(*゚ー゚)恋われたいようです( ´_ゝ`)

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 01:57:14.05 ID:S/o8LsEd0
兄者は基本的に携帯電話を使わない。

持ち歩いてるノートパソコンのほうが活躍しているのは見ていてわかる。
しかしパソコンでは気軽に電話できない。

そもそも、兄者とは恋人らしい会話を携帯でしたことがない。
リアルでも。


いやリアルでは一応したっ…け?



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 01:58:53.63 ID:S/o8LsEd0



魔法使いに./9/



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:02:49.39 ID:S/o8LsEd0
−しぃ−


一定の機械音。流行り廃れも糞もない。
そういや兄者の携帯からメロディーが流れてるのなんて聞いた事がない。

ワンコールで兄者は出た。

『もしもし、流石です』

(*゚ー゚)「携帯電話でもしもしはないと思うわ」

しかも自分の名字だけとか微妙に紛らわしい。
お前のクローンがいたろう、弟者とか言う奴が。
それと間違えたらどうする。

『そうなの?』

(*゚ー゚)「多分」

『多分って…』



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:05:24.98 ID:S/o8LsEd0
『それで用件は何?』

(*゚ー゚)「…」

まがりなりにも彼女が電話を掛けてやってその言葉か。
ここはテンプレートな言葉で返してやろう。

(*゚ー゚)「用事がなきゃ悪い?」

『え?』

(*゚ー゚)「寂しくって…」

『…』

(*゚ー゚)「…」

おお沈黙。
さてどう返って、

『今日は4月1日じゃないよ』



(*゚Д゚)「ぬるぁ!」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:08:08.85 ID:S/o8LsEd0
(#゚Д゚)「お、ん、ど、れぇえええええええええええ!!」

『えっ、ごめんまた何か』

どうしてこいつはいつもいつもいつも!
私の怒りが口調を越えてAAまでを別物に変えちゃったじゃないの!

(#゚ー゚)「乙女心を! 理解! しなさいよ!」

『無理』

(#゚ー゚)「即答すんなボケェ!」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:12:14.44 ID:S/o8LsEd0

(*゚ー゚)「あなたはもう一度乙女心がなんたるかを乙女から聞く必要があるわ」

『もう嫌って言う程聞かされた気がするよ』

(*゚ー゚)「いいから黙れ。ああ、携帯このままどっかに置いて放置したら明日覚えてなさい」

かたんと何処かに置かれるような音がしたのでそれを遮る。
言い切った所で衣擦れの音がした。
よしよし、そのままにしていろ。説いてやる。

(*゚ー゚)「まず女の子が電話に出た時に不機嫌な声なんか絶対に出しちゃダメよ、女の子が怖がるわ
     自慰中に電話が来た時はしょうがないから無視しなさい。後で言い訳のメールをするといいわ
     トイレとか風呂とか寝てたとか。ヤンデレの場合はどれも危険だからさっさと警察を呼べ」

『女の子が自慰とか言っていいの?』

(*゚ー゚)「言ったのが私で聞いたのがあなたなら問題ないわ」

『そうなんだ』



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:15:21.85 ID:S/o8LsEd0
(*゚ー゚)「それにねー? 女の子が電話口で寂しいなんて口走ったら全力で慰めてあげなくちゃ駄目よ」

『慰める…?』

てめぇ。

(#゚ー゚)「『どうしたの?』『大丈夫?』『何かあったの?』って聞けばいいのよ!
     その女の子は構ってちゃんモードなのよ! 潔く諦めてとっとと構え!」



『えーとつまり、今のしぃは構ってちゃんの困ったちゃん?』

(#゚ー゚)「そうよ! でも改めてあなたにそんな事言われるとムカつくわね!」

『理不尽な…』

(*゚ー゚)「それにそこは私の言った台詞を言うべき場所よ
     全く本当にあなたはわかってないのね」

『ごめんなさい』



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:18:39.52 ID:S/o8LsEd0

(*゚ー゚)「で、何か言う事は?」

『ごめんなさい』

くああこいつめ! 今のは謝罪を促してるんじゃないっての!
それについさっき謝ったじゃない! それをカウントしやがれ!

(#゚ー゚)「ちっがーう! さっきの台詞を言うのよ!」

『どうしたの?』

そうそう。

(*゚ー゚)「暇だったから電話かけたのよ」

『あ、そ、そう…』



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:21:45.88 ID:S/o8LsEd0
(*゚ー゚)「それにちょっと恋人同士らしい事をしてみたかったのよ」

『恋人らしい?』

(*゚ー゚)「そそ。毎日夜中に下らない事で電話してお互いのおやすみで1日の幕を閉めるのとか
     互いに浮気してないか腹の探り合いをするのとか、浮気を頑張って誤魔化すのとか」

『電話代が凄い事になりそうだね』

そこで金の話題を出すか。

(#゚ー゚)「お前って奴ぁ…」

『え、あ、ご、ごめんなさい…』



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:24:55.26 ID:S/o8LsEd0
『……』

(*゚ー゚)「何?」

『これ、十分に下らない会話だと思うけど』

(*゚ー゚)「私の理想の下らない会話と違うわ」

『………』

そこは何か話題を切り出せ喪男め。
そんなんだったら未来は魔法使いしかないぞ。


(#゚ー゚)「あーもう! 電話が駄目ならメールよメール!
      今電話切るから何かすぐにメール送れ! 私に!」

『わかった』


ブツリ
     ツー…ツー…


(#゚Д゚)「てめぇえええええ! せめてこっちが切るまで待ちやがれゴルァ!」



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:27:37.09 ID:S/o8LsEd0



そして空メールが1通送られてきた。

件名:なし。本文:なし。

オイオイ3分待った結果がこれかよ糞が。



(* ー )「ふ…ふ、ふふ、うふふ、うふふふふふふふふh」


私は明日兄者を半殺しにする事を決意する。
ついうっかり手が滑って殺してしまうかもしれない。

その時はその時だ。
覚えてやがれこの朴念仁。



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/29(金) 02:30:24.96 ID:S/o8LsEd0



恋われたいようです ./1/
足して十になる物理/2/
夢の泡沫に添えて./3/
一定の連続存在 /4/
覚えておいて花 /5/
パン屋の邂逅 ./6/
謎の意味合い/7/
ある音楽家と/8/

魔法使いに./9/        END.



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