( ^ω^)('A`)( ,,゚Д゚)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚)
- 73: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:19:57.58 ID:kNvOJa9U0
( ^ω^)('A`)( ,,゚Д゚)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚)
1、ニューゲーム
2、ロードゲーム
- 75: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:25:10.80 ID:kNvOJa9U0
───……・・ プツッ
- 78: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:30:49.04 ID:kNvOJa9U0
(=゚ω゚)ノ「ふぅ……ようやくツンちゃんの話も作り終わったょぅ……」
暗く、パソコンのみが強く光を放つその部屋で、ぃょぅは一人呟いた。
昔からパソコンは得意であったが、
自身がプログラムを組み、また、オリジナルのゲームを作ることなど、初めての経験であった。
だが、その経験も、すでに二年目。
多少の手馴れも感じられる作業だ。
(=゚ω゚)ノ「自分で作っておきながら、自分で遊んでも楽しいなんて……」
(=゚ω゚)ノ「俺って天才かょぅ!」
もちろん、誰の返事もある訳ではない。
だが彼は、こうやって独り言を呟くことが多い。
昔の馴染み……と考えると、彼は少し残念そうな顔をする。
(=゚ω゚)ノ「独り言はあんまりいけないって、お医者も言ってたょぅ……」
- 79: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:36:55.61 ID:kNvOJa9U0
トントン、と、ドアが叩かれる音がした。
メイドを呼んだ覚えはない。
時間的にも、現れるのは、"彼女"のはずだ。
(=゚ω゚)ノ「いいょぅ。入れょぅ」
ドアがゆっくりと開かれ、中に女性が一人入ってくる。
パチン、と電気スイッチを押し、部屋中の電気を起動させた。
(=゚ω゚)ノ「うっ、まぶし……」
長い時間パソコンの光のみの部屋で過ごしていたせいで、
まぶしい光に一瞬目をやられるぃょぅ。
一、二秒時間を置いた後、彼は改めて、その女性の姿を見直した。
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ、クー」
川 ゚ -゚)「やあ、引きこもり」
- 82: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:43:14.02 ID:kNvOJa9U0
(;=゚ω゚)ノ「引きこもりっていうなょぅ!ちゃんと社会復帰したょぅ!」
川 ゚ -゚)「そうだったっけ?」
(;=゚ω゚)ノ「相変わらずひどい奴だょぅ……」
長く黒い髪を揺らしながら、クーは近づいてくる。
数年前のような、地味すぎたり、可愛過ぎたりする服は着ていない。
彼女らしい、大人の女性を匂わせる、ストレートで、美しい服装を身に着けていた。
川 ゚ -゚)「まだ終わらないのか?そのゲーム」
(=゚ω゚)ノ「今日ツンちゃんの話が終わったょぅ。いちおー、ハッピーエンドで出来たょぅ!」
川 ゚ ー゚)「誰かさんが、内藤のキャラデータを、相場の10倍以上で買ってあげたからな」
ふふ、と笑うクーを見ながら、ぃょぅからも自然と笑みがこぼれる。
(=゚ω゚)ノ「ブーンにはほんと助けられたから……それのお礼の一部だょぅ」
彼には本当に助けられた。
自分があの依存症を脱出することに関しても、社会復帰することに関しても。
- 83: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:45:42.96 ID:kNvOJa9U0
- 川 ゚ -゚)「それじゃ、行こうか」
(=゚ω゚)ノ「ょぅ?」
川 ゚ -゚)「こんな部屋に引きこもっていても面白くない。外に遊びに行くぞ」
(=゚ω゚)ノ「久しぶりの、デートって奴かょぅ」
ああ、そういうことだな。
クーは表情ひとつ変えずに、そう答えた。
もう少し、うれしそうにするとか、何かしらリアクションしてくれればいいのに。
(=゚ω゚)ノ(だけど、そんなクーだから、いまの俺がいるんだけど……)
ぃょぅはすぐさまクローゼットから私服を取り出し、
さっさっと着こなしていく。
ものの五分も経たないうちに、美男美女カップルのそのナリが現れた。
(=゚ω゚)ノ「今日はどこに行くんだょぅ?」
川 ゚ -゚)「」
1.「最初に……コンビニに寄ってもいいかな?」
2.「今日は……そうだな、水族館にでも行こう」
3.「ちょっと遠くにでも行って見るか?」
- 84: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:46:46.57 ID:kNvOJa9U0
1.「最初に……コンビニに寄ってもいいかな?」
2.「今日は……そうだな、水族館にでも行こう」
3.「ちょっと遠くにでも行って見るか?」
>>86
- 86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/23(水) 20:50:59.62 ID:mGxzdKQ+0
- 三
いいのかこんなんで
- 88: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 20:56:13.67 ID:kNvOJa9U0
- 川 ゚ -゚)「ちょっと遠くにでも行って見るか」
(;=゚ω゚)ノ「おまえまた俺におごらせるつもりかょぅ!?」
川 ゚ -゚)「一人暮らしの大学生はお金がないんだよ……ぐすん」
(=゚ω゚)ノ「せめて表情変えてから嘘泣きしろょぅ……」
川 ゚ -゚)「……」
(=゚ω゚)ノ「わーったょぅ!! それで、どこに行きたいんだょぅ?」
川 ゚ -゚) 「……決めてなかった……」
(=゚ω゚)ノ「超適当!?……ま、それもありっちゃありだょぅ」
川 ゚ -゚)「電車ぶらり旅〜」
- 89: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:01:44.52 ID:kNvOJa9U0
- 家を出た二人は、最寄の駅へと歩き始める。
手こそつなぎはしていないが、その二人の今日は、明らかに身近に感じられた。
一番遠い駅、それこそ名前も聞いたことがないような駅名だ。
その駅へと向かう切符を買い、二人は改札を抜ける。
何も考えることなく、二人はただ、来た電車へと乗り込んだ。
川 ゚ -゚)「それで?あのゲームは後どれくらいで終わりそうなんだ?」
(=゚ω゚)ノ 「クーの話は完成、しぃちゃんの話も、ギコ君の話も、ドクオの話も終わったょぅ。
あとは遊びでつくったおまけが何個か終わってるし……。
残すのはブーンの話だけだょぅ」
川 ゚ -゚)「終わりそうか?」
(=゚ω゚)ノ 「どうかょぅ……俺も今年は受験するつもりだから……正直、時間がないのは確かだょぅ」
川 ゚ -゚)「受験……か」
- 91: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:08:58.22 ID:kNvOJa9U0
- 電車は進んでいく。
その行く先を、この二人は知らない。知らなくて良い。
電車内に人が少ない事を機に、二人は多少大きい声で話し続ける。
クーの大学生活のこと、ぃょぅのバイトのこと、勉強のこと。
話す内容はどれも一般的なことなのに、それを話す二人は、どこか楽しそうに見えた。
どこかの駅についたらしく、電車は停止する。
開いたドアから、二人の男女が乗り込んできた。
川 ゚ -゚)「いや、それでな……」
(=゚ω゚)ノ 「そーなのかょぅ!そいつはすげーびっくりだょぅ」
( ^ω^)「そーなのかお!そいつはすげーびっくりだお!」
ξ゚听)ξ「でしょでしょー!まったくあいつといったら……」
( ^ω^)ξ゚听)ξ川 ゚ -゚)(=゚ω゚)ノ 「あ」
- 92: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:14:50.79 ID:kNvOJa9U0
- ( ^ω^)「おいすー!ぃょぅとクーさん!」
ξ゚听)ξ「奇遇ね、クー。それと……ぃょぅ君」
(=゚ω゚)ノ 「ぃょぅ!」
川 ゚ -゚)「久しぶりだな。何ヶ月ぶりだ?ブーン」
ξ#゚听)ξ「ちょっと私は無視?」
ツンとクーの口論……ツンの一方的な愚痴にクーが対応する形が始まる。
ブーンは少し困った表情をしながらも、笑顔を崩すことなく、ぃょぅの隣に座り込む。
( ^ω^)「ぃょぅ聞いたおー!結構仕事頑張ってるらしいじゃないかおー!」
(=゚ω゚)ノ「あったりまえだょぅ!せっかく貰った仕事、無駄にはしたくないょぅ!」
( ^ω^)「おっおっ」
- 94: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:18:46.40 ID:kNvOJa9U0
- しばらくの間、ブーンとぃょぅ、ツンとクーの会話をした後、
四人はもともとのペアへと戻った。
ツンとブーンは近場の駅で降りるらしく、ものの数分で電車から姿を消したからだ。
(=゚ω゚)ノ「いやー、あいつらも元気そうで良かったょぅ!」
川 ゚ -゚)「あの二人は年中無休で元気だろ。不健康なのはお前くらいだ」
(=゚ω゚)ノ「いや、あの……ほんと悲しくなるんで、そういうの辞めてもらえますか?」
川 ゚ -゚)「不健康!引きこもり!オタク!」
(=;ω;)ノ 「いやああああああ!!!!」
しかし、このような冗談を言えるようになったのも、そう昔からではない。
ぃょぅがネトゲ依存症を完全に抜け出し、社会復帰してから。
そう、ブーンに救われてからである。
- 95: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:24:35.36 ID:kNvOJa9U0
- (=゚ω゚)ノ 「ツンちゃんとブーンとジョルジュが初めて見舞いに来てくれたとき……」
あのときは、自分は完全なネトゲ廃人であった。
それに加えて、多重人格症状。
ゲームのキャラになりきるという、まだ症状の軽いほうではあったが。
(=゚ω゚)ノ 「その日の晩、ゲーム内で『BOOM』から声掛けられた時はびっくりしたょぅ!」
俺が話したキャラ名を覚えていたらしく、その日の晩に声を掛けてきたのだ。
まあ、自分の名前は、そのゲーム内ではかなり有名なほうだから、覚えられるのも無理ないが…
(=゚ω゚)ノ 「ブーンに声掛けられて助かったょぅ。ゲーム以外でもメールするようになったし……
ブーンに促されてゲームも少しずつ抜け出せて……
仕事まで見つけてもらって……本当に感謝だょぅ」
今の状況になるまで、かなり長い時間がかかった。
もともと、事故の後遺症で、満足に動ける体ではないのだ。
だが、クー、こいつの支えのおかげで、何とかここまでたどり着くことが出来た
- 96: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:29:23.94 ID:kNvOJa9U0
- 「終点〜終点〜VIP町〜」
いつの間にか終点まで来ていたらしい。
俺とクーは電車を降り、あたりを見回した。
(=゚ω゚)ノ 「結構都会だょぅ……」
川 ゚ -゚)「ここまで来たのは初めてだな」
あたりをキョロキョロしながら、二人は町の中へと溶け込んでいく。
町へ出た瞬間、二人は人の荒波へと飲み込まれる。
川 ゚ -゚)「あーれー」
(;=゚ω゚)ノ 「ちょwwwクーどこだょぅwwww流されるwwww」
あっという間に、二人は離れ離れとなり、
お互いの姿が確認できなくなるほどの距離が出来た。
- 98: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:38:17.40 ID:kNvOJa9U0
- (;=゚ω゚)ノ 「電話して合流するょぅ!」
急いでクーの電話番号を探し、それに掛ける。
しばらくのコール音の後、クーが電話に出たが、
あたりの人の話し声で、ほとんど声が聞こえない状態である。
(;=゚ω゚)ノ「クー?今どこだょぅ!?」
「ぎゃはははまじありえねー」「どんだけだよ!」
「いえ、はい……今日の会議は……いえ」『おお、ぃょぅか?』「申し訳ありません……」
(;=゚ω゚)ノ「あんまり聞こえないょぅ……今ドコだょぅ!合流するょぅ!」
「おねえちゃんきれいだねー」「一緒にお茶しない?」『断る』「ちっ、つれねー」
「見ろよこれ、アイフォン!」「ただのワンダースワンじゃんwwww」
(;=゚ω゚)ノ「ええ!?断るのかょぅ!?」
「メイドカフェはいかがですかー!」「ギコ君……やっと会えた」『勘違いするな。ナンパを断ったんだ』
「しぃ……」「かわいい女の子いっぱいいますよー!!」
(;=゚ω゚)ノ「そ、そうかょぅ。とりあえず、さっきの駅で合流するょぅ!」
「ずっと……会いたかった……寂しかった」「ちょー人多い!うざい!」
「俺も……。ごめんな、お前の気持ちに気づいてやれなくて」『了解、電話切るぞー』「好きだ」プツッ
- 99: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:44:00.74 ID:kNvOJa9U0
- ようやく駅で合流することが出来たクーと俺。
こんなところではゆっくり話すことすら出来ないと判断した俺たちは、
来たばっかりにもかかわらず、元の場所へと帰ることを決めた。
川 ゚ -゚)「gdgdだな」
(;=゚ω゚)ノ 「おめーのせいだょぅ!」
ぶつぶついいながら電車に乗り込む二人。
電車に乗って、しばらく。
他愛の話をしていた途中、クーが突然、いつもより深い表情になった。
川 ゚ -゚)「……ちょっと、よりたい所があるんだ」
(=゚ω゚)ノ「ょぅ……?どうした、そんなに改まって」
川 ゚ -゚)「VIP高校……私の母校」
(=゚ω゚)ノ 「……んで、俺の今の職場……かょぅ?」
- 102: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:51:06.90 ID:kNvOJa9U0
- 電車が止まる。
電車を降りる。
歩き出す。
到着したのは、現在の俺の職場、VIP高校だ。
(=゚ω゚)ノ(っていっても、食堂の皿洗い担当なんだけど)
ブーンが見つけてくれた仕事は、学校の食堂の仕事。
ちょうど人手が足りないと聞きつけたブーンが、俺を紹介してくれたらしい。
面接などがあったが……何とか、合格することができた。
(=゚ω゚)ノ「俺があそこで仕事始めてから、ブーンの奴、『裏道』とかいいやがってょぅwwww」
川 ゚ -゚)「ぃょぅに頼んで、列に並ばずに料理貰ってたからな」
(=゚ω゚)ノ「俺も恩がある以上、断れなかったんだょぅw」
- 105: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 21:55:39.29 ID:kNvOJa9U0
- クーと話しながら、俺達は学校の敷地内に入る。
目的地が決まっているようで、クーは止まること無しにどんどん進んでいく。
(=゚ω゚)ノ 「おいおい……どこ行くんだょぅ?」
川 ゚ -゚)「大丈夫だ。日曜日だし、生徒はいない」
(=゚ω゚)ノ 「そういう問題じゃ……」
そしていよいよ、校舎へと入っていく。
クーは靴を脱ぎ、手に持ち、勢いを落とすことなく進んでいく。
俺はもう、ただ着いていくほかなかった。
クーは、どんどん階段を上る。
階段を、ひたすら上る。
一階、二階、三階、四階……
辿り着いたのは、屋上への扉。
- 106: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:00:06.19 ID:kNvOJa9U0
- (=゚ω゚)ノ「クー」
川 ゚ -゚)「……着いてきてくれるか?」
(=゚ω゚)ノ 「……」
この場所に来たのは一体何年ぶりだろうか。
いやだ、思い出したくはない。
出来れば、ここには二度と来たくないと思っていた。
(=゚ω゚)ノ 「……行くょぅ」
だが、クーがここに連れてきたのには、理由があるはずだ。
嫌なことを思い出すために連れて来るような奴じゃない。
川 ゚ -゚)「……」
鍵の番号は、俺も覚えている。
1192 801
扉が、開く。
- 108: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:02:52.71 ID:kNvOJa9U0
扉の先には、大空が待っていた。
あの時と変わらない、美しく、広い空が。
そして、もう一人。待っている者が。
俺のよく知っている顔。
ずっと仲間だった顔、友達と思っていた顔。
从'ー'从「……やっほ、ぃょぅ君」
渡辺が、そこにはいた。
- 109: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:05:56.60 ID:kNvOJa9U0
(=゚ω゚)ノ 「わた……な……べ……」
普通に名前を呼ぶつもりだった。
だが、震えが。震えが止まらない。
川 ゚ -゚)「落ち着いてくれ。大丈夫だから」
大丈夫だから?
何を持って大丈夫と言っているのだろう。
あの時、誰が敵だと思った?
あの時、誰が、渡辺が……思った?
从'ー'从「ぃょぅ君……」
いつも元気で、能天気で、明るい渡辺。
俺の覚えている渡辺は、上記の通り。
だが、ここにいる渡辺は、ちょっと違う。俺の知るあいつとは、何か違う。
- 110: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:09:54.26 ID:kNvOJa9U0
- 从'ー'从「あの時の私は、何も見えていなかった」
誰に言われるでもなく、渡辺は語りだす。
俺とクーは、ただ、それを聞くだけ。
从'ー'从「クーちゃんと親密な関係になりたかった。ただそれだけを考えて……」
从'ー'从「あなたが、邪魔って考えるようになって……」
从;ー;从「おかしいよね……ずっと友達だったのに……」
渡辺の目から涙がこぼれる。
なんでだろう。同じとき、俺の目からも、涙がこぼれてくる。
从;ー;从「いつも三人で食べてたよね、昼ごはん。この屋上で」
从;ー;从「追いかけっこしたり、馬鹿な遊びもしたり……」
从;ー;从「……最初はこんな風になるなんて思ってなかったんだよぅ……」
- 111: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:13:59.00 ID:kNvOJa9U0
- 从;ー;从「持ってきたカッターで、網に傷を付けた。切った」
从;ー;从「あなたが網の近くに行って、クーがその前で話していた」
从;ー;从「私はクーちゃんの背中を押した……覚えてる?」
震える。体が。
恐怖か、涙か、それとも、渡辺を見てか。
どれが理由なのかは、俺にも分からない。
从;ー;从「クーちゃんがぐらっと倒れて、ぃょぅ君を支えにして……」
从;ー;从「……ぃょぅ君、落ちて……」
渡辺の涙が、より大きくなる。
すでに、声は涙声となり震えており、それでも、止まることはない。
从;ー;从「下半身に障害残って……学校辞めちゃったんだよね」
- 113: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:17:09.25 ID:kNvOJa9U0
- 俺が知っている事実は、ここまで。
ここから先の俺は、もう、未来がないかのような、毎日を過ごし始める。
从;ー;从「事故として扱われて……でも、わたしは、自分で学校辞めて」
从;ー;从「クーちゃんだけがこの学校に残って……」
从;ー;从「VIP中学三人衆は、完全にバラバラになっちゃったね……」
懐かしいその響き。
あの輝かしい過去、一度だって、忘れたことはない。
从;ー;从「ごめん、ごめんね」
从;ー;从「全部私のせいだよね。ごめん。謝っても謝りきれないよね。
ごめんなさい。本当にごめんなさい……」
- 114: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:20:15.75 ID:kNvOJa9U0
そこから先の渡辺は、崩れるように泣き出した。
時々聞き取れる言葉は、「ごめんなさい」の一言。
ただ、その一言を、ずっと続けている。
川 ゚ -゚)「……」
クーの表情も、いつもより揺らいで見える。
おそらく、今日渡辺が話す内容は聞いていたはずだ。
それでも、やっぱり。
(=;ω;)ノ「……」
何か、返事をしないといけないな。
俺は男だ、ぃょぅ。
ここでビシッと決めるのが、正しい男の生き様だろう。
(=;ω;)ノ「わた……なべ……」
- 115: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:24:56.45 ID:kNvOJa9U0
(=;ω;)ノ「お、俺さ……今ゲームつくってんだ。みんなの思い出のゲーム」
(=;ω;)ノ「それに出てくるお前さ……」
(=;ω;)ノ「すんげー淫乱なんだょぅww」
(=;ω;)ノ「クーとレズったり、バイブでクーイカせたり……」
川 ゚ -゚)(引くわー)
(=;ω;)ノ「お前が、卒業式の日にさ」
(=;ω;)ノ「ラブホで、俺挑発したりするからだょぅw」
(=;ω;)ノ「そーゆー、馬鹿なイメージしかねーんだよ。おれの中のお前はさ」
(=;ω;)ノ「だから……」
(=;ω;)ノ「泣くの辞めて、笑えょぅ。ボケろょぅ。」
(=;ω;)ノ「俺の知ってる渡辺でいてくれょぅ!」
- 116: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:30:25.49 ID:kNvOJa9U0
从'ー'从「りょーかいー♪」
(=゚ω゚)ノ「え?」
从'ー'从「いやー、良かったー!ぃょぅ君が許してくれて」
(=゚ω゚)ノ「え、何。ちょっと」
从'ー'从「クーちゃん良かったよー♪」
川 ゚ -゚)「……」
从'ー'从「ちゃんと反省してますよ!本当だよ!?信じてないの!?」
(=゚ω゚)ノ「……」
川 ゚ -゚)「……」
从'ー'从「し、信じてくれないなら……」
- 117: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:34:54.30 ID:kNvOJa9U0
从'ー'从「脱ぐよ!」
川 ゚ -゚)「……」
(=゚ω゚)ノ 「……ぷっ」
(=゚ω゚)ノ「やっぱりテメーは淫乱じゃねーかょぅ!どうしたら脱ぐっていう結論になるんだょぅ!」
川 ゚ -゚)「え、私が渡辺に吹き込んだんだけど……駄目?」
(=゚ω゚)ノ「ちょっwwwww」
从'ー'从「クーちゃんも一緒に脱ごう!」
川 ゚ -゚)「うん」
(;=゚ω゚)ノ「ちょ!やめろょぅ!俺は帰るょぅ!!」
あわてて屋上から出て行く俺。
その瞬間、俺の目の前は真っ暗になった。
- 119: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:39:07.76 ID:kNvOJa9U0
- (;><)「いってーーんです!!」
(;=゚ω゚)ノ「いてーょぅ!!」
ぶつかったのは一人の男。
学食で見たことがある……この高校の生徒だろう。
(;><)「あわわ、すいませんなんです!」
(;=゚ω゚)ノ「い、いや、俺の方こそ……(こんな所でなにしてんだ?)」
(;><)「い、いえ!屋上に仕掛けておいた盗聴器から、
女性二人の『脱ぐ』という声が聞こえたからここに来た訳じゃないんです!」
(;><)「僕は盗聴常習犯なんかじゃないんです!」
(;=゚ω゚)ノ「え?」
(;><)「し、しまった!ついうっかり!
……に、逃げるんです!!」ドタバタドタバタ
- 120: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:43:20.62 ID:kNvOJa9U0
- あいつが降りていった階段。
その下のほうから、そいつと誰かの話し声が聞こえてきた。
「どどどどどうだった!」
「へんな男に邪魔されたんです先輩!失敗なんです!」
「な、なにぃ!馬鹿野郎!こんなチャンス見逃すつもりか!?」
「すいませんなんです!!
二浪しちゃっていまだに卒業できていないドクオ先輩!!」
「説明口調やめろ!!」
「す、すいませんなんです!ヒトゲノムの作文、wikipediaからそのまんま丸写しして
先生にバレて赤点で浪人しちゃったドクオ先輩!」
「二年前の読者に優しい説明口調やめろ!!」
「わ、わかったんです!」
- 123: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:47:03.66 ID:kNvOJa9U0
(=゚ω゚)ノ「……ぷっ」
今のはアイツか。
しばらく見ないと思ったら、ダブっていたのか。
ということは、今は同学年じゃないか。
(=゚ω゚)ノ「はーっ……久しぶりに騒いだょぅ……」
階段にペタンと座り込み、物思いにふける。
今のもゲームのネタに出来るなぁ、とか、クー編のドクオかっこよすぎたなぁ、とか。
ジョルジュかっこいいとこなさすぐワロタ、とか。
(=゚ω゚)ノ「さて……そろそろ帰るかょぅ」
受験に向けて勉強もしなくちゃいけない。
ゲームつくりは、しばらく出来ないかもしれないな。
俺は立ち上がり、家へ向かって、歩き始めた。
- 125: ◆sHNGWXTAUA :2009/09/23(水) 22:49:11.08 ID:kNvOJa9U0
( ^ω^)('A`)( ,,゚Д゚)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚)
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