( ^ω^)ブーンが魔女を狩るようです

40: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:24:36.05 ID:uSrYtDpF0
  
第十九話『天王山』


川 ゚ -゚)「ドクオ」

('A`)「何ですか?」

川 ゚ -゚)「この戦いが終わったら話に付き合え」

ジョルジュとまったく同じ事を言われ辟易しながらも、ドクオは「へい」と返事した。
激高したい気持ちを押さえつけ、自律してクーは兄者へ向く。

その隣にはツンが、その更に逆側にはブーンが立った。

(;´_ゝ`)「とりあえず、戦いだ。まずコイツらを倒して……」

兄者はまだドクオという男の偏向な考えにばかり意識がいっていた。
戦いに頭を転換しようと試みるも、『転換すること』に徹しすぎて思うように集中できない。
またとないチャンスだ。



42: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:26:53.89 ID:uSrYtDpF0
  
ξ;゚听)ξ(絶対に……今、決めないと。
   でもどうやれば……集中力の欠如は増幅できないし……そうか)
   『興味の増強』

( ´_ゝ`)「まずは……戦いだな、これを片付けなくては」

言って頭を戦いに戻そうとするが、やはりそうはいかない。
心中ではドクオとブーンをどうやって悲壮な顔にしてやろうかでいっぱいいっぱいだった。

( ´_ゝ`)(しかしドクオという男だけでは……ブーンという男も残し、いざ死に直面させてやりたい……
    その自信が崩れ非情に満ちた顔を拝んでやりたい……そうだな、最後に一言くらい残させてやってもいいな……)

ξ;゚听)ξ(よし、私が心を動かした事に気付いていない……油断もしている……!)

ここで表情を変えてはいけない、あくまでツン達は劣勢な立場なのだ。
笑みでも見せようものなら相手に勘繰られる。
相手の余裕を失くすような行為があってはならない。

兄者が常に余裕をみせている状況を作らなくては。



45: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:28:56.09 ID:uSrYtDpF0
  
川 ゚ -゚)「ブーン、これを」

クーはブーンに銃を一丁渡す。
ジョルジュのように、クーも何丁か常備しているようだ。

川 ゚ -゚)「引き金を引く瞬間だけは悟られるな、暴発させられる」

(;^ω^)「把握しましたお……」

そう言いながら、ブーンはその銃の重さと冷たさに背筋が凍った。
人を殺せる道具。

引き金に指をかけると、更に腕が震える。
引き金を引く行為、そこにはもう一つ『心の引き金』が存在した。
『心の引き金』を引かない限り、銃の引き金も引く事は出来ない。

川 ゚ -゚)「ブーン……引けるか?」

(;^ω^)「大丈夫ですお」

そう言った彼の頬を幾滴もの汗が伝い、震えは依然止まない。
おそらく……今のブーンに引き金を引くことは出来ないだろう。



47: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:30:59.23 ID:uSrYtDpF0
  
川 ゚ -゚)(私が……ジョルジュ……)

彼の名前を出すと柄にも無く涙腺が緩んだ。
駄目だ、今は戦いに集中しなくては。

川 ゚ -゚)(私が、ジョルジュの代わりにヤツを倒さなくては……!)

二丁の銃を兄者に構えて静止する。

兄者も自分の前にノートパソコンを持ってきて構える。

( ´_ゝ`)(いつ来る……?)

瞬間発砲される。
当然のようにツンの力で増強され、銃弾は通常を遥かに超えるスピードを持っていた。

が、距離をとって構えていた兄者には十分見切れた。
ノートパソコンで的確に守る。

ブーンは戦いに参加するどころか、その跳弾にすら脅える始末。
やはり訓練された人間と同じようにはいかない、当然だが。

( ´_ゝ`)(それにしても、俺に気付かれないように、どうやってあの女とツンは発砲のタイミングを合わせている……?
   それが分からない以上、むやみやたらに近付けんな)



50: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:33:05.28 ID:uSrYtDpF0
  
発砲のタイミングさえ掴めれば、もしくはツンによる強化さえなければ銃など然程恐れる必要も無い。
ただ強化される可能性があるなら、接近し過ぎては避けきれない可能性がある。
それはジョルジュとの戦いで明らかだった。

何よりも兄者はその足を一発貫通させられてる、足に負担の大きいダッシュを無駄に使いたくはなかった。

( ´_ゝ`)(……)

一歩だけ近づく。
しかしクーは銃口を向けた構えのまま動かない。

と、また突然の発砲。
しかしこれも的確に兄者は防御した。

そして一歩近づく。

( ´_ゝ`)「……」

発砲音、しかしこれも兄者は守った。

( ´_ゝ`)(……足か、発砲前に僅かに足先で二回地面を叩く。
   それが発砲のタイミングを知らせる合図だな)

兄者がまた一歩近づくと同時、クーの足が二回地面を叩いた。

発砲と同時、兄者は地面を蹴って大きく移動する。



51: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:35:16.22 ID:uSrYtDpF0
  
川;゚ -゚)「……!?」

( ´_ゝ`)(よし、完全にタイミングを掴んだ!)

発砲したのは一発、クーが右手に持っている銃だ。
つまり今の段階で、クーの右手に持つ銃は撃鉄を引かなければ次の弾を打てない。
しかし彼女は二丁の銃を構えているのだ、この時点ではまだ左手に持つ銃が発砲できる状態にある。

つまり、左手からのもう一発を避けられれば相手は銃を使えない状態になる。
そうしてしまえば、後は煮るなり焼くなり自由だ。


川;゚ -゚)「くッ!」

クーの右手側に素早く回った兄者に、左手の銃口を向ける。
兄者は構わずクーの方へ向かって駆けて来た。

同時、クーの足が合図の仕草を見せた。


地面を叩く、一回……二回……


( ´_ゝ`)(ここだ!)

タイミングを完全に読んだ兄者は、そこで一気に跳躍した。



55: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:37:19.98 ID:uSrYtDpF0
  
そのままの勢いでクーへ向かっていくが……

(;´_ゝ`)「!!」

川 ゚ -゚)「残念だな」

クーは銃弾を発射しなかった。
まだ発砲準備状態にある左手の拳銃を、空中で無防備な兄者に向けた。

(;´_ゝ`)(そうか、足先での合図はフェイク、実際は別の合図でタイミングを合わせていた……!
   まんまとオレははまったわけか!?)

そう、クーとツンとの合図は指で引き金を軽く二回叩くこと。
わざと彼女は足先でもタイミングを取り、見事兄者はそれに騙されてしまった。

川 ゚ -゚)「捉えた」

クーの構える銃口に対し、自ら向かっていく兄者。
空中では為す術も無い、的は次第に大きくなっていく。



60: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:39:23.93 ID:uSrYtDpF0
  
(;´_ゝ`)(これは……仕方ないな)

迷っている暇は無い、兄者はすぐにも口を開いた。

(#´_ゝ`)「あああああ――――ッ!!」

川;゚ -゚)「!!」

強烈な『音』が辺り一帯に広がった。
広い室内とはいえ、小さな出入り口が二つのこの空間では恐ろしいほど反響する。

咄嗟にクーは発砲したが、耳へチクリと痛みを感じ狙いがずれてしまう。
その弾道を見守る事をする余裕も無い、魔女の力で増幅されただろう音はクーを蝕む。

僅かだった刺さるような痛みはすぐに脳まで達し、強烈で鋭い痛みに変わる。
思わず顔を背けた。

川;゚ -゚)「くあああぁぁ!!」

むず痒い、手の届かない耳の中で痛みは反響し、次に平衡感覚が狂い出す。

彼女は無残にその場に倒れた。



62: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:41:27.91 ID:uSrYtDpF0
  
川;゚ -゚)「くあ、ああッ!」

耳に指を突っ込むと、生温かい感触があった。
慌てて取り出すと、その指には赤い血がヌットリと付着していた。

一気に重くなる頭、痛烈さに神経がどうにかなりそうになった。
ぐったりと倒れこむ。
力が入らない、なす術なく頭を地面に押し付けた。

川;゚ -゚)「あぁ……あ、ああ……」

歪曲する地面、体全体が震える。
思考能力なんて無い、自分はどうなってしまうんだろうかと身体に任せるばかりだ。



63: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:43:38.56 ID:uSrYtDpF0
  
(´<_`;)「兄者!?」

(;´_ゝ`)「ああ、大丈夫だ弟者よ。心配かけてスマンな」

(´<_` )「一瞬強化が無くなって死んだかと思ったぞ、気をつけてくれ」

(;´_ゝ`)「おk、悪い悪い」

そう言いながら撃たれた腕を押さえて舌打ちする兄者。
致死には至らないが、血はどんどんと抜けていく。
顔を顰めた。

(;´_ゝ`)(腕に当たるとはな……運良く掠っただけからまだ良かった、そこまで痛むわけでも無い)

掠ったと表現したが、実際は肘の上を僅かに貫通している。
『そこまで痛まない』と言っても当然相応の痛みは感じるに決まっている。

( ´_ゝ`)(人間が……やってくれるな)

片足に片腕、兄者が直接の戦闘を得意としなくとも、魔女が人間相手にこうもしてやられるとは思ってもいなかった。
兄者が得意とするのは『物体の外面的変化』だ、これで弟者の肉体を強化もできるしパソコンの硬度を遥かに高めることだってできる。

そしてもう一つ得意なもの、『無機物の内面的変化』、つまり衝撃などの増強だ。
今回もそれにより自分の発した「声」を増強、そしてクーの鼓膜に異常な振動を……三半規管系へ衝撃を与えた。
接近戦を得意としない兄者の、魔女ならではの遠距離攻撃。



67: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:45:42.16 ID:uSrYtDpF0
  


(メ´・ω・`)「……いやぁ驚く咆哮だったね、まだ頭がガンガンするよ。
   それで、どこまで話をしたかな?」

(´<_` )「魔女の力の定義についてだ」

(メ´・ω・`)「そうそう、それで、今までの僕の発言に一つ矛盾があったんだが分かるかな?
   そここそが僕の発見した、魔女の力を最大限に解放する方法のヒントなんだけど」

(´<_` )「いままで……ちょっと待ってくれよ?」

弟者はうーんと考え出す。

(メ´・ω・`)「繰り返すよ、魔女はマイナス要素の強化は出来ない、同時に『軽い』と認識した物を重くも出来ない。
   何となく見えてこないかい、魔女の矛盾した要素が……」

(´<_` )「そうだな、何となくは……上手く表現できないが」

(メ´・ω・`)「いいよ、それじゃ説明を続けるよ?
   ここで僕が死ぬなら、この考えを後世へ引き継いでもらわなくては死んでも死に切れないからね」



68: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:47:53.55 ID:uSrYtDpF0
  
( ´_ゝ`)「さて、やってくれたな……」

兄者は倒れこむクーに近づくと、足を上げて踵をその手に落とした。
衝撃を強めたか、鈍い音がして肉がグチャグチャになり、血が飛び散る。

川;゚ -゚)「ああああぁぁッ!」

自分の声がまるで自分の声でないようにくぐもって聞こえた。
同時に恐ろしいまでの耳内部への激痛、自身の叫び声からきた衝撃に失神しそうになる。

川;゚ -゚)「あかっ、あ、あぁ……ッ!!」

( ´_ゝ`)「これで、銃は撃てないな。さて、もう片方の手も……」

ξ゚听)ξ「させない――」

更にもう片方の手を踏みつけようとする兄者を止めようと駆けるツン、しかしそれを狙っていたといわんばかりに兄者はツンに向かった。
無防備にやって来た彼女は、いとも簡単に取り押さえられる。

ツンの腕を後ろで固めると、そのまま地面に押さえつける。
そしてその頭を地面へと押し当てた。



73名前: VIP魔法使い投稿日: 2006/11/28(火) 22:49:54.43 ID:C79ijElr0
  
戦力がボコボコ減っていく
74: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:49:56.40 ID:uSrYtDpF0   
( ´_ゝ`)「面白いくらい望み通りの行動をとってくれたもんだ……これでオマエは、何も見えない。
   発砲のタイミングも、仲間が移動する姿さえも」

ξ;゚听)ξ「くうぅ……!」

ツンを取り押さえたことで、魔女に関する心配事が無くなった。
発砲のタイミングが分からなければ、その場所が把握できなければ銃を強化することなど到底できない。
仲間の場所も、状況も的確に掴めない以上、それらの強化もままならないはずだ。


そんなツンを助けようと、クーが潰されていない手を覚束ないながらにも動かして銃を握った。
銃を兄者に向け、引き金を引いた。

    バゥンッ

川;゚ -゚)「あああぁ!!」

ξ;゚听)ξ「クーさん!?」

暴発する銃、また無残にクーは伏せた。
爆発音がまだ耳に轟き反響している。
頭が痛い、体を動かすだけで耳の中をナイフで抉られる様な痛さがあった。



76: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:52:00.02 ID:uSrYtDpF0
  
それでも彼女はまだ諦めず、懐から予備の拳銃をまさぐるが、

( ´_ゝ`)「動くな、それ以上動くなら……こいつの顔を潰すぞ?」

川;゚ -゚)「!!」

兄者にそう言われると動きを止め、その場に倒れたままになった。
頭痛は依然止まない、動きを止めるとなお強く頭を締め付けられるように感じる。
平衡感覚の殆ど無い体、頬を地面に着きながらの無様な姿で成す術を失った。

ξ;゚听)ξ「クーさん、私は構わないから!」

( ´_ゝ`)「考えても見ろ、魔女の強化無い銃弾ならばオレは簡単に避けられる。
   そう、ツンの頭を潰してからでもな」

川;゚ -゚)「……くッ!」

何も出来ない、魔女に対して無力な人間。
更に『死ぬ』・『無力』という2つのワードがジョルジュを連想させ、また感情が押し寄せてくる。

これ以上誰も死んで欲しく無いのに。
ここで撃とうと撃たまいと、どうせ死んでしまうだろうのに。

どうしろと言うんだ、撃つべきなのか?
そんな事出来ない。
撃ってツンが殺されたら……まるで自分が殺したみたいじゃないか。



78: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:54:04.33 ID:uSrYtDpF0
  
川;゚ -゚)(無力か……くそッ!)

悔しくて悔しくて悔しくて仕方なかった。
むざむざ死ぬのを待ち続けるしか無いのか。

( ´_ゝ`)「――で、そこの男は何を聞いていた?」

兄者の視線の先には、銃口を向けるブーンがいた。
やはり手は震えているが、しっかりと構えている。

(#^ω^)「ツンを……放すお!」

ξ;゚听)ξ(ブーン!?)

( ´_ゝ`)「断る」

考える必要もなく、ブーンの言葉に返答する。

ブーンの手の震えは次第に大きくなっていく。

(#^ω^)「撃つお」

( ´_ゝ`)「無駄だといっただろう、ましてや魔女の援助もなしに何が出来る、ニート君」

(#^ω^)「……」



80: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:56:08.01 ID:uSrYtDpF0
  
そんな直後だった、突然ブーンが落ち着いたかのように体の震えを止めた。
大きく深呼吸し、銃を構えなおす。

(#^ω^)「撃つお」

( ´_ゝ`)「撃ってみろ、ツンを殺した上で避けてやるさ」

ブーンの本気の眼つき、兄者の挑発するような眼つき。

ξ;゚听)ξ(ブーン……!)

ツンは怖くて、ブーンが撃ったら自分は殺されるんだ、それが分かっているから……怖くて。
クーへは自分に構わず撃てと言い放ったが、それはどこかで撃たないと分かっていたから言えた言葉だろう。
当然だ、誰しも死にたくなど無いに決まっている。


ブーンの決意に満ちた「撃つお」という言葉に恐怖した。


彼は……本気で撃つ気だ。



83: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 22:58:14.19 ID:uSrYtDpF0
  
( ´_ゝ`)「避けるまでも無いか、その銃を暴発させてやろう。
   どれだけ自分が無力か分かるだろう、そして死にいくツンを見取るがいいさ」

(#^ω^)「……」

挑発し続ける兄者に、ブーンは何も返さない。

そしてゆっくりと、もう一度口を開いた。



(#^ω^)「ツンを、放すお」



( ´_ゝ`)「断る」



ブーンの指に力が入り、引き金が引かれた。
同時に兄者は火薬による爆発力を増強し、一帯に再び大きな音が炸裂した。



84: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 23:00:17.63 ID:uSrYtDpF0
  


兄者の咆哮が一体に轟いた。

兄者がクーの片手を踏みにじり、ツンを取り押さえた。

クーの持っている銃がパンッと暴発した。

そして兄者の言葉、クーへの抑圧。

兄者に銃を構えるブーン。


ショボンは傍目でそれらを確認すると、説明を続ける口を一旦止めた。

(メ´・ω・`)「もう少し詳しく話をしたかったけど、そろそろあちらも決着のようだし……この余談も結論を話しようか」

(´<_` )「そうだな、魔女の本当の力とやら……教えてもらおうか」

弟者は満足げな顔をしていた。
ここまで話を聞いて、ショボンの話がどれだけ価値があるものか分かったのだろう。
そしていよいよその結論に達そうというのだ、胸が期待で躍り出しそうだった。

(メ´・ω・`)「うん、それだけどね……」

ブーンが兄者に向かって口を開いた、「撃つお」、と。
ショボンもそれに合わせるかのように言葉を繋げた。


(メ´・ω・`)「やあ、バーボンハウスへようこそ」



91: ◆7at37OTfY6 :2006/11/28(火) 23:02:22.86 ID:uSrYtDpF0
  
(´<_`;)「!?」

何が起こったか分からないといった様子で、弟者はうろたえたが構わずショボンは続ける。

(メ´・ω・`)「僕の詭弁に付き合ってくれてありがとう、でも『また』なんだ、すまない」

(´<_`;)「ちょっと待て、一体どういうこと……ッ!」

(メ´・ω・`)「謝って許してもらおうとは思っていない、
   それでも君はこの話を聞いた時言葉では言い表せない『ときめき』みたいなものを感じてくれたと思う」

弟者の顔色がみるみる変わっていく。
高沸、騙された事により自尊心を著しく傷つけられたのだろう、口元がヒクヒクと引き攣っている。



(メ´・ω・`)「それじゃ、注文を聞こうか」
(#^ω^)「ツンを、放すお」



(´<_`#)「殺す」
( ´_ゝ`)「断る」



弟者が地面を一気に蹴り去り、ショボンへと向かった。
拳が顔面を直撃し、皮肉なほど爽快な音が響き渡った。



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