(・∀ ・)たった一つのようです
- 2: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:44:18.52 ID:5RpdCUXS0
8:鬼【キ】
さぁ、これが最後の旅となる。
この旅を終えたら、僕は神様と一緒に、永遠の時を過ごすんだ。
それは僕の幸せであり神様の幸せ。
誰にも邪魔されることのない二人だけの世界。
そう、それだけが僕らの幸せなんだ。
- 3: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:45:21.18 ID:5RpdCUXS0
- *
そこは、あまりにもメルヘンな国だった。
赤青緑に黄色にピンク、色とりどりの風船が国中を飛び交い、ラッパのファンファーレが豊かなリズムを奏でている。
ズンチャカズンチャカ、太鼓と共に、空を飛ぶのは平和のシンボル、白い鳩、秋桜のような花が一面で揺れている。
そこらから美味しそうなお菓子の匂いが漂って、僕は思わずお腹を押さえた
するとぐぅ、と腹が鳴る。
(・∀ ・)「おおう」
ここはメルヘンの国なのだろうか。
入ってすぐ思ったことはそれだったが、しかしその考えはすぐさま打ち破られることになった。
それは住人を見てからの感想だ。
A A
<ヽ`∀´>「最近金太郎飴にはまってるニダ」
A A
( ^Д^)「マジで? 俺はアレだよアレ、きびだんごに超リスペクト」
A A
( `ハ´)「朕は落花生毎日食ってるアル」
AA
(’e’)「うわぁ〜」
- 4: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:46:33.17 ID:5RpdCUXS0
そこに居たのは人ではない、厳しい顔をした鬼達だった。
昔聞いたことのある童話。
まるでおとぎ話の世界の住人のような奴らが、そこには住んでいた。
悪者になる魔女だったり、いじわるなおじいさんだったり、おばあさんだったり、鬼だったりと色々だ。
ただ、その雰囲気に悪者という空気はない。
川д川「ヒヒ……ヒヒヒヒヒ……シンデレラ、これをお食べなさい……
…………ダメだわ、こんなん演技じゃ全然怖くない」
爪'ー`)y「このお菓子の家は美味しいぞぅ……?
あーあ…俺甘いものなんて嫌いなんだけどなぁ……」
(・∀ ・)「…………」
代わりあるのはまったりとした、ゆるやかな空気が国中に流れているだけだった。
そして、物語の主役になるであろう人々はいない。
いるのは悪者だけのはずなのに、どうしてこうも平和なのだろう。
(・∀ ・)「あのう」
<ヽ`∀´>「なんだニダ」
(・∀ ・)「ここは一体どんな国なんですか?」
<ヽ`∀´>「見てわからんニダか、ここは"悪者"の国ニダ!」
- 5: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:47:44.86 ID:5RpdCUXS0
話しかけた先の男は、そう高らかに宣言した。
エラがはった、やけに青い鬼だった、テンプレのように豹柄のパンツを穿いている。
(・∀ ・)「悪者の、国?」
僕は復唱するように言い返した。
<ヽ`∀´>「ウリたちは悪者ニダ、たとえウリたちがそう認めなくても、世間はウリたちを悪者として見るニダ
だからここは、悪者の国、ニダ。そう呼ばれるニダ」
答えた鬼は、そういいながら屋台で売られているワッフルを齧った。
ふわり、と甘い匂いの香るお菓子をほお張るその姿は、どうにも『悪者の鬼』とは言いがたかったが
(・∀ ・)「でも、ここはなんだかのどかですね」
( `ハ´)「当然ある」
近くにいた赤鬼が話しに入って来た。
( `ハ´)「ここは朕たちの国アルから、普段演じてる悪者の仮面を脱ぎ捨ててもいいアルよ」
(・∀ ・)「悪者の仮面?」
( ^Д^)「俺らは普段悪者の仮面をつけているのさ、そうしないと、物語が成立しない場合があるからな」
- 6: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:48:30.88 ID:5RpdCUXS0
近くにいた黒い鬼が近寄ってきたので、僕は3人の鬼に囲まれる形になる。
なんだか居心地が悪いなぁ……。
彼らに悪気はなくとも、鬼を見ると怖くなる、と遺伝子レベルで組み込まれているのかもしれない。
僕に遺伝子があるのかどうかはまた別の話だけど
(・∀ ・)「どうしてそんな仮面をつけるのさ?」
<ヽ`∀´>「影がないと光は輝かないからニダ」
(・∀ ・)「?」
( `ハ´)「わからないアルか? 朕たちがいないと物語が盛り上がらないアルよ!」
( ^Д^)「だから、モブでもやられ役でも、それを演じなくちゃいけないんだ」
僕には彼らが何を言っているのかよくわからなかったけれど、それでもなんだか理不尽だということはわかった。
だってそれは、自分の意思を捻じ曲げて、自分を作らなければいけないということなのだろうから。
- 7: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:49:50.35 ID:5RpdCUXS0
(・∀ ・)「嫌じゃないの?」
<ヽ`∀´>「そりゃ」
( ^Д^)「いや」
( `ハ´)「アル」
(’e’)「うわぁ」
僕の問いに、鬼たちはいっせいに頷いた。
皆一様に渋い顔をして、屋台で買ったのだろう、甘いお菓子をほお張りながらも
愚痴愚痴と呟いていた。
<ヽ`∀´>「なんで悪者にされなきゃいけないニダか、ニダは本当は甘いものがあれば
何もいらない謙虚な奴ニダよ」
( ^Д^)「マジマジ、俺だって動物とか超好きだし、プギャギャギャギャwwww」
( `ハ´)「世界中の子供達に夢を与えたいアル」
(’e’)「うわぁ〜」
僕の言葉を口切に、本当の言葉を吐く鬼達に若干呆れた表情をしていたのかもしれない。
ぼそりと、僕も呟いていた。
- 8: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:51:07.09 ID:5RpdCUXS0
(・∀ ・)「じゃあ、やめればいいじゃない」
<ヽ`∀´>「そうもいかないニダ」
( ^Д^)「ここが俺たちの世界だからな」
( `ハ´)「物語の中で生きるしか、術がないアルよ」
しかし彼らは僕の言葉に耳を貸そうとはしなかった、それが正しいと信じて疑わない
どこかの回る人たちのように。
そして、前と同じように、そういわれてしまうと僕は何も言えない。
(・∀ ・)「あ、そう……」
<ヽ`∀´>「お前はどうニダ?」
(・∀ ・)「僕?」
<ヽ`∀´>「お前は、どんな奴ニダ? どんな性格なんだニダ? どんな役割ニダか?」
その言葉に、僕は吹き出した。
彼らは、役を演じる鬼だからか、僕にも演じる役割があると思っているらしい。
バカみたいだ、そんなことあるわけがないのに。
(・∀ ・)「ハハ、僕はただの旅人だからね、そんな決められた性格とか役割は特にないよ」
( ^Д^)「ない?」
( `ハ´)「そんなわけないアル」
- 9: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:52:44.51 ID:5RpdCUXS0
(・∀ ・)「本当さ、僕はただの旅人だもの」
<ヽ`∀´>「なら、なんでここにいるニダ?」
(・∀ ・)「だから、僕は旅人だし……」
<ヽ`∀´>「ここはウリ達の国、ウリ達の世界、だからウリ達が神、だからウリ達のように
普段何かを"演じている"奴しか入れない国ニダ」
(・∀ ・)「え?」
僕は、言葉を止めた。
彼は、何を言ってるんだ?
だって現に僕はここにいるじゃないか。
僕は何も演じてなんていないはずなのに。
( ^Д^)「どんな奴であれ、何かを演じてるもんだぜ?」
( `ハ´)「演じてない奴なんて、いるわけがないアル」
<ヽ`∀´>「お前はどの世界でどんな奴ニダ? その性格は、姿は、本物ニダか?」
(・∀ ・)「…………」
僕は、何も答えなかった。
違う、何も答えられなかった。
- 11: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:55:12.96 ID:5RpdCUXS0
- だって、僕はただの神様のよりしろで、神様に作られたただの玩具。
それだけのはずだ。
そういえばいい、なのにどうして答えれられない?
(・∀ ・;)「僕は、だからその」
神様の道具、神様のための暇つぶし、神様に命じられた旅人、神様を崇める僕
神様の、神様のための、神様の神様の神様の神様の神様の神様の…………
( ∀ ;)「っ………!」
そこで、一瞬、ぐらりと視界が揺れた。
息が苦しい、目の前が砂嵐のように歪んで、頭がスパークしたように火花が散る。
なんでだろう。
僕は神様のただのしもべであるはずなのに、存在意義なんてあるわけがないのに
どうしてこうも動揺するんだ?
回り揺らめく頭の中で、声が響いた。
それは聞き覚えのある声だった。
――――とても苦しいんだ
―――眩暈がする
―――○○、僕はね とても
――――……………。
- 12: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:57:17.88 ID:5RpdCUXS0
ぱちんっ
( ∀ )
風船の割れるような音がした。
もしかしたら、この国の空を飛び交う風船が割れたのかもしれない。
あの色とりどりの、夢のような
風船が
―――ああ、頭が痛いんだ、酷く痛い、割れるように、まるでこの世界が崩壊するかのように
痛いんだ痛いんだ痛いんだどうしてぼくは君に、ちがう、ぼくはきみをどうしてかなしいくるしい
つらいどうしてぼくはきみをまってくださいたすけてくださいにげないでください
ぼくをすくってくださいおねがいしますおねがいします
おねがいしますぼくはきみがだいすきだったのにきみはぼくをすきではなかったの
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしておねがいだよ
もういちどあのときのようによんでくれよおねがいおねがい
( ∀ )「あ、あー、あ」
頭の中で、誰かの声がする。
まるで泣いている子供のように、それは酷く酷く悲しい声だ。
僕は何も言えず、ただその場に立ち尽くしている。
どうしたの、どうして泣いているの?そんなに悲しまないでよ。
僕がいるから、泣き止んでよ。
そのこはなきやまない、僕はかなしい、とてもかなしい
- 14: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/09(金) 23:59:17.54 ID:5RpdCUXS0
「いっ……おいっ……」
( ∀ )
ああん、ああん、ああ痛い、頭がくらくらする
お願いだから泣き止んでよ、ねぇ、どうしたのさ、そんなになにがかなしいの?
ねぇ君、だいじょうぶだよ、僕がいるよ、みんながきみの敵になっても
僕だけはきみのみかただから、だいじょうぶ、だいじょうぶ
「おいっ…しっかり……ニダ…!」
ああ、そんなに傷だらけになってしまって可哀相にね、本当にかわいそうだ
だいじょうぶ、そんなになかないで
僕がずっと、そばにいるから
そう、永遠に
バチンッ!
<ヽ`∀´>彡つ「いい加減にしっかりしろニダ!!」
(#)・∀ ・)「いたっ!!」
頬を叩かれた痛みに、僕は目を瞬かせた。
ぐわん、と揺れた頭をしっかり起こすと、目の前には鬼やら魔女やらが心配そうに僕を覗き込んでいる。
その光景も少しシュールではあるが、そんな場合ではなかった。
僕は一体、どうしたんだろう?
- 17: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:04:33.15 ID:VAYVpDpi0
<ヽ`∀´>「急にボンヤリして、どうしたニダ? 驚くからヤメロ!」
(・∀ ・)「あ、いや……」
どうしたのかは、僕が聞きたかった。
しかし起き上がったことで皆安心したのか、軽口を叩いてくる。
川д川「でも、無事でよかったわ〜、ここで何かあったら、私たちのせいにされちゃうもの」
爪'ー`)y「なんせ俺たち悪役、だからな」
( ^Д^)「つかお前、役割がないとかもしかしてキャラ薄いんじゃね?プギャーwwwww」
近くにいた黒い鬼や魔女達はニヤニヤと笑ったが、僕には答えを返すことはできなかった。
頭の中で聞いた声が反響して、未だにくらくらと揺れているせいか。
それはまるでコーヒーの中に溶けていくミルクのように、綺麗な円を描きながら、ぐるぐると、ぐるぐると。
<ヽ`∀´>「どうかした、ニダ?」
顔色が悪かったのだろうか、自分の方が青いくせに、青鬼が顔色が青いと言ってきた。
(・∀ ・)「なんでも、ないんです……」
<ヽ`∀´>「ならいいニダけど……」
( `ハ´)「そうだ、お前そんな風にキャラ付けが弱いなら、ここで暮らせばいいアル
ここはいい国アルよ」
- 21: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:07:15.56 ID:VAYVpDpi0
- 俯きながらぼんやりしていると、後ろにいた青鬼が肩を叩いてそういった。
励ましのつもりなのかもしれない。
( ^Д^)「お、それいいねー。キャラ模索すればいいじゃん! いいよいいよ、この世界www
悪役もうめぇwww」
<ヽ`∀´>「ウリ達はお前を歓迎するニダ!」
彼らの言葉に、周りにいた魔女やら、爺さんやら、ウサギやらタヌキやらが
盛大な拍手をするが、残念だけどそれに頷くことなく立ち上がる。
(・∀ ・)「ありがとうございます、でも、遠慮しておきますね」
途端にあがる、ブーイング
大層な顰蹙を買ってしまったらしいが、こればっかりはどうしようもない。
<ヽ`∀´>「だってお前、じゃあどこ行くニダか」
(・∀ ・)「僕が帰る世界ならあるんですよ」
<ヽ`∀´>「ニダ?」
(・∀ ・)「僕には神様がいるから、その人の所に帰らないと」
ふん、と青鬼が鼻を鳴らした。
断ったことが気に食わないのかもしれない。
青い顔が若干赤らんでいる。赤鬼にいたっては真っ赤だ。
- 22: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:08:41.76 ID:VAYVpDpi0
<ヽ`∀´>「なら、その神様とやらの帰る場所はどこにあるニダ?」
<ヽ`∀´>「神様の世界は、どこにあるニダ?」
僕は言葉を止めた。
それは
(・∀ ・)「それは……」
<ヽ`∀´>「それは?」
( ^Д^)「それは?」
( `ハ´)「それは?」
(’e’)「それは?」
川д川「それは?」
爪'ー`)y「それは?」
「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」
「それは?」それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」「それは?」
それはね
- 24: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:09:17.49 ID:VAYVpDpi0
(・∀ ・)「これから、僕が連れ出してあげるんです、あの箱庭から」
- 26: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:12:35.37 ID:VAYVpDpi0
あの世界に君臨する、彼を。
シンと周りが静まり返る。
誰もなにも言わないその国の中で、パレードの音楽だけが虚しく響いていた。
(−∀ −)「だから、ごめんなさい、貴方達の世界にはいられないんです」
さようなら。
そういって、僕はその国から去った。
それが、僕が行った最後の国の話。
何かを演じる、悪者の国。
しかしそれが本当に演じているのかいないのかなんて、誰にもわからないよね。
もしかしたら悪者ではない自分を演じているのが、嘘なのかもしれないし、本当なのかもしれない。
真実は、当人だけが知っている。
- 28: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:17:28.70 ID:VAYVpDpi0
:::::::::::::::
世界が、歪む。
まるで猫の金切り声のように、割れたティーカップのごとく、キャベツとビニールの擦りあい、
不協和音が世界に響く。
嫌な音が、世界を壊す。
神様は俯いて、僕を見ようともしなかった。
(・∀ ・)「ただいま帰りました」
( ∀ )「……………」
(・∀ ・)「神様」
( ∀ )「うるさい、近寄るな」
神様はやっぱり神様で、僕がどの国で見たことも聞いたことも学んだことも知っていらっしゃる。
だから、僕がこれから言うであろう言葉も知っていらっしゃるのだろう。
だから、近付かない
近付かないで、怯えている。
それは僕に対してじゃなく、世界に対してだ。
僕が近付くと、柔らかな羽毛に包まれたまま、神様は後ずさった。
( ∀ )「近寄るなと言ってるだろう!!」
- 32: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:22:46.73 ID:VAYVpDpi0
その声は、今までに聞いたことのないくらい、大きな声だった。
パリン、と何かの割れる音がする。
きっと僕らのこの世界が壊れる音なのだろう。
しかしそれは聞かなかったフリをして、僕は一歩神様に近付いた。
(・∀ ・)「神様、僕はね、もしかしたら最初から知っていたのかもしれないんです」
そして、また一歩
( ∀ )「………来るな」
(・∀ ・)「でも、そうしなかったのは、この世界が好きだったからです。
神様がすきだったからです」
再び、一歩
( ∀ )「来るな、うるさい」
一歩一歩、確実に近付く、神様はふるふると怯えるように震えている。
ようやく神様の目の前まで行くと、この人の綺麗な髪が僕の前で小刻みに揺れた。
その金色の草原に、そっと手を触れると滑らかな肌触りが僕の手を包み込んだ。
- 33: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:29:41.52 ID:VAYVpDpi0
(・∀ ・)「神様」
びくり、と神様の体が揺れた。
恐る恐る見上げてくる瞳が、僕とかち合う。その視線はどう見ても怯えているものだった
( ・∀・) (・∀ ・)
(;・∀・)「……う……嫌だ…俺は……」
怯える神様に、僕は優しく微笑みかけた。
(・∀ ・)「大丈夫です、僕が一緒にいますから」
(;・∀・)「……………」
たじろく彼の髪に、もう片方の手も滑り込ませた。
そうして包み込むように頭を抱える。
(・∀ ・)「だから、僕と一緒に、帰りましょう」
( ∀ )
- 34: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:30:15.90 ID:VAYVpDpi0
世界が、歪む。
ブラックホールのように、ぐんにゃりと歪んで僕達は一つに溶けていく。
神様と一緒に、溶けていく。
大丈夫、大丈夫、僕は神様の味方ですから。
だからどうぞ、そんな悲しい瞳をしないで下さい。
世界を怖がらないで下さい。
僕がずっと、そばにいますから。
- 36: ◆q/GlKnlG6s :2009/01/10(土) 00:31:07.44 ID:VAYVpDpi0
8:帰【キ】
了
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