( ・∀・)モララーのクリスマスはとんでもないようです

49: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:27:54.68 ID:rBNb9hRU0
  
( ・∀・)「さて、そろそろ『バーボンハウス』だね」

爪゚ -゚)「ショボン様、兄者、弟者様、ジョルジュ様がいらっしゃると思われます」

( ・∀・)「何故に兄者君が呼び捨てなのかは気にしないでおこう」

シャンシャン、ズリズリ
ズリズリ、シャンシャン

しばらく夜道を進んでいると

(´・ω・`)「やぁ、来たね」

ショボンだ。
いや、彼だけではない。

( ´_ゝ`)「兄者惨状」

(´<_` )「間違えているぞ、兄者」

( ゚∀゚)「ふあぁぁぁ……ねみーよ、おい」

バーボンハウスに居候する他の三人もいる。
それらは一列に並んで、道を塞ぐように立っていた。



50: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:29:15.77 ID:rBNb9hRU0
  
( ・∀・)「こんばんは。 さてさて、こんな夜にどうしたのかね?」

(´<_` )「それは俺が聞きたい、モララーさん。
      何でアンタは味方であるはずの俺達に対してテロ行為など……」

( ・∀・)「テロ?」

(´・ω・`)「ドクオの家のガラス破壊、ギコさんとしぃさんの家の扉破壊。
      そしてついさっき連絡があったフサギコさんとツンさんの家の、敷地内暴走+破壊……。
      これはどう説明してくれるんだい?」

( ・∀・)「あぁ、アレは私ではないよ。 サンタクロースがやったのでは?」

(´<_` )「では、アンタは誰だ?」

( ・∀・)「サンタクロース」

(;゚∀゚)「今スゲェ矛盾を見た」

gdgdになりそう。
ショボン、何とかしてくれ。

(´・ω・`)「……というわけで、僕達は貴方を止めなければならない。
      『バーボンハウス』を護るためにも」



51: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:30:13.61 ID:rBNb9hRU0
  
( ´_ゝ`)「っていうか、その背後にあるプレゼント全部寄越せ」

(´<_`;)「サンタ強盗はみっともないぞ、兄者……」

ええい、兄者は黙ってくれ。
お前が喋るとgdgdになるだろう。

( ´_ゝ`)「ひ、ひどいわ! 『戦い護る』は私が中心に成り立って――」

えいっ

( ´_ 「ぐあぁぁぁ」

(´<_` )「兄者ァァァァァ!!」

( ・∀・)「これで三人……どうかね? やるかね?」

(;´・ω・`)「くっ! 自分の力で倒したわけじゃないのに何て偉そうなんだ!」

( ・∀・)「勝てば良いのだよ、勝てば!」

もはや悪役である。
ブラックサンタクロースか。
何かそんなのあったな、確か。



52: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:31:21.22 ID:rBNb9hRU0
  
( ゚∀゚)「やるっきゃねぇ……俺達の真の力を見せてやろうぜ!」

(´<_` )「いや、そんなのないから」

(;゚∀゚)「せっかく作者が介入してんだから、そこんとこ御都合主義でいこうぜ!?」

御都合主義怖い御都合主義怖い……。

(´・ω・`)「仕方ない……ここは自分達の力で何とかするしかないよ」

( ゚∀゚)「しゃーねぇか」

( ´_ 「あぁ、そうだな」

アンタ、ゴキブリ並みにしぶといな。

( ・∀・)「さぁ、来たまえ!」

(´・ω・`)゚∀゚)「「「「おぉ!!」」」」(´<_`( ´_

この激戦は、後に『ブラックサンタの戦い』として教科書とかには――決して載りはしなかった。
ちなみに、もちろんだが近所の人達に怒られたのは言うまでもない。



54: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:32:20.97 ID:rBNb9hRU0
  
十分後。

( ・∀・)「終わりかね?」

( ´_ 「何故に俺ばかり殴るのだ……がふっ」

(´・ω・`)「つ、強い……!」

(´<_` )「何て野郎だ!」

( ・∀・)「御近所の人に怒られたのが効いたようだね。
      ふふ、もう一度騒げば警察呼ばれるので、私もある意味リーチなのだが」

爪゚ -゚)「御主人様、そろそろ――」

( ・∀・)「そうだね……では、君達にクリスマスプレゼントを――」

すかっ

( ・∀・)「?」

背後に腕を伸ばすが、その手が掴むものはなかった。

……あ。

爪゚ -゚)「おそらくはアストクルフ家に突撃した時に落としたかと思われます」

( ・∀・)「何という失敗……聞いただけで絶望してしまった……これは間違いなく私の凡ミス」



55: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:33:24.79 ID:rBNb9hRU0
  
爪゚ -゚)「どうされますか」

( ・∀・)「逃げるに決まっている」

ぽちっ

(´<_`;)「!?」

突如、ソリの背後から煙。
ロケット口から炎が立ち上り――

( ・∀・)「メリークリスマス」

声と共に噴射。
多量の燃料を一気に消費するその一発限りのこの装置は
『サンタブースト』と呼ばれるモノだった。

原理はよく解らないが、どかーん、と一気に遠くへ移動出来るのだ。

どかーん

激音と共にソリが飛ぶ。
それはまるで何処かのミサイルのように天高く昇っていった。



56: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:34:34.08 ID:rBNb9hRU0
  
後に残るは多量の煙。
それが晴れる頃には、付近に静寂が戻っていた。

(´・ω・`)「げほっ、げほっ……」

(´<_` )「逃げられたか……」

( ゚∀゚)「まぁ、いいんじゃね? 『バーボンハウス』は護られたんだし」

(´・ω・`)「だね。 じゃあ、帰って寝よう寝よう」

ゾロゾロと店に戻っていく三人。
そして放って置かれた男が一人。

( ´_ 「ねぇ、これいつになったら戻るの?」

知らん。



57: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:35:24.28 ID:rBNb9hRU0
  
(;^ω^)「な、なんじゃこりゃぁぁぁ!?」

J( 'ー`)し「あらあらまぁまぁ」

川 ゚ -゚)「ふむ」

いきなり轟音がしたので、慌てて庭に出てきたブーン達。
そこにはとんでもない光景が広がっていた。

ソリ&動物の下半身。

それがメチャクチャになりつつも、しかし辛うじて形を保って存在していた。
煙が上がり、所々から火花が出ている。

(;^ω^)「な、何だお、これは……」

川 ゚ -゚)「おそらくは空から降ってきたのだろうな」

クーの冷静な声に釣られるように、上を見上げた。



58: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:36:18.50 ID:rBNb9hRU0
  
白い小さな粒。
それが空から降ってくる。

( ^ω^)「雪だお!」

川 ゚ -゚)「うむ、綺麗だな」

J( 'ー`)し「そろそろ中に入りましょう。
      ハインリッヒちゃんが待ってるし、御飯も食べなきゃね」

( ^ω^)「把握」

二人は中に入っていく。
というか、残骸は放っておいていいのか?



一人残ったクー。
空を見上げてふと呟いた。

川 ゚ -゚)「……クリスマス、か」



59: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:37:21.43 ID:rBNb9hRU0
  
空は良いものだ。
風が優しく吹き、髪を、頬を撫でる。

モララーとジェイルは空にいた。
その背にはパラシュート。

( ・∀・)「いや、万が一の事を考えて準備しておいてよかったよ」

爪゚ -゚)「そうですか」

ふらふらと揺れながら下降していくモララーと上半身だけのジェイル。
ソリやら下半身やらは衝撃で何処かへ吹き飛んでしまった。

巧みにパラシュートを操りながら安全な地上を目指す。

爪゚ -゚)「ところで」

( ・∀・)「何かね?」

爪゚ -゚)「内藤様、クー様、ハインリッヒ様の家には行かなかったようですが?」

( ・∀・)「私は夢を与える、と言ったではないかね」

爪゚ -゚)「夢、ですか」

( ・∀・)「彼らは現状のままでも夢いっぱい幸せいっぱいだよ……うんうん」

満足げに頷くサンタであった。



60: ◆BYUt189CYA :2006/12/25(月) 21:38:07.45 ID:rBNb9hRU0
  
ふと、彼の視界に何かが入る。
続いてジェイルもそれに気付いた。

爪゚ -゚)「雪です」

( ・∀・)「予報通りだったね……ホワイトクリスマスというやつだ」

それはみるみる内に量を増していく。
この分だと、明日の朝にはたくさん積もっていそうだ。

予測したモララーは一度頷く。
そして視界に目一杯広がる都市を見下ろしながら呟いた。



――――メリークリスマス




おわり



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