(*゚ー゚)恋われたいようです( ´_ゝ`)
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:41:49.32 ID:/RPknqWE0
もしもifの世界\_
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:44:53.74 ID:/RPknqWE0
──────────┐
有り触れた時間の話。 |
──────────┘
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:48:20.11 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「おめでとうだお兄者、今すぐシャンデリアが落ちて来て死ねばいいのに」
( ´_ゝ`)「ありがとう内藤、不穏な言葉の羅列が聞こえたのは気の所為かな」
( ^ω^)「気の所為じゃないお、ケーキカットのでかいナイフでお前が切られろ」
( ´_ゝ`)「これまた直接的な」
( ^ω^)「投げたブーケが急所に当たって死ね」
( ´_ゝ`)「色々と無理だな」
( ^ω^)「実は花嫁は退魔組織の暗殺者だった! 実はこの舞台は全て眷属をはめる為の罠!
真っ赤な血のような色のリップは、婿を死へと導く道標。誓いのキスは死への口付け!
つまり花嫁が塗っている口紅は、実は即効性の毒物だったんだお! な、なんだってー」
( ´_ゝ`)「既にしぃも人を超えてるぞ、それ」
( ^ω^)「えー、じゃあ、なんか薄い膜張って毒が浸透するの防いでるとか
口内に実は解毒薬が仕込まれてあるとか、毒に耐性持ってるとか」
( ´_ゝ`)「投げやりだな」
( ^ω^)「ぬぬぬ」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:51:22.51 ID:/RPknqWE0
( ´_ゝ`)「それでも来てくれる辺り、ありがとう」
( ^ω^)「嫌がらせだお」
( ´_ゝ`)「でもありがとう」
( ^ω^)「その言葉が既に、僕に対する嫌がらせだお」
( ´_ゝ`)「じゃあ」
( ^ω^)「お」
( ´_ゝ`)「負け組ざまぁ」
( #^ω^)「お」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:54:32.07 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「悔しいお」
( ´_ゝ`)「嫁のようなものなんぞ、すぐに見つけられるだろう」
( ^ω^)「それが最近過っ疎過疎です」
( ´_ゝ`)「なんと」
( ^ω^)「どちらにしろ、僕のモテ度は何も変わりませんでした」
( ´_ゝ`)「…長い生の中で、子種を仕込む瞬間なんて腐る程あるさ」
( ^ω^)「なにそれむかつく」
( ´_ゝ`)「最近の小説、レイプから始まる恋なんてのもあるそうじゃないか」
( ^ω^)「それなんて携帯小説、危ない人の妄想?」
( ´_ゝ`)「そもそも、同族相手にすりゃいいだろうに」
( ^ω^)「相手にされないんだお」
( ´_ゝ`)「…」
( ^ω^)「…」
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 03:57:36.28 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「悔しいお、悔しいお」
( ´_ゝ`)「嘆くな、嘆くな」
( ^ω^)「そもそも僕には知り合いが少ないからターゲットが絞られてくるんだお」
( ´_ゝ`)「社交的になれ…ってのは、今更無理な話か」
( ^ω^)「女性の知り合いとかしぃちゃんしかいないし」
( ´_ゝ`)「やらんぞ」
( ^ω^)「しないお、しようとする前に色々と無理だお、5重くらいの意味で」
( ´_ゝ`)「よし」
( ^ω^)「あーあ、あと相手出来そうな人と言えばー」
( ´_ゝ`)「言えば?」
( ^ω^)「…」
( ´_ゝ`)「何故黙る」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:00:38.89 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「こう…誰か、」
( ^ω^)「『あー誰か俺の体代わりに動いてくれないかなー』」
( ^ω^)「みたいな駄目な奴見つけて」
( ^ω^)「ついでにそれが雌だったりしたら」
( ^ω^)「こう、数年くらい、体を借りてもいいかとか」
( ^ω^)「腹を貸してもらってもいいかとか、聞いて」
( ^ω^)「おkだったら」
( ^ω^)「s( ´_ゝ`)「しないからな」
( ^ω^)「まだ何も( ´_ゝ`)「しないからな」
( ^ω^)「…」
( ´_ゝ`)「しないからな」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:02:26.53 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「えー、えー」
( ^ω^)「それくらいの時間、僕にくれたって良いじゃないかお」
( ´_ゝ`)「そんな七面倒くさい事するくらいなら、素直に強姦してろ」
( ^ω^)「和姦にこそ、意味がある」
( ´_ゝ`)「なにそれ」
( ^ω^)「非童貞にはわかるまい」
( ´_ゝ`)「童貞ですけど」
( ^ω^)
( ^ω^) ハッ
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:06:07.48 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「いやいやこれは失礼しました」
( ^ω^)「親友に向かって死ねなどと、ははっ、冗談ですお」
( ^ω^)「僕らは誓いを交わし合った仲ですおね、同志ですお」
( ^ω^)「結婚する前に行為に及ぶなどと不健全な事、するわけないですおね」
( ^ω^)「そもそも相手がアレでは、勃つモノも立たないと言う訳ですおね」
( ^ω^)「いやはや、失礼致しました」
( ^ω^)「はははお」
( ´_ゝ`)「色々言ってくれるな内藤…」
( ^ω^)「そんな低い声など御出しになさらず」
( ´_ゝ`)「…」
( ^ω^)「そんな睨みつけないで」
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:09:22.77 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「そうだお、ギコさんを撒く取っておきの呪文を教えてあげるお」
( ´_ゝ`)「そんなものがあるのか?」
( ^ω^)「ん…んん? 一応言っておくけど、今のは言葉の綾ってやつだお」
( ´_ゝ`)「なんだそうか」
( ^ω^)「つまり要するに、ものの例え…? んん?」
( ^ω^) プスブス
( ^ω^)「訳分からなくなってきたお、取りあえず教えるお」
( ´_ゝ`)「ふむ」
( ^ω^)「耳貸すお、耳」
ゴニョゴニョ
( ^ω^)n゙∠( ´_ゝ`) ))
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:12:30.66 ID:/RPknqWE0
( ´_ゝ`)「なるほど、ありがとう」
( ^ω^)(ぶっちゃけ言ったら勇者だお)
(#゚Д゚)「ゴルァ! この結婚詐欺師が!」
( ^ω^)「噂をすればなんとやら」
( ´_ゝ`)「結婚詐欺は、主に結婚式会場に辿り着く前に起こすものですよ」
(#゚Д゚)「起こす気かこの糞野郎!」
( ´_ゝ`)「しませんが」
(#゚Д゚)「どちらにしろ訴えてやる!」
( ´_ゝ`)「私が勝ちますが」
(#゚Д゚)「んなモンでっちあげりゃいいんだよ!」
( ´_ゝ`)「金にものを言わせる気ですか」
(#゚Д゚)「むしろ俺が作ってお前に被せる!」
( ^ω^)「うわぁ…」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:13:47.10 ID:/RPknqWE0
(´<_` )「よう死ね兄者」
( ´_ゝ`)「やあ死ね弟者、新手の挨拶かい?」
(´<_` )「同じ返し方をする事に殺意を覚えた」
( ´_ゝ`)「結婚式会場に便所サンダルで来た勇気は認めよう」
(,,゚Д゚)「どうやらお前に味方はいないようだな」
( ^ω^)
(#゚Д゚)「しぃとの結婚なんぞ認めんぞ! 許さない、絶対にだ」
(´<_` )「取りあえず兄だからと言って人生を先に行くのは許さない」
( ´_ゝ`)「兄より優れた弟などいないらしいぞ」
(´<_` )「マジで死ねばいいのに」
( ^ω^)(僕ってこいつらと同Lv…?)
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:16:48.20 ID:/RPknqWE0
( ´_ゝ`)「えーと、ギコさん」
(#゚Д゚)「えぇい呼ぶな汚らわしい! なんだ!」
( ´_ゝ`)「『間男のほうが燃えませんか?』」
(゚<_゚ )
(#゚Д゚)
(,,゚Д゚)
(#゚Д゚)
(,,゚Д゚)
(,,゚∀゚)
(,,゚∀゚)「それもそうだな!」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:20:08.30 ID:/RPknqWE0
( ゚ω゚)
(,,゚∀゚)「夫との留守を狙って忍んで行くような、卑怯な真似はしないと約束しようじゃないか!」
( ´_ゝ`)「ある意味忍んでくれたほうが嬉しいですが、ここは正々堂々と受け取っておきましょうか」
(,,゚∀゚)「ふはははははは! 俺は不意打ちが嫌いだからな! 真正面から行かせてもらうよ!
例えトイレの中だろうが、炬燵の中だろうが、行為中だろうが、ドアをぶち破ってね!」
( ´_ゝ`)「清々しさを感じる程の不法侵入ですね、そのままBorrow or robですか?」
(,,゚Д゚)「うーん地味に英語の回文で返すとは中々やるな、俺は後者だ」
( ´_ゝ`)「いくら正面と言えど、気は張っておいて損はないようですね」
(,,゚Д゚)「いつ如何なる時でも、妻も護る為に迅速に対応するのが夫の役目だ」
( ´_ゝ`)「そうですね、ですが私は金と時間が有り余っているストーカーではないので
万が一留守を狙われてもいいように、異国の私邸警備でも雇いましょうか」
(,,゚Д゚)「重装だな。その警備員が粗相をやらかしたりしないだろうな?」
( ´_ゝ`)「比喩ではなく、手を出す前に首を飛ばしますよ」
(,,゚Д゚)「うむ、なら安心だ。埋める場所は俺が用意しよう」
( ´_ゝ`)「一緒に義弟も埋めようなどと思わないで下さいね?」
(,,^Д^)「ギコファハハハハハハハハハハ!」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:23:25.76 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)(なんだおコイツら…)
(,,゚∀゚)「いやっはっはっは! しぃをよろしく頼むよ! 新たなる義弟クン!」
( ´_ゝ`)「任せて下さいよ、扱いには慣れてますから」
(,,゚∀゚)「あははははは! 頼もしい限りだ! ちなみに少しでも傷をつけたら俺がお前を殺す!」
( ´_ゝ`)「その言葉、そのまま返しますよ」
(,,^Д^)「ギコハハハハハハハハハハハハ!!」
( ´_ゝ`)「あはははぁ」
( ^ω^)「…」
新郎の背中をばんばんと叩く花嫁の兄の姿を見て、内藤はこれからも騒々しい日常が続くのだと。
独り、溜息を吐いた。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:26:28.40 ID:/RPknqWE0
- │
│
│
┌────────┘
│いつか何処かで想起した時間の話。
│
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:28:05.44 ID:/RPknqWE0
- −ぃょぅ−
新入生(18)の提出したレポート。
(=゚ω゚)「残念、漢字を多用し小難しい文章にしようとして失敗した最近の若者…と言う感じだょぅ」
それでも頑張りは見えるので、再提出は1回で済ませてやろう。
指摘した箇所が変わらないままか、これと全く同じレポートをもう一度持って来た時には…うむ。
それなりの制裁を加えてやるとしよう。
(*゚ー゚)「それ言ったら、これは横文字を多用して現代に馴染もうとして失敗した白髪の中年ね」
すぐ近くから女学生の声が聞こえ、慌てて振り返る。
観音林しぃ。理工学部基礎理学科、2年次。
(*゚ー゚)「勝手に読んじゃってごめんなさい、返しますね」
彼女が持っている紙切れは、新入生(48)のレポート。
あまりの出来事に、思考が追い付かなくなる。
沈黙。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:31:12.07 ID:/RPknqWE0
(=;゚ω゚)ノ「しぃ…君?」
(*゚ー゚)「はい」
しまった、入って来ていたのに全く気がつかなかった。
いやしかし、ここのドアの金具は錆びていて、開けると物凄い音がするのだ。
そもそも、教授の研究室にノックもなしに入って来るなど、
(=;゚ω゚)「…」
そこまで考えた所で、綾瀬ぃょぅは異変に気がついた。
慣れ親しんだ、本と電子機器と埃だらけの研究室。
窓からは陽光が差し、外からサッカーをする学生達の元気が声が聞こえてくる。
いつも通りの部屋、いつも通りの風景。
ただそこに、無ければならない存在と、あってはならない存在が一つずつ。
(* ー )「どうしたんですか綾瀬先生?」
観音林しぃを模った異物は、こつこつと近寄って来る。
逃げ出すべき経路はただ一つ。
ドアと言う出入り口が消された今、一方通行の、最早後戻り出来ない道しかなかった。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:32:58.73 ID:/RPknqWE0
綾瀬ぃょぅは迷う事なく、躊躇する事なく。
机の引き出しから婦人用の護身用拳銃を取り出すと、口に咥え込み、引き金を引いた。
これから起きるであろう、想像もつかない責め苦の中で発狂するよりは、
こちらの選択肢が天国へ続く階段に思えたからだ。
小さな銃弾は寸分の狂いもなく脳幹を捉え、ぃょぅを逃がす事に成功した。
後には、何一つ遺らなかった。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:35:59.92 ID:/RPknqWE0
永続的に続く時間の話。
/
_____________________________/
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:39:17.74 ID:/RPknqWE0
(*゚ー゚)「なんか私の周りの人、ドラマに出て来るような人ばっかり」
( ・∀・)「と言うと?」
(*゚ー゚)「失踪とか片親だとか昼ドラだとか」
( ・∀・)「俺の父親、実は再婚してるんだぜ」
(;*゚ー゚)「ええ!? すみませんでした!」
( ・∀・)「はは、聞いちゃいけないけど聞きたいって顔してるね」
(*゚ー゚)「う」
( ・∀・)「いいよいいよ、話してあげるよ、俺も誰かに話したかったし」
(*゚ー゚)「い、いいんですか?」
( ・∀・)「話せない奴とか、話してすっきりしたい奴とか、知られたくない奴とか色々いるさ
最も、俺も詳しい事は知らないから、期待してるような事はないと思うよ」
(*゚ー゚)「…」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:42:20.26 ID:/RPknqWE0
( ・∀・)「いやー親父も前の母親の事についてはあまり触れてほしくないみらいでさ
本当、酒呑んだ時に酔っぱらって断片的にしかわからないんだけどね」
(*゚ー゚)「…」
( ・∀・)「前妻さ、発狂して別れたみたい」
(;*゚ー゚)「いきなりハードですね」
( ・∀・)「聞いた話だけどね、なんか調べてみたら精神病院にまだ居るっぽくてさ」
(*゚ー゚)「それじゃあ本当の事…?」
( ・∀・)「かもね、何で発狂したのかとか知らんけど」
(*゚ー゚)「…」
( ・∀・)「…」
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:45:53.73 ID:/RPknqWE0
( ・∀・)「まあ、なんだ」
( ・∀・)「顔しか知らない人の事だからさ、あまりどうとか思ってないし」
( ・∀・)「別に今の家庭に何も不満もないし」
( ・∀・)「だからそんな顔しないでよん」
(;*゚ー゚)「いえ、正直反応に困ってしまって」
( ・∀・)「だろうね、こんな話されたら俺も困る」
(*゚ー゚)「うぉい」
( ・∀・)「ははは」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:48:55.08 ID:/RPknqWE0
( ・∀・)「あーそろそろ暗くなるねー」
(*゚ー゚)「あ、もうこんな時間」
( ・∀・)「これとこれとこれと、ほい。売れ残りだけど持ってっちゃって」
(*゚ヮ゚)「わぁ! ありがとうございます!」
( ・∀・)「そーいや君最近、僕に対して敬語使うようになったね」
(*゚ー゚)「うーん、ようやく先輩として見えてきたので」
( ・∀・)「ははは、なんだそれ」
(*゚ー゚)「大人としての貫録がやっと見えて来たと言うか」
( ・∀・)「褒めても売れ残りのパンしか出ないよ」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:52:33.69 ID:/RPknqWE0
(*゚ー゚)「大人と言えば」
( ・∀・)「ん?」
(*゚ー゚)「すごく父親と似てますよね、モララー先輩は」
( ・∀・)「僕と父親の顔写真を見た人は、必ずそれを言うよ」
(;*゚ー゚)「だって、まるで同一人物ですよ」
( ・∀・)「だろうねぇ、それじゃ」
( ・∀・)つ「これをこうして」
(-@∀@)「ほうら、ドッペルゲンガーさ」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:54:54.58 ID:/RPknqWE0
\/ ̄\/\/ ̄\/\/\_/\/ ̄\/\
|
防がれ消失した時間の話。 |
/
_/7
/゙ '
√ ヾ_
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 04:58:21.57 ID:/RPknqWE0
- −弟者−
一人部屋で悶えていると兄者が入って来た。
慌てて冷静さを装う。
(´<_` )「何の用だ?」
兄者は無言で工具箱を渡す。
(´<_` )「…何これ?」
意図がわからん。
( ´_ゝ`)「先程確認したが、ここの扉の留め金も緩んでいた」
(´<_` )「直せと?」
無言で頷く。
(´<_` )「いや無理、さっきのやつ直せなかっただろ」
( ´_ゝ`)「道具があっても無理か?」
(´<_` )「めんどい」
( ´_ゝ`)「そうか」
渡された工具箱を、兄者に返す。
そのまま兄者はおやすみもなく部屋を出て行った。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:01:42.77 ID:/RPknqWE0
暫くして、かたかたとドアに何かが当たる音がする。
(´<_` )「…」
別に頼んでもいないのになーと思いつつ、意識をドアの向こう側に向ける。
がちゃがちゃと工具箱を漁る音がして、きしりきしりと螺子を巻く音。
その音が、何故かあるものを連想させる。
(´<_` )「なあ、兄者」
『なんだ』
木の板1枚を隔てて、声が届く。
(´<_` )「さっき部屋から出て来た時、電気つけてなかったよな」
『寝ていたんだ』
(´<_` )「暗い中、電気を付けずによくドアまで辿りつけたな」
『自分の部屋だ。扉の位置くらい、暗くても判る』
(´<_` )「つーか電気くらい付けろよ、妹者びっくりしてたじゃないか」
『節約だ』
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:04:51.07 ID:/RPknqWE0
ばつん
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:07:59.67 ID:/RPknqWE0
まるでアクション映画のような爆風の吹っ飛ばされる。
弟者は転がりながらもなんとか体勢を立て直し、スタントマンに尊敬の念を抱いた。
(´<_`; )「クソッ!」
ずきりと痛覚を刺激した右腕を左手で押さえる。
爆風で吹き飛んできた破片に、軽く肉を抉られて持って行かれてしまった。
今すぐにでも涙を流し、のた打ち回りたい程の激痛。
漫画などで、あんな負傷で動いてる奴らは、やっぱり紙の中の世界でしかないんだなと思う。
もうもうと立ち込める砂煙は、直につむじ風に巻かれたように円を描き始める。
呼吸が困難になりそうな程の風は、紙やシーツ、小物を持ち上げ、家具を移動させる。
割られた窓や穴の空いた壁から、枯葉や小枝を吸い込み増長して行く。
それでも、その中心にいる彼の服の裾は、そよ風すら吹いていないかのように動かない。
まるで、アニメに出てくる悪役の登場シーンでも見ているかのようだ。
土煙を渦状に舞い散らして登場だなんて、それなんて邪気眼?
違いは、その邪気眼は妄想ではなく、紛れもない現実の能力と言う事だ。
全く、忌々しい。これが夢ならばと、この一瞬の内に何度思ったか。
(´<_`; )「…化け物め」
文字通り、吐き捨てる。
言葉と、口内に溜まった血と唾液を。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:11:02.58 ID:/RPknqWE0
ぱきゅんと情けない音を立てて、空間が潰され弾けた。
( ´_ゝ`)「台風の中心部分は無風だと、理科で教えられなかったか?
全く、勉強中に教科書で漫画を隠して読んでる奴はこれだから」
まるで息を吐くように嘘を吐く。
それが自然だと、さも当然だと、それがお前の過去だと言わんばかりに。
弟者はもう一度、先程の言葉を口内で繰り返した。
( ´_ゝ`)「俺はれっきとした人間だぞ?」
肩を竦めて、肘を折り曲げ、手の平を上にして、両手を二の腕の辺りまで上げる。
片目を薄く開けて、こちらを斜めに見て、片方の口の端だけを吊り上げる。
ああ、なんだこいつ。
こんなムカつく笑い方や仕草が出来たんじゃないか。
弟者は別の場所に怒りの沸点を作りつつも、兄者が持つ機械から目を離せないでいた。
SFに出て来る光線銃のような、大昔の武器であるオーパーツのような。
いつか到来する未来なのか、既に過ぎ去った過去なのか、そのどちらでもあってどちらでもない。
そんな武器が、兄者の右手にばちばちと火花のようなものを散らしながら収まっていた。
某青いたぬき型ロボットが持つ、空気銃のような可愛らしさは微塵もない。
ああでも、あっちも地球破壊爆弾とか怖い物出してたっけ。
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:15:02.22 ID:/RPknqWE0
ロボットのアームのような部分が、がしゃんと音を立てて展開する。
そして、その部分に肉眼で視認出来る程の電流が流れ出す。
ばりりと流れる青白い光の線を巻き取るように、アームの部分が回転し出した。
横の∞模様に光のラインが走り、ぎゅおおと充電音のようなものが聞こえてくる。
(´<_`; )「……」
こいつはヤバイ。
平常時ならば、そんな玩具と笑い飛ばせたかもしれないが、これは洒落にならない。
自分の中の奥底が、勘が、第六感が、けたたましい警報音を打ち鳴らしている。
頭では理解していても、体が動かない。
足は情けなくもがたがたと震える。武者震いとは程遠い。
額や背中を、脂汗か冷や汗かよくわからないものが伝う。
腋の部分なんかもう汗でびっしょりだ。
兄者がこちらへ銃口らしきものを向けて、引き金らしきものを引いた時ですら、
弟者の体は石膏で固められたかのように、微動だにする事はなかった。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:21:43.31 ID:/RPknqWE0
- −弟者−
( ´_ゝ`)「…」
恐るべき死の神鳴は、白羽の矢を自分の斜め後ろに立てていたらしい。
掠りすらしていないにも関わらず、凄まじいまでの熱が、自分の服の一部分を焼いた。
そのまま氷塊が融けて崩れるような不安定さで、ゆっくりと光線の軌跡を辿る。
( <_ ; )「…ッ」
そこでは、砕かれた窓硝子が、飴細工みたいに光を放ちながら融解していく所だった。
光線が着弾(?)した場所に在った筈の、古い白黒TVは見る影もない。
ただ少しの黒ずみを床に遺して、蒸発してしまっていた。
その様に、背筋に冷たいものが這う。
もしも、兄者があれを自分に向けていたら。
俺があのように、蒸発して消えてしまっていたのだろうか。
兄者の手にはまだそれがある。心臓が冷えてゆく。
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
兄者が口を開いた。
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:25:14.76 ID:/RPknqWE0
生まれてから今迄聞いた事もない、酷く人間味のある音程と口調で。
( ´_ゝ`)「もうすぐ俺はこの時間を修正して、お前とのこの全てをなかった事にする」
言っている意味が分らない。
( ´_ゝ`)「折角だから、俺の精神の安定と、ある一つの可能性を引き起こす為に
忘却するお前への選別に、俺の胸の内を少しだけ聞かせてやろう。兄として」
- 47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:28:25.48 ID:/RPknqWE0
兄者はいつもと変わらない。ゆっくりとした足取りで俺まで歩み寄る。
( ´_ゝ`)「俺はな、羨ましいんだよ。お前が。人の感情に例えるならば。それに類似している」
何を言っているか解らない。
( ´_ゝ`)「割合が9:1ではなく7:3であったならば、こんな下らない事を729回と繰り返す事も
無作為に踏み潰される蟻も減ったろうに、大抵は踏んだ事にすら気付けなかったが」
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:32:02.07 ID:/RPknqWE0
片膝をついて、腕の傷に触れる。一瞬で皮膚が接合された。
( _ゝ )「この時間軸を線で繋ぎ、肉体に生を受けて19年、その歳月を人として過ごせたならば
こんな悪辣な思考に悩む事など在りはしなかったのだろうかねぇ、流石 弟者?」
喋っているのが誰なのか判らない。
( _ゝ )「ああ、人の言葉は狭過ぎる…」
そして視界は暗転した。
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:33:06.79 ID:/RPknqWE0
- \
\
\
\
\ 穢れ落ち窪んだ時間の話。
\
\
\
\
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:38:18.40 ID:/RPknqWE0
(*゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^ω^)「何いきなり咆哮してるんだお、ギコさんそっくりだお」
(#゚ー゚)「かーなーり! イラつく事があったのよ! ちょっと厨二病患者として愚痴らせなさい!」
(^ω^ )
(#゚ー゚)「兄者ならいないわ!」
( ^ω^)「畜生!」
(#゚ー゚)「最近色んな場所で『厨二病』とか『邪気眼』って言う言葉が目につくようになったわ
それはいいのよ! それ自体は別に何の問題もないからいいのよ! 寧ろ広がれ!
元ネタが気になって調べて邪気眼まとめwikiとかに辿り着いて読んで覚醒して
己の黒歴史に悶えるような同志が増えるなら別にいいのよ! 問題ないの!」
( ^ω^)「ほ、ほうほう」
(#゚ー゚)「けどググりさえせずに、その言葉の意味を間違えて安易に使う奴は回線切って死ね!
邪気眼ってのは現実の超能力みたいなモンじゃなくあくまでもただの妄想なのよ!
例えるなら電車や車やバスに乗ってて、窓から見えるその景色に忍者を走らせるような」
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:43:28.18 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「うむ」
(*゚ー゚)「それなのに最近は、ゲームや神話や果ては昔の文学にまで厨二病厨二病…
本当『でっていう』って感じよ。お前らは本当にそんな過去がないのかと小一時間」
( ^ω^)「…形は違えど、誰にでもあると思うお」
(*゚ー゚)「今からとある、糞ゲーと名高い某神話作品を元にしたゲームで説明するわ」
( ^ω^)「なにゆえ」
(*゚ー゚)「初期のPSで出た探索系ホラーゲームなんだけどね。特定の人物に話し掛けたり
キーアイテムを見つけたり、決められた場所に行ったりするとイベントが起きるやつ」
( ^ω^)「…」
(*゚ー゚)「まぁ、ゲームの操作性やポリゴンやグラフィックや登場人物の瞬きについては問わないわ
問題は、その登場人物が取った行動に対して言われた言葉よ」
( ^ω^)「…ふむ」
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:46:47.10 ID:/RPknqWE0
(*゚ー゚)「キャラクターの中には魔術師がいるんだけどね、そいつが呪文使った時それに向かって
『なんという邪気眼www』『邪気眼やべぇえええええ』『ラ・ヨダソウ・スティアーナ』
なんて事が書かれていたのよ、許せないわ、さついはないけどしねばいいのに」
( ^ω^)「えーと、聞きますが、何に対して?」
(*゚ー゚)「邪気眼と別れの際に使う言葉の使い方に対して」
( ^ω^)(…)
(#゚ー゚)「ざっけんな! 『邪気眼』ってのは(以下コピペ)主に子供の頃に考えたような痛い妄想
(コピペここまで)の事であって! 実際に超能力や魔術を使えるキャラの事は
差さないんだよボケェ! お前らエターナルフォースブリザードをくらって死ね!」
( ;^ω^)「…」
(*゚ー゚)「ちょっとスッキリした」
( ;^ω^)「ちょっとですかお」
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:50:13.50 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「ま、今の話には全面的に同意出来るから、それ程苦でもなかったお」
(*゚ー゚)「ッフ…貴様も『選ばれし者』の一人であったか」
( ^ω^)「クックック、伊達に『機関』の目から逃れてはおらぬよ」
(*゚ー゚)「先程の話…やはり、貧弱一般人には通じぬか」
( ^ω^)「『邪気眼とは何か?っふ……邪気眼を持たぬものにはわからんだろう……』」
(*゚ー゚)「まさにその通りよのう…」
( ´_ゝ`)「何してるんだ二人とも」
(;*゚ー゚) 「「げ」」 (^ω^; )
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:53:20.29 ID:/RPknqWE0
┌──────────────────┐
│そして繋がる時間の話。 │
└──────────┘ │
│
│
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 05:59:01.24 ID:/RPknqWE0
- −ブーン−
12月25日。メリークリスマス。ユールの日。
久々に街中に―それでも田舎の地方都市だが―に出てみたが、それなりに眩しいものだ。
蔓に電球を取り付けたものがそこらじゅうに巻かれ、一種の内部器官のよう。
まさにしんしんと降り積もる雪が世界を覆い、世界を銀で染め上げる。
( `ω^)「ぶぇっきし!」
そんな情緒とは、僕は無縁だが。
鼻の奥に溜まった鼻水をずびびと啜る。
やばい、寒い。
( ;^ω^)「兄者…まだなのかお……」
マフラーの垂れた部分を無理矢理首に巻き付けて、広場の時計を見る。
畜生、長針を見間違えて1時間早く来てしまった。
いや、1時間と言っても、遅刻魔な僕なので、正確には30分程早く来たのですがね。
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:03:50.42 ID:/RPknqWE0
( ;^ω^)「凍るお…北国の冬は鼻水が凍るお…」
侮れないダイヤモンドダスト侮れない。
しかし、こうして見ると、雪の中をヒールを履く強者はいない。
雪国の人間だけあって、そこら辺はやっぱり弁えているんだろうか。
ちょいとばかし、かかとが高めのブーツが見えるけど。
( ;^ω^)「つーかマジで凍るお…」
『ほう、冷凍して自身の新鮮さを保とうとでも?』
( ゚ω゚)「ぴぎゃあ!」
背中に0度以下のものを感じ、思わず悲鳴をあげる。
( ´_ゝ`)「屠殺される子豚ではあるまいし…」
必死になってつららを抜き取りながら振り返れば、そこには海辺で別れた時となんら変わらない、
紺のコートに目深に被った帽子、黒いスポーツバックと勘違いされそうな男がそこにいた。
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:07:32.98 ID:/RPknqWE0
場所が場所なら、麻薬や武器の密売人と疑われてもおかしくはない。
最も、そんな可愛らしいものではないのだが。
( #^ω^)「僕を豚と一緒にするなお」
イルカ
( ´_ゝ`)「日本では、海の豚と書いて海豚だ」
まさにその通りだろう? と笑う奴の顔をぶん殴りたい。
( ´_ゝ`)「まあ待て、その振り被った拳はそのままゆっくり降ろせ
昔ならともかく、今のお前に殴られちゃ敵わん」
( ^ω^)「じゃあ昔の僕に殴られて来いお」
( ´_ゝ`)「結局、今のお前が持つ、その殴りたい欲求は満たされない訳だが」
( ^ω^)「…」
右フェイント、左フック。
( ´_ゝ`)三「随分と好戦的な」
普通に避けられた。
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:13:50.49 ID:/RPknqWE0
それなりに早く繰り出した拳を、兄者は最低限の動きでひょいと避ける。
なんだこいつ、おもっくそ余裕じゃないか。
( ´_ゝ`)「待てったら、そもそもこんな事をする為に早く呼び出した訳じゃないんだ」
( ^ω^)「え…僕てっきり、おちょくる為に早く呼び出されたのかと思ってたお」
( ´_ゝ`)「んな訳あるか」
兄者はスポーツバッグから、ノートとシャーペン…いや、ボールペンを取り出した。
僕も取り敢えずは拳を収める。
( ´_ゝ`)「======が手術を受けた場合による、五感や体力、身体能力の変化、
及び本人が感じる身体への違和感の調査、呼気の量、体感温度etc.etc.」
( ^ω^)「…それが、===との交換条件かお?」
( ´_ゝ`)「でもあるが、純粋に俺の知的探究心、好奇心の向かう先でもある」
彼は、今も昔も変わらないらしい。
( ^ω^)「らしいっちゃ、らしいお」
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:17:17.13 ID:/RPknqWE0
( ´_ゝ`)「それで、だ。しぃが来る前になるべく早く、穏便に済ませたい」
( ^ω^)「穏便にってのが少し気になるけど、一応協力してやるお」
( ´_ゝ`)「あの席に座ろうか」
兄者がボールペンで差した先には、いつかのファミレス。
最早、懐かしさと違和感だけが感じ取れるものだ。
店に入る前に、風除室で体についた雪を軽く払う。
靴の裏に付着した雪もマットに擦り付けて落として、さあ入店だ。
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:20:19.96 ID:/RPknqWE0
兄者と二人、禁煙席に座って、軽い夕食を。
飲み物は、どちらもホットココアを頼む。
こうなってしまってから、熱い物を摂取する事はなかったが、冷えた体に心地良い。
( ´_ゝ`)「早速だが、何か違和感や不便だと感じた点はあるか?」
( ^ω^)「不便…」
ウェイトレスが持って来たポテトを齧りながら、うーんと唸る。
そもそも、今は活動場所が大きく異なる訳で。
不便と言ってしまえば、何もかもが不便なのだが。
( ´_ゝ`)「何でもいい、以前との相違点ではなく、純粋に不便と感じた事でも」
( ^ω^)「おー…だとしたら」
僕は最初に出される水を一口飲んだ。
( ^ω^)「やけに喉が渇くんだお、冬だからかもしれないけど」
( ´_ゝ`)「ふむ、ふむ、それで?」
兄者はかりかりと、ペンとノートに走らせる。
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:24:12.76 ID:/RPknqWE0
( ^ω^)「空気が乾いてるからかもしれないけど、口がすごく渇くんだお、=も
肌も何か全体的にぴりぴりする感じがするし、正直不愉快だお」
兄者は僕が見た事もない文字で、ノートに何かを記録している。
僕が発言した言葉よりも、明らかに多い情報量をノートに書き留めて、兄者はようやく一息ついた。
( ´_ゝ`)「改善点としては…単純に、湿気を増やすとするか」
( ^ω^)「夏には黴や苔が大繁殖しそうだおね」
( ´_ゝ`)「なんだ、夏も来てくれるのか?」
嬉しそうな声で言う。
( ^ω^)「会えたら、来るお、多分」
僕はそう言って、ぬるくなったココアを飲み干した。
(その嬉しさは果たして友情なのか、知的探究心を満たすものか、異次元の思考か。)
- 69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/24(水) 06:25:23.97 ID:/RPknqWE0
胡蝶の夢/1/
どんまい/2/
お部屋 /3/
消える/4/
家族 /5/
君を/6/
狂 ./7/
歪/8/
Y/9/
I/1/0
ぜろぶんのいち
『0』について
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もしもifの世界\_ END.
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