(*゚ー゚)恋われたいようです( ´_ゝ`)

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:28:56.11 ID:89oV17Ps0
水の音。
波の音。
泡の音。
海の音。
雑音。

目覚まし時計の音。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:33:25.99 ID:89oV17Ps0



歪/8/



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:37:27.48 ID:89oV17Ps0
−ブーン−


(*゚ー゚)「なんだ、あんたもう復活したのね」

クレクレ飯店の大食いメニューを無事制覇し、賞金と称賛を浴びて店を出た所で兄者と会った。

( ´_ゝ`)「実はもっと早く復活してたんだが、しぃが最後に言った言葉がどうも引っ掛かってさ
      あれ、内藤が負けたら払う罰金。俺に押し付けられるんじゃないかと思って待ってた」

(#゚ー゚)「いくら私でもそれはないわよ! 金の絡む事で男に頼る程落ちちゃいないわ!」

( ´_ゝ`)「え、でも前に、俺に無理矢理奢」

( ;^ω^)「二人とも、落ち着いてくれお」

こんな店の前で堂々と痴話喧嘩をしたら、営業妨害だと訴えられかねない。
現に、ほうら、恨みがましい視線を僕らに向ける店員と一組のカップルが、

カップル…?



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:41:17.54 ID:89oV17Ps0
川 ゚ -゚)「いやー朝っぱらから修羅場だな」

(;'A`)「いや、そんなのいいから早く入ろうよ。ほら、あの隙間から」

川 ゚ -゚)「何言ってんだドクオ、お前のこの口は私にあの網戸の隙間を通れとほざいてるのか?
     お前には私のこの胸部に垂れる脂肪の塊が見えないのか、この節穴め
     見えないのか、二人の男女が散らす不可視の念力が強固な壁となって立ち塞がり、」

(;'A`)「だからいいってば、入ろうよ」

可哀想なので僕が避けてやった。
ドクオと呼ばれた小さい男が、僕に会釈しながら綺麗な女の人の手を引いて、のれんをくぐる。
んー、あの二人どっかで見たような。何処だっけ。


兄者としぃはそのカップルを気にも止めない。
口論は既に音速の域に達している。比喩ではなく内容的な意味で。

そろそろ周囲の視線が厳しくなってきたので、しぃを引っ張ってその場から離れた。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:44:50.74 ID:89oV17Ps0


(#゚ー゚)「女の子はもっと丁寧に扱いなさいよ!」

(メ#)ω^)「僕ももっと丁寧に扱われたいお」

(#゚ー゚)「脱臼したらどうすんのよ! 女の子はか弱いのよ!」

( ´_ゝ`)「か弱い…?」

(#゚ー゚)「突っ掛かってくんな!」


二人同時に尻を蹴られたところで、ようやくしぃの怒りは収まった。
いやー女の子って怒ると怖いね、前にも同じような事を思った気がする。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:48:26.02 ID:89oV17Ps0
(*゚ー゚)「それにしても、なんで私の手だけ掴んで兄者の手を引かなかったのよ」

男の手なんて、普通は握りたくもないから。

(*゚ー゚)「何黙ってんのよー。まさか私とデートしたかったとか?」

いやちが。

( ;^ω^)「そんなんじゃないお! 兄者は動きにくいからしぃにしたんだお!」

(*゚ー゚)「女の子を急いで連れ出す時は姫ダッコと相場が決まっているわ
     ホラーものではないけどね。和ホラーなら手だけを引っ張るとあら不思議
     女の子の所在を確認しようと後ろを振り返ればいつの間にか千切れた手だけが!」

( ´_ゝ`)「なにそれこわい」


てっきり兄者さんから何らかの当て付けがあるかと思いましたが、そんな事ありませんでした。

( ´_ゝ`)「まーしぃとデートしたいってんなら俺は引くけど」

ありました。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 21:51:27.53 ID:89oV17Ps0
(*゚ー゚)「今の発言は聞き捨てならないわね兄者…あんた私が浮気しても許すって言うの?」

しぃさん、なんでそうなるんですか。
ああ、地雷を踏むんじゃないぞ兄者。この手のタイプに『浮気を許す』ってのは禁句で

( ´_ゝ`)「許すよ」

おふぅ。

(#゚ー゚)「てめぇえええ! そこは嫌でも『浮気されたら嫌だ』くらい言え! 言いやがれ!
     まさかその後に『浮気とか許すから俺の浮気も許せ』みたいなテンプレートを
     言うんじゃないでしょうね! 私が許されても、私は許さないわよ!」

( ´_ゝ`)「あー…いや、うーん」

(#゚ー゚)「何詰まってんのよ! その通りとでも言うの!?」

( ´_ゝ`)「いや、それ以前に、俺浮気とかしないし」


( ^ω^)

こいつはくっせぇー! 純愛系少女漫画の香りがするぜぇーっ!



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:07:22.86 ID:89oV17Ps0

(*゚ー゚)「あ、あんた…」

あ、しぃが感激してるのか動揺してるのかよくわからない事になってる。
いや、感激して動揺してんのか。兄者もたまにはくさい事言うじゃないか、見直したぞ。



( ´_ゝ`)「そもそも俺らって付き合ってんだっけ?」



(* ー )

(  ゚ω゚)


その地雷の踏み方、いくら俺でもそれは引くわ。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:08:49.73 ID:89oV17Ps0
いい感じにぼこぼこになった兄者を引き摺って、最寄りのゲームセンターに来た。
それぞれが自分の手持ち金でゲームを遊ぶ。
シューティングゲームのコンティニューも、ちゃんと自分の金で払う。

いいだろう。それはいいだろう。

だが、クレーンゲームの賞品を金で取引するのはどうかと思う。
恋人同士ならば、尚更。

(*゚ー゚)「違うのがくっついてきたわ…流石にこれは造形的にいらないわね」

( ´_ゝ`)「あ、それ妹が欲しがってたやつだ」

(*゚ー゚)「そうなの? ほい」

( ´_ゝ`)「どうも。ほい200円」

(*゚ー゚)「ありがと」

タダでやってやれよしぃさん。
金払うなよ兄者さん。
その金を受け取るなよしぃさん。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:10:14.87 ID:89oV17Ps0
(#゚ー゚)「ちょっと! この銃の照準ズレてるわよ! 店員呼んで来い!」

( ´_ゝ`)「それ、元からそういうやつなんだってさ」

(#゚ー゚)「もうこのゲーム2度とやらん! あー敵うぜぇ!」


過激なアクションゲームやると素が出るよね。
それでも、そんな事を愚痴りつつクリアしてしまうのは流石だなしぃ者。

流石だなしぃ者 part4 〜 orz 〜
tp://love6.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1159597795/l50

僕はと言うと、コインが落ちているかどうか探している途中だったりする。
コインが落ちてくる場所を覗いて、落ちてたらほくほく顔で拾うのだ。
後いるよね、ゲーム機揺らしてコイン落とそうとする奴とか。
最近殆ど出来なくなったけど。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:13:26.27 ID:89oV17Ps0


(*゚ー゚)「伊勢海老掬い…だと…」

( ´_ゝ`)「生きてるね」

(*゚ー゚)「あんたやりなさいよあんた」

( ´_ゝ`)「海老如きにくれてやる金など無い」

クレーンゲームの一角に、水槽があると思ったらゲームでした。
中を水で満たされて、伊勢海老が髭を掃除していた。
クレーンは普通のアームで網も糞もない。逃げられるだろ。
1回400円で1000で4回。何かが激しく間違っている。
景品はカウンターまでお持ち下さい。お渡しします、と張り紙が。

店員は何を考えているのだろう。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:16:45.16 ID:89oV17Ps0
(*゚ー゚)「あ、格ゲー台に人いる」

( ´_ゝ`)「いるね」

(*゚ー゚)「ちょっとあんたギルギアの方に乱入して来なさいよ」

( ´_ゝ`)「何故に」

(*゚ー゚)「勝ちそうになったらその直前に乱入して、後少しで勝利って時の達成感を奪えってんじゃないわ
     むしろその逆よ、救済をしてやるのよ。勝ちそうになったらじゃない、負けそうになったら乱入するの
     もう駄目だ終わるって時に乱入してあげて、その人のプレイ時間を延長させてあげるのよ、兄者
     云わば、これは一種のボランティアよ。感謝こそすれ、恨まれる筋合いはないわ。そんな訳で行け!
     あの人の負ける瞬間に投入するのよ! その為に向かいの台に座ってスタンバるがいいわ!
     そしてあの人に、いつ乱入されるかわからないドキドキ感とワクワク感を味あわせてやりなさい!」

( ´_ゝ`)「だから何故に」


( ^ω^)「ー……」

僕はすっかり蚊帳の外です。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:19:55.46 ID:89oV17Ps0

(*゚ー゚)「あ、これ4人で出来るんだって、内藤やる?」

やっと声が掛けられました。


( ^ω^)「おーやるおやるお」

ゲーセンのガンシューティングとか久しぶりだ。
隣を見れば、兄者が既にライフルを構えている。

( ´_ゝ`)「一人足りなくない?」

(*゚ー゚)「2丁拳銃よ兄者」

( ´_ゝ`)「…出来るの?」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:24:38.90 ID:89oV17Ps0
みんなでお金入れてデモシーン。
ルート選択画面で銃を持ち上げたところで、しぃが重い! と悲鳴をあげる。

(*゚ー゚)「受け取りな!」

( ´_ゝ`)「え、俺がやるの?」

結局2丁拳銃は兄者の役割になった。

自分のお金で遊ぶんじゃないんだから、有り難く思いなさいとか言われていたが、本人は複雑そうだ。
と言うかコレ、それなりの重量がある。なんだ、陰謀か?

(*゚ー゚)「リロードしにくい…」

このゲーム、弾のリロードの際には画面外を狙って撃つか、その場で銃を振ればできるとの事。

      画面

兄者(2丁)  しぃ 僕

と、位置的にしぃは真ん中にいるので、画面外リロードがしにくい。
しかもこの銃は先程述べたように重い。
非力な人には辛いだろう。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:27:43.80 ID:89oV17Ps0
ここは位置を変わってやるべきかと考えていると、敵が画面一杯に弾幕を広げる。

( ;^ω^)「うわぁお」

こういうの僕苦手なんです。どれから狙えばいいのか迷ってしまって。

2兎追うものは1兎も得ず。
3Pのサイトと一緒に画面を泳いでいると、2Pのサイトが僕を狙っていたミサイルを迎撃した。

かっこいいぞ兄者、でも僕よりしぃちゃんを助けてやれ。
ついでにそのリロードの仕方かっこいいな兄者、でもそれ店員呼ばれるぞやめとけ。



通りすがりの幼女に、案の定店員を呼ばれた。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:32:21.99 ID:89oV17Ps0
彼のリロードの仕方と言うのが、効率的と言えばそうだが、かなりの問題があった。
左手に持つ銃は画面外を撃てばいいとして、右手はそうはいかない。
この銃は振ってリロードしようにも重い、片手でプレイしている兄者なら尚更。
ならばどうするか、彼の決断は早かった。

金を入れる台に叩きつけて、その振動でリロードをしたのだ。


暫くして、店員が来た。

( ・3・)「えぇー不良って兄者君の事かYO」

あの幼女め、不良と伝えたか。

( ^ω^)「ぼるじょあ、ここでバイトしてたのかお」

( ・3・)「そうだYO-けど今はそんな事じゃなくてね」

ぼるじょあは先程まで僕らがやっていたゲームに目をやる。

( ;・3・)「一応これも仕事だから…僕がやってる間に壊されちゃ困るんだYO
     もうちょっと優しく扱ってくれYO-兄者君」

( ´_ゝ`)「善処します」

しぃちゃんはこの間、コンティニューしてずっと先を進めていた。



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:37:01.22 ID:89oV17Ps0
思う存分遊んで、空腹を覚える頃には夕焼けがかっていた。

( ^ω^)「1200円かおー思ったより使ってないお」

(*゚ー゚)「ゲームより、喋ってた時間のほうが多かったもんねー」

( ´_ゝ`)「使ってないなら、そっちのほうがいいじゃないか」


そして二人一緒に楽しかった? と尋ねられる。

僕はそれに笑いながら頷いた。



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:40:45.41 ID:89oV17Ps0



去って行く内藤ホライゾンの背が見えなくなるまで、一応手を振る。
空は既に夕焼け色。夕刻。蜜柑の色。黄色と赤色の中間色。オレンジ色。

太陽が沈む頃、西の空が赤く見えることを夕焼けと呼ぶ。
日中よりも太陽光線が大気中を通過する距離が長く、青色光は散乱され、
波長の長い赤色光だけが地上に到達するために起こる現象。

(*゚ー゚)「あー楽しかったー」

逢う魔が時。くすんで曲がった恋の色。

( ´_ゝ`)「そうか、よかった」

錆つき歪んだ恋の色。大禍時。



(*゚ー゚)「あんたは楽しかった?」

( ´_ゝ`)「楽しかったよ」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:44:34.64 ID:89oV17Ps0

(*゚ヮ゚)「わぁー綺麗な空ー」

夕焼けに赤く染まった雲が、隊列を組んで夕日に向かう。
反対側の空には夕闇が迫り、橙色を飲み込んで藍色が広がる。

( ´_ゝ`)「そうだね」

しぃは携帯を取り出すと、カメラを上に向けて何度かフラッシュを焚いた。
その様子を、兄者は微動だにせずに見る。

(*゚ー゚)「もー情緒ってモンがないわね」

( ´_ゝ`)「…人の感性は人それぞれさ」

一瞬言葉に詰まったように見えたのは気の所為か。
しぃは携帯に向き直ると、今度はフラッシュを消して空を写した。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:47:47.08 ID:89oV17Ps0

(*゚ー゚)「待ち受け画面っと」

すたすたと適当な足取りで、しぃの元まで歩く。
携帯の画面を覗き込み、空を見上げ、また覗き、空を見上げる。

(*゚ー゚)「何よ、何か文句でもあるの?」

画面に映る空と真上に広がる空は、微妙な差異が見て取れる。

( ´_ゝ`)「ないよ」

赤色は熱気を彷彿とさせる。けれど、息苦しくはない。
ただ少し、橙と白と灰色の共同作業に吐きそうになる。
あの斑模様は、見ていると少し気持ちが悪い。

血のような赤が鉄錆の匂いを彷彿とさせるとか、一つ一つが球体のようだとか、
人の臓器を模しているとか、冒涜的なまでの色彩が気味悪いとかそんなのではなくて。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:50:58.48 ID:89oV17Ps0
其処まで辿り着いた所で、普段幾何学模様の中で暮らすからかと結論付ける。

(*゚ー゚)「私と居ると自分からあまり喋らないわよね、あんた」

( ´_ゝ`)「…そうかな」

光と水蒸気のスペクトルに惑わされるこの感性は、果たして情緒なのか。
情緒とは人にある感慨を催させる、その物独特の味わい。また、物事に触れて起こる様々な感慨とある。
感慨とは心に深く感じる事。こころのふかくまでとどくもの。

携帯にメールが届いた。送信者はしぃ。
思考を中断し、切り替える。

(*゚ー゚)「すぐ傍に居るのに、なんでメールなのかと言う質問はなしよ」

( ´_ゝ`)「……」

兄者は黙ってメールを開く。1枚の画像が添付されている。
添付されていた画像は、先刻の夕焼け。



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:54:50.61 ID:89oV17Ps0

(*゚ー゚)「あなたって、待ち受け画面初期設定から変えてないじゃない。少しはこれで飾りなさい」

彼女の意図が汲み取れないが、ここは言葉に従うのが良しと判断する。

( ´_ゝ`)「ありがとう」

携帯を操作して、画像を待ち受け画面に設定する。
光る夕日が調度時計の文字と重なってしまったが、兄者はそれをそのままにした。

(*゚ー゚)「何よ、お礼とか言っちゃって、何も出ないんだから」

( ´_ゝ`)「知ってるよ」

しぃは兄者の脇腹を肘で小突く。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 22:58:30.34 ID:89oV17Ps0


(*゚ー゚)「……」

沈黙。静寂が耳に居たくはない。
帰路を歩く。
先程のしぃの言葉について考える。記憶の中に該当数件。

( ´_ゝ`)「しぃ」

(*゚ー゚)「なーに?」

小首を傾げて、こちらを見上げる仕草をする。
彼らの身長差から、それは仕方ない事なのだが。
『可愛らしい仕草』に入るものなのだろうが、彼の目にそれはどう映るのか。

( ´_ゝ`)「しぃは二人の時、たまに俺の事『あなた』って呼ぶけど、」

(*゚ー゚)「…」

( ´_ゝ`)「あれは何?」

(*゚ー゚)「わかんない」

即答。言い終わる前に音の発露される。
兄者は大した様子もなく、そうか、と返す。



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 23:01:31.52 ID:89oV17Ps0


(*゚ー゚)「あなたに言われて初めて気付いたわ、私」

( ´_ゝ`)「そうか」

(*゚ー゚)「もしかしたら、二人じゃない時にも言ってるかもね」

( ´_ゝ`)「しぃが俺以外の第三者に気付いていない場合、言ってる時もあったよ
      あと、俺との会話に意識が向き過ぎて…いや、会話に熱中してる時とか」

(;*゚ー゚)「ぁあ、そう? よく覚えてるわねあんた…」

ふと、彼の右手が脇腹にとまる。
何事かと視線を向けると、そのままべろりとシャツを剥いだ。

(;*゚ー゚)「ちょっ、何やってんのよあんた!」

( ´_ゝ`)「なんか脇腹痛くて」

岐路に差し掛かったので足を止める。
その言葉で足を止めようとしていた彼女には丁度良かった。



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 23:05:01.26 ID:89oV17Ps0
傍から見れば、女が屈んで男の腹を弄っている危ない光景だ。

(;*゚ー゚)「あれ、青痣になってる」

( ´_ゝ`)「そんなに強く叩かれた覚えはないんだがな」


が、二人は気にした様子はない。
既に暗く、人通りもない通りだからか。


(;*゚ー゚)「私もそんなに強く叩かれた覚えはないんだけど…ごめん」

( ´_ゝ`)「いや、いいよ」


それから暫く言葉を交わし、それじゃあまた明日、とさよならを告げた。



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/05(金) 23:06:14.83 ID:89oV17Ps0



恋われたいようです ./1/
足して十になる物理/2/
夢の泡沫に添えて./3/
一定の連続存在 /4/
覚えておいて花 /5/
パン屋の邂逅 ./6/
謎の意味合い/7/
ある音楽家と/8/
魔法使いに./9/
しぃ家の怪/1/0

ぜろぶんのいち
『1』について

胡蝶の夢/1/
どんまい/2/
お部屋 /3/
消える/4/
家族 /5/
君を/6/
狂 ./7/

歪/8/         END.



戻る/9/