52 ID:c7AJKw4QO
( Φω+(#)「……あ、れ?」
l从・∀・ノ!リ人「まだ眠いのじゃ?」
【; 】ゞ゚)「お、御館様! 大丈夫ですか!?」
( Φω+(#)「ああ…………夢じゃない、とな」
(#゚;;-゚)「夢じゃないです」
グェア
ミ(;+ω+(#/゚、。 /゙ ンギュイ
/ ゚、。 /「現実」
( +ω+(#)「そのよう……だな、げほっ」
ミ,,゚Д゚彡「大丈夫かお前」
( Φω+(#)「うむ……」
- 176: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:42:18.22 ID:c7AJKw4QO
目を覚ました我輩の周りに居たのは、一ヶ月前、忽然と姿を消した人外達。
我輩の上に乗っかっていた各々の人形と同じ場所にのっかかる人外達の姿に、目を丸くするしか出来ず。
ただただ、ぽかん、と間抜けな顔を晒していた。
( ΦωΦ)「あ、ぁ……え、と……?」
(#゚;;-゚)「黙って出ていってしまって、本当に御免なさいです」
( ΦωΦ)「あ、や、どうし、」
(#゚;;-゚)「……私たちが家計を逼迫させている事が分かって、それで、少しでもお金を入れられたらと思って」
( ΦωΦ)「あ……」
/ ゚、。 /「ごめん、勝手に」
l从・д・`ノ!リ人「心配かけてごめんなさいなのじゃー……」
【+ 】ゞ゚)「申し訳御座いませんでした、御館様!」
ミ,,゚Д゚彡「……悪かったな、こないだ逃げたりもして」
( ΦωΦ)「……いや、その、……あ、エクス、ト……?」
- 182: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:44:16.36 ID:c7AJKw4QO
口々に謝罪の言葉を並べる人外達に、余計に混乱してしまった。
ええと、家計? 金?
ああもう頭がこんがらがる。
みんなの申し訳なさそうな顔を見ていると、一人、足りない事に気付いた。
机に背を向けて座った状態で、その足りない、おばけの姿を探しながら名を呼ぶ。
すると、
<_プー゚)フ「ここだぞー!」
我輩の胸の辺りから、声がした。
ひょいと視線を落としてみると、胸に抱いた人形が、ぴこぴこ動いていて。
もう、頭が混乱しきっていて何にどう反応すれば良いか、分からない。
取り敢えず、エクストが人形に憑依しているらしい事はなんとなく分かった。
- 187: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:46:22.15 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「ああ、エクスト……こんな所に居たのか」
<_プ−゚)フ「ん……黙って出ていって、ごめんな」
( ΦωΦ)「いや……皆、戻ってきたから……それより、何で一ヶ月も……?」
「それはな、弟」
抱き締めていた腕を緩めると、人形に入ったエクストが我輩の膝の上でぽんぽんと跳び跳ねる。
ぽむんぽむん、柔らかさを膝に感じながら首を傾げていると、リビングの入り口から声が聞こえた。
慌ててそちらを向こうと体の向きを変えた、その瞬間。
ぱちん。
(;+ω+)「ぬぁっ、まっぶし……」
(*‘ω‘*)「ぅおーい弟ー」
(+ω+;)「ね、ねーちゃんいつの間に……何であるか」
- 189: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:48:28.74 ID:c7AJKw4QO
突然部屋の明かりがつけられた眩しさに、思わず目を瞑ってしまった我輩。
そして聞こえる、ねーちゃんの声。
目元を擦ってゆっくり瞼を持ち上げるが、まだ少し目がちかちかする。
それでも何とか目を明るさに慣れさせ、声がした方向を見やると、
テーブルの上いっぱいに広げられた、ケーキやらチキンやらの料理。
部屋中には様々な色紙やら何やらが飾り付けられていて、何かのお祝いである事はすぐに分かった。
( ΦωΦ)「…………ぇ、」
(*‘ω‘*)「18歳の誕生日、おめでとうっぽ、弟」
( ΦωΦ)「誕生、日?」
(*‘ω‘*)「おうよ」
l从・∀・ノ!リ人「おめでとーなのじゃ猫目!」
【+ 】ゞ゚)「おめでとうございます、御館様!」
(#゚;;-゚)「おめでとうです、ロマネスクさんっ」
ミ,,゚Д゚彡「あー、まー……おめっと」
/ ゚、。 /「おめでとう」
- 193: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:50:12.36 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「え、ぅ、」
<_プー゚)フ「おめでとうな、猫目!!」
( ΦωΦ)「ああ、あり、が」
( つωΦ)「と、う」
( つω∩)「……」
溢れんばかりの拍手と、笑顔と、おめでとう。
ああ、もしかしなくても
あの一ヶ月は、この日のためにだったのか。
目頭が、ぶわり、と熱くなった。
- 197: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:52:33.58 ID:c7AJKw4QO
<_フ;゚−゚)フ「お、おい猫目! 泣くな!」
l从・д・;ノ!リ人「ねこめー! 泣くななのじゃー!」
(;#゚;;-゚)「あわわわ、ロマネスクさん、大丈夫ですかっ?」
【; 】ゞ゚)「御館様、如何なさいましたかっ!?」
ミ;,゚Д゚彡「いやおい、泣くなよお前」
/ ゚、。 /「鈴木で、顔ふけ」
(*‘ω‘*)「おうおう、平和だなこいつら」
一言寄越せとか、心配かけるなとか、文句は山ほど言いたかった。
けれど、我輩のためにとしてくれた事なら、我輩は。
ああ、目が熱い。
これでは人形に顔を押し付けざるを得ないではないか、情けない。
- 200: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:54:11.76 ID:c7AJKw4QO
( つω∩)「……ぐ」
【; 】ゞ゚)「お、御館様……」
( つω+)「お、か」
(#゚;;-゚)「おか、?」
( +ω+)「おかえ、り、みんな」
( ;ωΦ)「……おかえり、バカ共」
エクスト人形から顔をあげて呼吸を整え、目元を擦ってから、ずっと言いたかった一言を。
途切れ途切れに言えた、一言。
言い終えると同時くらいに、また、目から熱がぼろっと溢れ落ち、顔を濡らした。
そして、軽く顔を見合わせた人外達は、満面の笑み。
勢い良く、全員が我輩に飛び付いてきて、
「ただいまっ!!」
- 204: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:56:20.89 ID:c7AJKw4QO
みんなに押し潰されながら涙を止められなかった我輩と、我輩達を見て笑うねーちゃん。
そしてみんなから、働いて貰った給料で購入したプレゼントを渡され、また涙が止まらなくなった。
歳を食うと涙もろくなると言うが、それなのだろうか。
その日は一晩中大騒ぎで、親友達も呼び寄せて大騒ぎをして、
ここまで盛大な誕生日は、生まれて初めてだった。
もう些細な問題すら気にならないほどに、嬉しかった。
今日は、我輩じゃなく
我輩の、おとんの誕生日なのだが。
もう、気にしないようにした。
でもねーちゃんちょっとひどい。
- 209: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 20:58:09.36 ID:c7AJKw4QO
そして訪れる、一ヶ月前と変わらない平凡。
騒がしくて、賑やかで、みんなに振り回される日常。
そんな毎日が大好きなのだと気付いた我輩は、心底嬉しくて、幸せで。
ああそうだ、エクストが人形に憑依できるようになっていました。いつの間にか。
人形に入ってても飯なんかは食えるらしく、我輩はそれを見ながら、
やっぱり常識は通用しないんだなあ、と、またも思い知った。
何でもありの癖に微妙に現実的、それが、我が家の人外達である。
- 217: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:00:11.25 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「鈴木を洗濯機に入れてー」
/ ゚、。 / ピチピチ
( ΦωΦ)「人形inエクストも洗濯機に入れてー」
<_プー゚)フ dkdk
( ΦωΦ)「洗剤入れて、スイッチオン」
ぐぉんぐぉんぐぉんぐぉん。
/ ゚、。 / ジャプジャプ
<_フ;@д@)フ「おおおおお目が回る! 目が回るぞー!!」
( ΦωΦ)「まーそりゃそうだ。
あ、ネットに入れ忘れた。綿が片寄るかも」
/ ゚、。 / グィングィングィン
<_フ;@д@)フ「ぬおおおお!! 目があああああ!!」
( ΦωΦ)「楽しそうだなあ」
- 222: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:02:29.63 ID:c7AJKw4QO
- ミ,,゚Д゚彡「おい水色、スノブラやろうぜ。俺ニックな」
/ ゚、。 /「ん」
ミ,,゚Д゚彡「これなんつったっけ、トーチャンカーチャン?」
/#゚、。 /「小さいのうざい」
ミ#,゚Д゚彡「あ、死ぬ! 死ぬ! うぜぇ!」
( ΦωΦ)
/゚、。 /?
( ΦωΦ)「鈴木さん、我輩のパンツありませんか」
/゚、。;/そ
( ΦωΦ)「あの、風呂上がりにノーパンでパジャマってかなりキツいんで、その」
三/;゚、。/ ピュー
ミ,,゚Д゚彡「あ? どしたんだ」
( ΦωΦ)「いや、その、風呂から上がったらなぜかパンツだけ置いてなくて」
ミ;,゚Д゚彡「ああ……ゲームしてたから忘れたのか……」
( ΦωΦ)「これすっげぇ心細い」
- 226: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:04:19.31 ID:c7AJKw4QO
l从・∀・ノ!リ人「ねーこーめー!」
( ΦωΦ)「んー?」
l从・∀・ノ!リ人「肉まん食べたいのじゃ」
(´ΦωΦ)「昨日食べたでしょっ」
l从・д・`ノ!リ人「うぇー……食べたいのじゃー……」
(`ΦωΦ)「毎日はいかんのである!」
(#゚;;-゚)「肉まん……? でも妹者さん、暖かいのは……」
l从・∀・ノ!リ人「? 肉まんはちめたいのじゃ!」
(#゚;;-゚)?
( ΦωΦ)(冷凍冷凍)
(#゚;;-゚)(あ、冷凍のそのまま食べてるんですか……)
- 231: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:06:42.88 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「んー……」
(#゚;;-゚)「どうですか?」
( ΦωΦ)「うむ、腐敗は進んでなさそうであるな」
(*#゚;;-゚)「良かった、妹者さんと一緒に居るのが良いのかもですね」
( ΦωΦ)「うむ。どれ、腐敗進んでないプレゼントをやろう」
(#゚;;-゚)?
(#゚;;-゚)!
( ΦωΦ)「どうだ、少しは喜んでもらえたであろうか」
(*#゚;;-゚)「はいです! 防腐剤と遊園地のペアチケット……!
うわー、うわー、うわー! ありがとうございます、モララーさんと行くです!」
( ΦωΦ)(乙女だなあ……)
- 233: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:08:24.56 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「いただきまーす」
ミ,,゚Д゚彡「まー」
【+ 】ゞ゚)「いただきます」
( ΦωΦ)「公園組とデートに行ったでぃが居らんと静かであるな」
【+ 】ゞ゚)「ドクオさんがいらっしゃった日を思い出しますね」
(´ΦωΦ)「あー……」
ミ,,゚Д゚彡「あぐあぐあぐあ」
(`ΦωΦ)「あ、こら犬! 飯に髪の毛が入っとる! くくれ!」
ミ,,゚Д゚彡「あー? ったくめんどくせぇ……良いじゃねぇかよ別に」
(`ΦωΦ)「よかないわロン毛! オサムを見習え! ちゃんとくくっとるだろうが!」
ミ;,゚Д゚彡「くくるのはまだしも前髪をピン止めで止めるのはどうかと思うんスけど」
(`ΦωΦ)「まあ、それは……いやしかし貴様より清潔には見える!」
ミ;,゚Д゚彡「わぁったようっせぇなあ!!」
【+ 】ゞ゚))モグモグモグモグ
- 239: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:10:08.15 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「あー風呂上がりすっきりさっぱりホッカホカ」
( ΦωΦ)「明日の用意して寝るかな」
がちゃ。
【+ 】ゞ゚)
( ΦωΦ)
【; 】ゞ゚)
( ΦωΦ)「オサムさん、なぜに我輩の学ランを着てらっしゃるんであるか」
【; 】ゞ゚)「あ、そ、その、あの……つ、つい着てみたくて……」
(´ΦωΦ)「…………袖も裾もつんつるてんではないか……」
【; 】ゞ゚)「ご、ごめんなさい……」
(´ΦωΦ)「いや良いけど……シワつけずに戻しといてね……」
【; 】ゞ゚)「はい……」
- 243: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:12:11.42 ID:c7AJKw4QO
ああ、いつもと変わらない毎日が、こんなにも幸せだなんてな。
エクストin人形を膝に乗せながらコーヒーを飲む、休日朝のリビング。
膝掛けを膝にではなく、肩に掛けながら本を読む。
<_プー゚)フ「猫目ー」
( ΦωΦ)「んー」
<_プー゚)フ「寂しかったか!」
( ΦωΦ)「おうよ」
<_プー゚)フ「俺もだ!」
( ΦωΦ)「なら電話くらいしなさいね」
<_プー゚)フ「それじゃサプライズにならないじゃん……」
( ΦωΦ)「そのサプライズで胃に穴が空くかと思ったわ、バカタレ」
<_プー゚)フ「嬉しくなかったか?」
( ΦωΦ)「死ぬほど嬉しかったから悔しいのだろうが」
- 247: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:14:20.82 ID:c7AJKw4QO
<_プー゚)フ「へっへーん」
( ΦωΦ)「調子に乗らない」
<_プ听)フ「ごめんちゃい」
(#*‘ω‘*)「ッシャオラァッ!!」
(ΦωΦ;)「何だ!?」
(#*‘ω‘*)「入金されてたっぽ! やったぜ畜生!! 転職してぇっぽ!!」
(ΦωΦ;)「なんだなんだもう良く分からん!」
<_プー゚)フ「よくわからんけどおめでとう!」
(*‘ω‘*)「よっしゃ晩飯は肉だ肉! 牛の肉ブロックで買ってこいっぽ!!」
(ΦωΦ;)「ねーちゃん落ち着きませんか!?」
- 252: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:16:40.20 ID:c7AJKw4QO
(#゚;;-゚)「ロマネスクさーん」
( ΦωΦ)「ん? どうした、でぃ」
l从・∀・ノ!リ人「なんか宅配便だか宅急便だかがきてるのじゃー」
ミ,,゚Д゚彡「持ってくるぞー」
( ΦωΦ)「お、把握した、判子押しに行くのである」
|ωΦ )))
ミ,,゚Д゚彡「どっこい、せっと」
【+ 】ゞ゚)「大きいですね」
ミ,,゚Д゚彡「しかも重てぇ」
/ ゚、。 /「箱の材質、かたい」
(*‘ω‘*)「なんだっぽこりゃ、箱の素材からして冷蔵庫でもなさそうだし」
- 256: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:18:30.46 ID:c7AJKw4QO
( ΦωΦ)「たでーま、それ運ぶ人も大変であるな」
<_プー゚)フ「おおでけぇ! 開けようぜ!」
(*‘ω‘*)「はいよっと」
びりびりびり。
がっこん。
( ゚∋゚)
( ΦωΦ)
(*‘ω‘*)
( ゚∋゚)「Hello」
(;ΦωΦ)「喋った!!」
- 260: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:20:14.75 ID:c7AJKw4QO
( ゚∋゚)「いやだなあ喋りますよ、HAHAHA」
(;ΦωΦ)「あ、あれ、何であるかこの果てしない違和感」
( ゚∋゚)「冗談はこれくらいに致しまして」
(;ΦωΦ)「冗談!? さっきの冗談!?」
( ゚∋゚)「ほら、あなたも出てきなさい」
(;ΦωΦ)「まだ何か居る!?」
o川*゚ー゚)o゙ ヒョコ
(;ΦωΦ)「…………思ったより普通だ」
o川*ぅー゚)o「は、初めましてぇ……あ、あのぅ……キュートと言います、よろしくお願いしますぅ……」
(;ΦωΦ)「あ、こ、こちらこそ……杉浦ロマネスクと……」
( ΦωΦ)
(;ΦωΦ)「腕!!?」
- 270: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:22:10.13 ID:c7AJKw4QO
o川*゚ー゚)o「よ、四本腕ですよぉ……」
(;ΦωΦ)「いやそんな、えええええ!?」
( ゚∋゚)「そんな訳で、これからお世話になります」
(ΦωΦ;)「どんな訳!? どんな訳なのであるか!?」
( ゚∋゚)「因みに私が鳥人間クックルでその子がフランケンなキュート、簡単に言うと四つ腕の乙女です」
(ΦωΦ;)「わあ簡単! ふざけんな!!」
( ゚∋゚)「いやぁお姉さん美人ですね、お茶も美味しい」
(*‘ω‘*)「美人だなんて照れるじゃねぇかっぽ、その茶を入れたの弟だけど」
(ΦωΦ;)「馴染むなあああああああああ!!!!」
<_プー゚)フ「猫目ーこれー」
(;ΦωΦ)「こ、今度は何であるか!?」
o川*゚ー゚)o「お、お手紙です、箱の中にくっついてましたぁ……」
(;ΦωΦ)「手紙?」
- 273: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:24:32.94 ID:c7AJKw4QO
『お久しぶりです娘と息子、パパだょぅ。
取り敢えず銀行に入金して、ついでにフランケンと鳥人間を送ったょぅ。
少ししたらクール便で人魚とかも届くと思うからよろしくだょぅ。
じゃ、あとは頼んだょぅ! by父&母』
( ω ) 三 Φ Φ
=ΦΦ√/ ゚、。 / パシッ
/ ゚、。 /「目」
(;つω )つΦ「あ、あぁ……すまん……」
(;ΦωΦ)「……えぇ、と」
(#゚;;-゚)「また、何か来るんですか?」
(ΦωΦ;)「信じたくはないが、そうらしい」
<_プー゚)フ「これ、とーちゃんの手紙なのか? 本物か?」
(;ΦωΦ)「この二昔ほど前の丸い少女漫画文字にふざけた文章、間違いなくおとんである」
- 276: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:26:07.85 ID:c7AJKw4QO
(*‘ω‘*)「つー事は……」
ミ,,゚Д゚彡「おい! またなんか来たぞ!」
【+ 】ゞ゚)「さっきよりは小さい、発泡スチロールの箱ですね」
(#゚;;-゚)「受けとりですか? 拒否ですか?」
(;ΦωΦ)「……とりあえず、受け取りで」
l从・∀・ノ!リ人「運ぶのじゃー! 手伝えなのじゃ新入り!」
o川*゚ー゚)o「は、はぁい」
( ゚∋゚)「Yes」
/ ゚、。 /「持ってきたぞ」
<_プー゚)フ「開けろ開けろ!」
ぱこん。
ζ(゚ー゚*ζ
- 283: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:28:54.73 ID:c7AJKw4QO
<_プー゚)フ「半魚人だ!」
ミ,,゚Д゚彡「いや人魚だろせめて」
ζ(゚ー゚*ζ「初めまして、デレともうしまっす!」
【+ 】ゞ゚)「あれ、また手紙がくっついて……」
l从・∀・ノ!リ人「えーと、一緒にあくまも送るから、待てとうちゃく」
(;ΦωΦ)「無限ループって恐ろしいと思いませんか!?」
ぴんぽーん。
(ΦωΦ;)「ヒィッ! 来た!!」
ミ;,゚Д゚彡「あーもーまたでけぇ箱来た!! 受け取り拒否で良いだろもう!!」
(#゚;;-゚)「今度のはなんか禍々しいです……」
(ΦωΦ;)「おとんのバカヤロォオオオオオオオオ!!!!」
- 288: ◆tYDPzDQgtA :2008/12/14(日) 21:31:16.84 ID:c7AJKw4QO
結局、おとんが入金してくれた分に見合うほどの人外が送られてきた。
一人増え二人増え、もう我が家の床が抜けるのではないかと不安すら覚える。
まあ賑やかではあるのだが、我輩の部屋で寝る奴が増えたので、やたらと部屋が狭い。
いつもよりしっちゃかめっちゃかで、騒がしくて、増えはするのに全く減らない人外達。
その中でも、やはり初期メンバーやエクストと居るのが、不思議と落ち着く。
<_プー゚)フ「ねーこーめっ」
( ΦωΦ)「ん?」
<_プー゚)フ「カゾクだよな、俺らみんな!」
( ΦωΦ)「────ああ、勿論だ」
ねーちゃん以外は血の繋がりはない、それでも、
我輩の家族は、おばけとかのようです。
おわり。
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