(´<_` )おかしな話たちのようです
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:19:25.58 ID:ZarKiK1m0
──02.─────────────────
川 ゚ -゚)「ただいま」
ノパ听)「おかえり、クー姉」
川 ゚ -゚)「ん? シューはどうした? 今日はアイツが食事当番じゃなかったか?」
ノパ听)「シュー姉はお出かけだぞー。当番は私が変わってやった」
川 ゚ -゚)「……そうか。まあ、こんな日だしな。食事ぐらいしてくるか」
ノパ听)「今日は帰ってこないって言ってたぞー」
川 ゚ -゚)
ノパ听)「どうしたー、クー姉?」
川 ゚ -゚)「いや、うん、まあ、そうだな、うん」
川 ゚ -゚)「うん、シューも二十歳越えてるんだ、外泊するぐらい別に普通だよな、うん」
ノパ听)「クー姉、大丈夫かー? 顔色悪いぞー?」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:21:11.70 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「それに今日は女の子にとって大切な日、バレンタインだ。いい年した女子大生に予定があって当然だよな」
ノパ听)「いい年したOLにも予定があって良いと思うぞー」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「いや、あれだ、その、姉ちゃん決して予定がなかったわけじゃないんだぞー?」
川 ゚ -゚)「数多の誘いを掻い潜り、かわいい妹たちの為に家路を急いだ結果、定時から約30分で帰宅できたんだぞー?」
ノパ听)「クー姉は今日、チョコとか渡さなかったのかー?」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「渡したよ」
川 ゚ -゚)「渡したともさ」
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:23:52.46 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「うちの課全員、うちの部署全員の男に」
川 ゚ -゚)「義理だけど」
川 ゚ -゚)「義理だけどちゃんと1つずつ別に包装して、あわよくばと思わせるような義理だけど」
川 ゚ -゚)「ちゃんと渡したさ」
ノパ听)「そっかー、社会人は大変なんだなー」
川 ゚ -゚)「まあな。付き合いというものがあるからな。仕事を円滑に進めるためには、そういう気配りも必要なんだ」
ノパ听)「仕事って難しいんだなー」
川 ゚ー゚)「まあ、ヒートにはまだ難しいかな? ヒートは誰にも渡さなかったのか?」
ノパ听)「私も1個だけ渡したぞー」
川 ゚ー゚)「そうか、友達か? ヒートも、もう高校生だ、仲の良い男友達ぐらい──」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:26:13.21 ID:ZarKiK1m0
ノパ听)「彼氏に1個だけだー」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「彼……氏……?」
川 ゚ -゚)「彼……氏……?」
ノパ听)「2回言うほど大事な事かー?」
川 ゚ -゚)「彼氏……彼氏……彼氏……彼氏……うん……彼氏……そっか……彼氏かー」
ノパ听)「クー姉大丈夫かー? 真っ青通り越してまっ白だぞー?」
川 ゚ -゚)「ハハハ、ちょっと化粧が濃かっただけだ。濃すぎて公家みたいって言われても姉ちゃん全然平気だぞ、うん、平気」
川 ゚ -゚)「しかし彼氏かー。そっか、ヒートもそんな年頃なんだなー、うん、もう高校生だしな……」
川 ゚ -゚)「まあ、普通だよな、普通、普通」
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:28:24.00 ID:ZarKiK1m0
ノパ听)「クー姉も高校の時、彼氏に渡したりしたのかー?」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「時にヒート、いつから彼氏と付き合ってんだ?」
ノパ听)「半年ぐらい前だー」
川 ゚ -゚)「ほう、もうそんなになるのか」
川 ゚ -゚)「姉ちゃん知らなかったなー」
ノパ听)「内緒にしてたぞー」
川 ゚ -゚)「まあ、そういうの家族に隠したくなるのはわかるけどな」
川 ゚ -゚)「ただ、ちょっとぐらいは相談して欲しかったなーって、姉ちゃん思ったり思わなんだりしちゃったり?」
ノパ听)「シュー姉には相談したぞー」
川 ゚ -゚)
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:30:36.18 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「え? 何でシューに相談? 私じゃなく? え? 何で?」
ノパ听)「適材適所ってやつだぞー」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「適材適所、その才能に適した地位や任務につけることだな、うん。つまり……」
ノパ听)「クー姉に相談してもダメそうだったからなー」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「だ、ダメじゃねーよ」
川 ゚ -゚)「姉ちゃん恋愛相談受け付けてるよ? 24時間営業中。エブリシングオールオッケーだぞ?」
ノパ听)「クー姉、彼氏いないぞー?」
川 ゚ -゚)
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:34:10.28 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「ああ、いないよ、今は」
川 ゚ -゚)「いないけども、今は」
川 ゚ -゚)「たまたまいないんだよ、今は」
川 ゚ -゚)「いや、出来ないんじゃなくて、あれだよ、作らないんだよ」
川 ゚ -゚)「だって、そういうの面倒じゃん?」
川 ゚ -゚)「自分の時間が大事って言うか、ほら、私ら3人家族じゃん?」
川 ゚ -゚)「私がしっかりしないとダメだからな、そういうのは2人がお嫁に行ってからでいいんだよ」
ノパ听)「クー姉、いつもありがとなー」
川 ゚ -゚)「な、何だ改まって? 別に、姉ちゃん嫌々面倒見てるわけじゃないからな? 2人が大切だから喜んで面倒見て──」
ノパ听)つ□「そんなクー姉にプレゼントだー」
川 ゚ -゚)「……プレゼント?」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:36:30.74 ID:ZarKiK1m0
ノパ听)「バレンタインだー。あげたのは1個だけど、ちゃんとシュー姉の分とで3つ用意してたんだー」
川 ゚ -゚)「ヒート……」
川*゚ -゚)「ありがとう、ヒート。姉ちゃんすっごく嬉しいよ」
ノハ*゚ー゚)「お礼を言ってるのはこっちなんだぞー? 喜んでもらえて嬉しいぞー」
川*゚ -゚)「そっかー、バレンタインかー。姉ちゃんチョコもらえるなんて思わなかったなー。ホワイトデーのお返しがタオルだった事もあったもんなー」
川*゚ -゚)「早速開けていいかな?」
ノパ听)「いいぞー」
川*゚ -゚)「どれどれ……」
川*゚ -゚)つ□
川 ゚ -゚)つ□
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:39:56.47 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「ヒート?」
ノパ听)「どうかしたかー?」
川 ゚ -゚)「どうかって……いや、これ?」
ノパ听)「煎餅の詰め合わせだぞー。姉ちゃん、甘い物より煎餅が好きっていつも言ってるじゃないかー」
川 ゚ -゚)「うん、まあ、確かに言ってるね。煎餅好きだよ、うん、むしろ大好き」
川 ゚ -゚)「でも、その、何て言うかね、空気的にと言うか、イベント的にね、こう、ね?」
ノパ听)「贈り物はその人が一番喜ぶ物がいいかなーと思ったんだー。ダメだったかな?」
川 ゚ -゚)「いやいやいやいや、ダメじゃないよ、姉ちゃんすっごい嬉しい。煎餅大好きだし。年寄り臭いと言われようが煎餅好きだよ、うん」
川 ゚ -゚)「そもそも煎餅は固いんだから、年寄り向きじゃないんだし、煎餅好きって事は、全然若いって事じゃないかと私は常々思うんだよ」
川 ゚ -゚)「煎餅最高」
ノハ*゚ー゚)「そっかー、良かったぞー」
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:42:14.63 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ー゚)「ああ、大切な家族からもらえて本当に嬉しいよ、ありがとう、ヒート」
川 ゚ー゚)「ちゃんとホワイトデーにはお返しするから期待してろよ?」
ノパ听)「お返しとか気にしなくていいぞー? これは日頃の感謝の気持ちなんだから」
川 ゚ー゚)「感謝の気持ちなら、姉ちゃんだってあるさ。だから、ちゃんと返させてくれ」
ノハ*゚ー゚)「わかったぞー。クー姉、ありがとな。いつもお疲れ様だぞー」
川 ゚ー゚)
川 ゚ -゚)「さて、晩ご飯にするか。煎餅は食後の茶請けにさせてもらうよ」
ノパ听)「わかったぞー。おかず温め直すから座って待っててくれー」
川 ゚ -゚)「うん」
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/09(土) 22:45:38.97 ID:ZarKiK1m0
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「……時にヒート、シューには何をプレゼントするつもりだったんだ?」
ノパ听)「ライスチョコだー」
川 ゚ -゚)「ライス……チョコ」
川 ゚ -゚)「チョコ……か」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「なあ、ヒート?」
ノパ听)「なんだー」
川 ゚ -゚)「煎餅チョコってなかった?」
──02.姉と煎餅のようです 了──
戻る/03.