(*゚ー゚)しぃが手紙を書くようです

8 :巫女に初詣:2006/12/15(金) 23:50:11.36 ID:xd0InNOP0
  

    『12月14日』



こんにちは、ギコ君。

お手紙ありがとう、本当に嬉しくて何度も何度も読み返して泣いてしまいました。

私へ向けられた暖かく優しい言葉の一つ一つが、荒みきっていた心を瞬く間に癒してくれました。

私の心にはびこっていた疑心がすべて払拭されると同時、
改めてここ数日の私は相当参っていたんだなって思いました。

送られてきた手紙に書かれていましたが、
すごく矛盾や繰り返しをはらんだ文章となっていたことと思います。

でももう大丈夫ですギコ君からの手紙一つでこうも元気になれました。

あまりの嬉しさに、今日早速手紙の返事を書いているくらいです。

今晩は気持ちよく寝られそうです、もしかすると心が弾みすぎて逆に寝られないかもしれませんが。



10 :巫女に初詣:2006/12/15(金) 23:52:17.24 ID:xd0InNOP0
  
ギコ君の方からも手紙を送って来てくれたのは、正直意外でした。

前回のお手紙にも書いた通り、毎日郵便受けのチェックは当然、
エンジン音に過剰な反応をしてしまう有様でしたが、
やっぱり電話やメールなど手軽な方法で連絡をしてくれるのかなと思っていたので。

このかた私はラブレターなどの恋文に縁はなかったですし、
手紙のやり取りなんて今のご世代めったにしないので、
特別な事をやっているようですごく嬉しく楽しいです。

交換日記のような気分です、童心にかえっているようです。

ギコ君からの手紙の消印を見て驚いたのですが、そちらからでも一日で届くものなのですね。

私たち田舎と都会の差は大きいと思っていましたが、想像以上に近い場所にいる事に気付かされました。

手紙を出した地域がギコ君のアパートと別の地域なのに気付いて、
やっぱり毎日が忙しいんだろうなと改めて思いました。

連絡がほしいなどと無理を言ってしまってごめんなさい。



12 :巫女に初詣:2006/12/15(金) 23:54:25.47 ID:xd0InNOP0
  
今日、私は朝からいつもと同じように朝刊が配達されると同時に目覚め、
もはや日課となったようにキッチンでお湯を沸かしました。

お湯が沸騰するとすぐにインスタントコーヒーを作り、淡白な香りとともに新聞を読みます。

まだ太陽も出ていないので外は真っ暗です。

新聞を読み終わって外を見ると太陽が覗けたので、そこで大きく伸びをして改めて一日が始まりました。

食欲も思うように沸きませんが、朝のコーヒーで刺激を入れると良いみたいです、
最近はいつも食パンとヨーグルトで簡素に朝食を済ませています。

そして待つだけしかできない自分を包み隠すように家事に専念します。

専念といっても頭は上の空で、ニ時間もすればやることはひとしきり終わってしまい、
再びコーヒーと新聞を手に、今日の郵便を待ちました。

一昨日、昨日と冷え込んだにも拘らず、今朝は暖かかったですね。

ウトウトとしていたのですが、昼前のエンジン音で飛び起きました。

そしてすぐにも家先へ駆けつけました。

だって、いつも素通りする私の家の前でエンジン音が止まったのですから居ても立ってもいられません。



14 :巫女に初詣:2006/12/15(金) 23:58:18.29 ID:xd0InNOP0
  
家の前で郵便物を仕分けている配達員からひったくるようにその手紙を奪うと、
嬉しさにその場で泣いてしまいました。

配達員の方からすればいい迷惑だったことでしょう、
私にとって待ちわびたその便りにはそれだけの価値があったのです。

胸にしかと抱いて、居間へと戻ると再び気持ちが高ぶってその場に寝転げました。

ギコ君の文字、差出人の名前、それだけで私は昇天してしまいそうなほどでした。

嬉しくて嬉しくて、不器用な私は笑って寝転げることでしかその喜びを表現できなかったのです。

一時の後、緩むことを知らないその笑顔で送られてきた封筒を開封しました。

中身は一枚の和紙、また感情がこみ上げてきましたがそんな事をやっていては
いつまで経ってもギコ君の手紙を読めないと感情を押し殺し、手紙に目を通しました。

一度目を通すと嬉しさにまた転げ、涙を流し、次には声を高らかとあげて朗読しました。

一度や二度では足りません、何度も何度も朗読してあなたの手紙を心の奥底へと染み込ませました。

暗唱が出来る程まで幾度と読み耽り、手紙の返事を出そうと考えた瞬間にようやく心が落ち着き、
現状をしかと捉える事が出来たのだと思います。



15 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:00:24.95 ID:DKpW7bb20
  
ギコ君の手紙を読み重ねることで、思い悩んでいる自分をまた戒める事ができました。

だって、ギコ君の頑張りがひしひしと伝わってきて、
だというのに自分はギコ君を信じることも出来ずに思いつめていたのですから。

バイトに鍛練、そしてオーディションなどの情報集めと日々忙しいようですね。

私程度でも手伝えることがあれば何でも言ってください、
こんな田舎居住で知識もない人間がどれほど役に立つかわからないですが。

やっぱり私も、ギコ君がすごく好きだから。

私の手紙に対してですが、「今すぐにでもそちらへ行こうと思った」や「姉のような東京娘がギコ君と一夜を過ごす」
などの言葉ががやはり気にかかったみたいですね、本当にごめんなさい。

文章中に叱責の言葉があり、愛されていることを改めて実感しました。

ギコ君の言う通り、私は方向音痴なのでやっぱり一人で都会へは行けないと思います。

余計な心配をかけてごめんなさい、連絡をもらえたのでもう大丈夫です。



17 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:02:31.31 ID:DKpW7bb20
  
私たちの地方と違い、そちらでは気温も見る見る下がっていますね。

雪にはまだ少し早いでしょうか?

こちらでも息が白く見えるほどですから、きっともっと寒いことと思います。

暖房器具のない生活はやっぱり辛そうです、本当に大丈夫ですか、風邪はひいていないですか?

ほら、また心配性が始まったとあなたは思うでしょうが、くれぐれも健康だけは損ねないようにしてください。

手洗いとうがいはしっかりと、まるでお母さんみたいな言葉ですが。

借り部屋の中で息が白いと書かれていましたが、やはり相当なのだろうと危惧するばかりです。

本当に何も出来ず心配ばかりの困った彼女ですね。

頑張ってください、応援するだけが私が唯一出来る事かなんて思っています。



19 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:04:35.54 ID:DKpW7bb20
  
携帯電話にはどこから流出したのか悪戯電話が多いので若干無頓着みたいですね、
やはり都会ではそういう出来事は多いのでしょうか?

今はとても大切な時です、気を病まないように気をつけてください。

オーディションが始まれば常に電話を切っておくなど出来ないでしょうし、
姉からも有意義な情報があるかもしれません。

私の電話くらいならまったく構いませんが、大切な電話にだけは出そびれないように気をつけてください。

悪戯メールも同じく日に何十件と届くみたいですね。

混雑しているのか私のメールも何通か届いていないみたいですし、
どうしようもないかもしれないけれど、情報だけは逃さないようにしてください。

いずれにしても電話やメールを返せなかった理由は分かりました。

それでもギコ君はこうしてちゃんと手紙を送ってくれたので、私はすごく満足しています。



21 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:06:40.86 ID:DKpW7bb20
  
そういえば姉の繋がりで大手プロデュース会社のお偉い様と一緒できる機会があったようですね。

姉は我侭な所もありますが、とても人当たりがよく万人から愛される人柄です。

私の理想像ですから、きっとギコ君にもとても気に入ってもらえたかと思います。

ギコ君には出来る限り協力してあげるように言ってあるので、バシバシ使っちゃってください。

本当、無力な私とは違ってで嫉妬してしまいます。

でもギコ君が姉に助けられている記述があって、少し安心もしました。

もしそれが私の知らない女性だったらきっと嫉妬でどうしようもなく苦しんだと思います。

身内で理解ある人間だから、嫉妬半分安心半分です。



23 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:09:09.71 ID:DKpW7bb20
  
今年の年末も、やはりこちらには帰って来れないようですごく残念です。

年末年始だといってもそちらの方はお休みではないのだから仕方ありませんよね。

田舎ではお正月とお盆は休みが当然ですが、
都会というところではそうとも限らないようで本当に忙しく慌しいのですね。

クリスマスにも会えればと思ったのですが、無理に戻ってきてもらう必要はありません。

その代わりしっかりと頑張ってね、私も辛いけれど我慢するから、その分も。

手紙が貰えた事で少し心に余裕が出来ました、
だから今年は悔しいけれど我慢します、ギコ君はもっと大変だと思いますし。

プレッシャーをかけるような言い方になってしまったけど、
何よりも自分の健康を第一に考えて、無茶のないようにとだけ肝に銘じておいて下さい。

ギコ君だけの体じゃないですから。



25 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:11:25.07 ID:DKpW7bb20
  
聞きそびれる所でしたが、こういったお手紙はギコ君にとって邪魔になっていないですか?

前述した通り私はギコ君からの手紙にとても元気を頂いていますが、
毎日が忙しいギコ君にとって『押し付けがましい』手紙というのは、
私からは想像できませんが、意外に重荷になっているのではないでしょうか?

重荷になっていたならごめんなさい、すぐにも止めにします。

こうやって返信を望むこと自体が一方的で少しながらにもギコ君を圧迫しているのではないでしょうか?

私からの小さな期待でも、毎日を右往左往しているギコ君にとっては
頭の片隅で常に尾を引くような、厄介なプレッシャーになっているのかもしれないですよね。

もし許されるのならもう一度返信が欲しいです。

そして「一方的でもいいから送ってくれ」といったら私は手紙を出し続けますし、
「気掛かりになるから止めてくれ」といわれたなら手紙を止めにします。

特に中身はなくても構わないので、良ければ連絡をください、
電話でもメールでも大丈夫ですからよろしくお願いします。



26 :女装して初詣:2006/12/16(土) 00:13:34.01 ID:DKpW7bb20
  
毎度毎度長い手紙を送りつけてしまいごめんなさい。

ただこれの何倍も私はギコ君と話したいことがあります、
次はいつ会えるのか分かりませんが、その日をずっと待ち望んでいます。

それでは、毎回言っていますが風邪を引かないようにだけ気をつけてください。

一回の手紙で何度体の心配しているのでしょう、心配性な所だけはどうやってもなおりそうにありません。

寒さに負けずに頑張ってね、私は遠くからいつも応援しています。

愛するギコ君へ。

返信よろしくお願いします。



           しぃ



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