( ^ω^)ブーンが戦い、川 ゚ -゚)クーが護るようです

410: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:21:43.38 ID:0LFlL8cs0
  
183の兵士が、173の兵士の足を見る。
その足は微かに震えていた。

「お前……」

「情けねぇだろ?」

「ここにいるのは志願兵のみのはずだぞ」

「願掛けみてぇなもんさ。
 俺の未来の女房は、ちょっと今入院中でよ……ここ半年、声さえ聞いてねぇ」

と、そこで更に隣にいた兵士――腕章に『>>174』と書いてある――が

「なぁなぁ、飯食おうぜ」

「うるせぇよ……今、ちょっとシリアス入ってんだから黙ってろ」

「(´・ω・`)ショボーン」

「……で、まぁ、アレだ。
 きっとこの戦いを乗り切れれば、彼女は目を覚ますんじゃねぇかってな……願望だけど」

183の兵士は、173の兵士の顔を呆然と見つめる。
やがて彼は決心したように銃器を構えた。

「ったく……しゃーねぇ、俺がテメェの死亡フラグへし折ってやるよ。
 んでもって、その女房と仲良くでも何でもしやがれ」



414: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:24:45.31 ID:0LFlL8cs0
  
その言葉を聞いた173の兵士が目を見開く。

「お前馬鹿か? 訓練さえサボってたお前が、あの巨人と戦えるってのか?」

「へっ、悪ぃな……俺、実戦派なんだぜ」

ニヤリと笑う183の兵士。
そして荒ぶる巨人の元へと走っていった。

「馬鹿野郎……俺の勝手な理由のために死なせるかっつーの!」

続いて173の兵士も駆け出す。
しかし、少し走ったところで背後を振り向き――

「おい、さっさと行くぞ。
 生きて帰ったら、上手い飯でも一緒に食おうぜ」

「(`・ω・´)!!」

それを聞いた174の兵士も追従するように走り出した。
向かう先は巨人。

――奴から見ればただの小人だろうが、一矢報いてやる。

その一心で、二人+αが駆け出した。



418: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:27:26.39 ID:0LFlL8cs0
  
(《・>ω<・》)「フォフォフォォォ!」

( ,,゚Д゚)「うるさい奴め――!」

いつの間にか、巨大生物の目線の高さにギコが跳躍していた。
狙うは地面を抉り取った下がっている腕。

( ,,゚Д゚)「つぁッ!!」

気合の声と共に、刀身を縦に両断するように落とした。
斬撃が巨大生物の腕を――

(;,,゚Д゚)「!」

断てない。
まるでゴムのような材質の皮膚は、刃の衝撃を吸収するかのようにへこんだだけだ。
先ほどからこれの繰り返しだ。
ギコの巨剣も、ショボンの槍も、FC兵の銃弾さえも通さない特殊な衝撃吸収型の皮膚。
攻撃自体は原始的なものの、皆、この防御力に苦難していた。

(´・ω・`)「力押しじゃ駄目だってことだね」

( ´_ゝ`)「あんなの私の魔法でチョチョイのチョイよ」

桃色の書物を開き、ページを破る。

( ´_ゝ`)「そぉい!」

掛け声と共に現われるは魔方陣。
そしてそこから発せられたのは火炎だ。



421: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:29:44.45 ID:0LFlL8cs0
  
炎が一直線に生物へ向けて放たれた。

(《・>ω<・》)「フォ!?」

轟、という燃焼の音。
しかし――

(《・>ω<・》)「フォフォッフォ!」

キカネーヨ、と言わんばかりに暴れる生物。
つっかえねぇな、と言わんばかりに半目で兄者を睨む味方勢。

(;´_ゝ`)「魔法少女兄者・第三話!
      『兄者(ある意味)ピンチ! 汚らわしい目で見られてる!?』」

無論、次の瞬間に味方から袋叩きにされたのは言うまでもない。
ボロ布のようになった兄者を放り、ギコ達は今度は真剣に敵を倒す方法を考える。

( ,,゚Д゚)「やはりあの材質以上の力で斬るしかないか?」

(´・ω・`)「僕の刺突さえ防がれてる状況だからね……どうにもそっち方面では難しいかもしれない」

ギコは素直に意見を聞き入れ、上空で浮かぶしぃに

( ,,゚Д゚)「しぃ、お前の羽片はどうだ?」

(*゚ー゚)「さっきやってみたけど……駄目だったよ」

( ,,゚Д゚)「ちっ……こうなったら、誰か限界突破で――」



425: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:31:59.79 ID:0LFlL8cs0
  
その時。
背後から、よく通る、そして聞き覚えのある声が響いた。

「おいおい……テメェら、少しは脳みそ使えよ。
 その頭は飾りかぁ?」

(#)_ゝ`)*゚ー゚)「!?」(゚Д゚,,(´・ω・`)

一斉に振り向く。

( ゚∀゚)「ったく……お前ら、本当に勇者様ですか? あぁ?」

(;,,゚Д゚)「ジョルジュ!? いつの間に脱走した!?」

( ゚∀゚)「うるせぇよ、馬鹿。
     それより、さっさと俺様のウェポン返しやがれ」

( ,,゚Д゚)「ふざけるな、阿呆。
     誰が貴様などに――」

その言葉を止める声があった。

(´・ω・`)「ギコさん、待ってほしい。
      彼がもし自力で脱走したなら、ここには来ないはずだよ」

( ,,゚Д゚)「……しかし」

( ゚∀゚)「いちいちうっせぇなぁ……さっさとウェポン返せって。
    んでもってさっさとあのデカブツぶっ殺すぞ」



429: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:34:03.39 ID:0LFlL8cs0
  
意外な言葉。

ジョルジュがこちらの味方をする、と?
彼の言葉を簡潔に訳するとそういうことになるのだが――

( ゚∀゚)「勘違いすんじゃねぇぞ。
     別にテメェらのために協力するんじゃねぇ。
     俺様は俺様のために行動してんだ……そこんとこ間違えんなよ」

歩き出す。
向かう先はギコだ。

( ゚∀゚)「オラ、さっさと出せ。
     テメェからユストーンの気配がビンビン伝わってくるんだよ」

( ,,゚Д゚)「…………」

( ゚∀゚)「丁寧に言うがな――
     こんなトコロでボーッと敵の無い弱点を探してていいのですかよ?
     そんでもって最終的にぶっ殺されて、それで満足なのですかよ?」

続ける。

( ゚∀゚)「もう一度言うぞ。
     俺様はテメェらを手伝いに来たんじゃねぇ……俺様自身のために来たんだ。
     たまたま目的が一緒なだけだっつーことだ。
     アーユーオーケーですかよ? あぁ?」

背の高いギコを、下から見上げるように睨むジョルジュ。
その口調は最悪だが、しかし以前には無かった意思のようなものを感じ取れた。



438: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:36:31.22 ID:0LFlL8cs0
  
( ,,゚Д゚)「……ちっ」

諦めたような舌打ち。
コートのポケットに手を入れ、灰色の指輪を取り出した。

( ,,゚Д゚)「今回だけだ、信用するのは」

手渡す。

( ゚∀゚)「充分だ……今日以降、テメェらと会う気はねぇよ」

奪い取るように受け取り、指にはめる。
発光。
次の瞬間にはジョルジュの身に、鎖が纏うようにして出現していた。
ジャラジャラと音を立てながら歩き出すジョルジュ。

( ゚∀゚)「いいか? テメェらは力に拘りすぎてんだよ」

(´・ω・`)「ほうほう、それでそれで? 変なこと言ったら変態――」

(;゚∀゚)「無視するぜ」

何か嫌なものを思い出したのか、彼は冷や汗を拭った後で一言。

( ゚∀゚)「見てろ」

途端、疾駆を開始する。
向かう先は先ほどから大暴れしている巨大な生物だ。



441: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:38:50.55 ID:0LFlL8cs0
  
(《・>ω<・》)「フォッ!」

走ってくるジョルジュに気付いた。
周囲を取り囲むFC兵を無視し、ジョルジュへ攻撃を仕掛ける。
原始的な『殴打』という名の攻撃だ。
風を切り、唸るように迫る巨大な右拳。

( ゚∀゚)「ノロマがぁ!」

しかしジョルジュはそれを『跳躍』という名の回避運動で見事に避ける。
着地点は巨大生物の右腕上だ。

( ゚∀゚)「いくぜ!」

言葉と共に疾走。
突き出された巨大生物の右腕を伝うようにして、走り登る。

(《・>ω<・》)「フォフォ!?」

慌てて落とそうと身体を揺するが、しかしジョルジュは振り落とされない。

( ゚∀゚)「ユストーン、久々だな!
     俺様が命ずるぜ! 思う存分暴れろ!」

右肩の頂上まで走ったジョルジュは、その場で更に跳躍した。
その頂点で、彼は鎖を振るう。



442: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:41:49.38 ID:0LFlL8cs0
  
(《・>ω<・》)「フォ!?」

前回の戦いよりも、更に長くなった鎖が巨大生物に巻きつくように絡まっていく。
慌てて抵抗を試みるも、時既に遅し。
一瞬の内に鎖は巨大生物を捕らえた。
肩部から両足の先まで絡めとられた巨大生物は、その場に倒れるように身を崩す。
ズン、という轟音と揺れる地面。
その様子を見ながら、地に着地したジョルジュはギリギリと鎖を締め上げる。

( ゚∀゚)「おら、さっさとやれよ。 今なら攻撃、効くはずだぜ」

(´・ω・`)「そうか……いくら強力な衝撃吸収材でも、固めてしまえばその効果を失う!」

( ゚∀゚)「そういうこった……頭を使うっていうのはこういうことだぜ」

( ,,゚Д゚)「貴様に言われるのは気に入らんが、遠慮なくチャンスはもらおう」

グラニードを構え、ギコが跳躍する。
その姿を見た他の兵士達も己の得物を巨大生物に向けた。

「うぉりゃぁぁぁぁ!!!」

連続した破裂音と銃声、その直後に斬撃音。

(《・>ω<・》)「フォォォォォォォ!?」

本来弾くはずの弾丸は身を貫き、本来通用しないはずの斬撃は身を裂く。
咆哮ともいえる断末魔を上げながら、遂に巨大生物は息絶えた。



447: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:44:11.39 ID:0LFlL8cs0
  
( ・∀・)「ははは、何とも快感だね」

そう言うモララーの視線の先。
未だ残っている黒き兵士がこちらの行く手を阻まんと走りこんでくるが――

「やらせるかよ!」

「社長! 社長援護手当、お願いしますね!」

掛け声と共に白き兵が押し寄せる黒い壁を押さえる。
その隙に出来た道を、ひたすらモララーを筆頭にブーン達は走っていた。

(;^ω^)「何か、任せるのは悪い気がするお……」

( ・∀・)「はは、気にしないでいい。
     彼らは戦いたくてここに来ているのだからね」

(´<_` )「む、そろそろ塔に着くぞ」

見上げれば、巨大な白い塔が天高くそびえている。
近くに来てようやく、それはなかなかの巨大さを誇るのだと認識させられた。

ミ,,"Д゚彡「あの中に――」

フサギコが呟いた瞬間。
目の前の視界が一気に開ける。



450: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:46:37.07 ID:0LFlL8cs0
  
( ^ω^)「お?」

辿り着いた場所は白い巨塔の根元部分だ。
その周囲には黒い兵士の姿は無い。

('A`)「……どうやら俺達が一番乗りみたいだな」

( ・∀・)「そのようだね」

ミ,,"Д゚彡「ギコさん達はまだ戦ってるのでしょうか?」

( ^ω^)「さっき巨大な生物が倒れるのが見えたんだお。
      多分ギコさん達がやっつけたんだお!」

背後の空を見る。
上空に浮かぶしぃが見えるが、おそらくはその周辺にギコ達がいるのだろう。
距離的には近い。
もう間も無く待てば、きっとここへ辿り着くだろう。

(´<_` )「さて、どうする? ここで彼らの到着を待つか?」

ミ,,"Д゚彡「別に皆揃って行く必要もないのでは?
      先に塔内を少し偵察するくらいのことはしても良いかと」

('A`)「んじゃ、ここで誰かが待つってことで――俺が立候補するぜ」

(;^ω^)「堂々と留守番立候補する奴、初めて見たお……」



454: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:49:17.74 ID:0LFlL8cs0
  
( ・∀・)「……議論はそこまでだね。
     どうやら簡単には入れてくれないらしい」

モララーが塔の入り口を見ながら呟く。
他の四人もつられて見れば――

(  )「…………」

塔の入り口を塞ぐように、誰かが仁王立ちしている。
白銀の甲冑に身を包んだ格好。
その顔は白銀の鉄仮面のせいで確認することは出来ないが――

(´<_` )「女性……?」

見た感じ、身体のラインは女性を連想させた。

( ・∀・)「女騎士……萌えというヤツかね、これは」

(;^ω^)「無視しますけど……これは――」

('A`)「どうした、ブーン?」

(;^ω^)「何か……何か危険な予感がするんだお。 あの人、何かやばいお」

ミ,,"Д゚彡「……内藤さんも気付きましたか」

どうやら妙な気を発しているらしい。
身をチクチクと刺されるような――常に刃を身体に当てられているような感覚。



460: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:51:21.05 ID:0LFlL8cs0
  
( ・∀・)「面白そうだ……」

モララーが指輪をはめながら足を一歩踏み出した時だ。

(  )「内藤ホライゾン」

凛とした声が鉄仮面の中から聞こえた。

(;^ω^)「……え?」

突然、己の名を呼ばれたブーンは一瞬反応が遅れる。
返事を聞いた鉄仮面の騎士は、ブ−ンの方へ顔を向け

(  )「入れ」

その身を、塔の入り口からズラした。

(;^ω^)「ぼ、僕だけかお? どうして……?」

(  )「我が主の命だ――行くがよい」



465 名前: ◆BYUt189CYA [>>459 テラサンクス!!] 投稿日: 2006/11/24(金) 22:54:28.30 ID:0LFlL8cs0
  
戸惑うブーンに皆の声が掛かった。

( ・∀・)「行きたまえよ。 どうやら塔内にいる者は君を大変気に入ったらしい」

('A`)「三番テーブル、ご指名入りました〜」

ミ,,"Д゚彡「ここは私達に任せて行くべきです。 貴方は貴方の為すべきことをして下さい」

(´<_` )「ギコさん達が追いついたら、すぐに向かうから安心しろ」

( ^ω^)「皆……解ったお」

少し躊躇するような素振りを見せながらも、味方に背を向け歩き出す。
向かう先は白い巨塔、そして仁王立ちする鉄仮面の騎士と、その傍らの入り口だ。

(  )「…………」

騎士は無言で、ただ前を向き――ブーンさえも見向きしない。
その傍らを恐る恐る歩いていくブーン。

(;^ω^)(いきなり襲うのは無しだおー……?)

半分祈りながら騎士の傍らを通り過ぎる。
その瞬間、騎士が身を動かして入り口を封鎖した。

( ^ω^)「おっおっ……とりあえず不意打ちは無かったお。
      でも、僕だけ通れって一体どういうことだお……?」

よくは解らないが、とりあえず進むしかないようだ。
薄暗い通路をブーンは一人歩いていった。



468: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:57:25.00 ID:0LFlL8cs0
  
白い巨塔の根元。
その入り口は鉄仮面の騎士が塞いでいる。

そして対するようにモララー、弟者、ドクオ、フサギコが並んで立っている。
ブーンが塔内に入って数分。
最初に口を開いたのはモララーだ。

( ・∀・)「さて……私達はいつ通してくれるのかね?」

(  )「貴様らは永遠に通ることは出来ない」

ミ,,"Д゚彡「どういうことでしょうか?」

(  )「答えなど解りきっている。
    貴様らはここで我に殺されるのだから」

('A`)「過激で挑戦的だな、おい……こちとら四人だぜ?」

(  )「我が力の前には数など戦力計算の内に入らない」

(´<_` )「ふむ……随分と自信があるようだ」



470: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 22:59:24.76 ID:0LFlL8cs0
  
(  )「加減はせぬよ」

動きは同時。
鉄仮面の騎士が、背負っていた白銀の剣と白銀の槍を取り出す。

(  )「さぁ、来るならば来い……退くならば勝手に退くが良い」

( ・∀・)「要は力任せで通れ、ということかね」

(  )「知らぬ。 我はただ、『ここを内藤ホライゾン以外を通すな』としか命を受けていないのでな」

構える。
その身体から殺気が漂い始め――

(  )「来るなら覚悟をしてから来い。
    生半可な力では我に傷すら入れることは出来ぬと思え――!」



472: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 23:01:30.76 ID:0LFlL8cs0
  
塔内。
薄暗い通路。
延々とそれが続く。

(;^ω^)「うー……長いお」

何かトラップがあるのかと思っていたが、それもない。
迎撃する敵の姿も見えない。

おかしい。

(;^ω^)「どうなってんだお……?」

とりあえず退くことは出来ぬので歩き続ける。
道が少し曲がっていることから、どうやら塔の外周部を歩いているらしい。
段々と中心へ向かって通路が続いているのだろうか。

そんなことを思った時。

( ^ω^)「お、明かりが見えるお」

どうやら塔の中心に辿り着いたようだ。
光が漏れる方へ半ば走るように向かう。



473: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 23:03:53.30 ID:0LFlL8cs0
  
(;^ω^)「お……」

そこは廃墟同然だった。
何処かの研究施設をそのまま放棄したような、そんな光景が目の前に広がった。

( ^ω^)(ここって、兄者さんが言っていた……?)

だとすれば何処かに本棚が在って、そこから隠し通路へ行けるはずだ。
とりあえず各部屋を見ていく。
何処も彼処もボロボロに荒れ果てている。

と、最後の部屋に辿り着いた。

( ^ω^)「ここかお……」

確かに兄者が言っていた通り、不自然に立っている本棚が存在した。

( ^ω^)(確かここにクルト博士の日記帳を――)

それはすぐに発見出来た。
話通りの場所――つまりクルト博士の机の上に放置されていたのだ。

( ^ω^)「これを、あの本棚に入れて――」

カチリ、と音がする。
訪れるは重い音と振動だ。
そして本棚が割れるように開いていき――



475: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 23:06:14.60 ID:0LFlL8cs0
  
( ^ω^)「?」

ふと、先ほど本棚に入れたクルト博士の日記帳が目に入る。

何だ?
何か気になる。

そう考えている間に本棚は見事二つに割れきった。

( ^ω^)「…………」

ブーンは考える前に、自然とクルト博士の日記帳を手に取った。
しかし、隠し扉は閉まる気配は無い。

その事実に安心しつつ、ブーンは日記帳を開く。



476: ◆BYUt189CYA :2006/11/24(金) 23:08:25.42 ID:0LFlL8cs0
  
何だろう。
何か、どうしても気になるのだ。

ページをめくっていく。
文に目を通し、意味を頭に入れていき、心の中で反芻する。

そしてあるページに行き着いたとき。

(;^ω^)「え……!?」

そこには『ある事』について書かれてあった。
慌ててページをめくりながら、貪るように読んでいく。

(;^ω^)「そ、そんな……これって……!?」



――ブーンは、真実を知ってしまった。




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