( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 2: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:22:15.94 ID:P0k3ogm/0
- 活動グループ別現状一覧
( ´∀`) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ |゚ノ ^∀^)
所属:不滅世界&魔法世界
位置:都市ニューソク
状況:押しかけシュー房+α
( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` ) [゚д゚]
(#゚;;-゚) (`・ω・´) <_プー゚)フ ( ゚д゚ ) ノハ#゚ ゚)
所属:不滅世界&機械世界&英雄世界
位置:ロシア・古城
状況:潜伏中
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *)
所属:魔法世界?
位置:不明
状況:逃亡中
- 4: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:25:53.17 ID:P0k3ogm/0
- 第三十話 『光明』
奇妙な情報が舞い込んできたのは、ある日の寒い朝だった。
自室としている部屋で目覚めた彼は、簡易キッチンへと足を向ける。
目を覚ますための熱いコーヒーを自分で淹れるのも、随分と慣れてしまったことに苦笑する。
仕事場とする広めの部屋に移動。
いくつかのデスクとPCが並ぶそこは、得た情報を統括し、判断するための広い会議室だ。
事の始まりは、外にて単独で情報収集をしていた軍神からの連絡である。
ある少女がモララーと会いたがっている、と。
外で散らばっている仲間を捜索していた軍神は、電話越しにまずそう言った。
軽い朝食をとりつつそれを聞いたモララーは、露骨に嫌な表情し
( ・∀・)「一つ言っておくが、私にそういった趣向はないのだがね」
『馬鹿言っとらんでさっさと準備しぃ。
アンタが求めとったお客さんや』
( ・∀・)「ふむ?」
自分が求めている客。
いくつかあるが、相手が少女だということを考慮すれば――
( ・∀・)「……やはり思い当たらんな」
- 6: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:28:41.10 ID:P0k3ogm/0
- 『ええから会うだけ会ってみぃ。
多分、気に入ると思うよ……この無駄に溢れる自信とかアンタそっくりやわ』
( ・∀・)「そういった自信はむしろ君の専売特許だと思うのだが、どうかね?」
『あのな、敢えて詳しく言うけど、アンタそっくりってことは話すだけでもエライ疲れる言うことなんよ。
で、何でまた本人であるアンタと問答して疲れなあかんのっつー話でな』
( ・∀・)「ははは、むしろ私は癒しのプロフェッショナルだよ?
こう揉み込むように、そして食い込ませるような美声は女性の官能を刺激してだね――」
『もうええわ……頼むよ、ホンマに』
返事も待たずに通話を切られる。
もはや電子音しか発さない携帯電話を耳から離し
( ・∀・)「彼女には心のゆとりが足りないようだ。
しかし、それ故に仕事はしっかりとやってくれる」
と、視線の先にいる人間に語りかけた。
(´<_` )「いや、まぁ、アンタが物凄く特殊ってだけな気もするが」
(#´_ゝ`)「少女だと? 幼女ではないのか? どっちなのだ!?」
まったく正反対の性格を持つ双子がいた。
二人ともにデスクのPCを操作しつつ、口々に言っている。
- 8: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:31:12.02 ID:P0k3ogm/0
- (´<_` )「で、どうする?」
( ・∀・)「とりあえず会うことにするよ。
確かに軍神君は未だ油断ならないが、だからといって信用しないわけにもいかないしね。
それに私は心が無駄に広い……たとえ相手が年端もいかぬ少女であっても、紳士的に接する所存だ」
(´<_` )「……言葉だけ聞いてると人格者だよなぁ」
( ´_ゝ`)「ねぇねぇ、俺もついて行っていい?」
( ・∀・)「目的が犯罪的でなければ」
答えを聞いた途端、兄者は奇声を上げて席を立つ。
(*´_ゝ`)「やった!」
それを半目で睨むのは弟者だ。
(´<_` )「この自己判断による喜びはどうなのよ」
- 10: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:33:16.56 ID:P0k3ogm/0
- ( ・∀・)「世に犯罪を犯す者にあまり犯罪意識がないのと同じだろう」
(´<_` )「目的しか見えていないからか」
( ・∀・)「うむ、こうなった者は色んな意味で強いよ?」
(´<_` )「アンタ見てたら納得だわ」
( ・∀・)「ふふふやはり私は人としての模範となっているようだね。
いやぁ、やはり立派な人間を目指していれば、自然とそういう目で見られてしまうから困ったものだよ」
(´<_` )「そういうところが……うん、もうどうにでもなれ」
(*´_ゝ`)「無垢な瞳で俺を見上げてくる幼女かなぁ、それとも健気で可愛げのある少女かなぁ。
うーん、どっちを持っていけばいいのか悩むなぁ」
(´<_` )「アンタ一体何を持っていこうと……もう面倒だから警察呼んでていいか?」
とまぁ、このようにして本日のFC残党の活動が開始された。
- 11: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:36:41.28 ID:P0k3ogm/0
- 古城の地下通路の先には、FC残党が外で活動するための場所がある。
この『アングヌエ』という名を冠する町は、一年中雪に閉ざされた小さな町だ。
外にはあまり人の姿が見えない。
元々の住人が少ないこともあるが、わざわざ外に出るメリットがないためだ。
時たま大型車が雪を掻き分けながら走る程度で、微かに聞こえるクラシックの音楽以外は静かなものである。
そんな白一色の景色の中に、何人かの人間の集まりがあった。
街灯に身を預けているのは黒いコートを着た長身の女性。
まるで顔を見られるのを恐れているかのように、深くフードを被っている。
軍神だ。
そしてその隣には、三つの人影。
分厚い防寒具を着込み、しかし尚も寒さに震えつつ足踏みしている。
(;><)「さ、さささ寒いんです!」
(((*‘ω‘ *)))「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」
从・∀・ノ!リ「このような寒さは初めて経験するのぅ……ところでおぬし、寒くないのか?」
見上げるように、少女が軍神を見た。
(#゚;;-゚)「んー?」
これほどまでの重装備においても刺すような寒さを感じるのだというのに
彼女は薄い服の上に、やはり薄めの黒コートを羽織っているのみだ。
- 13: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:39:22.83 ID:P0k3ogm/0
- (#゚;;-゚)「寒い、ねぇ。
生憎ウチは、もうそんなモン感じられる人間じゃないんよ」
从・∀・ノ!リ「ふむ」
その言葉を聞き、考えるような素振りを見せ
从・∀・ノ!リ「おぬしもまた『異常者』か」
(#゚;;-゚)「ん?」
从・∀・ノ!リ「何でもない。
それよりもおぬしの主人は遅いのぅ」
(#゚;;-゚)「いや、主人って……うーん、雇い主というか半同志というか」
半目で頬を掻きつつ言う。
少女が、自身の引っかかる言葉を口にして首をかしげた。
从・∀・ノ!リ「半?」
(#゚;;-゚)「まだちゃんとした総意を聞いてないっていうか。
保身に走るんか、それとも異獣を一緒に倒してくれるんか。
今はまだ目的が同一やから協力関係の間柄やけどね」
目的とは、世界運営政府のことだ。
モララー達は捕まった仲間を助けに、軍神達は世界交差の主導権を奪い取るために。
今後のことを考えれば決して利害一致とはいえないものの、しかし互いが互いを必要としているのは事実だった。
そして今、互いにとって重要なことをこなそうとしているというわけだ。
- 15: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:41:58.87 ID:P0k3ogm/0
- 从・∀・ノ!リ「まぁ、そう簡単に出せる結論でもあるまいて。
異獣を相手にしようなぞ、普通は考えることさえもせんからなぁ」
うんうん、と偉そうに頷く少女。
実際に偉いらしい。
(;><)「ちんぽっぽちゃん、寒くないですか?」
((((*‘ω‘ *))))「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」
( ><)「凄いんです! 振動で身体を温めてるんです! 原子振動なんです!」
というようなやり取りをしている彼女の従者らしい二人が、口を揃えて言っていたのだ。
この方は一国の主なのだ、と。
いや、『ぽっぽ』言ってる方は『ぽっぽ!』としか言っていないのだが。
(#゚;;-゚)(……うーん)
そう見えなくもない。
偉そうな態度や物腰、知識などに気品が感じられる。
しかし彼女が軍神の知る世界の住人ならば、そしてその一国の主ならば知らぬはずがない。
(#゚;;-゚)(色々と変わったんかな?)
知っているとはいえ、それはもう何年も前の話だ。
その間に戦争の一つでも起こっていれば、体制が大きく変わっていても不思議ではない。
何にせよ、これから話してもらうことなので聞き出すようなことはしなかった。
- 16: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:43:39.93 ID:P0k3ogm/0
- と、そこで新たな人影が現れる。
( ・∀・)「やぁ、遅れて済まないね」
モララーだ。
そして付き従うように、双子の兄弟が彼の背後にいる。
どうやら三人だけで来たらしいが、おそらく護衛の兵が付近にいるのだろう。
平穏とはかけ離れた存在感をいくつか感じ取れる。
( ・∀・)「立ち話も難だ、あそこでゆっくりと話し合おうではないか」
从・∀・ノ!リ「む?」
指差す先にはバーがあった。
訝しげにそれを見る少女に
( ・∀・)「あの店は私の部下が経営しているので大丈夫だよ。
表向きはバーで、裏向きには情報収集拠点の一つだということにしているのでね」
安心させるような笑顔でそう言った。
しかし、その表情に違和感を持った男が一人。
(´<_` )「……何かおかしくないか?」
(*´_ゝ`)「何が? いや、確かにあの少女はおかしいくらい可愛いけどハァハァ」
(´<_` )「気のせいなら良いんだが……」
- 18: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:45:58.36 ID:P0k3ogm/0
- ( ´_ゝ`)「弟にスルーされたよ。
っていうかアレだろ、ジェイルさんがいないから苛立ってるだけなんじゃね?」
(´<_` )「その根拠は?」
( ;_ゝ;)「俺、先週あたりにそれを理由にフィギュア叩き壊されたから……えぅぁぁぁ」
(´<_` )「涙が凍るぞ。
しかもそれって単にアンタが目障りだったんじゃないか?
仕事場にフィギュアボックス持ってくるのはアウトだろ、常識的に考えて」
( ´_ゝ`)b「馬ッ鹿、俺的にはセーフなのだ、これが」
(´<_` )「しかしふざけているのならともかく、ジェイルさんがいなくなったことで表情に出すとは思えんのだが。
……何かあったんだろうか」
( ´_ゝ`)「最近、弟者が俺に冷たい件。
どうしたらいい? ねぇ、どうしたらいいの?」
(#゚;;-゚)「ウチに聞かんといて、頼むから」
しっしっ、と羽虫を払うかのような動作で兄者から距離をとる軍神。
『ツンデレツンデレ』と謎の呪文を呟き、ニヤニヤする不審者。
結局、モララーの笑みに違和感を覚えたのは弟者だけだった。
- 22: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:48:44.94 ID:P0k3ogm/0
- ぼやけた過去を夢として見る。
全てが上手く回っていた頃の夢を。
全てが終わってしまった夢を。
そこには自分がいた。
尊敬する上司もいた。
切磋琢磨する戦友もいた。
自分達がいれば、国の平和は安泰だと思っていた。
しかし、それもある日を境に終わってしまった。
戦友が上司を殺し、もう一つの大国へと寝返ってしまったのだ。
愛機である青い機体と共に。
許せなかった。
戦友も、そして止められなかった自分も許せなかった。
戦おうと誓った。
たとえそれが仲間であっても、肩を並べて戦った戦友だったとしても――
――それで無念を晴らせるのならば、と。
- 23: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:50:20.89 ID:P0k3ogm/0
- (メ _)「…………」
目を開く。
同時に、自分が目を瞑って眠っていたのだと気付いた。
霞む視界に見えるのは白い天井。
鼻から入ってきたのは薬の臭い。
感じる空気は新鮮そのものだ。
自分の身体に布が掛けられていた。
白く清潔な、心地良い感触が身体全体を包み込んでいる。
このような場所で身を横にするのは久しぶりだった。
再度、眠気が来る。
疲労の残る体に『このまま好きなだけ眠りたい』という誘惑が這い寄ってくる。
しかしそれを何とか耐え
(メ _)「……ッ」
起き上がる。
上半身を起こすと同時に身体も目が覚めたようで、酷く喉が渇いた。
焼け付くような飢えを発する喉を抑え、周囲を見る。
ポットがあった。
いつでも飲めるように、傍らにはコップもある。
震える手を押さえつけながら水を注ぎ、口の中に流し込んだ。
(;メ _)「……くっ」
何度かそれを繰り返して飢えを消す。
- 24: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:52:02.10 ID:P0k3ogm/0
- 深い深呼吸。
そこでやっと、周囲の様子を見る余裕が出てきた。
(メ _)「ここは?」
見た限りは病室のようだ。
小さな部屋の中にベッドが一つだけあり、自分はそれに寝ていた。
傍に小さなテーブルがある以外、何も無い部屋だった。
現状が解らない。
あの時、自分は絶対に助からない状況下にいたはずだ。
しかし今、何故かこうして生き永らえている。
となると
(メ _)(誰かが私を助けた、か……?)
あの森の中に自分以外の人間がいたらしい。
感謝の念を抱くと同時、疑惑の念も浮かび上がってくる。
何故、自分を助けたのか、と。
二つほど考えられる。
本当に助けるつもりなのか、それとも利用するために恩を売ったのか、だ。
と、そこで部屋の出入り口を司る扉が開いた。
一体どちらなのかを見極めるため、男は鋭い視線を敢えて向けた。
(*゚ー゚)「あ、起きてたんですね」
- 27: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:53:36.25 ID:P0k3ogm/0
- 女性だ。
人の良さそうな笑みを口元に浮かべている。
強制的に安心感を与えてくるような錯覚を得て、男は頭を軽く振った。
(*゚ー゚)「まだ何処か痛みますか?」
(メ _)「……いや」
(*゚ー゚)「そうですか、良かったです」
女性はそのまま部屋の中へ入り、ベッド脇の椅子に座った。
備え付けられていた機械を操作しているのは、おそらく意識が目覚めたことを誰かに知らせているのだろう。
(メ _)「ここは何処だ?」
(*゚ー゚)「……あまり詳しくは言えないんですが、北の方です」
彼女が詳しい地名を知らないのか。
それともこの場所が秘匿されているのか。
後者だろう、と男は判断した。
(*゚ー゚)「吹雪の中で倒れてたんですよ。
寒さの他に栄養不足で気を失った、と医師の方は言ってました」
(メ _)「……そうか」
何日も食べなかったのだから当然だ。
いくら鍛えられているとはいえ、元となる栄養が無ければいつかは倒れる。
- 31: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:55:30.06 ID:P0k3ogm/0
- と、そこであることに気が付いた。
(メ _)「一つ聞いていいか」
(*゚ー゚)「はい?」
(メ _)「そこの男は何だ?」
指差す先は出入り口。
閉じたはずの扉が半分ほど開いており、しかめっ面の男が腕を組んでこちらを睨んでいた。
(,,゚Д゚)「…………」
(;*゚ー゚)「ギ、ギコ君……何してるの?」
(,,゚Д゚)「見張っているだけだ。 問題ない」
ぶっきらぼうに言い放つ。
その無遠慮な視線は、ベッドの上の男をジロジロと睨んでいる。
相当に警戒されているようだ。
(;*゚ー゚)(どういった意味で見張ってるんだろう……気になるなぁ)
(メ _)「……何か?」
(,,゚Д゚)「いや、気にするな」
無理だろう。
そんな視線を注がれては、誰もが気になるに決まっている。
- 32 名前: ◆BYUt189CYA [訂正] 投稿日: 2007/07/24(火) 18:56:52.07 ID:P0k3ogm/0
- と、そこであることに気が付いた。
(メ _)「一つ聞いていいか」
(*゚ー゚)「はい?」
(メ _)「そこの男は何だ?」
指差す先は出入り口。
閉じたはずの扉が半分ほど開いており、しかめっ面の男がこちらを睨んでいた。
(,,゚Д゚)「…………」
(;*゚ー゚)「ギ、ギコ君……何してるの?」
(,,゚Д゚)「見張っているだけだ。 問題ない」
ぶっきらぼうに言い放つ。
その無遠慮な視線は、ベッドの上の男をジロジロと睨んでいる。
相当に警戒されているようだ。
(;*゚ー゚)(どういった意味で見張ってるんだろう……気になるなぁ)
(メ _)「……何か?」
(,,゚Д゚)「いや、気にするな」
無理だろう。
そんな視線を注がれては、誰もが気になるに決まっている。
- 34: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:58:16.93 ID:P0k3ogm/0
- (メ _)「……もう一ついいか」
(*゚ー゚)「何ですか?」
(メ _)「おそらくではあるが、俺の倒れていたすぐ傍に赤い機体があったろう」
赤色をした鉄の巨人。
この男の分身ともいえる機体だ。
(*゚ー゚)「えぇ、勝手で悪いですけど……こちらが回収させてもらってます」
(メ _)「勝手ついでに分解などしていないだろうな」
(*゚ー゚)「持ち主である貴方が生きていたから、手を出さないように言ってますよ」
(メ _)「そうか、ならいい」
(,,゚Д゚)「…………」
一層、ドアの傍にいる男の視線が強くなる。
(メ _)「……何か?」
(,,゚Д゚)「気にするな」
この男、随分と無茶を言う。
- 36: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 18:59:51.90 ID:P0k3ogm/0
- そんなやり取りを無視し、女性は席を立った。
(*゚ー゚)「あとは簡単な検査をしてもらいますね。
で、しばらくは衣食住をこちらが負担することになるんですけど――」
(メ _)「その代わりとして、あの機体についての情報を吐け、と?」
(;*゚ー゚)「え、えぇ」
見透かされたのに驚いたのか、女性は己の身体を抱き締めるようにして身を固めた。
そして同時に、ドアの男の視線が更に強くなる。
不可視の針が首を刺していると錯覚するほど、その視線は鋭かった。
今度は敢えて無視しつつ、悩む素振りを見せ
(メ _)「……少し考える時間が欲しい」
(;*゚ー゚)「あ、やっぱりそうですよね……じゃあ、私から上の人に伝えておきます」
- 37: ◆BYUt189CYA :2007/07/24(火) 19:01:24.19 ID:P0k3ogm/0
- そして背中を向けかけ、しかし何かを思い出したかのように振り向いた。
(*゚ー゚)「そういえば貴方の名前を示す物品がなかったんですが……。
良ければ、教えてもらえますか?」
偽名を使うか一瞬迷う。
しかし安易に嘘を吐いても、後で面倒になるだけだと思い直し
(メ _)「……ミカヅキだ」
と、素直に名を言った。
持っていたボードにペンを走らせた女性は、ドアの傍に立つ男を押し出しつつ部屋から退出。
一人取り残され、ミカヅキは溜め込んでいた緊張の息を吐いた。
(メ _)「さて、どうにもやり辛そうだな……」
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