( ^ω^)ブーンがカービィに代わりスパデラを攻略するようです
- 47: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:23:08.79 ID:6blXC0JJ0
- ☆PLAY10☆
おいしいものを食しながらゴールを目指すスポーツがあればいいのに……
これはそんな幻想じみた幻想を抱く男達が己の限界に挑んだ記録である……
( ̄ ̄< / ̄>
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プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t X
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挑戦者たち /|_/ /\Challengers
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中島みゆき『地上の星』を脳内再生して頂くと助かります。
- 49: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:24:39.04 ID:6blXC0JJ0
- 田口トモロヲ「そのチームは極秘に結成され、計画は極秘に進められた」
(´・ω・`)「冷凍食品なんかじゃダメだ!一流のシェフが作る料理じゃなきゃ意味が無い!」
出々島大吾(38)
( ^ω^)「だがいかに一流のシェフの料理でも、冷めれば食えたモンじゃないお!
スタート付近の料理は出来たてでもゴールに近づくたび不味くなるんじゃ
選手のモチベーションも下がっていってしまうお!!」
内藤穂雷造(29)
( ゚∀゚)「それ以前に食べ物を食べながら走るというのは非常に行儀が悪いな」
長岡ジョン(49)
( ><)「それを言ったらおしまいなんです!!」
塵井美道(56)
(´<_` 川「ソレ・ヨリ、『シャーク』ノ、ハ・ナーシシヨウゼ」
ウ・イスピー・サ・スーガ・ウッズ(13)
- 51: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:25:56.28 ID:6blXC0JJ0
- 彼らの考えている『グルメレース』というスポーツは至極単純なものであった。
料理が散りばめられたコースで食べ物を食べながらゴールを目指すだけだ。
『より速く』『より多く』が鍵となる。
五人は実演のため近所の公園に来ていた。
(´・ω・`)「よし、十個ほど料理を置いてきたよ、
あとはコースを辿りながら料理を食べていくだけだ」
( ゚∀゚)「じゃあ俺が実際走ってみよう」
( ><)「ちゃんと料理も食べるんです!」
( ^ω^)「じゃあスタートだお!」
内藤がスタートの合図、クラッカーを鳴らした。
ゴール地点ではウッズがストップウォッチ片手に立っていた。
( ゚∀゚)「っしゃあ!」
勢いよく駆け出していく長岡。
しかしすぐに問題が発生した。
( ゚∀゚)「最初の食べ物……オムライスか!」
…………
( ゚∀゚)「待て、スプーンが無いじゃないか」
- 52: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:27:48.83 ID:6blXC0JJ0
- (;´・ω・`)「ス、スプーン!?」
盲点だった。
確かに素手で食べる料理では無い、出々島は己の浅はかさに絶望した。
( ^ω^)「そんなに落ち込むこと無いお出々島、何も選手に箸、フォーク、スプーン
の三種の神器を持たせればいい話だろうお」
( ><)「今、長岡にスプーンを持たせてきたんです!」
( ゚∀゚)「ハムッ、ハフハフハフッ!!」
オムライスを凄まじい勢いで完食した長岡は次の料理の元へと走った。
( ゚∀゚)「次……目玉焼きか」
しかしここでもまた問題が発生した。
( ><)「……?長岡の奴立ち止まってるんです!!」
( ^ω^)「どうしたお?醤油なら隣りに置いといたハズだお」
(#゚∀゚)「俺はソース派なんだよ!!」
(;´・ω・`)「なっ……」
これもまた気がつかなかった。
選手によってかけるモノが違ってくる……新たな課題が生まれた。
- 54: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:29:50.03 ID:6blXC0JJ0
- ( ゚∀゚)「それに目玉焼きの次のカレーライス……あれ作ったの誰だ?」
( ^ω^)「僕がレトルトで作ったお、それもポケモンカレーだお」
(#゚∀゚)「俺はお袋のカレーしか口に合わないんだよ!!」
(;´・ω・`)「う……うあああああああっ!!」
続々と露になっていく問題点に出々島は発狂した。
(´・ω・`)「カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー
カレーはやっぱりチキンカレーカレーはやっぱりチキンカレー」
(;><)「出々島が狂ったんです!!」
(´<_` 川「ソレヨリ、エイガデナイタコトノナイサクシャガクレシンデナイタ
ケンニツイテギロンシヨウゼ」
( ^ω^)「オトナ帝国か戦国ならしゃーねーお」
(´<_` 川「イヤ、3プンポッキリダ」
( ^ω^)「ねーよwwwwwwwwwwwwwwwwww」
- 55: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:30:48.65 ID:6blXC0JJ0
- 出々島が目を覚ますとそこは病室だった。
(;´・ω・`)「う……ん……」
(;><)「デーさん!」
(;゚∀゚)「心配させやがって!デーさんがいねぇと俺達はダメなんだよ!!」
(;´・ω・`)「悪い……心配かけた……だがもう大丈夫だ」
( ,,゚Д゚)「大丈夫ではありませんよ」
( ^ω^)「お医者さん!大丈夫じゃないってどういう事だお!?kwsk」
そこで医師から告げられた言葉は非常に残酷なものだった。
( ,,゚Д゚)「脳と心臓と肺と大腸と小腸と胃と顎と睾丸に異常が見られます、
すぐにでもしゅじゅちゅをしないと大変な事になりますよ」
(;´・ω・`)「なっ……」
その場の六人は耳を疑った。
( ,,゚Д゚)「信じられない……」
( ^ω^)「ちょwwwwwww何でお前も信じられないんだおwwwwwwwww」
- 56: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:32:02.85 ID:6blXC0JJ0
- 出々島を病院に残し四人は基地に戻った。
( ゚∀゚)「……これからどうする?」
(´<_` 川「ノミニイコウ」
( ^ω^)「ねーよwwwwwwwwwwww」
(;><)「デーさんがいないんじゃ僕ら……もうむりぽ」
(#゚∀゚)「!」
ガタン!
(#゚∀゚)「塵井!テメェ何弱音吐いてんだ!デーさんデーさんって
デーさんがいねぇと何も出来ねぇのかよ!?違うだろ、こんな時だからこそ
俺達が力を合わせなきゃならねぇんだろ!?」
基地に長岡の怒号が響いた。
その後長岡は一言だけ「すまん、カッとなっちまった」と漏らして帰っていった。
( ^ω^)「今日は……解散するかお」
寂しげな表情で内藤はそう言った。
- 57: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:33:41.39 ID:6blXC0JJ0
- 一方出々島は病室で一人考え込んでいた。
(´・ω・`)「内藤の言う通りゴール付近の料理は冷めて不味い……
ならば各ポイントごとにスタッフがいて、選手が来る一分前に
レンジでチンしておくのはどうだ……?
ダメだ……レンジでチンによって料理の質が落ちるかもしれんし
何よりもっと要領よく出来ないものか……」
( ,,゚Д゚)「出々島さん……お話があります」
(´・ω・`)「はい……?」
( ,,゚Д゚)「単刀直入に言います、あなたは死にます」
(´・ω・`)「……単刀直入過ぎて意味が分からないんですが」
( ,,゚Д゚)「脳と心臓と肺と大腸と小腸と胃と顎と睾丸に悪性のアクダマキン(?)
が住み着いています、発見が遅かったせいもあり、
今の日本の……いや今の太陽系の医療技術では直しきれません」
突然過ぎた告白、さらに医師は続ける。
( ,,゚Д゚)「もってあと……一週間程度でしょう」
(´・ω・`)「……そうですか」
出々島の拳は悔しさと恐怖と歯がゆさで震えていた。
- 59: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:35:56.44 ID:6blXC0JJ0
- 次の日、出々島はメンバーを病室に召集した。
そして昨日医師から言われた事を全て打ち明けた。
(;^ω^)「じょ……冗談だろお!?」
(;゚∀゚)「バーボンだよな!?頼むそう言ってくれ!!」
(´・ω・`)「すまない……全て真実だ」
(;><)「ありえないんです……デーさん……」
川(´<_`川川「ボリュームアップシタ」
(´・ω・`)「だが……グルメレースだけは完成させるつもりだよ……
僕の夢だからね……残りの寿命で問題点を克服するよ」
(;^ω^)「デーさん……」
揺ぎ無いその情熱にメンバーの心が揺らいだ。
( ゚∀゚)「俺……協力するよ、デーさんの夢……叶えさせてみせる!」
( ><)「僕もです!皆でやればきっと成功するんです!」
川(´<_`川川「オレモヤルゼ、デークンヲバックアップシテイコウゼオメェラ!!」
( ^ω^)「じゃぁ僕はウェブデザイナー!!」
翌日、出々島は静かに息を引き取った。
- 61: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:37:27.83 ID:6blXC0JJ0
- ( ;ω;)「デーさん……なんで……予定より5日も早く……出産じゃねぇんだお!」
( ;∀;)「こんな事……ねぇよ!!」
(;><)「僕ら……何も出来なかったんです……」
川(´<_`川川「キレイナカオシテルダロ……シンデルンダゼ……デークン」
白い布が顔にかかった我らがリーダー出々島、彼の声を聞く事はもう出来ない。
( ̄ ̄< / ̄>
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プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t X
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挑戦者たち /|_/ /\Challengers
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- 65: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:39:02.30 ID:6blXC0JJ0
- それから暫くして、基地から出々島の遺書が見つかった。
( ゚∀゚)「おい……お前らコレ見ろ!!」
( ^ω^)「んー?」
遺書 出々島大吾
お前らがこの手紙を読んでいるという事は、オレはもうこの世にはいないというアレだ。
突然だがグルメレースですごい事思いついた。
オレは以前各ポイントごとにスタッフを配置し、チンすると考えた事がある。
だがそれではダメだ。
そこでスタッフではなくシェフを置いたらどうだ?
選手が近づいてきたら素早く調理、そして出来上がった物をスタッフが並べる。
これなら熱々の絶品料理が頂ける。
そして調味料の問題、醤油派、ソース派、マヨラーなど人には何事にも好みがある。
そこで考えたのが『どんな調味料でもでるでる君』だ。
このロボットはその調味料の名前を言うと直ぐに調合し、料理にかけてくれるという
スグレモノだ。
だがどうやって作るのかは分からんのでお前らが開発してくれ。
最後にお袋のカレー問題、こればかりは選手のお母さんに来てもらうしかない。
それかカレーはナシの方向で行くかだ。
オレが伝えられるのはこれまでだ、じゃあな。 See☆You
ぶっきらぼうで下手糞な字、しかしそれには愛がこもっていた。
涙を零したであろう染みをつけて……
- 66: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:41:27.28 ID:6blXC0JJ0
- (;><)「シェフを配置する……なるほど、コレならいけそうなんです!!」
川(´<_`川川「アァ……ソウダナ」
( ゚∀゚)「デーさんの残してくれたこのアイデアで……グルメレース開催だ!!」
( ^ω^)「ちょっと待つお……」
( ゚∀゚)「ん……?どうかしたのか内藤?」
このあと内藤の口から驚くべき言葉が放たれる。
(;^ω^)「お金はどうするお……?」
全員が凍りついた瞬間だった。
(;^ω^)「そんな大量のシェフを雇うにはお金が必要不可欠だお!
だいたい開催費とか『でるでる君』の開発費用とか……」
情熱はあっても彼らには金が無かった。
- 67: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:42:53.12 ID:6blXC0JJ0
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/ o゚((●)) ((●))゚o \ 本当は今すぐにでも開催したいんだお……
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/ o゚⌒ ⌒゚o \ でもそのためには多額の費用が必要なんだお…
| (__人__) |
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/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ だから宝探しするお!!
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( ゚∀゚)「ちょwwwwwwwwwねーよwwwwwwwwwっうぇwwwww」
(;><)「今時小学生でもそんな発想はしないんです!!」
- 72: ◆R38CE/IWYU :2006/12/05(火) 00:46:06.09 ID:6blXC0JJ0
- ( ^ω^)「いいや、何かやれる気がするんだお!
まるで運命に導かれたかのように……なんかやらなきゃならない
気がしてならないんだお!!」
( ゚∀゚)「一人でやれ」
しかしこの内藤、ノリノリである。
次回、ブーンのドキドキ洞窟大作戦! お楽しみにね!
(´・ω・`)「だが我輩が死んだという設定はまずいだろう……常識的に考えて」
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