(・∀ ・)たった一つのようです

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/24(土) 23:12:47.70 ID:exc/kZR30

10:世【ヨ】


泣き声が響く。
この真っ黒い世界で

僕と神様の世界で。

神様の声だけがひたすらに響く。
今の僕にもう姿かたちは無い。
元々神様から生み出された僕は、神様に記憶が戻った以上、神様の中に戻るしかないのだ。

「神様、泣かないで下さい」

( ;∀;)「うあぁあああ……あっ……!」

神様はまるで幼い子供のように泣きじゃくっている。
彼の記憶を辿った僕は、彼の意識を共有した僕は、ただ慰めることしか出来ない。

僕はそのために作られたんだから。

( ;∀;)「僕が………僕が殺したんだ………」

「違いますよ。 追い込んだのはギコですよ」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/24(土) 23:13:48.97 ID:exc/kZR30

( ;∀;)「違う……ギコは何も悪くない……」

「………………」

( ;∀;)「…ただ僕のことを考えてくれただけ……、ギコは僕の神様なんだ………」

恐らく、神様の心のどこか奥底にギコがいたのだろう。
神様の今までの振る舞いは、少しだけギコを思わせるところがあった。
今は、そんな影少しも無いけれど。

溢れてくる涙を覆って、神様はうわごとの様に「ごめんなさい」と呟いている。
きっと、思い出したくなかったんだ、そんなことはわかっている。
だけど、僕が神様の記憶を旅しているうちにそれは蘇ってきてしまった。

だんだんと、でも確実に。

それがよかったことなのか、今の僕にはわからないけど、こんな神様を見るのだけは嫌だ。

「神様、神様は、これからどうしたいですか?」

( ;∀;)「え…………?」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/24(土) 23:15:18.69 ID:exc/kZR30

暗闇の中に響く僕の声に、神様は顔を上げた。

「僕は、神様の傍にいます。ずっと、ずーっと」

「でも、神様が元の世界に帰らないなら、現実世界のように壊れた心のままなら、
 いつか、神様自身も壊れてしまう、それはとても悲しいことです」

「だから、できるなら、僕は神様に元に戻ってもらいたい」

神様は何も言わない。
いつものような水あめみたいな甘い言葉も、その美しい仕草も、何もなく、ただ
涙と鼻水で汚れた顔で、虚空を見つめている。

( ;∀;)「でも、戻ったとしても……」

「僕がずっと傍にいます。神様が悲しいときもつらいときも、ずっとずっと一緒にいますから。お願いです。

 僕は、貴方をこの箱庭から連れ出したい」

その言葉に、神様は一瞬瞳を瞑ると、やがて弱弱しい声で呟いた。

「……………神様?」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/24(土) 23:16:02.58 ID:exc/kZR30

消え入るような声で、神様はぽそりと呟いた


( ;∀;)「……………>>71」

1 一緒に帰る
2 帰りたくない



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/24(土) 23:17:08.20 ID:Xf15thYB0




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