( ^ω^)ブーンが戦い、川 ゚ -゚)クーが護るようです
- 624: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:47:34.24 ID:ZKsPX9dI0
- その白い両腕を振りかぶり――
( ,,゚Д゚)「来るぞ!!」
ズドン、という轟音が聞こえてきそうな錯覚と共に両腕が発射された。
まさに二本の白槍。
片方は
(*゚ー゚)「!?」
片方は
( ,,゚Д゚)「ッ!」
それらは二人を狙う。
高速で向かってくる鋭い腕を、空中にいたしぃは羽ばたき一つで回避。
ギリギリで自分のいた空間を白槍が貫いていった。
強烈な勢いに空気がかき乱され、一瞬バランスを崩しかけるが耐える。
そのまま一気に突撃しようとした瞬間。
(;'A`)「しぃさん、後ろ!!」
(;*゚ー゚)「え!?」
見れば、伸びきったはずの腕がこちらに向かってUターンしてきている。
明らかに関節を無視した軌道だ。
その手のひらは開かれており、今にもしぃの体を握り潰さんと迫って――
- 627: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:49:50.10 ID:ZKsPX9dI0
- (;*゚ー゚)「そんな……!?」
咄嗟の判断。
身を側転するようにロールさせ、白槍から逃れようとする。
しかし、風を穿つ音と共に橙色の光で構成された翼を貫かれた。
片方の翼を穿たれたことにより一瞬だけ落下動作に入るが
(;*゚ー゚)「ッ!」
精神力さえあれば幾らでも息を吹き返す翼が、意思通りに身を具現化する。
( ,,゚Д゚)「ふぅ……」
空中で姿勢を戻した彼女を見つつ、ギコは巨剣を盾にしたまま安堵の息を吐いた。
(;,,゚Д゚)「しかし何なんだ、この攻撃は――」
地に突き立てたグラニードの刀身には、やはり白い槍ともいえる腕が突き刺さっていた。
生身の腕ならば一瞬で砕かれるはずだというのに
未だ腕はその形を保ちつつ、そしてウェポンに傷さえ入れている状態だ。
武器とは言えない、しかし武器と同等かそれ以上の存在。
- 629: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:52:21.30 ID:ZKsPX9dI0
- ( ,,゚Д゚)(これが15th−Wの能力、なのか……?)
見れば、攻撃をされなかったモララー達が一斉に攻撃を仕掛けるところであった。
ミ,,"Д゚彡「ッ!!」
大鎌を振りかぶり、ハインリッヒの首を両断せんという勢いで振る。
金属音。
ミ;,,"Д゚彡「なっ……!?」
从 ゚∀从「ヒュヒュヒュ!」
漆黒の大鎌は首を切り裂くことは無かった。
代わりにハインリッヒの歯が刃に立てられている。
そのまま笑い声を発するので、空気が抜けるような間抜けな音が混ざる。
ミ;,,"Д゚彡(――う、動かない!?)
大鎌を引き、そして押すが動かない。
まるで不動が当然とだいわんばかりに、ガッチリと両歯は大鎌の刃を固定している。
( ゚∀゚)「何やってんだよ、馬鹿が!!」
ジョルジュの声が背後から響く。
次の瞬間、フサギコの足元の真横を灰色の鎖が高速で這っていった。
それはハインリッヒの左足にしっかりと絡まる。
- 635: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:54:23.03 ID:ZKsPX9dI0
- ( ゚∀゚)「ひゃっは! これでぶっコケ――」
グン、と鎖が一気に引かれる。
ミ,,"Д゚彡「……え?」
だがハインリッヒは微動だにしない。
妙に思い、背後のジョルジュを見る。
(;゚∀゚)「ぬ、ぬがぁぁ! 何だコイツ!? 地面に根ェ張ってんのか!?」
伸び切った鎖が震えるがハインリッヒに影響は無い。
( ・∀・)「何をしているのかね、この馬鹿は」
声と同時。
モララーの2nd−W『ロステック』が横薙ぎにハインリッヒの顔面を捉えた。
硬質な音が激震としてその場に響く。
しかし、骨が砕ける生々しい音は聞こえない。
( ・∀・)「――!?」
気付く。
粉砕力の強化を受けた鉄槌がハインリッヒの顔面を砕けなかったこともだが
その衝撃が、彼女(彼?)の立ち位置さえ動かさなかったことを。
- 640: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:56:14.64 ID:ZKsPX9dI0
- ( ・∀・)「まさか、本当に地に根を張って――」
有り得ない仮定が口から漏れ出た瞬間。
从 ゚∀从「ヒッ!!」
轟音。
地に根を張ってはいなかった両足が白い床を蹴り飛ばし、真上へと跳躍した。
いや、もはや跳躍というレベルではない。
一気にしぃがいる空域さえも突き抜ける。
ミ;,,"Д゚彡「う、うわぁぁぁ!?」
(;゚∀゚)「おぉぉぉぉぉ!?」
無論、くっついていた二人も道連れにされる。
その様子を少し離れた場所で見ていた兄者が
( ´_ゝ`)「絶対に武器を放すな! 喰われるぞ!」
ミ;,,"Д゚彡「そ、そんなこと言われましてもぉぉぉ!?」
高く舞い上がった声がみるみる落ちてくる。
少し遅れてジョルジュの悲鳴。
- 644: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 21:58:28.62 ID:ZKsPX9dI0
- 从 ゚∀从「ヒハァァァァ!!」
叫声と共に白い床にハインリッヒが墜落――否、激突する。
撃音と激しい振動が地を襲った。
その際に生まれた衝撃波が地上に残った者達に襲い掛かる。
(;'A`)「な、何だよ、今のは……!?」
(;´・ω・`)「フ、フサギコさんとジョルジュは――」
砂煙の中。
そこから出てきたのは――
( ・∀・)「やれやれ……男を抱く趣味はないのだがね」
(´<_` )「まったくの同意だ」
モララーがフサギコを、弟者がジョルジュの身体を抱きかかえるように捕獲していた。
ジョルジュがユストーンを標的から外しながら
(;゚∀゚)「ヒュ〜、あっぶねぇ……危うくミンチになるとこだったぜ」
慌てて退く。
衝撃によって外れた大鎌を持って、フサギコも同じくその場から退避する。
ミ;,,"Д゚彡「正直、死んだかと思いました……」
( ・∀・)「ではその拾った命、存分に使いたまえよ」
- 648: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:00:34.70 ID:ZKsPX9dI0
- 皆、その奇抜な攻撃方法と異常な頑丈さ、そして卓越した運動能力に戸惑っていた。
その様子を見た兄者とモララーは、一つのアイコンタクトをとる。
内容は簡潔だ。
『時間を稼げ。 その間に皆を落ち着かせる』
頷いたのは兄者だ。
桃色の書物を片手に、ハインリッヒの元へと歩き出す。
(;'A`)「え、兄者さん?」
( ・∀・)「皆、少しの間……私の話に耳を傾けてほしい」
兄者の歩く姿を遮るようにモララーが両手を広げた。
( ,,゚Д゚)「おい、どういう――」
( ・∀・)「時間が無い」
威圧感。
その普段の彼が出し得ない気を感じ取り、ギコは素直に黙る。
( ・∀・)「いいかね? 状況と情報、そして経験からの判断だが――
15th−W『ラークレイング』の能力内容が解った」
ミ,,"Д゚彡「一見すると武器ではないようですが……」
( ・∀・)「そう、武器ではないのだよ。 その能力内容は――」
- 655: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:02:57.20 ID:ZKsPX9dI0
- (;^ω^)「リミッター解除?」
轟音を奏でながら上を目指す巨大エレベーター内。
その空間内で、ブーンはクーの話に耳を傾けていた。
川 ゚ -゚)「そう、リトガーが作った15th−W『ラークレイング』の能力は
人体のリミッターを解除することを可能とするウェポンなんだ」
何故、彼女がそんな事を知っているのか。
理由は簡単だった。
彼女はしばらくの期間、リトガーと共にいたことにより、いつでも研究内容を覗こうと思えば覗けたのだ。
そして彼女は、偶然生まれた興味本位で15th−Wの内容を知ることとなる。
川 ゚ -゚)「生物というのは、元々その身体にリミッターが掛けられているんだ。
人間なら、本来は500kgの物くらいは持ち上げられるほどの筋力を持ち合わせている」
( ^ω^)「…………」
川 ゚ -゚)「だが、それは故意にやろうと思っても出来ない。
何故か解るか?」
(;^ω^)「えーっと……ちょっと解んないお」
川 ゚ -゚)「筋繊維が大量に切れ、筋肉の組織自体を破壊してしまうため
力の指令を出す脳にリミッターが掛かり、全ての力を出せないように制御されているからだ」
(;^ω^)「おっおっ?」
突然難しい話になり、少しついていけない様子なブーン。
そんな彼を咎めることなく、クーは淡々と語っていく。
- 660: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:05:42.20 ID:ZKsPX9dI0
- 川 ゚ -゚)「つまり15th−W『ラークレイング』とは
そのリミッターを解除し、生物の基礎能力自体を底上げする、というわけだ」
要は火事場の馬鹿力を自在に発揮出来ることなのだ、とブーンは解釈する。
しかし疑問がそこで浮かんだ。
(;^ω^)「で、でも……そんなことすれば身体が耐えられないんじゃないのかお?」
つい先ほどの説明。
リミッターを解除すれば筋繊維が断ち切れ、筋肉の組織自体が破壊されてしまう。
その疑問に対し、クーは一つの答えを用いた。
川 ゚ -゚)「15th−Wの能力はリミッターを解除するだけではないんだ。
使用者の細胞や組織、骨を変質・変化・強化し
そのリミッター解除状態に耐えられる身体を作り出す……」
つまり
川 ゚ -゚)「あのウェポンは『身体を武器化する』という意味に近い。
そして正確な能力を言葉にするならば……『人体の限界突破』、だ――」
- 663: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:07:53.39 ID:ZKsPX9dI0
- ( ´_ゝ`)「やれやれ……俺がこんな化け物と戦う羽目になるとは」
頭をガシガシを掻きながら、ハインリッヒに近付いていく。
その異常といえる威圧感を身に受けながら、しかし彼は足を止めない。
説明をモララーに任せた理由は簡単だ。
自分では説得力が無いから。
ただ、それだけだ。
そして説明をするには時間が必要。
その時間を確保するのが己の役目。
从 ゚∀从「ヒヒ……ヒャヒヒ!」
首を捻じ曲げながら奇声を上げる完成品。
その凄惨な状態を見つつ
( ´_ゝ`)「クルト博士……アンタも、こんなモノは作りたくなかったろうに」
彼はただ、最強の生物を作りたかっただけなのだ。
子供のような幻想を本気で追い求めただけなのだ。
それを汚すような行為をしたのはリトガー。
許せない。
許すわけにはいかない。
- 671: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:10:01.51 ID:ZKsPX9dI0
- 兄者は心の中で怒りの炎を燃やす。
しかしその怒りをぶつける相手は、もはやこの世にいない。
目の前の化け物と同化してしまっているからだ。
だから兄者は思う。
せめてコイツだけは消滅させる、と。
( ´_ゝ`)「悪いな、ハインリッヒ……お前は俺から見れば不良品だよ」
从 ゚∀从「フリョーヒン?」
( ´_ゝ`)「そ。 お前は在っては駄目なんだ」
言葉と共に書物を開く。
瞬時にページ内容を選択し、時間を稼ぐに相応しい術を選ぶ。
( ´_ゝ`)「これで動きを止めれるか解らんが――」
ページを一枚破る。
放り投げた途端、その場に緑色の魔方陣が生成された。
緑光と風。
- 676: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:11:49.40 ID:ZKsPX9dI0
- ( ´_ゝ`)「喰らっとけ」
瞬間。
魔方陣から緑色の槍が四本、上空へ向かって撃ち出される。
それは一旦空中で静止したかと思えば――
从 ゚∀从「!」
ガラスが砕けるような音と共にハインリッヒに突き刺さった。
それは止まることなく身体を貫通し、遂には地面に打ち付けられる。
( ´_ゝ`)「ま、しばらくこれで黙っててくれや」
やる気なさげに片手を振りながら言う。
対してハインリッヒは――
从 ゚∀从「ヒャヒヒヒヒ!!」
激音。
一瞬ハインリッヒの筋肉が隆起したかと思った瞬間、拘束していた緑の槍が砕かれた。
(;´_ゝ`)「あー、やっぱなぁ……そうなるよなぁ」
15th−Wをリトガーが作ったというのならば、その力を他のウェポンより弱くするわけがない。
しかし、このくらいは予想済みだ。
- 683: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:13:40.04 ID:ZKsPX9dI0
- ( ´_ゝ`)「でもなぁ……あー仕方ない、戦るしかないわけか」
両足を肩幅に広げ、片手で書物を開きつつ構える。
正直、先制攻撃を仕掛ける気にはならない。
兄者の魔法攻撃は高威力・広範囲故に敵を見失い易いのだ。
対多数戦ならば兄者の独壇場だが、一対一となると途端にその弱点を露呈する。
十五のウェポンの内、最も使う場所・状況が限定されるのが4th−W『アーウィン』であった。
そして今。
その最も苦手とする戦場で、兄者は最強生物と相対している。
仲間のため、そして己の尊敬する人のために。
从 ゚∀从「ヒャヒャ!」
来る。
ここにきて、初めてハインリッヒ自らが足を踏み出してきた。
近接か――
そう判断した兄者は、バックステップの動きで距離をとる。
- 691: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:15:40.42 ID:ZKsPX9dI0
- ( ´_ゝ`)「!」
その動きをすることを、まるで解っていたかのようにハインリッヒの右腕が動いた。
突き出す。
そこから発せられるのは腕という名の槍だ。
発射は一瞬、速度は高速。
相対距離十メートル以上はあるというのに、その差は刹那の間に埋まった。
(;´_ゝ`)「くっ……!」
右肩を左前に出す動き。
その空間を白槍と化した腕が突き抜けていった。
右肩甲骨辺りに鋭い痛みが走る。
(;´_ゝ`)(避け損なった……最近の運動不足が祟ったか)
出血の確認をせずに、すぐさま反撃に移る。
書物のページを破り――魔方陣が展開。
青色の魔方陣から発せられたのは『風』だ。
風の形の名は『短剣』。
小さなナイフともいえる風の刃が、兄者の周囲に次々と現われる。
その数は無数。
( ´_ゝ`)「切り刻めよ、青の暴風!」
合図と共に風が動いた。
轟、という重々しい音と、風を切る細かい音が重なる。
- 700: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:18:00.03 ID:ZKsPX9dI0
- それらは躊躇することなくハインリッヒに牙を剥いた。
刺突音が連続で――
響かなかった。
(;´_ゝ`)「!?」
無数の風のナイフが突き刺さった空間に、ハインリッヒがいない。
そのことから兄者は一つの可能性を感じた。
(;´_ゝ`)(ミシュガルドの幻術!?)
まずい。
奴はもう11th−Wの使い方を憶えている。
では、本体は――
从 ゚∀从「――ヒヒ」
背後から声。
背筋に異常な悪寒が這い登った。
慌てて振り向こうとした途端、身体を押される。
振り向こうとしていた身体の回転は止められ、バランスが崩れた。
何とか体勢を保とうと出した足を――
(;´_ゝ`)「おっ……」
引っ掛けるかのように掬われる。
半ば仰向けになりながら、兄者の身は地面に倒れていった。
- 706: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:20:02.81 ID:ZKsPX9dI0
- そして気付く。
いつの間にか上空から、先ほど攻撃してきた白い腕が自分目掛けて真っ逆さまに向かってくるのを。
(;´_ゝ`)(このまま串刺しにするつもりか――!!)
身を動かす。
駄目だ。
地面に倒れた反動で自由に動いてくれない。
鈍い音が己の腹の目の前で響いた。
从 ゚∀从「……ヒ?」
(;´_ゝ`)「ぐっ……!」
未だ兄者は無傷であった。
咄嗟に、盾のようにして桃色の書物を腹の上に持ってきたのだ。
その書物の半分以上を貫いて白い腕が突き刺さっている。
力が拮抗するが、やはりハインリッヒの方が強かった。
ギリギリと耳障りな音と共に書物が貫かれていく。
このままではいずれ穿たれ、きっと己の腹に穴が開くことだろう。
从 ゚∀从「ヒヒ、ヒヒヒヒヒ!!」
奴もそれに気付いたようだ。
ますます力を入れ、兄者の腹をぶち抜こうとする。
- 711: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:22:54.00 ID:ZKsPX9dI0
- 一枚、また一枚と書物のページが貫かれていき――
(;´_ゝ`)(ここまでか……!!)
心に諦めの精神が宿りかけた瞬間。
(´<_`#)「兄者!!」
突如、ハインリッヒが真横に吹き飛んだ。
つられるように、桃色の書物を穿っていた腕が抜ける。
(´<_` )「兄者、無事か!」
斥力を放ち、少々の煙を上げるジゴミルを構えた弟者が駆け寄ってくる。
(;´_ゝ`)「ぶっちゃけ、もう駄目かと思った」
( ・∀・)「ははは、馬鹿約一名がなかなか理解してくれなくてね」
(;゚∀゚)「うっせぇよ、馬鹿」
救出されながらその場を退避する。
その先で作ったのは弟者が先頭の陣形だ。
少し遠い場所で起き上がりながら笑っているハインリッヒを見ながら
( ´_ゝ`)「……で、俺が時間を稼いでいる間に打開策は出たのか?」
( ・∀・)「奴が経験で進化していくのならば、更に圧倒的の力をぶつければいい」
( ´_ゝ`)「やはりその結論しか無いみたいだな」
- 716: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:25:22.33 ID:ZKsPX9dI0
- ミ,,"Д゚彡「しかし、そんな力をすぐに用意できるのなら苦労はありませんよ」
( ,,゚Д゚)「結局のところ、地道にダメージを積みかねるしか手段は無い、か。
非効率的な手段だ……」
(´・ω・`)「非効率的だろうと、方法がそれだけならやるのみだね。
嘆いてたって仕方ないよ」
( ・∀・)「諦めるにはまだ時期も尚早……やれるだけやってみるしかあるまいか」
('A`)「……全員同時限界突破なんてどうッスか?」
( ・∀・)「その『全員』が揃っていない状況で、それはしたくないね。
やるとするならば、内藤君とクー君を待つのが正解だ」
(*゚ー゚)「となると……今の私たちがやるべきことは
内藤君とクーさんが来るまで、出来るだけハインリッヒの力を削っておくことね」
( ´_ゝ`)「一見攻撃が効いてないように見えるが、実はしっかりとダメージは積み重なっているはずだ。
奴とて生物……その範疇からはどうやっても逃れられない」
( ,,゚Д゚)「その情報はありがたい……皆、行くぞ」
全員が、それぞれの武器を構える。
- 723: ◆BYUt189CYA :2006/12/01(金) 22:27:35.13 ID:ZKsPX9dI0
- それを見たハインリッヒが笑い声を止めた。
从 ゚∀从「コウゲキ……? ウェポン……?」
そして
从 ゚∀从「セカイ……?」
その呟きともいえる声を耳に入れたモララーが答えた。
( ・∀・)「君が何を知っているのか解らないが――
ある意味、この戦いは世界の行く末を決めるのかもしれないね」
( ,,゚Д゚)「それは大層なことだ……だとすれば、勝てば俺達は世界の救世主だな」
( ´_ゝ`)「あまり柄に合わんのだがな」
その場にいる全員が、兄者の言葉に少し笑みをこぼした。
( ,,゚Д゚)「――いくぞ!」
ギコの鋭い声と共に戦闘が再開される。
しかし彼らは知らない。
この戦いは単なる矛盾との戦いではないことを。
この戦いに勝った側が――世界を背負うことになるということを。
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