( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 2: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 16:57:55.58 ID:fanoE2fO0
- 活動グループ別現状一覧
( ^ω^) 川 ゚ -゚) 从 ゚∀从 ('A`) (´・ω・`) 从'ー'从
爪゚ -゚) ('、`*川 ( ゚∀゚)
所属:不滅世界
位置:不明
状況:不明
( ФωФ) (´・_ゝ・`) ( ・ω・)=つ <ヽ`∀´> *(‘‘)*
川 -川 ξ゚听)ξ (゜3゜) ,(・)(・),
所属:機械世界・アギルト連合軍
位置:連合軍アジト
状況:不明
- 7: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:01:44.01 ID:fanoE2fO0
- 第二十四話 『強制された奇襲』
爪゚ -゚)「……ここは」
ジェイルは見覚えのない場所に立っていた。
周囲に明かりは無く、空を見上げれば月が不気味に薄光を放っている。
ほんの数分前まではFCの最上階に位置する社長室にいたはず。
では何故、こんな場所に立っているのか。
答えは簡単だ。
FC内に出現した黒衣の男により、強制的に空間転移されたためである。
おそらく一緒に呑み込まれたブーンやクー、渡辺やジョルジュ達も付近にいるのだろう。
視界を暗視モードへと切り替え、周囲を確認。
建物が乱立していることから、どうやらここは市街地のようだ。
詳しい場所を特定するため、ある機能を用いて自身が立つ位置を調べ始める。
爪゚ -゚)「!」
その時だ。
軽い足音、そして金属がぶつかり合う硬質な音と共に、複数の人間がこちらに近付いてくる気配。
しかし彼らに見付かる直前に、ジェイルは自分がいる位置を知ることに成功した。
- 9: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:03:59.33 ID:fanoE2fO0
- 爪゚ -゚)「……成程」
状況を理解したジェイルは、すぐさまリュックサックを下ろして特殊兵装を装着する。
『DF(デリートフォース)−ブレイク』という多数の敵を相手にする広域殲滅兵装だ。
通称『A〜E兵装』の内の四つ目である『D兵装』である。
両腕に大型ガトリングガン。
両肩には連装グレネードミサイル。
両腰からはラッパのような砲口を持つ銃身。
背中には充分な量の弾薬と、まだ正体を見せない謎の兵器群。
総重量数百kgのそれらを軽々と担ぎ、ジェイルは道の先に現われた兵士達に視線を向けた。
爪゚ -゚)(この場所がそうならば秩序守護者の目的は……成程、理に適っていると言えますね。
ならば私の出来ることは、それを逆手にとるための派手な囮でしょう)
判断し、そして口を軽く開く。
勝手にプログラムされた『言ってもらいたい決め台詞』をランダムチョイスし、言う。
爪゚ -゚)「――参ります敵々様。 弾薬の貯蔵は充分でしょうか」
直後、弾薬踊る無慈悲な戦闘が開始された。
- 13: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:06:01.31 ID:fanoE2fO0
- (;^ω^)「……おっおっ」
気まずい空気。
それがこの場を支配していた。
周囲はコンクリートだ。
壁も天井も床も、全てがコンクリートで作られている箱型空間。
とはいえ何も見えないわけではなく、小さな電灯のおかげか周囲を確認出来る程度の明るさはある。
そしてブーンの他に、もう一人の人間。
从'ー'从「んー……」
壁に沿って歩いているのは渡辺だ。
何かを考えている素振りで、そして何かを探るように足を進める。
気まずい空気は、この女性といることによって発生していた。
(;^ω^)「…………」
ブーンにとって、渡辺とは異世界の人間である。
彼女の方は前々からこちらのことを知っていたようではあるが、実際に会って間もないのは事実。
しかも敵対していた存在だ。
軽々と接することなど、ブーンにはとても出来なかった。
从'ー'从「成程、何となく解ってきた」
そんなブーンの心境など知ってか知らずか、渡辺は笑顔で彼の方へ向き直る。
- 15: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:08:06.96 ID:fanoE2fO0
- (;^ω^)「な、何が解ったんですかお?」
从'ー'从「この場所」
とん、と爪先で床を叩き
从'ー'从「ここは都市ニューソクみたいだよ」
(;^ω^)「お?」
从'ー'从「しかも連合軍がアジトとしている地下施設の一室だね。
つまり私達、敵地のど真ん中にいるっぽい」
(;^ω^)「おぉ!?」
驚くのも無理はない。
現在、都市ニューソクは『都市閉鎖』指定を受けている。
『何人たりとも許可無しの進入を禁止する』という絶対命令だ。
都市住人も例外ではなく、だからこそブーン達はFCでの生活を強いられた。
渡辺が言うには、そんな絶対侵入不可の領域に潜り込んでしまった、ということらしい。
- 17: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:10:04.96 ID:fanoE2fO0
- (;^ω^)「や、やばいお……もし本当だったら、見付かったりしたらアウトだお」
都市閉鎖の命令は世界運営政府が発している。
世界最高の権力者の命令に背く=大罪だ。
つまり今ここで見付かれば、殺されても文句を言えない状況なのである。
(;^ω^)「しかも、他の皆も都市ニューソクに飛ばされてるってことですかお!?」
从'ー'从「多分そうなるんじゃないかな」
(;^ω^)「大変だお! すぐに合流しなk」
从'ー'从「落ち着いて、内藤君。
この状況は逆にチャンスでもあるんだから」
(;^ω^)「お?」
从'ー'从「並の力じゃ突破出来ない都市閉鎖を、秩序守護者のお陰で突破している。
しかも私達は連合軍アジトの中枢に近い位置にいる」
( ^ω^)「……奇襲出来るってことですかお?」
从'ー'从「そういうこと」
- 20: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:11:48.85 ID:fanoE2fO0
- でも、と言い
从'ー'从「秩序守護者は、おそらくそれを狙って私達を送り込んだと思うの」
( ^ω^)「kwsk」
从'ー'从「私達の見立てでは、秩序守護者に属している人間の数は極端に少ない。
おそらく三人くらいじゃないかな。
そんな彼らがいくら強くても、大軍には太刀打ち出来ないのは解るよね?」
ブーンは素直に頷く。
一騎当千とまではいかないが、それなりの力を持つ彼も同じ意見だった。
人である以上、無限に動けるわけではない。
必ず補給を必要とする。
過去を見れば、確かに質が数を圧倒する場合もあるだろう。
しかしそれでも限度は存在した。
結局のところ質は個であり、数は数なのだ。
从'ー'从「つまり秩序守護者からしてみれば、FCや連合軍は厄介な相手なわけ。
それでも彼らに余裕があるのは、その大軍を何とかすることが出来る力を持っているから」
(;^ω^)「それが、この状況ということですかお?」
- 21: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:13:19.10 ID:fanoE2fO0
- 从'ー'从「敵に大軍が二つあるのなら、その二つがぶつかるように仕向ければいい。
比較して弱いFCの戦力を二つに分断し、片方をもう一つの大軍にぶつける……」
(;^ω^)「な、成程……両方の戦力を同時に削るって魂胆なわけかお。
しかも半減させられた方のFCは確実に潰される……」
ということは
(;^ω^)「モララーさん達が危ない!?」
从'ー'从「落ち着いて。 彼らがそんな簡単に死んじゃうと思う?」
想像する。
モララーやギコ、シャキンやミルナ。
そんな一筋縄ではいかない連中がいるのならば
(;^ω^)「何か大丈夫な気がしてきましたお……」
从'ー'从「いくつか解せない点はあるけど……ま、大体はそんな感じじゃないかな」
- 24: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:14:41.37 ID:fanoE2fO0
- (;^ω^)「でも……ということは、僕らがここの中枢を制圧したりすれば
秩序守護者の思い通りになるんじゃないんですかお?」
从'ー'从「ううん、そこまでは出来るとは思ってないんじゃないかなぁ。
こっちは戦力半減させられてるし……ダメージを与えれば良好ってくらいじゃない?」
( ^ω^)「じゃあ、中枢制圧は……」
从'ー'从「うん、そういう意味では狙ってみるべきだと思う。
このままここで隠れてても意味がないし、いくつかの理由で死ぬだけだよ」
中枢を制圧するということは、リーダーであるロマネスクを倒さなければならないということだ。
かつてフルボッコにされた悔しさを思い出し
( ^ω^)「解りましたお……やってみるお」
ポケットから指輪を取り出しつつ、ブーンは力強く頷いた。
世界のためだとか、平和のためだとか言うつもりはない。
そんな重荷は誰か他の適任者が負えば良い。
ブーンが見ているのは、ただのリベンジ――復讐だけだった。
- 25: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:16:10.69 ID:fanoE2fO0
- ('、`*川「うぉらー」
何とも気合の抜けた声。
しかし繰り出された蹴りは、下手すれば致死の威力を持つほどの強力な攻撃だった。
激音が闇に染まった道路に響く。
吹き飛んで倒れた兵士は、そのまま起き上がることをしなかった。
('、`*川「ふぅむ」
顎に手をやり、物足りなさそうに溜息を吐くペニサス。
気付けばここにいて、何故か謎の兵士から狙われたのが納得いかないらしい。
('、`*川「あー、やっぱり『解んない』ってのはイライラするわねぇ。
ここは何処ー、貴方はだぁれー?」
気絶した兵士に問いかけるも返事はない。
('、`*川「あっちはあっちでド派手にやってるし……どうしたもんかね」
視線の先は騒々しかった。
ここからでは遠くて視認することが出来ないが
響いてくる銃声や悲鳴のおかげで、何者かが派手に暴れているのは解っていた。
- 27: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:17:41.91 ID:fanoE2fO0
- ('、`*川「ったく、興味出ちゃうじゃないのさー」
ペニサスはブーン達に比べて、後から送られてきている。
故に仲間達が周囲に散らばっていることなど知らない。
もちろん、彼女の興味の先でジェイルが暴れていることなども知るはずがない。
どうしたものかと思案する。
状況が解らない限り、迂闊に動くのは危険だろう。
ただ、それは常人に限っての話である。
ペニサスは英雄であり、それを裏付けるほどの力と来歴を持っている。
先ほど倒した兵士の実力を勘案しても、単独行動は何ら問題のない行為と言えた。
('、`*川「なら、私の好きに動いてもスペシャルオーケーだねー」
結論し、一歩足を踏み出した時。
「――『二極』」
闇夜に声が響いた。
- 29: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:19:07.12 ID:fanoE2fO0
- ('、`*;川「……その声」
振り返る。
建物と建物の間にある、小さな路地。
そこから聞き覚えるのある、そして聞きたくなかった声が響いていた。
出てきたのは
,(・)(・),「ややっ! 思った通り、ペニサスちゃんじゃないナリだすかー!」
誰が見ても『タマネギ』だと思えるタマネギだった。
('、`*;川「げぇっ!? 英雄神!?」
慌てて二歩ほど下がる。
あのペニサスでさえ警戒心を持たねばならぬほどの存在。
説得力は皆無だが、それが英雄神なのだ。
,(・)(・),「何か嫌われてるナリだすなぁー」
('、`*川「あったりまえでしょーが! 自分の過去を振り返ってセリフ吐けっつの!」
,(・)(・),「……素晴らしいナリだすなぁ」
('、`*川「ねぇ何を思い出したの? ねぇ?」
- 32: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:20:23.79 ID:fanoE2fO0
- イライラと貧乏揺すりを始めたペニサスを傍目に、それはともかく、と英雄神は話を打ち切った。
,(・)(・),「ちょーっち話があるナリだすよ」
('、`*川「ないない。 だから私は自由のm――」
,(・)(・),「二極」
ぞくり、と。
背を向けかけたペニサスの背筋に悪寒が走る。
('、`*;川「……ぬぉっ」
苦し紛れに出た声は、ひどく心細いものだった。
,(・)(・),「なぁ、ペニサスー。 おいどん、お前と戦わんといけないらしいナリだすよ」
('、`*川「そりゃあ勘弁だわ」
動けない。
いや、動きたくない。
動けば、おそらく殺されるだろう。
それも『死』を感じるゆとりさえなく。
- 34: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:21:51.62 ID:fanoE2fO0
- ,(・)(・),「勘弁って言われてもなー。
そういう約束っていうか、そんな感じだしー?」
('、`*川「ウゼェ……」
(約束……?)
,(・)(・),「何か色々と逆になっとりゃせんか?」
軽い笑みを見せ
,(・)(・),「まぁ正直言って、おいどんもお前と戦いたくないナリだす」
('、`*川「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。 だったら私を自由にして頂戴」
,(・)(・),「それは無理な相談ナリだすなぁ」
('、`*川「アンタねぇ……」
,(・)(・),「だからこうするナリだす」
ガン、と。
頭をハンマーで殴られたかのような衝撃が走った。
それは幻痛に等しく、しかし効果は現実となる。
('、`*;川「お……な、何を……ッ?」
金縛り。
そうとしか思えない精神的束縛が、ペニサスの身体の自由を奪った。
- 36: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:23:19.56 ID:fanoE2fO0
- ,(・)(・),「ちょっとおいどんの殺気をぶつけてみたナリだすよ。
あぁ、もちろん手加減してるから死ぬことはないナリだす」
身体が無条件で震えるのを自覚し、ペニサスは戦慄の汗を流す。
この身が受けているのは殺気だというのか。
いや、これはもう殺気というレベルではない。
――純粋な死気だ。
もはやペニサスは死んでいる。
身体の感覚が消え失せ、その意識さえも一点に固定されていた。
今感じているこの悪寒は、死後のものだろうと思わせるような冷たさを持つ。
動けば『殺される』ではない。
動けば『殺されている』だ。
('、`*;川「くっ……!」
彼女の持つ技術と経験を総動員すれば、傷を負いつつも逃げ切ることは出来るはずだ。
現にペニサスもそう思っているし、そうやってまで逃げなければならないと本能で悟っている。
しかし英雄神の気はそれを許さなかった。
理屈など無く、理由など無く、道理など無く。
ただ純粋にペニサスの身体に対し、動くことを拒否させる。
あの視線にそこまでの強制力が働いているのだ。
- 37: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:25:06.32 ID:fanoE2fO0
- ('、`*;川「……こ、れ……だか、ら……英雄神は、きら、い……なの、よ……!!」
,(・)(・),「でもおいどんはペニサスが好きナリだす。
ミルナもクン三兄弟も、みんなみんな大好きナリだす。
でも戦うっていう条件ナリだす」
('、`*;川「だ、から……こんな、ムカ、つく……真似を……」
,(・)(・),「殺さずとも足止めくらいで充分だと、そういう判断からナリだす。
だからせめて、この騒動が終わるまでは大人しくしててもらうナリだすよ」
優しく微笑むタマネギを見て、ペニサスは歯噛みする。
('、`*;川(これから長時間、あの顔を見続けなけりゃならんのか……!?
普通の拷問受けたほうがマシだわ……!!)
- 40: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:26:41.03 ID:fanoE2fO0
- ( ゚∀゚)「おい、失敗作」
川 ゚ -゚)「何だ、失敗作」
二人はビルの屋上に立っていた。
光源は夜空に輝く月のみであるが、その屋上全てを見渡せるほどの視界は確保出来ている。
( ゚∀゚)「ありゃ一体何なんだ?」
ジョルジュとクーは、その隅の方に立っていた。
視線の先には、二人が訝しげに見つめる妙な存在がいる。
( ・ω・)=つ 「シュシュッ! シュシュシュッ!」
シャドーボクシングをしている小人が一人。
クン三兄弟のジュカイよりも小さそうに見える彼は、見えない敵との戦闘に勤しんでいた。
半目で睨むジョルジュとクーなど、一瞥もしない。
川 ゚ -゚)「見た限り、お前と同類の気もするが」
( ゚∀゚)「俺はあんな阿呆じゃねぇ」
川 ゚ -゚)「そうだったな、馬鹿だったな」
殴り合いの喧嘩を始めた二人を余所に、小人はシャドーボクシングを続ける。
- 44: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:28:42.81 ID:fanoE2fO0
- その拳は一定の速度で放たれていた。
殴打というよりも槍の一撃に等しい俊敏さで、目の前の見えない敵の急所を突いていく。
フットワークも軽く、腰も的確なタイミングで捻られていた。
もしここに武道家がいれば、その完璧なフォームに感嘆の息を漏らしていただろう。
彼の名は『ボッコス松本』といった。
ロマネスク配下であるデミタスの作り上げた『人型機械人形』である。
究極汎用型のジェイルとは違い、その身やプログラムは全て戦闘用となっている。
ただ、自分から仕掛けることはしない。
完全に護衛型として作られているためか、攻撃されるまでは何者をも敵と見なさないのだ。
逆に攻撃されれば、その者が死ぬまで敵と見なすほどの執念深い性格を持っている。
つまりボッコスを前にした場合、最も有効なのは『無視』することである。
しかしそんなことを知り得ない二人は
(メ゚∀゚)「おい、そこのちっこいの!」
ようやく味方同士の争いを不毛だと感じたのか、ジョルジュはボッコスへ声をかけた。
( ・ω・)=つ 「シュシュッ!」
(メ゚∀゚)「おーい」
川メ゚ -゚)「無視されているな」
- 49: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:30:29.06 ID:fanoE2fO0
- (メ゚∀゚)「俺様の言葉に振り向かねぇとは……ちょっと調教してやる必要があるな!」
川メ゚ -゚)「調教……で合っているのか?」
(メ゚∀゚)「シラネ」
川メ゚ -゚)(内藤の部屋で見た本の内容から考えるに――)
何やら深い思考を始めたクーはさておき、ジョルジュは足元にあったコンクリートの破片を手に取る。
それをボッコス目掛けて投擲。
流石は戦闘用に作られた人間と言うべきか、それは見事にボッコスの頭にヒットした。
( ・ω・)=つ 「シュ……っ!」
(メ゚∀゚)「イェスッ! 流石俺様!」
川メ゚ -゚)(いや、しかし縄や拘束具を用いて、こう、抉るように――)
ボッコスの手が止まった。
その横顔に変化は見られない。
しかしその首が『ギギギ』と音を立てつつ、こちらを向いた。
( ・ω・)=つ 「…………」
(メ゚∀゚)「……お?」
川メ゚ -゚)(ここか? ここが良いのか? ん?)
- 53: ◆BYUt189CYA :2007/06/20(水) 17:32:49.06 ID:fanoE2fO0
- ( ・ω・)=つ 「――インターセプトモード、ON」
ピ、という電子音。
それはボッコスの起動を示した音だ。
無論、ジョルジュとクーはそんなことを知るはずもなく
(メ;゚∀゚)「おっ!?」
轟、と風が動いた時には
( ・ω・)=つ 「ボッコスッ!!」
激音と共に、ジョルジュの身体が吹き飛んでいた。
(メ;゚∀゚)「へぷぁ!?」
その拳は神速。
その圧は苛烈。
その撃は強力。
咄嗟に防御した腕ごと打ち抜かれ、ジョルジュは隣のビルの中へと突っ込んでいった。
ガラスを割る破砕音が響き、そこでようやく
川メ゚ -゚)「……む? ジョルジュ?」
空想の世界から帰ってきたクーが、隣にいたはずの男が消えたことに気付く。
そして代わりとして、拳を突き出した小人がこちらを向いて立っていた。
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