( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

6: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:05:45.43 ID:zqCws+gV0
活動グループ別現状一覧

( ^ω^) 川 ゚ -゚) ( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) (`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚]
( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) ('、`*川 从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^)
lw´‐ _‐ノv ( ´∀`) 川 -川 <ヽ`∀´> *(‘‘)*
所属:四世界
位置:古城アジト
状況:最終決戦に向けて絶賛準備中

ル(i|゚ ー゚ノリ メ(リ゚ ー゚ノリ 从ξ゚ -゚ノリ 〈/i(iφ-゚ノii
所属:異獣
位置:世界政府本部
状況:???

从 ゚∀从
所属:不滅世界
位置:???
状況:???



10: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:08:37.66 ID:zqCws+gV0
第四十三話 『抗うために 前編』


Case1: 新たな翼


二人が戦力強化案の実現に取り掛かったのは、会議から半日経った頃だった。
担当者であるアサヒの指示通り、エクストとシャキンは地下格納庫へと足を向ける。

格納庫は、まさしく戦場の様相を醸し出していた。

整備される装甲車両や補給車両。
破壊力と利便性を追求するためのテスト。
如何に性能を上げられるかを議論している者達もいる。

全ては来たる決戦の日に備えてのことだ。

失敗は許されず、再度のチャンスも無い彼らは今こそがクライマックスなのである。

<_プー゚)フ「しっかしどーすんのかねぇ」

(`・ω・´)「ん?」

忙しく走り回る整備兵の邪魔にならないよう、二人は指定されたエリアへと移動していた。
近くの自販機で買った缶ジュースを飲みつつ歩きながら、エクストはぼやくように言う。



14: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:10:45.15 ID:zqCws+gV0
<_プー゚)フ「だってお前のGIFは撃墜されて、今修理中だろ?
        もしそれが作戦開始時までに間に合ったとしても、それで立ち向かえるのかよ?
        完全に火力と速度不足だと思うぜ……あいつらと戦うのはよ」

(`・ω・´)「俺もそう思うが……何か考えがあるのだろう。
      それを信じるさ」

<_プー゚)フ「余裕だねぇ」

(`・ω・´)「慌てても仕方ない」

<_プー゚)フ「相変わらず冷静なことで。 ま、そゆとこがお前の良いトコなんだけどな」

(`・ω・´)「…………」

ふと飛び出した言葉に、シャキンは表情を固めた。
空き缶を放ったエクストがそれに気付く。

<_プー゚)フ「どしたよ」

(;`・ω・´)「お前が俺を褒めるとは。 今日はミサイルでも降るのか?」

<_;プー゚)フ「……酷くね?」

(`・ω・´)「冗談だ」

<_;プー゚)フ「お前の冗談は冗談に聞こえねぇっつの……っと、ここか」

半目で呟いたエクストは、目的の場所に辿り着いたことを知る。
目の前には一際大きなスペースがあり、巨大な塊が一つ置かれていた。



20: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:14:43.44 ID:zqCws+gV0
二人は単なる戦闘機かと思った。
しかし近くに寄って見ることで、『それ』が二人の想像とはかけ離れているものだと知る。

<_;プー゚)フ「――って、こりゃまさか!?」

(;`・ω・´)「GIF……いや、違う」

塊には大きな翼が付いていた。
可変型らしく、ジョイント部に仕掛けが施されているのを見る。
灰色で鋭角的な、如何にも速く飛びそうなフォルムは美しささえ見出せる程だ。

(-@ハ@)「おおう、先に来ておったか」

<_;プー゚)フ「アサヒのジジイ……おい、こりゃ一体どういうことだ!?」

エクストの切羽詰った詰問も仕方のないことだった。
何せ目の前に在るのは、一度だけしか見たことの無い機体である。
シャキンは、それから目を離さずに呆然と呟いた。

(;`・ω・´)「GDF……」

『Gravity Disregard Fighter』――通称GDF。
直訳で重力無視戦闘機だ。
重力を無視するかのような軌道を描くことから、そのままの名がついたという歴がある。

そしてシャキンやエクストが乗っていたGIF『重力解放戦闘機』の、更に上をいく機体であった。

<_;プー゚)フ「何でこれがここにある!?
         コイツはラミュタス隊長が乗ってた機体じゃねぇか!?」



22: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:17:09.64 ID:zqCws+gV0
憶えている。
まだ渡辺や軍神が敵であった頃。
シャキンはGIFでラミュタスのGDFに挑み、そして勝利を得る。

代わりとして失ったモノは、兄の命とその機体――決して小さくはない代償だった。

(-@ハ@)「落ち着け、ばかもん。
      これは世界政府本部にあった代物じゃよ」

(`・ω・´)「世界政府本部に……?」

<_プー゚)フ「まさかあの時、渡辺の奴が回収していったもう一機のGDFかよ?」

(-@ハ@)「そうじゃ。 お前達の方が憶えておろう?
      都市ニューソク地下アジトに保管されておったものを、その後の件で世界政府が回収したものじゃな。
      そして先日、お前達が襲撃した時……レモナとモナーの救助を行った部隊が発見したのじゃ」

(`・ω・´)「じゃあ、これは兄さんが乗っていたものではなく――」

(-@ハ@)「GDF『ミョゾリアル』。 機体にはそう刻まれておったよ。
      お前の兄であるラミュタスが乗っていたGDF『イークイッド』とは別物じゃ」

<_;プー゚)フ「みょ、みょみょ? 変な名前だな」

呟き、しかしエクストは首を振った。

<_プー゚)フ「いやいや、そういうのはどうでもいい。
        俺が一番聞きてぇのは、コイツに誰が乗るんだっつー話だ」



26: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:19:43.44 ID:zqCws+gV0
(`・ω・´)「…………」

<_;プー゚)フ「……いやまぁ、お前が乗りてぇってんなら譲るけどさ。
         解ったから、そんな睨むなよ」

(-@ハ@)「エクスト、お前はコレに乗りたいか?」

<_プー゚)フ「ん? そりゃもちろん」

(-@ハ@)「なら、この機体はお前が乗るといい」

<_;プー゚)フ「だよなぁ、やっぱシャキンの方が適任――って、いいのかよ!?
         何かシャキンの視線がどんどん鋭くなってる気がするけども! 後で刺されるぞ俺!!」

(-@ハ@)「むしろお前向きかもしれんしなぁ。
      それにシャキン、お前が乗るべき機体は、ちゃんと別に用意しておる」

(`・ω・´)「俺のも……?」

(-@ハ@)「安心せい、壊れたGIFを渡すほど薄情ではないわい。
      ただ――乗れるかどうかは、お前次第だがな」

意味不明な発言に、シャキンは思わず首を傾げる。
ホクホク顔のエクストを置き、手招きするアサヒと共に少し移動することとなった。



32: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:21:36.76 ID:zqCws+gV0
そこに置かれていたのも、いわゆる一つの戦闘機。
黒色に染められた、鳥にも見える少し小型の機体だ。

(`・ω・´)「……ん?」

見覚えがあった。
それも、ごく最近だ。

(-@ハ@)「連れて来てやったぞ。
      よし、後はシャキン……お前次第だから任せた」

(;`・ω・´)「え、ちょ――」

止める間もなく、アサヒはその場を離れていく。
事情を呑み込めないシャキンは、慌てて彼を呼び止めようとするが

『――御久し振りですね』

と、電子音と女性の声が混じったような不思議な声が響くのを聞く。
どこから聞こえてきたのかと視線を巡らせ、

(;`・ω・´)「まさか……」

『先日はどうも。 改めて自己紹介をしておきましょう。
 私の名は「Kill Alternative System」――キオルと申します』



36: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:23:58.88 ID:zqCws+gV0
囁かれるように放たれた言葉。
シャキンは、頭を鈍器で殴られたかのような幻撃を自覚した。
そう、この機体に見覚えがあって当然だ。

一度目はミカヅキ脱走時。
二度目は世界政府襲撃時。

シャキンは、二度もこの機体と戦ったことがあるのだ。

(;`・ω・´)「な、何で――」

『主であるミカヅキ様が戦死され、途方に暮れていたところを皆様に助けて頂いた、と。
 そういう経緯です』

そして、と続き

『私は貴方に問うためにここで御待ちしておりました』

(;`・ω・´)「問う、だと?」

『そうです』

肯定の言葉に、シャキンは顎に手をやって思考する。
強化案、アサヒの言動、自分がここにいる理由。

答えは明白だった。

(`・ω・´)「……俺に乗れと言うのか?」



38: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:26:18.88 ID:zqCws+gV0
『そうです。 私は電子上でしか生きられぬプログラムの塊。
 しかしそこに人が乗り、私の力を全てサポートへ回すことが出来れば
 今以上の力を発揮することなど容易いことかと』

頷ける話だ。

もしパイロットが戦闘だけに集中することが出来れば。
もしサポートを全て別の者に任せることが出来れば。

結果、相乗効果で更なる高みを目指すことも可能だろう。
GIF『レイドール』よりも速く、正確に、強く空を飛ぶことが出来るかもしれない。

(`・ω・´)「サポートということは……やはり、お前は人間じゃなかったのだな」

『最初から申していたはずですが』

(`・ω・´)「それほど流暢に会話出来て『人間ではない』と言われても、信じる奴はいないさ。
      まぁ、この目で見れば信じるしかないが」

その視線はコックピットへと注がれていた。

無人。

シートさえなく、人一人さえ座れない小さな空間。
ただステータスを示すウインドウが、暗く照らしているのみだ。
キオルが言葉を発する度、ウインドウ隅に表示される声明バーが揺れ動く。



41: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:28:27.58 ID:zqCws+gV0
『――そういえば』

(`・ω・´)「ん?」

『先日、貴方と私で行なった争いを憶えていますか?』

問われ、シャキンは記憶を辿る。
世界政府襲撃時、自分は敵の航空戦力を一人で相手しようとした。
そこに飛び込んで来たのがキオルで、

(`・ω・´)「俺達は共通の敵を倒すため、そしてどちらが強いかを競うため……撃墜数で勝負することになった」

『その結果を記録しております。 提示確認致しますか?』

(`・ω・´)「そうだな。 有耶無耶になった気もするが、結果は知っておきたい」

返答の代わりに電子音。
機内を照らす画面に、新たなウインドウが表示された。
それを覗きこんだシャキンの表情が曇る。

(`・ω・´)「十八と二十七……随分と差があるのだな」

『貴方が十八で、私が二十七です。
 途中でミカヅキ様と戦うために、リタイアされたのが敗因かと思われますが』

(;`・ω・´)「ちょっと待て。 その時点でカウントを止めなかったのか?」

『戦いとは何が起きるか解らないものです』

(;`・ω・´)「……否定出来ないのが悔しいが正論だ。 ということは俺の負けか?」



43: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:30:15.71 ID:zqCws+gV0
『そうでもないようです』

画面が切り替わる。
今度は『十八 十七』と表示された。

『これは、貴方がミカヅキ様に戦い始めた時点でカウントを止めていた場合の結果です。
 もし貴方がこの結果で良いというのならば、貴方の勝ちとなりますが』

シャキンは少しの間、顎に手をやり考える動作を作った。

唸るような声は、悩むというより納得の色が強い。
やがて諦めたかのように首を横に振る。

(`・ω・´)「……いや、いい。 戦いでは何が起きるか解らない、が正解だしな」

『成程。 アサヒ様が貴方を薦めた理由を何となく理解しました』

(`・ω・´)「?」

『いえ、御気になさらず。
 それよりも貴方は私をどうするつもりですか?』

(;`・ω・´)「台詞だけだと随分な誤解を生みそうだが、まぁいい。
      それで、本当に俺で良いのか?」

『本当のところを言えば断固拒否ですね。
 私はミカヅキ様以外に仕える気も、利用される気もありません』

(;`・ω・´)「おいおい……」



44: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:32:07.93 ID:zqCws+gV0
『ですが、貴方ならば我慢も出来ましょう。
 ミカヅキ様の仇をとれるというのならば――喜んでこの身体、貴方に委ねます』

(;`・ω・´)「いや、だからそういう言い方だと誤解を――」

<_;プー゚)フ「…………」

(;`・ω・´)「エ、エクスト!?」

<_;プー゚)フ「あーなんだ、そのー……お前が戦闘機好きだとは知ってたがよ」

いつから見ていたのか、エクストは言い難そうに眉をひそめ、


<_;プー゚)フ「遂に異種――いや、異物交配という新ジャンルを見出すかシャキィィィィン――!!」


(;`・ω・´)「違う!! 断じて違う!!」

<_;プー゚)フ「うおーいみんなぁー! シャキンが遂に人類の最先端にぃー!!」

(;`・ω・´)「ちょ、待て! 最悪だなお前!!」



49: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:34:07.05 ID:zqCws+gV0
『止めましょうか?』

(;`・ω・´)「え?」

『私ならば止められるでしょうが、如何しますか?』

(;`・ω・´)「わ、解った! とにかく止められるならアイツを止めろ!」

『了解』

金属音と返答は同時だった。
そのありえない音に嫌な予感を感じ取ったシャキンは、
黒色の戦闘機先端に備えられた機関銃の先が、エクストへと向けられたのを見る。

止める間も無く発砲。

秒間二十もの速度で吐き出される弾丸が、走り去ろうとするエクストの足元で火花を散らした。

<_;プー゚)フ「ぎゃああああ!! 撃ってきやがったぁぁぁぁ!?」

『止まりました』

(;`・ω・´)「無茶をするな! もし当たったらどうする!?」

『私の性能を嘗めないで頂きたいものです。
 この程度、朝飯前なはずなのですが……やはり乗り手がいた方が良い結果が出たでしょう』

<_;プー゚)フ「どういう意味で!? 殺人的な意味で!?」



55: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:36:04.96 ID:zqCws+gV0
(-@ハ@)「なぁにやっとるんだお前ら」

今度は資料らしきものを抱えたアサヒがやってくる。
近くにあった作業台に乗せ、やれやれ、と腰を叩いた。

(-@ハ@)「で、その機体……シャキンよ、どうするつもりじゃ?
      乗るというのならば、すぐにでもGIFのパーツで有人機としてカスタムするつもりじゃが」

シャキンはキオルへと振り返る。
沈黙を発する彼女は、答えをこちらに委ねるつもりのようだ。

(`・ω・´)「……俺は」

確かに元々は敵同士だったかもしれない。
しかし、今は共通の目的のために戦える。

それはとても素晴らしいことだ。

かつてはエクストとも戦っていたシャキンは、意味もなくいがみ合うことの虚しさも、その幸福を知っている。

(`・ω・´)「…………」

『…………』



58: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:38:27.07 ID:zqCws+gV0
厳しい目でキオルを見やり、シャキンは目を瞑って逡巡した様子を見せる。
しかし再び開いた時には、何か堅い意志のようなモノが瞳に宿っていた。

(`・ω・´)「解った。 俺はキオルに乗る。
      奴らを倒すのに、選り好みしている場合ではないしな」

『それだけでは寂しいです』

<_プー゚)フ「だってさ。 愛しの彼女が寂しがってんぜ?
         本当のところはどうなんだよぉー、言えよぉー、うりうりぃ」

(;`・ω・´)「……よ」

<_プー゚)フ「聞こえなーい」

『私もです』

(#`・ω・´)「気に入ったんだよ! この外見も見た限りの性能も! 悪いか!?」

<_プー゚)フ「キwwwwれwwwwたwwwwwwガキかよwwwwwwwwwwww」

(#`・ω・´)「う、うるさいっ! お前は向こう行ってろ!」

(;-@ハ@)「いやいや、話があるから行かれちゃ困るわい」



62: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:40:22.76 ID:zqCws+gV0
珍しく怒りを発するシャキンを、アサヒが両手でなだめる。
そそくさと彼の背後へと隠れたエクストが

<_プー゚)フ「で、話って何だい? もう何が来ても驚かねぇぞ」

(-@ハ@)「二人とも、まだ指輪は持っておるな?」

(`・ω・´)「? あぁ」

<_プー゚)フ「俺らのだけ強化しなくていいって言われたんだけど、もしかしてハブられてんのか?」

シャキンは赤い指輪、エクストは緑色の指輪を取り出した。
6th−W『ギルミルキル』、13th−W『ラクハーツ』だ。
二人から指輪を受け取ったアサヒは、老人特有の狡猾な笑みを浮かべ

(-@ハ@)「単純に、お前達の指輪は強化の必要がないんじゃよ。
      むしろ指輪を用いて強化する方面でな、ウヒヒ」

<_;プー゚)フ「や、やっぱり返してもらおうかなぁ」

(-@ハ@)「ほぅ? これ以上のパワーアップは不要だと?」

(`・ω・´)「どういうことだ?」

(-@ハ@)「なぁに、簡単じゃよ。
      この指輪を使ってお前らの機体を強化してやろうと思ってなぁ」



66: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:41:54.32 ID:zqCws+gV0
<_プー゚)フ「マジ? そんなこと出来んの?」

(-@ハ@)「任せておけ任せておけ。
      何といっても、このワシはジェイルの特殊兵装をも手掛けた技術者の一人じゃい。
      確実に、お前らの満足のゆく結果を出してやろう」

(`・ω・´)「……そこまで言うなら」

<_プー゚)フ「まぁこんな状況だ。 冗談で言ってんなら人類反逆罪で極刑だぜ?」

憎たらしい表情で笑うエクストに対し、アサヒは嫌らしい笑みを浮かべる。
そんな光景にシャキンは、『根っこでは似た者同士か』と半ば強引な結論へと行き着くこととなった。

ともあれアサヒの言うことが真実であれば、自分達は飛躍的に強くなれるということであり

(`・ω・´)「――なら、やってやるさ。 やってみせてやる」

『微力ながら御手伝いさせて頂きます』



71: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:43:09.67 ID:zqCws+gV0
(`・ω・´)「…………」

シャキンはキオルを見やり、そしてふと思う。

(`・ω・´)(もしあの時、俺の方がが死んでいれば……コイツには兄さんが乗ることになっていたかもしれないのか)

それは仮の話。
もう、絶対に実現しない現実。
『もし』『たら』『れば』から生まれる幻想だ。

しかしそれを思うということは、やはり何らかのしこりが残っている証拠であろう。

(`・ω・´)「キオル」

『はい』

(`・ω・´)「もしかしたら、お前には俺とは別の人間が乗るはずだったのかもしれない。
      そういう未来もありえたかもしれない」

『はい』

だから、シャキンは言った。

(`・ω・´)「喜べ。 俺はソイツよりも上手くお前を乗りこなせる。
      俺こそが最高のパイロットだからな」



76: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:44:39.68 ID:zqCws+gV0
<_プー゚)フ「わぉ、言うじゃん?」

対し、キオルは少しの沈黙を以って

『――それは以前から存じております』

(;`・ω・´)「え?」

『私は戦いに特化したプログラムの中に生きる電子生命、その外装は完璧な戦闘機械です。
 その私を相手に貴方は、一度目に引き分け、二度目は追い抜いた。
 完璧を超えるなど、最高のパイロットにしか為し得ません』

(;`・ω・´)「いや、その、まさかそう返されるとは」

<_プー゚)フ「おいおい、褒められてんだぜ? 何か言うこたぁねぇのかよ?」

(`・ω・´)「……どうも」

<_;プー゚)フ(ねーよwwwwwwwwwwwww)

ともあれ、キオルはシャキンを認めているようだ。
たった二度とも言えるかもしれないが、戦いの内容如何によってはそれで充分な時もある。

それが解っているからこそ、エクストも何かを言うことはないのだろう。



79: ◆BYUt189CYA :2007/10/29(月) 21:46:33.15 ID:zqCws+gV0
<_プー゚)フ「GDFにキオル、んでもって指輪での強化……へへっ、俄然やる気が出てきたぜ。
         これなら俺でも少しはやれそうな気がしてきた」

(`・ω・´)「あぁ」

<_プー゚)フ「お前と一緒に飛ぶのはあの時以来だな」

(`・ω・´)「……経緯から考えて、仲良く飛んだとは言い難いが。
      そういえば殺し合った仲だったな」

<_プー゚)フ「だが、今はこうやって同じ目標のために飛ぶことが出来る。
        この現実から見りゃ、昔のいざこざなんて水に流してさよならだぜ。
        それにお前とは殺し合ったりするよりも、一緒に飛んだ方が全然気持ちいいしな」

あっけらかんとした態度のエクストに、

(`・ω・´)「……あぁ、そうだな」

と、シャキンは嬉しそうな笑みで答えた。



戻るCase2