( ^ω^)ブーン系書き方講座のようです

1: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:15:09.37 ID:kGsB2Gw/0
前回は書き方講座とか言っておきながら全然やってなくてすいません^^;
苦情がきたので、今度こそちゃんとやります^^;
すいません^^;



2: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:16:31.16 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「さて、前回は書き方講座とか言っておきながら
      ほとんどをブーン系の現状とBNMの宣伝で終わってしまった件について」

('A`)「ほんとだよ。金返せよ」

(´・ω・`)「お金はとってないっちゅうの!
      無料でお手軽に読めるのが、ブーン系の利点でしょうが。
      タダより高いものはないってね」

( ^ω^)「僕は、皆と騒ぎながら投下するのが好きだからブーン系やってるお!」

(´・ω・`)「ああ、うん。もちろん、VIPの性質上そういう面も……。
      って、だからそういう話を前回していたから、書き方講座までいけなかったんじゃないか。
      苦情の手紙が殺到してるんだよ。スレタイ詐欺だって」

( ^ω^)「あれまぁ。スレタイは重要だおね」

(´・ω・`)「そうだね。スレタイは作品のタイトルだから。
      間違ってもこの講座みたいに何となくつけないように!」



4: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:17:48.50 ID:kGsB2Gw/0

( ^ω^)「それより、ショボン。
      僕、新作を書き始めたんだお! 大冒険スペクタクル長編だお!」

(´・ω・`)「あれ? 前回、長編の第一話を投下したって言ってなかったっけ」

( ^ω^)「まとめないから逃亡したお」


(;´・ω・`)「あ、そう……」

( ^ω^)「やり直しが効き易いのも、ブーン系のいい所だお!
      匿名だから、酉変えちゃえばバレないし」

(;'A`)「ブーン。お前ってナチュラルに地雷を踏むよな。
    ……まあ、いいけどさ」



5: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:19:29.39 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「さて、と。無駄口はこれくらいにして、講義を始めようじゃないか。
      物語はすでに始まっている。起の部分でもたもたしてると、魅力半減だよ」

( ^ω^)「ほーいだおー」

('A`)「で、今日は何をやるんだ?」


(´・ω・`)「そうだな……ブーンが長編を書くらしいし、
      今日は長編の製作技術について研究、講義しよう。

      ――あ、ちなみに僕は長編が苦手だから(逃亡癖もあるし)
      あくまで技術面、しかも主観が入り混じってる講義だから、鵜呑みしないようにね」


( ^ω^)「予めそう言っておけば、叩かれる心配もないってことですかお!
      ううむ、メモメモ」

(;'A`)「ブーン、お前、ちょっと黙っとけ」



6: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:21:33.06 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「じゃあ、まずは教科書を開いてもらおうか。
      今日の講義で参考にするのは、78ことアフロ氏の作品。
      『( ^ω^)が空を行くようです』だ
      URL:http://vipmain.sakura.ne.jp/end/414-top.html


('A`)「78か。ずいぶんと有名所だな。版権大丈夫なのか?

(´・ω・`)「ハハハ、細かい事は気にしないで。

      ――この作品は、長編として丁度いい分量だし、
      内容も分かりやすく、テーマ、キャラクター等々参考に出来る箇所が多いからね。
      まだ読んでいない人は、是非読んでみて欲しい」


( ^ω^)「僕は78さんの作品なら、リプレイや歩くの方が好きだお。
      そっちは取り上げないのかお?」

(´・ω・`)「僕も、取り上げたいのは山々なんだけど……。
      リプレイや歩くは、空を行くに比べて重いからね。
      講義で扱うには、ちと時間がかかるから今回はパスだ」



7: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:24:30.51 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「さて、この空を行くだが……。
      まずは、この作品の一番良いと思った所を挙げてみてくれ」

( ^ω^)「ぜんぶ!」


(´・ω・`)「ぶち殺すぞ。
      ……すまない、言い直そう。一つだけ、挙げてみてくれ。
      あ、文章力っていう答えは今回パスしてくれ」

('A`)「えーっと、やっぱりキャラクターかな?
    キャラの一人一人に魅力があるし、なんつーんだろ、生きてるんだよなぁ」

( ^ω^)「僕はやっぱり、ラストシーンの(ピーーーーーー!)だお!」

(´・ω・`)「おっと、ネタバレになりそうなものは、極力隠すよ。
      仕様なので、ご了承下さい」



8: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:26:51.82 ID:kGsB2Gw/0


(´・ω・`)「キャラクター。――そうだね、良い作品というのは、
      ドクオの言うとおり、メインからサブまで、キャラが活き活きとしている」

( ^ω^)「お? 活き活きしてるって、どういう事だお?」

(´・ω・`)「いい質問だね、ブーン。
      キャラが生きている、というのは創作系では良く使われる言葉だ。
      これは、物語の中で動いているキャラ一人一人が、それぞれ個性や夢、しっかりとした意義を持ち
      『動かされている』のではなく『動いている』ように見える事を言うんだ」


( ^ω^)


(;^ω^)「え?」

('A`)「ショボン、もっと簡単に言ってやれ」

(´・ω・`)「少し分かり難かったかな。じゃあ、例を挙げてみよう」



9: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:29:15.84 ID:kGsB2Gw/0

例 川 ゚ -゚)リベンジソードのようです

川 ゚ -゚)「ジョルジュ!
     私の父を殺し、村を焼き、(省略)
     許せない、殺してやる! 絶対に殺してやる!」

( ゚∀゚)「クックック、くだらん。世の中は金だ。
     愛や慈悲など、札束の足元にも及ばんわ!」

戦闘(省略)どかーん、うおー!

川 ゚ -゚)「止めだ! 死ねい!」

(;゚∀゚)「ま、まってくれ。実は、俺には病気の息子がいるんだ……。
     伝説の薬草を見つけるまで今、死ぬ訳にはいかないんだ」

川 ゚ -゚)「そうか。何てかわいそうなんだ。
     よし、一緒に旅をしよう」

( ゚∀゚)「ありがとう!」

例、終わり



10: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:31:27.78 ID:kGsB2Gw/0



(´・ω・`)「即興で書いたんだけど、どうだった?」

( ^ω^)「これはひどい」
('A`)「ギャグとしてなら、化けるかもな」

(´・ω・`)「あー、うん。まあそんな所だろう。
      ブーン、具体的にどこがひどかった?」

(;^ω^)「いや、だって……クーはジョルジュに親とか村とか滅ぼされたんだお?
      なのに、お前、息子がいるから云々〜の下りで許して、しかも仲間に入れるとか
      もはや意味が分からないお。クーのネジは外れてんのかお?」


(;'A`)「ジョルジュも、嘘をついているならともかく、最後のありがとう! っておかしいよな。
    数行前のキャラと全然違うやん。どこで入れ替わったんだ?」

(´・ω・`)「うんうん。まあ、一番の突っ込み所はそこだよね」



12: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:34:24.91 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「これが、キャラが作者に『動かされている』いい例さ。
      要するに、キャラの目的、意思などが何の理由も無く、
      作者の描いたストーリーを円滑に進める為にブレてしまうことだ。

      他にも、設定をねじまげたり、ありえない偶然、奇跡を連発すると
      今度は『ご都合主義』なんて言葉が出てくる。

      シリアスな長編で、超強大なラスボスが、心臓病で突然死んだらどう思う?」

( ^ω^)「冷めるお」

('A`)「ギャグならありだけど……。
   真面目路線とか、そういうのを期待していない作品でやられると、ちょっとな」


(´・ω・`)「うん、結構。じゃあ、ここで空を行くを見てみよう。
      それぞれのキャラクターには、目的がある。

      アルファさんのブログ『Aerial』でも書かれていたけど
      エデンという大きな目的が軸となって、キャラクターが動いているよね」



13: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:37:07.35 ID:kGsB2Gw/0

( ^ω^)「アエリアル?」

(´・ω・`)「ググレカス」

('A`)「しょうがねーな……。ほら、該当の記事のURL。
   『http://azwd.blog115.fc2.com/blog-entry-27.html#more』」

( ^ω^)「また無許可直リンかお」

(;´・ω・`)「いやあ、下手こいたら消されるかもしれんね……。
       ま、講義資料という事で、どうか許して欲しい」


(´・ω・`)「で、まあ。キャラの魅力と、エデン到達という目的が作品の軸を固めている
      というのは、Aerialの記事で書かれているから、そっちを読むといいだろう」

('A`)「え? 丸投げ?」

(´・ω・`)「まさか。僕らはAerialに書かれていない部分を取り上げるよ」



16: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:39:57.69 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「主人公及びキャラクターの、物語内での目的を定める。
      これは、各々無意識にやっているけど、一番重要なことだね」

( ^ω^)「おー……?」

('A`)「ショボン。ブーンはゆとりだから、もうちょい噛み砕いてやってくれ」

(´・ω・`)「ほいほい。んじゃ、分かりやすい話でいこう。
      
      魔族を操り、人間界を恐怖に陥れる魔王がいました。
      主人公は、何の所以か、世界最強の剣である『ラグナロク』を手にしてしまいました。
      さて、主人公はこの後、どうすると思う?」

( ^ω^)「剣を売る」

(;'A`)「なんて天邪鬼な奴だ……」

(´・ω・`)「いやいや、いいよ。その方向でも、話は進められる」



17: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:42:12.51 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「じゃあ、ブーン。どうして、主人公は剣を売ろうと思ったんだい?」

( ^ω^)「お? そりゃ金が欲しいからだお?」

('A`)「現実的だなオイ」

(´・ω・`)「どうして、主人公はお金が欲しいの?」

( ^ω^)「えー……そりゃ、贅沢三昧したいからに決まってるお」

(;'A`)「せめて病気の妹を助ける為、とかさぁ」


(´・ω・`)「ふむ。ここまで話して、主人公のイメージは大体浮かんだかな?
      魔王が人間界を征服しようとしている世界。
      そんな時、ラグナロクを手にした主人公は、贅沢したい金ほしさに、それを売ろうとする。

      さて、この主人公はどんな性格だい?」

( ^ω^)「う〜〜〜ん、まあ、ロクデナシな事は確かだお」

('A`)「世界の危機にも関わらず、私益を追求する当たり、色んな意味で大物かもな」



19: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:46:00.81 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「そうだね、ロクデナシだね。
      さて、ここまで決めれば主人公の目的や性格。
      それを活かすストーリーラインが思い浮かんだんじゃないかな?」

( ^ω^)「えーっと、主人公の性格はロクデナシの大物。ある意味、図太いお。
       目的は、贅沢出来る金を得る事。魔王には興味ナシ。
       ――こんな感じかお?」

(´・ω・`)「うん。いかにも作者の言う事や、王道なんか蹴飛ばしそうな
      個性的な主人公が生まれたね」

(;'A`)「おいおい、こんな奴を主人公にしたら、剣売ってハイ終わりじゃねーの?
     そんな作品、誰も読まないと思うんだが……魔王とかほったらかしだし」

(;^ω^)「おー……じゃあ、魔王くらいは倒すかお?」

('A`)「どうやってだよ。この主人公、どう転がしても正義感なんか出てきそうにねーぞ」

(;^ω^)「えーっと、魔王に懸賞金がかけられるとか」

('A`)「ラグナロクがあるんだから、わざわざそんなリスク負わなくても
    売って大金はいお終いで十分だろうが」

(;^ω^)「あうあう」



20: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:48:22.65 ID:kGsB2Gw/0

(;'A`)「やっぱさあ、そういう捻くれたキャラは駄目なんじゃねーの?
     『空を行く』のブーンみたいに、真っ直ぐな奴にしたほうがいいって」

(;^ω^)「お……。じゃあ、主人公は正義感の強い好青年にするお。
       それで、人々を困らせている魔王を倒しにいくお」


('A`)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「それ、誰が読むの」


(´・ω・`)「はいはい、そこまで。
      うん、中々いい線までいってたんだけどねー」



21: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:49:40.79 ID:kGsB2Gw/0

(;^ω^)「八方塞だお。
       捻くれた主人公にしたら話が進まないし、真っ直ぐだと深みが無くてつまらんし。
       どうすりゃいいんだお……」

(´・ω・`)「おいおい、それでも君たちはブーン系の作者か?
      そこをどうにかするのが、作者の力の見せ所でしょうが」

(;'A`)「どうにかって言ったってよ。
     さっきも話したとおり、あの捻くれ主人公はどう足掻いても広がりそうに無いぜ」

(´・ω・`)「そりゃそうさ。キャラクターの目的を簡単に果たさせてしまったら、何も面白くない。
      作者のすべき事は、主人公の目的達成に対して『障害』をぶつけてやることなのさ。
      つまるところ……」



             ばぁん!


   川 ゚ -゚)ノ「その通り! 仮想上の世界は、現実よりも厳しいのだ!」



24: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:52:25.25 ID:kGsB2Gw/0
 
(;^ω^)(;'A`)「あ、あなたはっ!」

(;´・ω・`)「ちぃぃ! 出たなメインヒロイントップ2のうちの一人!」

川 ゚ -゚)「ここからは私が講義をする。
     ショボン、お前は便所掃除でもやっていろ」

(;´・ω・`)「ふ、ふざけるな! 
       これは僕の講義だ。勝手な事はさせないぞ!」

川 ゚ -゚)「おやおや、そんな事を言っていいのか?
     ……ごにょごにょ」

(´゚ω゚`)


(´゚ω゚`)「ンァァァアッ!!!!」


                 ドドドドドドド……バタン。



26: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:55:03.02 ID:kGsB2Gw/0

        川 ゚ ー゚)「ふ。たわいもない」

           ふわさぁ!

パシャ パシャ  パシャ パシャ パシャ  パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
   パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ  パシャ パシャ パシャ  パシャ  パシャ パシャ パシャ
 ∧_∧     ∧_∧     ∧_∧  ∧_∧    ∧_∧     ∧_∧
 (   )】      (   )】    (   )】 【(   )    【(   )    【(   )
 /  /┘ .   /  /┘.    /  /┘ └\\    └\\   └\\
ノ ̄ゝ     ノ ̄ゝ      ノ ̄ゝ     ノ ̄ゝ     ノ ̄ゝ     ノ ̄ゝ



(;^ω^)「あ、あの、クーさん?」

川 ゚ -゚)「さて、私のターンだ。
     主人公の目的に対して『障害』を作る。

     この事がいかに重要か、教えてやろう」

(;'A`)(一体、ショボンに何をいったんだ・・・)



28: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 15:58:38.57 ID:kGsB2Gw/0
川 ゚ -゚)「物語の抑揚は、障害があって初めて生まれるものだ。
     上の方にある例で言うならば、主人公剣を売る→金ゲット→目的達成。

     どうだ? 面白そうか?」


(;'A`)「凄く……出オチです」

川 ゚ -゚)「そうだな。さて、ここで障害を入れてみよう。
     主人公剣を売ろうとする→街が滅ぼされていて、売れない。

     こうすると、主人公は動かざるを得ないだろう?」

( ^ω^)「おお!? 確かに、売る場所が無ければどうしようもないお!」

(;'A`)「でも、他の街に行けばいいんじゃないか?」

川 ゚ -゚)「よし。では比較的近くにある、大きな街に行ったとしよう。

     主人公、剣を売ろうとする→街が魔族に支配されていた
     →有無を言わさず襲い掛かってくる魔族→ラグナロク一振りでぶっころ
     →街の魔族が集まってきて、囲まれる→流石に無理ぽで殴られて気絶。
     →その街を支配しているボスが、ラグナロクを持っていた主人公に興味を持つ……」



30: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:02:22.60 ID:kGsB2Gw/0

(;^ω^)「おおお!? 何か、話がどんどん別方向に広がっていくお!」

(;'A`)「あの捻くれた主人公が戦闘をするとは……。
     いや、まあ誰だって襲われたら戦うわな。最強の剣だって持ってるし」


川 ゚ -゚)「分かったか? こうやって目的に対し、障害を生み出してやることで話は転がっていくのだ。
     さて、『空を行く』で確認してみよう。

     ブーンとツンはエデンを目指している(その理由は本編を見よう!)
     今のままじゃ到底無理ぽ→難しい仕事を引き受ける→同じくエデンを目指す、海賊狩りのVIPにスカウトされる
     →手がかり収集→同じくエデンを狙う敵対勢力ラウンジとの戦い……」


( ^ω^)「最初の方はトントン話が進んでいくけど、ラウンジが出てきた辺りから
       手に汗握る展開が連続するお」

('A`)「最初の障害は、ランクAの仕事かな?」

川 ゚ -゚)「よしよし、ちゃんと理解できているな。
     どんどん進めるぞ。ついて来い」



31: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:04:56.12 ID:kGsB2Gw/0

川 ゚ -゚)「さて、もしこれが何の障害も無く

     ( ^ω^)「エデンいきたいお〜〜」
     ('A`)「なんとなくスカウトするわ!」
     ( ^ω^)「そして僕達はVIPの皆と一緒にエデンに到達した。スイーツ(笑)」

      とかだったら、どう思う?」

(;'A`)「なんというスイーツ……。
     いや、スイーツの方がまだレイプとか浮気とか、障害があるぞ?」

( ^ω^)「なぁんの面白みもないよね〜〜〜(松岡修三風)」


川 ゚ -゚)「うむ。これで『障害』がいかに大切かが分かっただろう。
     ここまで理解すれば、長編のさわりは書けるはずだ。

     さあ、執筆しろブーンよ。
     まとめは君の本気を待っている!!」

( ^ω^)「おっお! 何かかける気がしてきたお!
       やってみるお〜〜〜〜〜!!」
(;'A`)(何気に俺、ハブかれてね?)



32: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:05:23.93 ID:kGsB2Gw/0

――数日後。

(;^ω^)「あうあう……思いつかないお〜」

(´・ω・`)「やあ、どうしたんだい? ブーン」

( ^ω^)「あ、ショボン。テンプレな声かけありがとうだお。
       ……実は、物語に障害を作ってみたんだけど、
       どうしても、主人公達がそれを乗り越える方法が思いつかなんだお」


(;´・ω・`)「はい?」



33: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:08:53.82 ID:kGsB2Gw/0

(;´・ω・`)「乗り越えられない障害って……。どんな設定なのさ?」

( ^ω^)「主人公は十歳の男の子ビロード( ><)だお。
       で、ビロードはなぁんの能力も持たない男の子なんだけど……。

       妹を魔王に殺されて、その復讐を誓い剣を握った!!!
       ……とこまで書いたんだお」

(´・ω・`)「ふうん。ファンタジーの王道だね(ドラクエWみたいだな……)
      それで? 無茶な障害ってのはどれなの?」

(;^ω^)「それが、ビロードを十歳にしたせいで、スライム一匹も倒せないんだお。
       この世界では、魔物は人間よりも遥かに強いって設定にしたから…・・・」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「どうすればいいお? ショボン先生」


(´・ω・`)「君はアホか」

(;^ω^)「え?」

(;´・ω・`)「あのさ、何で最初から無茶だと分かってるのに、
       あえて、そんな理不尽な障害を入れたのさ」



34: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:10:13.62 ID:kGsB2Gw/0

( ^ω^)「だって、障害は大きければ大きいほど、燃えるんだお!
       野球なら甲子園よりメジャー! バトルなら全世界を巡る戦い! みたいな!」

(´・ω・`)「……あのね、ブーン。
      確かに、障害は高ければ高いほど手に汗握るよ。
      でもさ、それを乗り越えられなければ、全然、障害の意味がないじゃないか」

( ^ω^)「うん。だからそこで悩んでるんだお」


(;´・ω・`)「そうか。わかった。
       じゃあ、再び『空を行く』を例に挙げて講義を始めようか。
       ……今日は、あの女もいないしな」



35: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:10:32.57 ID:kGsB2Gw/0

……


(´・ω・`)「さて、ブーン。
      世の中の主人公の大半は、親しみやすい共感型か、
      もしくは凄い才能を秘めた憧れ型だ」

( ^ω^)「それ、バクマンで見たような気がするお」

(´・ω・`)「気にするな。――で、だ。憧れ型は障害に対して、隠された能力や
      卓越した知能等々で乗り越えていく。

      金田一少年やコナン君は『天才』だからこそ、事件を解決出来るんだろう?
      もし真性のアホだったら、ギャグになっちゃうからね」

( ^ω^)「うーん、確かにはじめちゃんは普段はドすけべで頼りないけど、
       事件の時は頭良いお」



36: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:11:16.99 ID:kGsB2Gw/0
(´・ω・`)「逆に、共感型は努力や根性、強い意志などで障害を乗り越える事が多い。
      特別な能力が無いから、そうなるね。他にも、仲間の助けを借りたりするパターンも多いかな。

      恋愛物や学園物だと、これがよく当てはまるんじゃないかな?
      文化祭を成功させようと主人公が四苦八苦し、最後はクラス一致団結してめでたしめでたし、とかね」


( ^ω^)「文化祭の時はいつも真っ先に帰ってたお」

(´・ω・`)「……。ま、そっちが書きたいなら、そういう方向でも物語は書けるけどね」


ガラ!

( ,,゚Д゚)「ちーっす」

(´・ω・`)「それで、だ。ここからが重要だよ。
      『障害は、主人公達が乗り越えられる高さでなければならない』
      よく覚えておいてくれ」

( ^ω^)「おぉ? でも、それだとユルユルでつまんなくならないかお?」



37: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:12:09.16 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「そこは、うまく見極めて調整するんだね。
      なんにせよ、主人公は障害に対して、乗り越えられる何かがなければならない。
      これは、作風によっては言い切ることは出来ないけど、王道で行くならこれは必要だと思っておいてくれ」

( ^ω^)「ううむ、何か深いお……。
       僕のビロード君( ><)はなーんも力を持ってないお」

( ,,゚Д゚)「今、俺の噂してなかったか?」


(´・ω・`)「それはもう、設定を色々再構築するしかないね。
      そもそも、何で十歳なの? 修行して、その五年後とかに旅立ちじゃだめなの?
      意味も無く設定を入れると、そういう所で詰まっちゃうよ」

(;^ω^)「うう、ぶっちゃけてきとーに決めたお」

(´・ω・`)「長編でしょ? だったら、後で困らないように、そこはしっかりやっていた方がいい。
      空を行くでも、ブーン達は『史上最年少飛行機械乗り』という力をしっかり持ってるじゃないか」



39: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:13:44.43 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「とにかく、やり直し。
      設定やキャラクター、ストーリーがばらばらだと、完成度が低くなるよ。
      長編は、無駄や無理なくすっきり作った方が読んでる方も楽しいさ」

( ^ω^)「わかったお〜〜。はぁ、僕のビロード君( ><)は破棄するお」

( ,,゚Д゚)「何だ、俺の気のせいか。邪魔したな」

バタン

(´・ω・`)「……。
      ちなみに、障害を乗り越える為の力やら何やらは、中盤でほのめかしておいて、
      後半で一気に仕組みをばらすと、いいどんでん返しになるよ」

( ^ω^)「お! それって、いわゆる打線だおね?」

(´・ω・`)「伏線、ね。まあ、さっき近くでぶつぶつ言ってた影の薄い男は
      たぶんなぁんの伏線でもないと思うけど、そういう『伏線もどき』を作っておくと
      後々、繋がりそうなところで繋げると『伏線』になるから、そういうテクも知っておいた方がいい。

      ちなみに、伏線もどきはAerialの中の人がしばしば使うテクニックだそうだ」



41: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:14:39.81 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「ちなみに、伏線といえばさっき挙げたAerialに連載されている作品。
      『ξ゚听)ξツンは何でも屋を営んでいるようです』なんかが参考になると思うよ。

       この作品は、比較的文体が軽いし、連作短編で軽く読める。
       その短さの中に、うまいこと伏線が散りばめられているから、参考にするといい」

( ^ω^)「おっお。やっぱり、伏線をほのめかされると、続きが気になるお。
       次号はいかに? みたいな」

(´・ω・`)「あと、昔の作品だけど『( ^ω^)ブーンがドッペルゲンガーを見たようです』
      なんかもうまい。一見すると、あまり意味のなさそうなアイテムや、主人公の特性が
      最後の最後に活かされたりするとね……

      ああ〜〜〜〜快感やぁぁぁぁ!
      URL:ttp://boonsoldier.web.fc2.com/dopperu.htm

(;^ω^)「……」

(´・ω・`)「ま、伏線がなくても心の触れ合いや、人間ドラマものなんかは面白いけどね。
      やっぱり、隠し味はあったほうが味わいが深まるよ」



42: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:20:20.89 ID:kGsB2Gw/0
 
(´・ω・`)「それから、最初の方に挙げてほしいと言われていた、
      『( ^ω^)ブーンは歩くようです』の第四部の伏線は一見の価値ありだ。
       http://vipmain.sakura.ne.jp/end/445-top.html

       これは、世界観をうまく消化して、中々読者は予想できない、
       しかし納得の出来る伏線とその回収の仕方だ」

(;^ω^)「うーーん、これはよめなかったお。
       やっぱり伏線はバレバレじゃ意味ないお。でも、そう簡単に思いつかないし」

(´・ω・`)「いや、別にバレててもいいよ?
      よく、オリジナリティ溢れる作品が見たい! って耳にするけど、
      同時に王道じゃなきゃ納得できない! みたいな欲求もある。

      いい意味で展開が予想できるのは、有りだよ。
      逆に複雑すぎると、読者が混乱してしまう恐れがあるしね」

( ^ω^)「そうなのかお? じゃあ、少しぐらいばれててもおkって事だおね!」

(´・ω・`)「あからさま過ぎると、嫌う人もいるけどね。まあ、作品次第ってことかな」



44: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:25:09.27 ID:kGsB2Gw/0

(´・ω・`)「伏線といっても、やり方は様々だ。
      『( ^ω^)は、水も酸素もなくては生きられないようです』
      http://boonsoldier.web.fc2.com/h2oo2.htm

      これなんかは、一人称をうまく使って、叙述トリックに仕上げている。
      主人公の正体や、過去、ここにいる理由などを後半にバラすことによって
      一気に展開を加速させるのさ」

(;^ω^)「おー……あれだお。主人公が記憶喪失とかのパターンでよくあるやつだお」

(´・ω・`)「そ。
      他にも、ラピュタのあの空とぶ石(忘れた)が伏線になっていたり
      キーワードになっていたり……。

      こういったテクニックが使えるようになると、
      一層、物語が作りやすくなると僕は思うよ」

(;^ω^)「はぁ〜〜……。
       今度、短編でつかってみるお。いきなり長編で使うのはむずそうだお」



46: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:29:28.64 ID:kGsB2Gw/0
 
(´・ω・`)「ブーンは、それ以前に基礎能力もつけたほうがいいかもね」

( ^ω^)「基礎能力?」

(´・ω・`)「うん。読みやすい文章の作り方。リズム。面白い会話文。
      改行のあけ方、起承転結のバランス等々……。

      こればっかりは、実戦の中で自分に合ったやり方を見つけるしかない。
      人それぞれ、得意なジャンルや書き方、作り方は違うからね。
      ここで紹介している方法も、あくまで参考程度にしかならない」

( ^ω^)「野球の本を読んでも、練習しなきゃうまくならないのと似てるお」

(´・ω・`)「全然違う」
(;^ω^)「え?」
(´・ω・`)「いや、ノリで否定してみただけさ。
      物語も、時折こうやって違う方へ転がしてやると、また新しい発見があるかもしれない」



52: 1 ◆zpW0mlvJcY :2008/11/23(日) 16:33:03.58 ID:kGsB2Gw/0

――エピローグ

(´・ω・`)「じゃあ、今日はこのくらいでおいとましようか」

( ^ω^)「ところで、ショボン」

(´・ω・`)「うん?」

( ^ω^)「この間、クーに耳打ちされて青ざめてたけど……。
       何て言われたんだお?」

(´・ω・`)


(;´・ω・`)「あ、いや、ななな何でもないよ! うん、全然何でもない!
       気にしないで! ほんと、大したことじゃないから」

( ^ω^)「……」

(;´・ω・`)「あ、あ!バスなくなっちゃう!
       それじゃ、また明日、ここで会おう!では、ドロンドン!」

しゅたっ!



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