(*゚ー゚)恋われたいようです( ´_ゝ`)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:04:49.78 ID:kHQskUZ/0
無限に広がる宇宙の、窮極の混沌の、
幾何学的構造時空の外側に広がる混沌の時空連続体の、

中心にある神殿の玉座に
鎮座している、怠惰に眠る、膨張と収縮を繰り返し泡立つ、


     の目覚めと同時に世界は終わると言う。



目覚めと同時に終わる世界。覚醒と同時に終わるもの。
これは全て、かの御方の見られている夢なのだろうか。
それとも、



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:07:52.69 ID:kHQskUZ/0



胡蝶の夢/1/



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:11:45.45 ID:kHQskUZ/0
−しぃ−


(*゚ 、゚)「うーん」

ちゅんちゅんぴぴぴ、と雀が熾烈な縄張り争いをする声を聞きながら、私は窓を見つめる。
あれは夢だったのか、現実だったのか。

翌朝、日がしっかりと昇ってから急いで確認すると、何処にも手跡なんて無かった。
隣の部屋も郵便受けから覗いてみたが、確かに人の住んでいる痕跡はない。
兄者に確認を取ると、私との電話の最中に誰かの騒ぎ声なんて聞こえなかったと言う。

杉浦さんにもう一度確認するのは…正直気が引ける。
あんな時間に電話をした事もそうだし、何よりあんな事を言ってしまった。
危ない人と勘違いされなければいいが。

(*- 。-)「はあ…」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:16:05.01 ID:kHQskUZ/0
〜大学構内〜


(*゚ー゚)「ねぇ兄者、幽霊とかそういうの興味ある?」

彼は少しだけ眉を潜めて、

( ´_ゝ`)「別に怖くはないよ?」



(;*゚ー゚)「あーもう、別に驚かせようって訳じゃないわよ! 変に深読みしないで!
     ただそういうのに興味あるかないか聞いただけなの!」

( ´_ゝ`)「ホラー映画とかスプラッタ映画だったらよく見るけど…
      ああ、もしかして吊り橋効果ってやつ狙ってる?」

(*゚ー゚)「一応付き合ってる関係で今更吊り橋とか狙ってどうすんのよ
    それに、それは付き合う前の男女のどちらかが相手をそれでハメるものよ」

( ´_ゝ`)「そうなのか」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:21:28.95 ID:kHQskUZ/0
(*゚ー゚)「あんたと話してるといっつも脱線するわ…とにかくね
     オカルトな事に興味ある? って聞いてるのよ」

( ´_ゝ`)「うーん……ある、の…かな?」

(;*゚ー゚)「疑問形にしないでよ…取りあえず、話聞いてくれる?」

( ´_ゝ`)「いいよ」



説明省略



(*゚ー゚)「って事で、今日私の部屋に泊って」

( ´_ゝ`)「いいよ」

( ;^ω^)「うおおおお前ら待て待て待てェエ! お!」

あ、内藤。

( ´_ゝ`)「お、内藤」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:25:50.09 ID:kHQskUZ/0
−ブーン−


教授に欠席届を出そうと廊下を走っていたら、あまり見ないふいんき(ry になっている二人を発見。
なんだあの微妙に緊張した空気は、別れ話か? それはないか。
いやもし、そうだとしたら、後で散々からかって死ぬ程慰めてやろう。

ウハメシウマwwwwww彼女持ちざまぁああああwwwww


( ^ω^)「そうと決まれば」


早速ヲチだ。
二人に見つからないよう足音を立てずに後ろに回り込む。
抜き足差し足忍び足。



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:29:32.38 ID:kHQskUZ/0
そーっと、そーっと。


(*゚ー゚)「―――でね、―――の電話した時のなんだけど」

( ´_ゝ`)「あれって――――じゃ――の?」


うーん。


(#゚ー゚)「――!」

(;#)゙_ゝ`)



( ^ω^)「ここじゃよく聞こえないお…」



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:35:09.57 ID:kHQskUZ/0
危ないが、もう少し近づかなければ。

( ´_ゝ`)「―――――で、どうしたいの?」

(*゚ー゚)「それで、――を兄者にも見てほしいのよ」

お、いい感じ。

( ´_ゝ`)「見てほしいって…どうやって」

(*゚ー゚)「うーんとねぇ、本来ここは素直に『怖いの苦手なの…』とか言ったり
     ツンデレるべきなんだろうけどそれは癪だからやらないわ」

なにそれ。

( ´_ゝ`)「なにそれ」

(*゚ー゚)「ほらよくあるじゃない。ホラー映画とか見た後でどっちかが
    『怖いから一緒に寝よう』とかほざいて一緒に寝てそのまましけこむの」

男でそれはないない。と思う。

( ´_ゝ`)「よくわからんが…え、つまりそういう事?」

(*゚ー゚)「残念ながら私は死んでも永遠に攻め込まれぬ砦よ」

堂々と下ネタを話すその度胸に乾杯。

(;*゚ー゚)「じゃなくって!」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:42:37.71 ID:kHQskUZ/0
彼女はすぅと息を吸い込み、

(*゚−゚)「ちょっと本気で怖かったのよ、昨日の」

心なしか声が少し震えている。
昨日? 何かあったんだろうか。

( ´_ゝ`)「……」

(*゚ー゚)「ふぅ」

( ´_ゝ`)「…フーン」

(*゚ー゚)「それに、そろそろ招待したいと思ってたしね」

( ´_ゝ`)「そうなの?」

(*゚ー゚)「そうなの、いい機会だからついでに言っとくわ」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:48:03.73 ID:kHQskUZ/0
声の震えはなくなっている。

(*゚ー゚)「私、幽霊とかそういうの、大丈夫とか思ってたけど違ってたみたい」

( ´_ゝ`)「意外だね」

(*゚ー゚)「言葉じゃ伝わんないだろうけど…結構怖かったのよ、昨日のアレ
    自分でも半信半疑だけど一人だと寝付けそうにないから」

( ´_ゝ`)「…」

(*゚ー゚)「泊めさせてくれるような人は周りにいないし、第一私じゃ迷惑だろうし…
     今日また兄者帰りが遅くなって研究室で泊るって聞いたから丁度いいと思って」

( ´_ゝ`)「…そう」

(*゚ 、゚)「…一人だと怖くて眠れそうにないから、怖い夢を見そうだから
    どうせ襲われるなら二人のほうが生存フラグが立ちやすいから
    その場合幽霊なんか信じてねーよ的な人物だと怖がっているほうの生存確率うp」

( ´_ゝ`)「待てこら」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:53:25.95 ID:kHQskUZ/0
今すごい本音が。


(*゚ー゚)「って事で、今日私の部屋に泊って」


ちょま。


( ´_ゝ`)「いいよ」


おま。


( ;^ω^)「うおおおお前ら待て待て待てェエ! お!」

( ´_ゝ`)「お、内藤」


そして数レス前に戻る。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 21:58:37.76 ID:kHQskUZ/0

(*゚ー゚)「内藤も来る?」

( ^ω^)「えっ?」

唐突に何を言い出すんですかおしぃさん。

( ´_ゝ`)「そうだな。そう言う事なら人はたくさん居たほうがいいな」

(^ω^ )「えっ?」

何とち狂った事言ってるんだお兄者。


(*゚ー゚)「でも私の部屋そんなに広くないから、あんまりたくさんってのもね
     4人になったら誰か一人はカーペットの上で寝てもらう事になるわ」

( ´_ゝ`)「んーそれじゃ俺とブーンでいっか」

よくねぇお。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:03:55.16 ID:kHQskUZ/0
( ;^ω^)「なんで僕も泊まる事になってるんだお!」

( ´_ゝ`)「さっきの話聞いてただろ?」

( ^ω^)「。」

バレてる…だと……。


(*゚ー゚)「確かに姿は見えなかったけど、影で丸わかりよ」

( ^ω^)「盲点だったお、しかし影でわかるもんかお?」

( ´_ゝ`)「お前太ってるし」

(#^ω^)「そう言うのはオブラートに包むものだお兄者」

( ´_ゝ`)「横に育ってるし」

てめぇ。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:09:30.75 ID:kHQskUZ/0
(*゚ー゚)「そうよ兄者。デブって言葉は相手を傷つけるわ
     せめてふくよかと言ってあげなさい」

( ´_ゝ`)「ふくよか」

(*゚ー゚)「そうそう」




( ^ω^)「…」

何このイジメ。


( ´_ゝ`)「ふくよか?」

(#^ω^)「黙れお」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:15:00.96 ID:kHQskUZ/0
講義開始のベルが響く。

(;*゚ー゚)「あ、やっば、私次講義だから行くね」

そう言って走って行ってしまった。
お、しぃは急いでる時も障害者用のエレベーターを使わないで階段を使うのか。
ちょっと見直したお。

ちなみに講義に遅れてきた女はブーツやハイヒールを脱ぎ捨てろ。
カポカポ音鳴らして正直うるせぇ集中力が途切れる消えろ。
そのまま走ったら馬の走る音にしか聞こえねぇよ、それでも人間か?

( ´_ゝ`)「お前は馬か」

( ^ω^)「…何だお? 兄者」

( ´_ゝ`)「心の声が漏れてますよ内藤さん」

( ^ω^)「おー」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:18:47.06 ID:kHQskUZ/0
僕は講義が入っていないので別にいい。
兄者もこうしてるって事は、講義はないんだろう。多分。

周りに人がいないか見回して、一応小声で話す。

( ^ω^)ボソボソ「これチャンスなんじゃないのかお? 僕も行って本当にいいのかお?」

( ´_ゝ`)「チャンスって…何の?」

わざわざ小声にしてるんだから察しろお。


( ^ω^)「そりゃ勿論、魔法使いの資格剥奪についてだお」

兄者は納得した顔でああ、と言うと

( ´_ゝ`)「する気ないよ。大体そうして俺に何のメリットがあるんだ」

( ^ω^)「、」

この草食系男子ならぬ理数系男子めが。
こいつら、このまんまで結婚とかに漕ぎ付けるのだろうか。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:20:09.72 ID:kHQskUZ/0

しぃの住む場所へ移動。


                  三三 ⊂二二二( ^ω^)二二⊃

((( ( ´_ゝ`)

                    三 (#゚ー゚)

お泊まり会は次の話。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/30(土) 22:21:11.49 ID:kHQskUZ/0



恋われたいようです ./1/
足して十になる物理/2/
夢の泡沫に添えて./3/
一定の連続存在 /4/
覚えておいて花 /5/
パン屋の邂逅 ./6/
謎の意味合い/7/
ある音楽家と/8/
魔法使いに./9/
しぃ家の怪/1/0

ぜろぶんのいち
『1』について

胡蝶の夢/1/       END.



戻る/2/