( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

  
349: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:01:52.77 ID:5pKUc8+20
  
第三話 『襲撃 Ver/Night』

自動ドアが開かれる。
今の彼にしてみれば、その動きは酷く鈍重だった。
開き切らぬそれを駆け足で潜り抜け、一直線に走る。

見える景色は、病院のロビーだ。
待ち合いのベンチに座る患者達や看護士達が目を丸くし、視線だけで彼を追う。

階段を駆け上がり、三階へ。
そのままの勢いで病室へと駆け込んだ。

(;^ω^)「モ、モララーさん達が怪我をしたって聞いたんですけど!!」

( ・∀・)「やぁ、元気だね内藤君。
     だが病室では静かにしたまえ」

(;^ω^)「えぇ!? 何か普通にスーツ着てベッドに座ってるお!」

( ・∀・)「はは、私は元々から頑丈なのだよ」



  
353: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:03:59.44 ID:5pKUc8+20
  
頭に『?』を乗せるブーン。
その背後から、急ぎ足で二人の女性が入ってきた。

从;゚∀从「内藤さーん、急ぎたい気持ちは解りますけど、少しくらい待って下さいよー」

川 ゚ -゚)「相変わらず走るのだけは速い」

( ・∀・)「おや、君達も御見舞いかね?」

川 ゚ -゚)「そのつもりだったが、どうやら必要ないらしいな」

と、菓子や果物が入った袋を見せるクー。

( ・∀・)「二時間ほど前に来たショボン君達も同じコトを言っていたよ。
     しかしまぁ、彼には必要かもしれないね」

隣のベッドへと視線を向ける。
そこには、頭や腕に包帯を巻いた兄者が布団を被っていた。

(;^ω^)「兄者さん……」

( ´_ゝ`)「よぉ、内藤にハインリッヒちゃん、んでもっていつも美しいクーさん。
      ……あ、もちろんハインリッヒちゃんもね」

川 ゚ -゚)「その様子だと問題なさそうだな」



  
356: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:05:44.72 ID:5pKUc8+20
  
从 ゚∀从「あれ? 弟者さんは?」

ハインリッヒの疑問の声。
その言葉に、一瞬だけ表情を暗くした兄者に気付いたのはモララーだけであった。

爪゚ -゚)「内藤様、クー様、ハインリッヒ様……少々御時間頂けますか」

ベッドに座るモララーの傍らに立っていたジェイルが声を発する。

( ^ω^)「大丈夫ですお」

爪゚ -゚)「ここでは難ですので、こちらへ」

歩き出す。
そのまま廊下へ出て、ブーン達を付近にあったベンチへ座らせた。

爪゚ -゚)「……弟者様のことなのですが」

(;^ω^)「ど、どうしたんですお?」

从;゚∀从「ま、まさか亡くなったとか――」

爪゚ -゚)「いえ、御存命です……が、非常に危険な状態でして」

川 ゚ -゚)「説明してもらおうか」

言葉に、ジェイルは素直に頷く。
その口から語られたのは先日の出来事。
渡辺、貞子という敵、そして研究所が崩壊した事実。



  
358: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:07:38.84 ID:5pKUc8+20
  
爪゚ -゚)「弟者様は、貞子と呼ばれる女性の攻撃……そして崩落時に更に怪我を負ったようでして」

意識さえも戻っていない状態らしい。
あの病室にいないのは

爪゚ -゚)「兄者がどうやら多大な責任を感じているらしく。
    そのため、弟者様は別の病室で治療を受けています」

川 ゚ -゚)「そうか……」

(;^ω^)(何で兄者さんには『様』付けないんだお……)

爪゚ -゚)「モララー様は今日で退院しますが、残る御二人はまだ無理でしょう。
     これからのサポートなどはショボン様に御願いしていますが……」

川 ゚ -゚)「あぁ、私達も出来るだけ手伝おう」

爪゚ -゚)「ありがとうございます。
    では、私はモララー様の退院準備の方を……」

頭を下げ、病室へと歩いていった。



  
359: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:09:25.06 ID:5pKUc8+20
  
(;^ω^)「兄者さんが責任を感じてるのかお……」

从;゚∀从「ありえない、とか思っちゃ駄目ですよ」

(;^ω^)「そ、そんなこと思ってないお!」

川 ゚ -゚)「お前達、ここは病院だ……静かにしろ」

ここで話していても無駄なので、とりあえず病室へ戻ることに。
兄者のベッドの隣で、既に荷物を片付け始めているジェイルとモララーがいた。

( ・∀・)「あぁ、一つ言い忘れていた。
     今日から外出は控えたまえ、特に夜の」

( ^ω^)「お?」

( ・∀・)「渡辺は私達に悪意を持っている。
     偶然、あの場所へ出かけた私達が襲われたということは
     君達も問答無用で襲われる可能性があるということだ」

川 ゚ -゚)「やはりクルト博士に関係がある、と?」

( ・∀・)「関係ありまくりだね。
     渡辺はクルト博士の日記に出てきた『彼女』なのだから」



  
362: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:11:06.42 ID:5pKUc8+20
  
川 ゚ -゚)「……そうか」

( ・∀・)「おや、あまり驚かないね」

川 ゚ -゚)「何となく予想はしていた。 ただし――」

伏せていた顔を上げる。
彼女の目に、冷たい怒気が含まれていた。

川 ゚ -゚)「仲間を傷付けられるとは思わなかったがな」

( ・∀・)「ふむ、平和的解決を望んでいたのかね?」

川 ゚ -゚)「それは無理にしても、話くらいは出来る相手だと思っていた」

( ・∀・)「残念、それは甘い考えだったというわけだ。
     彼女は私達に対して絶対的な悪意を持っている」

川 ゚ -゚)「それは今聞いた」

( ・∀・)「『聞いた』と『解った』は違うのだよ?
     君は彼女を前にして、本当に冷静でいられるのかね?」

川 ゚ -゚)「…………」

答えはない。
父親といえるクルト博士を、間接的にせよ死に追いやった渡辺。
それを前にして、果たして冷静に事を運べるのだろうか。



  
364: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:12:46.07 ID:5pKUc8+20
  
( ・∀・)「特に君は仲間の側を離れないで欲しいものだね。
     感情に任せて勝手に行動し、ただでさえ悪い現状を更に悪くされてはたまったものじゃない」

从;゚∀从「い、言い過ぎじゃないですか……?」

ハインリッヒが恐々と口を挟む。

( ・∀・)「事実を言っているだけだ。
     とにかく安全が確認されるまでは、迂闊に一人になるようなことはやめたまえ。
     これまで得た情報などは、後でまとめて送っておくから目を通しておくように」

荷物を持ち、ジェイルと共に部屋を出る。
頭に巻いてあった包帯を解き、投げ捨てるかと思えばポケットへ入れたのは流石である。

その間、クーはずっと黙ったままだった。



  
367: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:14:58.03 ID:5pKUc8+20
  
病院の出口。
自動ドアをくぐった後に、モララーは煙草のケースを取り出した。
内部から一本だけ手に取る。

( ・∀・)「やれやれ、まったく私らしくないね……」

口にくわえる直前。

( ・∀・)「……何年振りかな、悔しさを覚えるなど」

言い終わり、吐息した後で煙草をくわえた。

爪゚ -゚)「悔しい、ですか?」

( ・∀・)「ははは、私の口元を見たまえ。
     これ以上話すつもりなどないよ……残念だったね」

爪゚ -゚)「解りました」

( ・∀・)「さて、私達は私達に出来ることをしよう。
     とりあえず渡辺の動きを抑制出来るのが一番良いのだが――」

モララーは口元から笑みを消す。
迎えに来た黒い車に向かって、早足で歩き出した。



  
371: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:17:15.25 ID:5pKUc8+20
  
三階に位置する病室。
しばらくの沈黙後、兄者が口を開いた。

( ´_ゝ`)「……なぁ」

( ^ω^)「何ですお?」

( ´_ゝ`)「モララーさんには言ってないんだが、アンタらに一つ頼みがあるんだ」

从 ゚∀从「?」

( ´_ゝ`)「この紙を持っててほしい」

枕元からクシャクシャになった一枚の紙を取り出す。
それは資料室の隠し本棚にあった資料だった。

( ^ω^)「これは……?」

ほとんど読めない資料を一瞥し、ブーンは疑問を浮かべる。

( ´_ゝ`)「クルト博士が残した資料なんだが、その書いてあることが重要に思えてならない」

从;゚∀从「うーん、これはちょっと読めませんね……」

( ´_ゝ`)「研究所にある資料の多くは、俺達にとって大小あったが有益だった。
      隠し本棚にあった資料はそれだけ……だから、それは敢えて残されたんだと思う」



  
373: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:18:57.70 ID:5pKUc8+20
  
( ^ω^)「でも、読めなきゃ意味がないお」

( ´_ゝ`)「少しだけなら読めるだろう?
      俺が思うに、このフェ何とかが重要なんだと思う……それと上部分を見てくれ」

――――

【ハ■■リッヒ■対■■運用計画■】

――――

从;゚∀从「――!?」

(;^ω^)「う、運用計画……?」

( ´_ゝ`)「本人を目の前で言うのはアレだとは思うが、言っておく。
      ハインリッヒ、お前には何らかの役目が存在する」

从 ゚∀从「役目……」

( ´_ゝ`)「それが何なのかは解らない。
      けど、この一枚の紙が何かの手掛かりになるはずだと思うんだ」

掛け布団を引き寄せながら

( ´_ゝ`)「俺はこの通り動けない。
      だから、お前達が真実を見つけてくれ」

(;^ω^)「僕達が、かお……」



  
379: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:21:02.92 ID:5pKUc8+20
  
( ´_ゝ`)「モララーさんは別件で忙しいだろうし、ショボン達もバーボンハウスで手一杯。
      フサギコさんに頼むのも良いかもしれんが、出来ればあまり迷惑は掛けたくないし、ドクオは論外。
      というわけで、一番暇で行動力があるお前達に任せたい。
      それに当の本人であるハインリッヒだって、自分で自分の事を知りたいだろう?」

从;゚∀从「は、はい」

呆けていたハインリッヒが慌てて返事をする。

( ´_ゝ`)「渡辺がクルト博士の関係者ならば、確実に運用計画のことを知っているはず。
      とっ捕まえて吐かせるのも良いし、どうやってか解らんが自力で何とかするというのも良いと思う。
      渡辺が動いている今、行動するのは危険かもしれないが……早めに情報を得るのは重要だ」

あの兄者が妙に真面目に語っている。
以前の姿を知っているブーンは、内心非常に驚いていた。

( ^ω^)「兄者さんは、これからどうするんだお?」

( ´_ゝ`)「とりあえず退院するまでは何とも言えないな。
      一応PCを使って情報は集めるが、実際に動くお前達の方が良い情報を得られそうだ」

と、兄者はクーへ視線を向ける。

( ´_ゝ`)「アンタがこの中で一番冷静なんだ……頼んだぞ」

その場に突っ立っていた彼女は、目を伏せながら

川 ゚ -゚)「……あぁ」

小さく呟いた。



  
380: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:22:46.09 ID:5pKUc8+20
  
病院を出て、そのまま帰路へ着く。
外は既に夕日に照らされていた。

ブーンとハインリッヒが並び、少し後ろをクーが歩く。

( ^ω^)(クー……)

やはり気になる。

モララーに言われた言葉を気にしているのか。
それとも、一年前の病院で起きた事件を思い出しているのか。

どちらにせよ、クーの様子がおかしいことには気付いていた。



  
382: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:24:35.83 ID:5pKUc8+20
  
川 ゚ -゚)「ん……内藤」

( ^ω^)「お?」

川 ゚ -゚)「私は頼りないか?」

( ^ω^)「そんなことないお」

即答。
クーは、それを信頼の証と思いながらも続ける。

川 ゚ -゚)「私は……以前、感情というモノをあまり持っていなかった。
     しかしここ最近……特に君と出会ってから、色々な気持ちが新たに湧いてくるのが解るんだ」

( ^ω^)「それは良いことじゃないのかお?」

川 ゚ -゚)「最初はそう思っていたんだ。
     しかし私は、確かに渡辺を前にして冷静な行動を取れるか解らない……」

それはモララーの懸念でもあった。

川 ゚ -゚)「その点で言えば、私は失敗さk――ッ」

言葉は紡がれない。
ブーンが彼女の胸倉を掴んだからだ。



  
385: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:26:46.30 ID:5pKUc8+20
  
( ^ω^)「クー、君は失敗作なんかじゃないお。
      それは一年前にはっきりと解ってるはずだお」

乱暴な行為をしていながら、その表情はいつものまま。
逆にそれが、彼の内心で燃えている怒気を表現していた。

川 ゚ -゚)「しかし……それでも、私は君の足手纏いになるのが我慢ならない。
     君の足を引っ張りたくない。 君の手を煩わせたくない。」

( ^ω^)「僕らは、お互いに背中を預けて合ってるお。
      だから僕が君を頼りにするのは当たり前だし、君が僕を頼りにするのも当たり前だお」

川 ゚ -゚)「…………」

( ^ω^)「それに、まだ渡辺と会ってないのに、冷静になれないなんて決めるのはよくないと思うんだお」

川 ゚ -゚)「……怖いんだ」

黒コートを掴んでいるブーンの手を、包み込むように握る。

川 ゚ -゚)「私が作られていた時には、既に渡辺が研究に関与していた。
     もし私が意思とは無関係に操られるような、そんな措置が施されていたとしたら……。
     いや、もしかしたらスイッチ一つで心臓が破裂するかもしれない」



  
386: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:28:47.99 ID:5pKUc8+20
  
それは単なる想像だった。
しかし、彼女はそれを何よりも恐れていた。

死ぬという可能性も確かに恐ろしい。
だがそれよりもブーンを、仲間を傷付けるようなことになってしまったら。

川 ゚ -゚)「私は、それが怖いんだ」

未だクーの身体は謎が多い。
内臓などは人間のそれに近いが、実際は何を材料にしているのか不明なのだ。
人間の死体を元に作っているという説が有力であるが
安易に存在を明るみに出せないため、あまり詳しく調べようがないのも事実。

その事に関して、一番不安を抱えているのは本人であるクーだった。

何が原因で支障をきたすか解らない。
何が原因で死んでしまうか解らない。
支障が出た場合、どうやれば治るのか解らない。

あの戦いから一年。
自分の事を考え始めた彼女は、ようやくその事実に辿り着く。



  
389: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:30:16.13 ID:5pKUc8+20
  
彼女は以前から、基本的に一人で生きてきた。
だから悩み事など自分で解決するのが普通だったし、他人に頼るなんてことは考えもしなかった。

しかし今はそうもいかない。
大切な人がいて、大切な仲間がいて、大切な自分がいる。
一時期は自暴自棄になっていたクーに、失いたくないモノが出来てしまった。

川 ゚ -゚)「……すまない。 少し疲れているようだ」

ブーンの手を外す。
その動作はゆっくりだったが、力は強かった。

( ^ω^)「……僕も、ちょっと感情的になりすぎたお」

川 ゚ -゚)「ん……帰ろうか」

( ^ω^)「把握したお」

从;゚∀从(うわー、普通に蚊帳の外ですよ……この場合、どうしたらいいんでしょうか……)

二人のやり取りをハラハラしながら見ていた彼女も、また可愛い悩みを抱いていた。



  
392: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:34:04.97 ID:5pKUc8+20
  
夜闇。
ほぼ光を失った空。
人々は、それでも活動するために街灯を作った。
それに照らされている自動販売機。

( ,,゚Д゚)「……これでいいか」

小銭を入れ、ボタンを押す。
すぐさまガタンという音と共に目的の缶が落ちてくる。
手に取り、熱さを感じる前に素早くポケットへ。

( ,,゚Д゚)(ったく、しぃの奴もワガママになったものだ……)

吐息。
とはいえ、悪いのは自分だった。
今日は一緒に寝る予定だったのだが、飼っているウサギをついつい愛でてしまい
完全に時間というものを忘れてしまっていたのだ。

結局、シャワーを浴びた後で待ち続けた彼女は湯冷めをしてしまう。
罰として、自分が暖かい飲み物を買いに出たというわけだが

(*,,゚Д゚)(いや、だって可愛いんだぞ……こう、モシャモシャと餌をだな……)



  
396: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:35:24.20 ID:5pKUc8+20
  
夜道で悶える男一人。
これほど危険な人物はなかなかいないだろう。

しかし彼を超える危険人物が、ゆっくりと近付いてきていた。

( ,,゚Д゚)「……ん?」

視線の先。
自分の帰るべきアパートとは逆方向の道。

そこに、二人の女性が立っていた。

从'ー'从「こんばんはー」

川 -川「…………」



  
400: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:37:06.30 ID:5pKUc8+20
  
ギコが帰るべきアパートの一室。
そこで、ベッドに腰掛けて頬を膨らませる女性が一人座っていた。

(*゚ー゚)「ギコ君め……」

女性を一人ベッドに待たせて、なかなか来ない理由を問い出せば『ウサギが可愛かったから』。

(*゚ー゚)「じゃあ、私は可愛くないって……っくしゅ!」

寒気がする。
どうやら完全に湯冷めしてしまったようだ。
服を着て、まだ暖房の熱が残っているはずのリビングへ行く。

廊下の途中には動物用ケージがあり、内部には

(*゚ー゚)「もう、『ししょー』ったら……何でギコ君を誘惑するの?」

白いミニウサギがこちらを見上げている。
その無垢な表情に、一瞬だけ口元が緩みかけるが我慢。



  
403: ◆BYUt189CYA :2007/03/02(金) 21:38:49.51 ID:5pKUc8+20
  
――そうだ、この子はギコ君を取ろうとしている敵だ。

(*゚ー゚)「むぅ、もう水が無くなりかけてるじゃない……ギコ君、ちゃんと世話しなきゃー」

水の容器を外し、流し台へ。
中をよく洗って新鮮な水を流し込む。
溜まっていく透明色の液体を眺めながら

(*゚ー゚)「……あれ? そういえば遅いなぁ」

ギコが飲み物を買いに出かけて、既に十分が経過しようとしている。
ここから自販機まで歩いて三分程度。
どんなに鈍足でも、そろそろ帰ってこなければおかしい。

(*゚ー゚)「もう、何処で油売ってるんだろ……」

容器をケージに接続。
またもやこちらを見上げる『ししょー』に微笑みかけ
暖房のスイッチを入れるために、リビングへと入っていった。



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